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氷の下に眠る魚
その六
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一年の最後の月には様々な儀式がある。
特ににぎやかなのが十二月二十四日のクリスマスイブだ。
古来、冬は一年で最も闇が深い季節で、放置していると弱い者から命を取られると言われて来た。
世界的に見れば季節の変化の乏しい所や逆にこの時期夏に向かう場所すらあるらしいが、それでも年の切り替わりは魔が差す時期らしい。
元々我が国を始め世界各国に年越しのイベントはそれぞれあった。
国々の交流が深くなり、カレンダーが統一されるにつれ、それら互いのイベントのすり合わせが行われることとなったのは、まぁ自然な流れだろう。
なぜなら、世界中で同じ認識でイベントを行ったほうがより強力な効果が得られるからだ。
この辺りのことを主体的に、より積極的に行ったのが唯一教ピアレスの正統教会だった。
なにしろ人々の統一意識について最も研究しているのがこの組織なのだから当然と言えば当然だろう。
そして現在カレンダーに堂々と載っているのが十二月二十五日のクリスマスの日だ。
クリスマスというのは救世主を呼ぶ儀式という意味であり、当日、人々はそれぞれの救済の物語を語らい、家族で贈り物をし合う。
そうやって静かに過ごすことになっているのがクリスマス当日なのだが、その前夜に当たるイブの日には、救世主の訪れを喜ぶパーティがあちこちで行われるのが慣例だ。
なぜなら魔術的には一日は日が落ちた時間から次の日が落ちるまでという認識であり、その考えから行くと二十五日の前夜である二十四日の夜は、既にクリスマス当日ということになり、イベントの始まりを意味する。
ややこしいな。
つまりクリスマスイブとは家族以外の親しい者達と幸福を分かち合う夜なのだ。
今はそのクリスマスイブであり、俺は伊藤さんと約束をしていた。
二人で食事をして、俺の家でプレゼントを交換するという、ものすごく恋人同士らしいイベントだ。
先日、伊藤さんの家にお伺いして正式なお付き合いを申し出た訳なのだが、なんというか、グダグダになってしまった。
彼女の父親であるジェームズ氏が話を聞かずに席を立ってしまったからだ。
伊藤さんのお母さんの話によると、それでも脈のある態度なのだそうである。
本当だろうか?
何しろ俺は伊藤さんの能力の件でお父さんと揉めてしまったからな。
よく言われるように二兎を追っても上手くはいかないのは当然、今はお付き合いの進展よりも彼女の能力が彼女自身に悪い運命を呼び込まない方法を探すほうに注力すべきだろう。
と、頭では殊勝なことを考えていても、心というのはままならないものだ。
いつもよりオシャレをして来た彼女の姿を見て、テンションが上がってしまっているのを感じる。
つまり舞い上がりつつあるのだ。
駄目だろ、俺。
「そういえば新しいプロジェクトの話は聞いた?」
熱を冷ますためとはいえ、俺はよりにもよって仕事の話を始めてしまった。
「あ、年明け一番に開始するという真空保存容器の開発ですね」
「なんでもあえて状態維持の術式を使わないやり方を模索するとか」
「現在は状態維持の術式というか、象徴を刻んで状態の変化をゆっくりとしているんですよね。魔法陣は日用品には使えませんから」
「そうそう、でもお客様からのご要望で、料理によってはあえて時間を経過させたほうが美味しくなる物もあるとかで」
「スープとか煮物とかはそうですね」
「でも温度変化は少ないほうがいいとか」
「それはそうですね」
ダメだ、この話題はいくらなんでも色気が無さ過ぎる。
いや、色気が欲しい訳じゃないんだけどね。
……うそです。
色気は欲しいです。
「木村さん、さっきから百面相をしていますよ? 私、もしかして困らせてます?」
「い、いや、違うから、そういうんじゃないから」
俺の様子がおかしいことに不安を感じたのか、伊藤さんは困ったような顔で俺を見る。
俺は慌ててそれを否定した。
「こ、こういうの、慣れてないからさ」
男が赤くなっても情けないだけだな。
いっそテーブルに突っ伏したい。
デザートと飲み物を待っている時間は本当に間が持たない。
伊藤さんはクスリと笑うと、「私ちょっとお手洗いに行ってきますね」と席を外した。
おおう、気を使わせてしまった。
「俺は何やってんだ、全く」
「女性のエスコートは気取らず自然体でやるのが一番だぜ」
聞こえた声に一瞬で鳥肌が立つ。
反射的に顔を向けると、シャンパングラスを手にした野郎がそこにいた。
「てめぇ、何やってんだ」
「何ってパーティを楽しんでるのさ。全く人間は楽しいよな。こんな細かい工夫で身を護ろうとする健気さが素晴らしい」
そこにいた因縁の野郎、終天は、抜け抜けとそう言ってのけた。
「このレストランは立食パーティ中じゃねえぞ。行儀が悪いな」
「誰にも気づかれないんだから別にいいだろ?」
今ここでやりあう訳にはいかない。
巻き込まれる人が多すぎるし、もしこいつが本気を出したら被害がどのぐらいになるかわからないのだ。
下手すると都市自体が吹っ飛ぶ恐れすらある。
俺は沸き起こる怒りをねじ伏せると、野郎を睨みながら周囲を伺った。
周りの客も従業員も、終天に気づいた風もなかった。
いや、こっちに注意を向けもしない。
「人避けしてまで何の用事だ? 迷宮《いえ》はどうした? 空き巣が入ってるんじゃねえか?」
「冒険者というのは以外と迷信深い者が多くてな。今日は数組程度しか訪れてないな。二桁目のフロアからは位相をずらしてより多くの挑戦者を受け入れるようにしてみたんだが、これが好評でな。最近は大賑わいだったんだぜ?」
「へぇ」
その話は聞いていた。
なんでも序盤は人数制限があった迷宮は、深くなる程にパーティの許容量を増やしていったらしい。
しかし一度に入れる人数が増えると、今度は内部で冒険者同士の争いが頻発した。
酒匂さん達はかなり頭の痛い思いをしたようだった。
それが二桁のエリアに入ったら、今度はいつでも何人でも入れるのだが、内部でお互いに遭遇しない仕様になった。
争いが無くなったのはいいが、これは逆に言えば多くのパーティで協力しての攻略が不可能になったということでもある。
良いことばかりでは無いのだ。
未だに俺はこいつが何を考えているのかがわからない。
単にお遊びで楽しんでいるだけならいい。
いや、よくはないが、そこには裏がないということだから真正面から挑戦して得られる物がある現状は人類的には決して悪くはないのだ。
だが、こいつはそんな単純な野郎ではない。
「そんなに警戒しなくとも、俺は滅ぼすとか滅ぼされるとか頭のわりぃこたあ嫌いでな。やる気もやらせる気もねえよ」
「じゃあ何を考えているんだ」
「理解れよ、家族だろ?」
「ねえよ!」
ガタンと、立ち上がった俺を周囲の客が何事かと見る。
既に終天の姿はない。
くそが。
俺は周囲に頭を下げると再び座った。
あの野郎のおかげで舞い上がった気持ちは地よりも深く沈んでしまった。
てめぇの趣味なんか関係ない。
さっさと滅びちまえ。
「何かありました?」
ふと気づくと伊藤さんが心配そうに俺を覗き込んでいた。
伊藤さんが戻って来た気配に気づけ無いとは、ほんと、俺も修行が足りないな。
まぁ今やまともな修行なんぞしていない現状だけどな。
「いや、嫌いな知人に会ってしまっただけです。せっかくの夜を台無しにしやがって」
俺の悪態に、伊藤さんは怯むどころかちょっと微笑まし気に笑う。
「でも、さっきまでのぎこちない感じが抜けていつもの感じに戻ってますよ。私はそのほうが気が楽でいいです」
「ええっ?」
伊藤さんの言葉に毒気を抜かれた体で脱力する。
いたずらっぽく笑う伊藤さんがまるで子供のようで、俺はさっきの苛立ちを忘れて一緒にクスクスと笑い出していた。
こんな夜にあんな野郎のことを考えるのはもったいないよな。
今は彼女と過ごす時間のことを考えるべきだろう。
先のことは先へと進みながら考える。
俺は器用じゃないから事前に色々と考えて計画立ててそれを実現していくことなんて出来やしないんだ。
俺は俺らしくやっていくしかない。
仕事のことも、終天の野郎も、まぁ今はいいや。
運ばれて来たスパークリングワインのグラスを互いに触れ合わせると小さく透き通った音が響いた。
料理の締めに白のスパークリングワインってどうなのかな? 俺はすっきりするから好きなんだけどな。
でも、小さいケーキが出て来るならコーヒーのほうが良かったかもしれない。
「呼ばれた救世主が困惑するぐらい幸せになれるといいですね」
「え?」
何気なく伊藤さんが言った言葉を不思議に思って聞き返す。
「だってクリスマスって救世主の訪れを祈る日なんでしょう? 私達が幸せで別に困っていなかったら救世主も困惑するでしょ? やることがないって、呆れて、そして一緒に平和に暮らすんです」
「斬新な願いですね」
「だって、物語の最後はめでたしめでたしが定番じゃないですか。それなら最初から平和なほうがいいと思うんです」
「始まる前に終わっているんですね」
「やっぱり変ですか?」
伊藤さんはむうっと口を尖らせた。
可愛い。
「いえ、俺もそんな世界で生きてみたいと思いますよ」
人の願いは純粋な力だ。
彼女の小さな願いは、世界の中へ小さなきらめく光を注ぐだろう。
俺たちは連れ立って家路を辿り、聖なる夜は静かに深まっていった。
特ににぎやかなのが十二月二十四日のクリスマスイブだ。
古来、冬は一年で最も闇が深い季節で、放置していると弱い者から命を取られると言われて来た。
世界的に見れば季節の変化の乏しい所や逆にこの時期夏に向かう場所すらあるらしいが、それでも年の切り替わりは魔が差す時期らしい。
元々我が国を始め世界各国に年越しのイベントはそれぞれあった。
国々の交流が深くなり、カレンダーが統一されるにつれ、それら互いのイベントのすり合わせが行われることとなったのは、まぁ自然な流れだろう。
なぜなら、世界中で同じ認識でイベントを行ったほうがより強力な効果が得られるからだ。
この辺りのことを主体的に、より積極的に行ったのが唯一教ピアレスの正統教会だった。
なにしろ人々の統一意識について最も研究しているのがこの組織なのだから当然と言えば当然だろう。
そして現在カレンダーに堂々と載っているのが十二月二十五日のクリスマスの日だ。
クリスマスというのは救世主を呼ぶ儀式という意味であり、当日、人々はそれぞれの救済の物語を語らい、家族で贈り物をし合う。
そうやって静かに過ごすことになっているのがクリスマス当日なのだが、その前夜に当たるイブの日には、救世主の訪れを喜ぶパーティがあちこちで行われるのが慣例だ。
なぜなら魔術的には一日は日が落ちた時間から次の日が落ちるまでという認識であり、その考えから行くと二十五日の前夜である二十四日の夜は、既にクリスマス当日ということになり、イベントの始まりを意味する。
ややこしいな。
つまりクリスマスイブとは家族以外の親しい者達と幸福を分かち合う夜なのだ。
今はそのクリスマスイブであり、俺は伊藤さんと約束をしていた。
二人で食事をして、俺の家でプレゼントを交換するという、ものすごく恋人同士らしいイベントだ。
先日、伊藤さんの家にお伺いして正式なお付き合いを申し出た訳なのだが、なんというか、グダグダになってしまった。
彼女の父親であるジェームズ氏が話を聞かずに席を立ってしまったからだ。
伊藤さんのお母さんの話によると、それでも脈のある態度なのだそうである。
本当だろうか?
何しろ俺は伊藤さんの能力の件でお父さんと揉めてしまったからな。
よく言われるように二兎を追っても上手くはいかないのは当然、今はお付き合いの進展よりも彼女の能力が彼女自身に悪い運命を呼び込まない方法を探すほうに注力すべきだろう。
と、頭では殊勝なことを考えていても、心というのはままならないものだ。
いつもよりオシャレをして来た彼女の姿を見て、テンションが上がってしまっているのを感じる。
つまり舞い上がりつつあるのだ。
駄目だろ、俺。
「そういえば新しいプロジェクトの話は聞いた?」
熱を冷ますためとはいえ、俺はよりにもよって仕事の話を始めてしまった。
「あ、年明け一番に開始するという真空保存容器の開発ですね」
「なんでもあえて状態維持の術式を使わないやり方を模索するとか」
「現在は状態維持の術式というか、象徴を刻んで状態の変化をゆっくりとしているんですよね。魔法陣は日用品には使えませんから」
「そうそう、でもお客様からのご要望で、料理によってはあえて時間を経過させたほうが美味しくなる物もあるとかで」
「スープとか煮物とかはそうですね」
「でも温度変化は少ないほうがいいとか」
「それはそうですね」
ダメだ、この話題はいくらなんでも色気が無さ過ぎる。
いや、色気が欲しい訳じゃないんだけどね。
……うそです。
色気は欲しいです。
「木村さん、さっきから百面相をしていますよ? 私、もしかして困らせてます?」
「い、いや、違うから、そういうんじゃないから」
俺の様子がおかしいことに不安を感じたのか、伊藤さんは困ったような顔で俺を見る。
俺は慌ててそれを否定した。
「こ、こういうの、慣れてないからさ」
男が赤くなっても情けないだけだな。
いっそテーブルに突っ伏したい。
デザートと飲み物を待っている時間は本当に間が持たない。
伊藤さんはクスリと笑うと、「私ちょっとお手洗いに行ってきますね」と席を外した。
おおう、気を使わせてしまった。
「俺は何やってんだ、全く」
「女性のエスコートは気取らず自然体でやるのが一番だぜ」
聞こえた声に一瞬で鳥肌が立つ。
反射的に顔を向けると、シャンパングラスを手にした野郎がそこにいた。
「てめぇ、何やってんだ」
「何ってパーティを楽しんでるのさ。全く人間は楽しいよな。こんな細かい工夫で身を護ろうとする健気さが素晴らしい」
そこにいた因縁の野郎、終天は、抜け抜けとそう言ってのけた。
「このレストランは立食パーティ中じゃねえぞ。行儀が悪いな」
「誰にも気づかれないんだから別にいいだろ?」
今ここでやりあう訳にはいかない。
巻き込まれる人が多すぎるし、もしこいつが本気を出したら被害がどのぐらいになるかわからないのだ。
下手すると都市自体が吹っ飛ぶ恐れすらある。
俺は沸き起こる怒りをねじ伏せると、野郎を睨みながら周囲を伺った。
周りの客も従業員も、終天に気づいた風もなかった。
いや、こっちに注意を向けもしない。
「人避けしてまで何の用事だ? 迷宮《いえ》はどうした? 空き巣が入ってるんじゃねえか?」
「冒険者というのは以外と迷信深い者が多くてな。今日は数組程度しか訪れてないな。二桁目のフロアからは位相をずらしてより多くの挑戦者を受け入れるようにしてみたんだが、これが好評でな。最近は大賑わいだったんだぜ?」
「へぇ」
その話は聞いていた。
なんでも序盤は人数制限があった迷宮は、深くなる程にパーティの許容量を増やしていったらしい。
しかし一度に入れる人数が増えると、今度は内部で冒険者同士の争いが頻発した。
酒匂さん達はかなり頭の痛い思いをしたようだった。
それが二桁のエリアに入ったら、今度はいつでも何人でも入れるのだが、内部でお互いに遭遇しない仕様になった。
争いが無くなったのはいいが、これは逆に言えば多くのパーティで協力しての攻略が不可能になったということでもある。
良いことばかりでは無いのだ。
未だに俺はこいつが何を考えているのかがわからない。
単にお遊びで楽しんでいるだけならいい。
いや、よくはないが、そこには裏がないということだから真正面から挑戦して得られる物がある現状は人類的には決して悪くはないのだ。
だが、こいつはそんな単純な野郎ではない。
「そんなに警戒しなくとも、俺は滅ぼすとか滅ぼされるとか頭のわりぃこたあ嫌いでな。やる気もやらせる気もねえよ」
「じゃあ何を考えているんだ」
「理解れよ、家族だろ?」
「ねえよ!」
ガタンと、立ち上がった俺を周囲の客が何事かと見る。
既に終天の姿はない。
くそが。
俺は周囲に頭を下げると再び座った。
あの野郎のおかげで舞い上がった気持ちは地よりも深く沈んでしまった。
てめぇの趣味なんか関係ない。
さっさと滅びちまえ。
「何かありました?」
ふと気づくと伊藤さんが心配そうに俺を覗き込んでいた。
伊藤さんが戻って来た気配に気づけ無いとは、ほんと、俺も修行が足りないな。
まぁ今やまともな修行なんぞしていない現状だけどな。
「いや、嫌いな知人に会ってしまっただけです。せっかくの夜を台無しにしやがって」
俺の悪態に、伊藤さんは怯むどころかちょっと微笑まし気に笑う。
「でも、さっきまでのぎこちない感じが抜けていつもの感じに戻ってますよ。私はそのほうが気が楽でいいです」
「ええっ?」
伊藤さんの言葉に毒気を抜かれた体で脱力する。
いたずらっぽく笑う伊藤さんがまるで子供のようで、俺はさっきの苛立ちを忘れて一緒にクスクスと笑い出していた。
こんな夜にあんな野郎のことを考えるのはもったいないよな。
今は彼女と過ごす時間のことを考えるべきだろう。
先のことは先へと進みながら考える。
俺は器用じゃないから事前に色々と考えて計画立ててそれを実現していくことなんて出来やしないんだ。
俺は俺らしくやっていくしかない。
仕事のことも、終天の野郎も、まぁ今はいいや。
運ばれて来たスパークリングワインのグラスを互いに触れ合わせると小さく透き通った音が響いた。
料理の締めに白のスパークリングワインってどうなのかな? 俺はすっきりするから好きなんだけどな。
でも、小さいケーキが出て来るならコーヒーのほうが良かったかもしれない。
「呼ばれた救世主が困惑するぐらい幸せになれるといいですね」
「え?」
何気なく伊藤さんが言った言葉を不思議に思って聞き返す。
「だってクリスマスって救世主の訪れを祈る日なんでしょう? 私達が幸せで別に困っていなかったら救世主も困惑するでしょ? やることがないって、呆れて、そして一緒に平和に暮らすんです」
「斬新な願いですね」
「だって、物語の最後はめでたしめでたしが定番じゃないですか。それなら最初から平和なほうがいいと思うんです」
「始まる前に終わっているんですね」
「やっぱり変ですか?」
伊藤さんはむうっと口を尖らせた。
可愛い。
「いえ、俺もそんな世界で生きてみたいと思いますよ」
人の願いは純粋な力だ。
彼女の小さな願いは、世界の中へ小さなきらめく光を注ぐだろう。
俺たちは連れ立って家路を辿り、聖なる夜は静かに深まっていった。
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