621 / 885
第七章 幻の都
726 フォルテとメルリル
しおりを挟む
「ミュリア。少しいいか?」
悪霊が消えた後も、しばし祈りを捧げていた聖女に話しかける。
「はい、大丈夫です。お師匠さま」
う、未だ、聖女に師匠呼びされるのは慣れないな。
勇者に呼ばれるよりも、何かこう、心に来るものがある。
「さっき、実体化した悪霊が、結界に干渉していたように見えたんだが?」
「あ、そうですね。わたくしも感じました。理由もなんとなくわかります」
「うん」
「あの悪霊の、かりそめの肉体を構成している魔力の元となっているのは、わたくしの魔力なのです。つまり……」
「結界が拒絶しない?」
それはヤバイだろ。
「いえ、結界の指定は、わたくしたちに害意を持つ存在です。ですので、一応拒絶はするのですが、相手からの干渉が可能なのです」
「つまり結界があまり持たないということか」
「はい」
うわぁ。
死鬼との戦いを前にして新たな不安材料が出来てしまったぞ。
とは言え、かりそめの肉体を与えないことには、魔法による攻撃以外は全く効かないだろうし。
伝説級の魔物を短時間で討伐するのは難しいだろうと予想出来るだけに、結界が戦いの途中で崩壊する危険は避けたい。
「ダスター殿、私が前衛で攻撃を抑えきってしまえば問題ないのでは?」
聖騎士の言葉はその通りなのだが、不安は残る。
別に聖騎士の力を信用していない訳じゃないんだが、そもそもが魔物と騎士というのは相性が悪いからな。
騎士というものは対人戦闘を極めた存在だ。
つまり武器を持った人間や、魔法を使う人間にはそれなりに対処出来る。
いや、それなりと言っては失礼だな。
対人戦闘のエキスパートと言っていいだろう。
しかし魔物と人間は違う。
とは言え、死鬼という存在は、元は人間のはずだ。
いや、鬼なんだけどな。
対人の技術もバカには出来ない。
「わかった。クルス、当てにしている。ただ、ミュリアやメルリルは結界が頼りだ。問題点は出来るだけ減らしておきたい」
「ピャウ?」
俺の言葉に反応したのはフォルテだった。
何やら自分に任せろと言っている。
「フォルテが何か張り切っているが……」
「そうだ! はい!」
メルリルが何かを思いついたように手を上げた。
「うん。メルリルどうぞ」
「フォルテが、存在自体は精霊と似ているってことは前に言ったと思うけど」
「ああうん」
そのせいで精霊王とやらと間違われたんだよな。
「ギャッギャッ!」
フォルテが抗議の声を上げた。
「あ、ごめん、フォルテ。フォルテは精霊のように勝手気ままじゃないし、私達のパーティの仲間だもんね。全然同じじゃないよ」
フォルテの奴、メルリルに気を使わせるなよ。
「クルル」
フォルテはわかっていればいいと言うと、羽繕いを始めた。
お前それで勝手気ままじゃないつもりか?
「私、フォルテの力を借りられるんじゃないかと思う」
「本当か? ええっと、それってフォルテの力を使って巫女の技を使えるってことだよな?」
「うん。ちょっとやってみるね」
メルリルは、今や笛の代わりに使うようになった、聖者さまにいただいた、小枝についた花のような神璽を掲げると、シャランと振るって音を鳴らす。
すると、俺の肩でのんびりとしていたフォルテが、聞き耳を立てるような動きをして、次の瞬間、ゆっくりと羽根を大きく広げた。
羽根の先から青銀の光がこぼれ、メルリルの神璽がそれを拾い上げてすっと掲げる。
すると、俺達の周囲を、透き通った青い、羽根が重なったような光が覆った。
「風の防壁に近いものだから、それほど強度はないけど、受け流しには優れていると思う」
「ちょっと試していいか?」
「うん」
俺はメルリルの了解を取ると、聖騎士と勇者それぞれに声を掛けた。
「クルス、アルフの順に、メルリルの防壁に斬りつけてみてくれ。アルフは炎も使えよ」
「わかりました」
「おう!」
最初にクルスが斬りつけると、まっすぐ斬りつけたはずの剣が滑るように逸らされた。
「面白い感触ですね」
クルスが何やら楽しそうに言う。
あの分じゃ、あの防壁に挑戦したくなったんだろうな。
ここを出てからだからな。
次に勇者が剣に火を宿して一閃する。
今度はなんと、弾かれた。
「うわっ!」
剣の握りについては徹底的に鍛錬したので、すっぽ抜けることはなかったが、勇者は弾かれた勢いで、くるりと半回転してしまう。
「これ、自分の力がそのまま返って来るのか。へー」
「そんな感じ」
勇者の言葉にメルリルが答える。
すぐに防壁の構造を理解出来るのはさすがと言うべきか。
「使えそうだな。ミュリアの結界と同時に使えるか?」
「試してみましょう」
ということで、試したところ、見事同時に使用出来た。
これなら耐久度も上がるだろう。
「じゃあフォルテはメルリルに預けよう」
「うん」
「キュッ!」
フォルテ、今一瞬うれしそうにしたな?
どうでもいいが、メルリルは肩当てもしていないし、俺と違って頭も肩も小さいからな。
負担をかけるなよ?
「ピャ!」
任せておけとドヤ顔をされてしまった。
不安しかないが、任せるしかない。
さて、モクの地図の、封印の印が近い。
ここから先は狭く曲がりくねった洞穴を下る道となる。
「ここからは慎重に行く。かなり時間がかかるから、水分補給と軽い食事をしておこう」
「わかった」
勇者がうなずき、全員が水の魔具の水と、炒った豆を口に入れる。
そうして、万全の態勢で見据えた封印の洞穴は、ヒョウヒョウと、不気味な細い笛のような音を発していた。
迷宮草も生えない、真っ暗な洞穴だ。
魔力を持たないクルスは最後尾でカンテラを灯し、魔力持ちは目に魔力を通して、暗視を使う。
俺は先頭で、ゆっくりと這うように先へと進んだ。
久々に肌が粟立つようなピリピリとした感覚がある。
魂の奥底から、この先へは行くなと叫ぶ声が聞こえて来た。
「まぁ、それでも行くのが冒険者なんだけどな」
少しだけ、笑みが漏れた。
悪霊が消えた後も、しばし祈りを捧げていた聖女に話しかける。
「はい、大丈夫です。お師匠さま」
う、未だ、聖女に師匠呼びされるのは慣れないな。
勇者に呼ばれるよりも、何かこう、心に来るものがある。
「さっき、実体化した悪霊が、結界に干渉していたように見えたんだが?」
「あ、そうですね。わたくしも感じました。理由もなんとなくわかります」
「うん」
「あの悪霊の、かりそめの肉体を構成している魔力の元となっているのは、わたくしの魔力なのです。つまり……」
「結界が拒絶しない?」
それはヤバイだろ。
「いえ、結界の指定は、わたくしたちに害意を持つ存在です。ですので、一応拒絶はするのですが、相手からの干渉が可能なのです」
「つまり結界があまり持たないということか」
「はい」
うわぁ。
死鬼との戦いを前にして新たな不安材料が出来てしまったぞ。
とは言え、かりそめの肉体を与えないことには、魔法による攻撃以外は全く効かないだろうし。
伝説級の魔物を短時間で討伐するのは難しいだろうと予想出来るだけに、結界が戦いの途中で崩壊する危険は避けたい。
「ダスター殿、私が前衛で攻撃を抑えきってしまえば問題ないのでは?」
聖騎士の言葉はその通りなのだが、不安は残る。
別に聖騎士の力を信用していない訳じゃないんだが、そもそもが魔物と騎士というのは相性が悪いからな。
騎士というものは対人戦闘を極めた存在だ。
つまり武器を持った人間や、魔法を使う人間にはそれなりに対処出来る。
いや、それなりと言っては失礼だな。
対人戦闘のエキスパートと言っていいだろう。
しかし魔物と人間は違う。
とは言え、死鬼という存在は、元は人間のはずだ。
いや、鬼なんだけどな。
対人の技術もバカには出来ない。
「わかった。クルス、当てにしている。ただ、ミュリアやメルリルは結界が頼りだ。問題点は出来るだけ減らしておきたい」
「ピャウ?」
俺の言葉に反応したのはフォルテだった。
何やら自分に任せろと言っている。
「フォルテが何か張り切っているが……」
「そうだ! はい!」
メルリルが何かを思いついたように手を上げた。
「うん。メルリルどうぞ」
「フォルテが、存在自体は精霊と似ているってことは前に言ったと思うけど」
「ああうん」
そのせいで精霊王とやらと間違われたんだよな。
「ギャッギャッ!」
フォルテが抗議の声を上げた。
「あ、ごめん、フォルテ。フォルテは精霊のように勝手気ままじゃないし、私達のパーティの仲間だもんね。全然同じじゃないよ」
フォルテの奴、メルリルに気を使わせるなよ。
「クルル」
フォルテはわかっていればいいと言うと、羽繕いを始めた。
お前それで勝手気ままじゃないつもりか?
「私、フォルテの力を借りられるんじゃないかと思う」
「本当か? ええっと、それってフォルテの力を使って巫女の技を使えるってことだよな?」
「うん。ちょっとやってみるね」
メルリルは、今や笛の代わりに使うようになった、聖者さまにいただいた、小枝についた花のような神璽を掲げると、シャランと振るって音を鳴らす。
すると、俺の肩でのんびりとしていたフォルテが、聞き耳を立てるような動きをして、次の瞬間、ゆっくりと羽根を大きく広げた。
羽根の先から青銀の光がこぼれ、メルリルの神璽がそれを拾い上げてすっと掲げる。
すると、俺達の周囲を、透き通った青い、羽根が重なったような光が覆った。
「風の防壁に近いものだから、それほど強度はないけど、受け流しには優れていると思う」
「ちょっと試していいか?」
「うん」
俺はメルリルの了解を取ると、聖騎士と勇者それぞれに声を掛けた。
「クルス、アルフの順に、メルリルの防壁に斬りつけてみてくれ。アルフは炎も使えよ」
「わかりました」
「おう!」
最初にクルスが斬りつけると、まっすぐ斬りつけたはずの剣が滑るように逸らされた。
「面白い感触ですね」
クルスが何やら楽しそうに言う。
あの分じゃ、あの防壁に挑戦したくなったんだろうな。
ここを出てからだからな。
次に勇者が剣に火を宿して一閃する。
今度はなんと、弾かれた。
「うわっ!」
剣の握りについては徹底的に鍛錬したので、すっぽ抜けることはなかったが、勇者は弾かれた勢いで、くるりと半回転してしまう。
「これ、自分の力がそのまま返って来るのか。へー」
「そんな感じ」
勇者の言葉にメルリルが答える。
すぐに防壁の構造を理解出来るのはさすがと言うべきか。
「使えそうだな。ミュリアの結界と同時に使えるか?」
「試してみましょう」
ということで、試したところ、見事同時に使用出来た。
これなら耐久度も上がるだろう。
「じゃあフォルテはメルリルに預けよう」
「うん」
「キュッ!」
フォルテ、今一瞬うれしそうにしたな?
どうでもいいが、メルリルは肩当てもしていないし、俺と違って頭も肩も小さいからな。
負担をかけるなよ?
「ピャ!」
任せておけとドヤ顔をされてしまった。
不安しかないが、任せるしかない。
さて、モクの地図の、封印の印が近い。
ここから先は狭く曲がりくねった洞穴を下る道となる。
「ここからは慎重に行く。かなり時間がかかるから、水分補給と軽い食事をしておこう」
「わかった」
勇者がうなずき、全員が水の魔具の水と、炒った豆を口に入れる。
そうして、万全の態勢で見据えた封印の洞穴は、ヒョウヒョウと、不気味な細い笛のような音を発していた。
迷宮草も生えない、真っ暗な洞穴だ。
魔力を持たないクルスは最後尾でカンテラを灯し、魔力持ちは目に魔力を通して、暗視を使う。
俺は先頭で、ゆっくりと這うように先へと進んだ。
久々に肌が粟立つようなピリピリとした感覚がある。
魂の奥底から、この先へは行くなと叫ぶ声が聞こえて来た。
「まぁ、それでも行くのが冒険者なんだけどな」
少しだけ、笑みが漏れた。
11
お気に入りに追加
9,275
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。

私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。