149 / 296
竜の御子達
拘束
しおりを挟む
隊商の長をやっているショソルは商人ではない。
商組合専門の巡回隊商の長として雇われているのだ。
元々はこの国よりもっと北東の地域で移動して生活していた遊牧の民の出身だったが、その一族の騎馬の能力が戦力として各国から高く評価されたため、戦奴としての価値を高めてしまい。彼の部族は何度もの人狩りの襲撃により壊滅していた。
彼自身も奴隷として売られたのだが、ショソルは戦争が終わるまで運良く生き残った幸運な一人である。
戦争中に騎馬小隊の隊長として僅かな手勢を使っていた経歴が彼に人を使うコツを教え、その能力の高さで今の仕事にありつく事が出来たのだ。
戦争奴隷として生きた歳月が彼の新たな能力を開花させた訳だが、当然ながら彼がその事に感謝したことなどない。
だが、ともかくも、彼はこの国で仕事を得、他人任せに出来ない責任を負う立場となっていた。
たとえ、「上の立場からも下の立場からも、誰かに押し付けたいと思った物事を丁度良く押し付けられる位置にいる訳だ」と思っていたとしても、それを本人がぼやいたことは無かった。
異常な程に静まり返った森の中を、ショソルは彼が手ずから育て上げた馬を操りながら慎重に進む。
今から立ち向かわなければならない相手を思えば、慎重すぎるということは無い。
注意深く観察したショソルは、青い、萌え始めの草が踏まれて地面に横たわり、独特の警告の匂いを発しているのを見つける。
匂いというものは世界において大声で語られる情報のかたまりだ。
彼は掘り返された土、皮を剥ぎ取られた木々、落ちるべきではない時に落ちた木の葉、それらの匂いが風に乗って届く、その根源を目指す。
やがて音が聞こえてくる。
『異常な』音だ。
「死ねよ、諦めてシネ!」
「ア、アヤマちを正さなければ、カタ、チが崩れてしまう。ナラ、先にバラバラになってしまえ!」
地面に落ちる前の木の葉が細い鉄線に貫かれ木の幹に縫いとめられる。
降り積もった木の葉によって柔らかく発酵している土が、永く続くはずのまどろみから覚まされ、臓物のような湿った奥底を撒き散らした。
これ以上の接近は危険を越えて死線である。
ショソルはそう判断すると懐から小さな道具を取り出した。
一つは金属で作られた棒を細工したと思われる小さな物で、一箇所が木の柄に差し込まれ、そこが握りとなっている。
もう一つ、それと同じような金属の、こちらは握りのない金属のみで出来た小さな細い棒だ。
これをそれぞれ片方ずつの手に持つと、足の挟む力だけで馬を操り、二つの金属部分を鋭い動きで打ち合わせる。
ピイィイイインともキイィイインとも聞こえる、音としては小さいが、空気を強く振動させる響きが彼を中心に広がった。
「がああああっ!!!」
「くぁっ!!」
途端に、今まで暴力の渦を作り出していた二人の男が頭を押さえてうずくまる。
「で、どうなんだ、もうまともな世界は御終いにして、今まで手にかけた死者に謝りに行く気になったということなのか?」
うずくまる二人、商組合配属用心棒のギルマウとムカリは、そこにいる男が誰なのか瞬時に正確に把握し、頭を抱えながら立ち上がった。
「ち、奴隷頭の登場か」
「人聞きの悪い。俺はそんなもんじゃないし、貴様等も一応奴隷じゃあないだろ? それどころか他人の羨望の的である国の子飼いの兵の一人だ」
「オ、オ、オレはコイツ止めたダケ、封具、使うなんて、ヒドい」
「そうだったか、そりゃ、悪かったなムカリ。だが、相方が暴走しないように気を付けるのもお前の仕事の内なんだし、これも仕方ない罰だと思って受けとけ」
「わ、わかった」
聞き分け良く頷くムカリを見て、一方のギルマウは呆れたように言った。
「オイオイ、わかったのか、本当に? これは全く、うちの相棒殿は、いとしすぎて震えがくるレベルだ」
その痩身の男、ギルマウは尚も頭を押さえながら、ゆらりと体を傾ける。
「はいはい、俺は痛みに弱い性質でね、もう痛いのはごめんだ、通常任務に戻る。遊びは終わりだ」
「お、オレも任務、戻るぞ」
ライカは繋げていた意識を切り離し、急激に水から浮上するかのような覚醒に至った。
悪夢から覚めたかのようにどこか安堵を覚えながら、改めて周囲の様子を認識する。
馬車の油臭さと馬の排泄物の香りが少し鼻に付くが、今まで認識していた濃厚な森の気配と、癖のある人間達の垂れ流す暴力的な意識の奔流から抜け出した開放感をじっくりと味わう。
「あの封具っていうのが呪具かな? なんかややこしいけど」
「恐らくそうだな」
サッズの方は特別意識を伸ばしていた訳でもなくそこを注目していただけなので、視線を戻しただけの感覚なのだろう、ライカ程大きなリアクションは無く、何かを考える風だった。
「なんであれを鳴らしたらあの二人が苦しんでたんだろう?」
「それなんだが、あの金属の道具を鳴らした時に連中の頭の中で共振が起きていた。恐らくそれが原因だろうな」
「どういうこと?」
「呪いというものは根本的には共振、共鳴りを利用した物なんだ。要するに相似物に打撃を与えることによってその本物に障りを起こさせるみたいな」
ライカは暫し考えると、
「ってことはあの二人の頭の中にあの金属と似た物があるってこと?」
「恐らく、な。流石にあいつらの体の中までは見れないが、鳴ってたってことはそうなんだろう」
「そういうのって初めから入ってるはずがないから後から入れたんだよね?」
「俺は人間の体についてそんなに詳しくないが、お前がそう言うならそうなんだろう」
「う~」
ライカは口を押さえてしゃがみ込んだ。
「どうした? 大丈夫か?」
「考えたら気持ち悪くなってきた」
「確かになんか気分が悪くなる話だな。だが、本人達は気にしてないようだし、それをお前が気にすることはないだろう」
「うん、でも、なんかそういうのって怖い」
急に空気が冷えたかのように鳥肌を立てたライカは腕をこすった。
「だがまぁ、知っておくのは大事なことだ。人間が同族にただ優しくはないということをお前は知っておくべきだ。そして俺もな」
ライカは目を上げてサッズをじっと見る。
「反対?」
ライカが人の世界に住むことに対して反対なのか? とライカは心声と共に聞いた。
「俺はずっと反対してただろ? だけどお前が決めたことに従うさ」
「サッズは人間が嫌いなのかな? と思ってたけど違うんだ」
「あの頃はお前等親子以外の人間を知らないのに嫌いになったりする訳がないだろ。だが、だからといってお前が人間と暮らすのが当然だとは思わない。本来の種族がどうだろうと家族は家族だ。セルヌイは頭が堅いんだ」
「セルヌイは別に俺が家族じゃないとか思ってないよ」
「当たり前だろ、わかってるさ」
「ごめん」
ライカは自分の我儘をわかっているのでそうサッズに告げる。
だが、
「謝るなら連れて帰るぞ」
そう言われて謝る訳にはいかなくなった。
「わかった。ごめんは、なし」
「良い度胸だ」
ライカはムッとした顔のサッズに向かって笑ってみせた。
「ありがとう。だよね」
サッズはぎょっとしたようにライカの顔を見直すと、はあと息を吐く。
「お前は、ほんとに」
そして素早くライカのその子供らしい柔らかな頬を抓んで引っ張った。
「どうしようもないな」
商組合専門の巡回隊商の長として雇われているのだ。
元々はこの国よりもっと北東の地域で移動して生活していた遊牧の民の出身だったが、その一族の騎馬の能力が戦力として各国から高く評価されたため、戦奴としての価値を高めてしまい。彼の部族は何度もの人狩りの襲撃により壊滅していた。
彼自身も奴隷として売られたのだが、ショソルは戦争が終わるまで運良く生き残った幸運な一人である。
戦争中に騎馬小隊の隊長として僅かな手勢を使っていた経歴が彼に人を使うコツを教え、その能力の高さで今の仕事にありつく事が出来たのだ。
戦争奴隷として生きた歳月が彼の新たな能力を開花させた訳だが、当然ながら彼がその事に感謝したことなどない。
だが、ともかくも、彼はこの国で仕事を得、他人任せに出来ない責任を負う立場となっていた。
たとえ、「上の立場からも下の立場からも、誰かに押し付けたいと思った物事を丁度良く押し付けられる位置にいる訳だ」と思っていたとしても、それを本人がぼやいたことは無かった。
異常な程に静まり返った森の中を、ショソルは彼が手ずから育て上げた馬を操りながら慎重に進む。
今から立ち向かわなければならない相手を思えば、慎重すぎるということは無い。
注意深く観察したショソルは、青い、萌え始めの草が踏まれて地面に横たわり、独特の警告の匂いを発しているのを見つける。
匂いというものは世界において大声で語られる情報のかたまりだ。
彼は掘り返された土、皮を剥ぎ取られた木々、落ちるべきではない時に落ちた木の葉、それらの匂いが風に乗って届く、その根源を目指す。
やがて音が聞こえてくる。
『異常な』音だ。
「死ねよ、諦めてシネ!」
「ア、アヤマちを正さなければ、カタ、チが崩れてしまう。ナラ、先にバラバラになってしまえ!」
地面に落ちる前の木の葉が細い鉄線に貫かれ木の幹に縫いとめられる。
降り積もった木の葉によって柔らかく発酵している土が、永く続くはずのまどろみから覚まされ、臓物のような湿った奥底を撒き散らした。
これ以上の接近は危険を越えて死線である。
ショソルはそう判断すると懐から小さな道具を取り出した。
一つは金属で作られた棒を細工したと思われる小さな物で、一箇所が木の柄に差し込まれ、そこが握りとなっている。
もう一つ、それと同じような金属の、こちらは握りのない金属のみで出来た小さな細い棒だ。
これをそれぞれ片方ずつの手に持つと、足の挟む力だけで馬を操り、二つの金属部分を鋭い動きで打ち合わせる。
ピイィイイインともキイィイインとも聞こえる、音としては小さいが、空気を強く振動させる響きが彼を中心に広がった。
「がああああっ!!!」
「くぁっ!!」
途端に、今まで暴力の渦を作り出していた二人の男が頭を押さえてうずくまる。
「で、どうなんだ、もうまともな世界は御終いにして、今まで手にかけた死者に謝りに行く気になったということなのか?」
うずくまる二人、商組合配属用心棒のギルマウとムカリは、そこにいる男が誰なのか瞬時に正確に把握し、頭を抱えながら立ち上がった。
「ち、奴隷頭の登場か」
「人聞きの悪い。俺はそんなもんじゃないし、貴様等も一応奴隷じゃあないだろ? それどころか他人の羨望の的である国の子飼いの兵の一人だ」
「オ、オ、オレはコイツ止めたダケ、封具、使うなんて、ヒドい」
「そうだったか、そりゃ、悪かったなムカリ。だが、相方が暴走しないように気を付けるのもお前の仕事の内なんだし、これも仕方ない罰だと思って受けとけ」
「わ、わかった」
聞き分け良く頷くムカリを見て、一方のギルマウは呆れたように言った。
「オイオイ、わかったのか、本当に? これは全く、うちの相棒殿は、いとしすぎて震えがくるレベルだ」
その痩身の男、ギルマウは尚も頭を押さえながら、ゆらりと体を傾ける。
「はいはい、俺は痛みに弱い性質でね、もう痛いのはごめんだ、通常任務に戻る。遊びは終わりだ」
「お、オレも任務、戻るぞ」
ライカは繋げていた意識を切り離し、急激に水から浮上するかのような覚醒に至った。
悪夢から覚めたかのようにどこか安堵を覚えながら、改めて周囲の様子を認識する。
馬車の油臭さと馬の排泄物の香りが少し鼻に付くが、今まで認識していた濃厚な森の気配と、癖のある人間達の垂れ流す暴力的な意識の奔流から抜け出した開放感をじっくりと味わう。
「あの封具っていうのが呪具かな? なんかややこしいけど」
「恐らくそうだな」
サッズの方は特別意識を伸ばしていた訳でもなくそこを注目していただけなので、視線を戻しただけの感覚なのだろう、ライカ程大きなリアクションは無く、何かを考える風だった。
「なんであれを鳴らしたらあの二人が苦しんでたんだろう?」
「それなんだが、あの金属の道具を鳴らした時に連中の頭の中で共振が起きていた。恐らくそれが原因だろうな」
「どういうこと?」
「呪いというものは根本的には共振、共鳴りを利用した物なんだ。要するに相似物に打撃を与えることによってその本物に障りを起こさせるみたいな」
ライカは暫し考えると、
「ってことはあの二人の頭の中にあの金属と似た物があるってこと?」
「恐らく、な。流石にあいつらの体の中までは見れないが、鳴ってたってことはそうなんだろう」
「そういうのって初めから入ってるはずがないから後から入れたんだよね?」
「俺は人間の体についてそんなに詳しくないが、お前がそう言うならそうなんだろう」
「う~」
ライカは口を押さえてしゃがみ込んだ。
「どうした? 大丈夫か?」
「考えたら気持ち悪くなってきた」
「確かになんか気分が悪くなる話だな。だが、本人達は気にしてないようだし、それをお前が気にすることはないだろう」
「うん、でも、なんかそういうのって怖い」
急に空気が冷えたかのように鳥肌を立てたライカは腕をこすった。
「だがまぁ、知っておくのは大事なことだ。人間が同族にただ優しくはないということをお前は知っておくべきだ。そして俺もな」
ライカは目を上げてサッズをじっと見る。
「反対?」
ライカが人の世界に住むことに対して反対なのか? とライカは心声と共に聞いた。
「俺はずっと反対してただろ? だけどお前が決めたことに従うさ」
「サッズは人間が嫌いなのかな? と思ってたけど違うんだ」
「あの頃はお前等親子以外の人間を知らないのに嫌いになったりする訳がないだろ。だが、だからといってお前が人間と暮らすのが当然だとは思わない。本来の種族がどうだろうと家族は家族だ。セルヌイは頭が堅いんだ」
「セルヌイは別に俺が家族じゃないとか思ってないよ」
「当たり前だろ、わかってるさ」
「ごめん」
ライカは自分の我儘をわかっているのでそうサッズに告げる。
だが、
「謝るなら連れて帰るぞ」
そう言われて謝る訳にはいかなくなった。
「わかった。ごめんは、なし」
「良い度胸だ」
ライカはムッとした顔のサッズに向かって笑ってみせた。
「ありがとう。だよね」
サッズはぎょっとしたようにライカの顔を見直すと、はあと息を吐く。
「お前は、ほんとに」
そして素早くライカのその子供らしい柔らかな頬を抓んで引っ張った。
「どうしようもないな」
0
お気に入りに追加
317
あなたにおすすめの小説
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】似て非なる双子の結婚
野村にれ
恋愛
ウェーブ王国のグラーフ伯爵家のメルベールとユーリ、トスター侯爵家のキリアムとオーランド兄弟は共に双子だった。メルベールとユーリは一卵性で、キリアムとオーランドは二卵性で、兄弟という程度に似ていた。
隣り合った領地で、伯爵家と侯爵家爵位ということもあり、親同士も仲が良かった。幼い頃から、親たちはよく集まっては、双子同士が結婚すれば面白い、どちらが継いでもいいななどと、集まっては話していた。
そして、図らずも両家の願いは叶い、メルベールとキリアムは婚約をした。
ユーリもオーランドとの婚約を迫られるが、二組の双子は幸せになれるのだろうか。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
英雄の平凡な妻
矢野りと
恋愛
キャサリンは伯爵であるエドワードと結婚し、子供にも恵まれ仲睦まじく暮らしていた。その生活はおとぎ話の主人公みたいではないが、平凡で幸せに溢れた毎日であった。だがある日エドワードが『英雄』になってしまったことで事態は一変し二人は周りに翻弄されていく…。
※設定はゆるいです。
※作者の他作品『立派な王太子妃』の話も出ていますが、読まなくても大丈夫です。
婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる