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第六章 その祈り、届かなくとも……
616 やぶれかぶれの開戦
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いったん結界のなかで作戦を練り直すことにした。
あんな化け物策も立てずに対応出来る訳がない。
「ダスター、おかえりなさい」
メルリルがフォルテを手渡しながらそう言ってくれる。
「ありがとう」
でもフォルテはもう少し預かっていて欲しいかな。
「ギャッ!」
こら、指を噛むな。
「お、間抜け野郎が来たぞ」
口が悪い勇者がそう言って顔を向けたほうを見る。
英雄殿がさきほどの場所から崖伝いに降りて来たようだ。
いくら完全に無視されているからと言って、崖を降りている間はほぼ無防備になるのに、すごい度胸である。
「ミュリア、サーサム卿を入れてあげてくれ」
「はい」
英雄殿は結界の影響で俺達の姿が見えないのか、周辺をキョロキョロと見回している。
仕方ないので、俺がいったん結界から出て英雄殿をなかへと導いた。
あのでかい芋虫のような魔物は、魔力のない人間には興味がなさそうだから俺なら反応しないだろう。
フォルテはもちろんお留守番である。
「こっちへ」
「おお、いたのか。さきほど見えたので降りて来たのだが、姿が見えぬので一度撤退したのかと思っておったところよ」
「似たような感じです。ミュリア……聖女さまの結界のなかで、あの化け物をどうやって倒すかを検討するところでした」
「うむ、さすがは聖女さま。完璧な結界だ。俺も入れるのか?」
「聖女さまの許可があれば大丈夫ですよ」
英雄殿を結界に迎えて、いよいよ本格的な作戦会議だ。
「まずは、アレが出て来た経緯を聞かせてもらえませんか?」
「どうせ下手を打ったのだろう。貴様は詰めが甘いからな」
俺が英雄殿からなにがどうなってアレが出て来たのかを聞き出そうとすると、勇者が毒づいた。
「やめないか」
「いや、勇者殿のおっしゃる通りだ」
勇者をたしなめると、英雄殿が消沈した様子で勇者の言葉を肯定する。
これには発言した勇者のほうが驚いたようだ。
「は? 何しょぼくれてるんだ。貴様にそんな弱気になっている暇があるとでも思っているのか? お前の国がやらかしたことだぞ、責任を取れ!」
あまりにも意外だったからと言って、面食らったような顔をした後に、さらに責めるのはどうかと思うけどな。
「うぬぬ、返す言葉もない。此度のこと、俺の不手際よ。相手を追い詰めすぎて、やぶれかぶれの手段を取らせてしまった」
「その辺詳しくお願いします」
言い方は乱暴だが、勇者の言うことは一理ある。
今は起ってしまったことに落ち込んでいてもらっては困る。
あんなのを野放しには出来ないぞ。
「どうやらあ奴は、魔物の不用な部位も蓄積することで魔宝石になるのでは? と思って、巨大な入れ物に詰めて湖に沈めていたらしい。その結果、あの化け物が生まれたということだ」
「はぁ?」
勇者があきれたような声を出したが、俺も似たような感想だ。
魔物の肉は人にとって毒であり、その魔力は体内にある間は変質していて取り出すことは出来ない。
その昔、似たような考えで魔物の部位を集めて濃縮した学者がいたという話を、学者先生から聞いたことがある。
結果としてそれは失敗に終わったが、現代にも伝わる、凶悪な毒を生み出すことになった。
ようするに、それと同じようなことが起きたのだろう。
入れ物のなかに、おそらくだが死肉を食う虫が紛れ込んだ。
ほかに食うものがない空間で、濃縮された魔物の毒を摂取して、虫のなかから生き延びたものが魔物化したと推測することが出来る。
そして、虫の魔物は短期間で変異を起こす。
アレは限られた環境に適応した、魔物の変異体と考えることが出来る。
「つまり、濃度の高い、魔力がこもった肉を食料としているんじゃないかと思うんだ」
「なるほど、それでそのバカ鳥やミュリアや俺を狙ったって訳だな。これだから偏食野郎は手に負えないんだ!」
「お前だって偏食気味だろ」
「師匠は俺とアレが同じだとでも言うのか!」
「お前が言ったんじゃないか」
「ハハハハハ……」
俺と勇者がバカな会話をしていると、英雄殿が笑い出した。
さすがにあきれてしまったか。
「ふふ、不思議だ。さっきまでは己のしでかした失態に、アレを命を賭してでも倒して償おうと思っていたのに、お主等の話を聞いているうちに、そのようなことで思い詰めるのはバカバカしくなって来た。なんということはない。ようするにアレを倒して、その後に州公の罪を明らかにすればいいのだ」
「は? なに当たり前のこと言ってるんだ?」
「アルフ、お前いい加減にサーサム卿に突っかかるのはやめろ。そういう場合じゃないだろうが」
「えー、師匠は俺ばっかりに厳しすぎる! 今回は絶対あいつが悪いだろ!」
「だからそういう話は後でやれと言ってるんだ!」
「はははははっ」
「笑ってんじゃねえよ!」
俺達がそんな生産性のない会話をしている間にも、巨大な虫の魔物はぐねぐねと何かを探すように蠢いていた。
見た目はぶよぶよの体だが、断絶の剣で斬った感触からすると、あの表皮には刃は通らないと考えていいだろう。
とんでもない怪物だが、幸いと言っていいのか、今のところほとんど移動は出来ないようだった。
空中で伸びたり縮んだり、ジタバタのたうったりはしているのだが、それで場所が変化することはない。
メルリルが精霊が触れるのを嫌がっていると言っていたが、そのせいで水にも風にも干渉出来ないのかもしれないな。
「キシャアアッ!」
「っ!」
突然、魔物が苛立たし気な鳴き声を上げた。
そして例の見えない糸のようなものを湖の岸辺に向かって吐き出す。
ヤバい、こいつ自分の体を陸に引き上げるつもりだ。
城の湖を見渡せる場所には、騒ぎを聞きつけた兵士や使用人達が集まりだしていた。
いくら魔力の少ない相手に関心がないとは言っても、飢えれば少ない魔力の人間も食うかもしれない。
「ヤツが動き出すぞ! どうする?」
「効果的な手がないときにやることは決まってるだろ」
勇者が自信満々に言った。
「ほう?」
「思いつくことは全部やってみるのさ」
こいつ……。だがまぁ。
「確かにそれしかないようだな」
「だろ?」
「ミュリア、結界のなかにいてくれ。すまないが寄せ餌が多すぎると状況がコントロール出来なくなる。テスタは……戦えるか?」
「無理っ! 私はミュリアを守っとくよ」
ダメか。
まぁアレに接近戦とか自殺のようなものだしな。
打撃系は通じるかもしれないという期待がない訳じゃないが。
「メルリルもミュリアと一緒にいてくれ」
「私は!」
「精霊が使えないなら控えておくべきだ。そうだろ?」
「う……」
あー、泣きそうな目で見られるとだな、気持ちがぐらつくからやめて欲しい。
「ギャアッ、ギャアッ!」
「わかってる。お前は寄せ餌その一だ。攪乱してもらうぞ」
「クルルルッ」
お前、さっき俺達が到着したときはあれだけ怖がっていたくせに、急に偉そうにしても信用は戻らんぞ。
「アルフ、お前は寄せ餌その二だ。人が少ないほうへ誘導してくれ。攻撃はそれからだ」
「師匠、言い方……」
なんだ、何が不満なんだ?
しかし、こういうぶっつけ本番は危険が大きすぎるから嫌なんだよな。
何か決定打となるものが欲しいところだ。
弱点は何かないのか、あの化け物野郎。
あんな化け物策も立てずに対応出来る訳がない。
「ダスター、おかえりなさい」
メルリルがフォルテを手渡しながらそう言ってくれる。
「ありがとう」
でもフォルテはもう少し預かっていて欲しいかな。
「ギャッ!」
こら、指を噛むな。
「お、間抜け野郎が来たぞ」
口が悪い勇者がそう言って顔を向けたほうを見る。
英雄殿がさきほどの場所から崖伝いに降りて来たようだ。
いくら完全に無視されているからと言って、崖を降りている間はほぼ無防備になるのに、すごい度胸である。
「ミュリア、サーサム卿を入れてあげてくれ」
「はい」
英雄殿は結界の影響で俺達の姿が見えないのか、周辺をキョロキョロと見回している。
仕方ないので、俺がいったん結界から出て英雄殿をなかへと導いた。
あのでかい芋虫のような魔物は、魔力のない人間には興味がなさそうだから俺なら反応しないだろう。
フォルテはもちろんお留守番である。
「こっちへ」
「おお、いたのか。さきほど見えたので降りて来たのだが、姿が見えぬので一度撤退したのかと思っておったところよ」
「似たような感じです。ミュリア……聖女さまの結界のなかで、あの化け物をどうやって倒すかを検討するところでした」
「うむ、さすがは聖女さま。完璧な結界だ。俺も入れるのか?」
「聖女さまの許可があれば大丈夫ですよ」
英雄殿を結界に迎えて、いよいよ本格的な作戦会議だ。
「まずは、アレが出て来た経緯を聞かせてもらえませんか?」
「どうせ下手を打ったのだろう。貴様は詰めが甘いからな」
俺が英雄殿からなにがどうなってアレが出て来たのかを聞き出そうとすると、勇者が毒づいた。
「やめないか」
「いや、勇者殿のおっしゃる通りだ」
勇者をたしなめると、英雄殿が消沈した様子で勇者の言葉を肯定する。
これには発言した勇者のほうが驚いたようだ。
「は? 何しょぼくれてるんだ。貴様にそんな弱気になっている暇があるとでも思っているのか? お前の国がやらかしたことだぞ、責任を取れ!」
あまりにも意外だったからと言って、面食らったような顔をした後に、さらに責めるのはどうかと思うけどな。
「うぬぬ、返す言葉もない。此度のこと、俺の不手際よ。相手を追い詰めすぎて、やぶれかぶれの手段を取らせてしまった」
「その辺詳しくお願いします」
言い方は乱暴だが、勇者の言うことは一理ある。
今は起ってしまったことに落ち込んでいてもらっては困る。
あんなのを野放しには出来ないぞ。
「どうやらあ奴は、魔物の不用な部位も蓄積することで魔宝石になるのでは? と思って、巨大な入れ物に詰めて湖に沈めていたらしい。その結果、あの化け物が生まれたということだ」
「はぁ?」
勇者があきれたような声を出したが、俺も似たような感想だ。
魔物の肉は人にとって毒であり、その魔力は体内にある間は変質していて取り出すことは出来ない。
その昔、似たような考えで魔物の部位を集めて濃縮した学者がいたという話を、学者先生から聞いたことがある。
結果としてそれは失敗に終わったが、現代にも伝わる、凶悪な毒を生み出すことになった。
ようするに、それと同じようなことが起きたのだろう。
入れ物のなかに、おそらくだが死肉を食う虫が紛れ込んだ。
ほかに食うものがない空間で、濃縮された魔物の毒を摂取して、虫のなかから生き延びたものが魔物化したと推測することが出来る。
そして、虫の魔物は短期間で変異を起こす。
アレは限られた環境に適応した、魔物の変異体と考えることが出来る。
「つまり、濃度の高い、魔力がこもった肉を食料としているんじゃないかと思うんだ」
「なるほど、それでそのバカ鳥やミュリアや俺を狙ったって訳だな。これだから偏食野郎は手に負えないんだ!」
「お前だって偏食気味だろ」
「師匠は俺とアレが同じだとでも言うのか!」
「お前が言ったんじゃないか」
「ハハハハハ……」
俺と勇者がバカな会話をしていると、英雄殿が笑い出した。
さすがにあきれてしまったか。
「ふふ、不思議だ。さっきまでは己のしでかした失態に、アレを命を賭してでも倒して償おうと思っていたのに、お主等の話を聞いているうちに、そのようなことで思い詰めるのはバカバカしくなって来た。なんということはない。ようするにアレを倒して、その後に州公の罪を明らかにすればいいのだ」
「は? なに当たり前のこと言ってるんだ?」
「アルフ、お前いい加減にサーサム卿に突っかかるのはやめろ。そういう場合じゃないだろうが」
「えー、師匠は俺ばっかりに厳しすぎる! 今回は絶対あいつが悪いだろ!」
「だからそういう話は後でやれと言ってるんだ!」
「はははははっ」
「笑ってんじゃねえよ!」
俺達がそんな生産性のない会話をしている間にも、巨大な虫の魔物はぐねぐねと何かを探すように蠢いていた。
見た目はぶよぶよの体だが、断絶の剣で斬った感触からすると、あの表皮には刃は通らないと考えていいだろう。
とんでもない怪物だが、幸いと言っていいのか、今のところほとんど移動は出来ないようだった。
空中で伸びたり縮んだり、ジタバタのたうったりはしているのだが、それで場所が変化することはない。
メルリルが精霊が触れるのを嫌がっていると言っていたが、そのせいで水にも風にも干渉出来ないのかもしれないな。
「キシャアアッ!」
「っ!」
突然、魔物が苛立たし気な鳴き声を上げた。
そして例の見えない糸のようなものを湖の岸辺に向かって吐き出す。
ヤバい、こいつ自分の体を陸に引き上げるつもりだ。
城の湖を見渡せる場所には、騒ぎを聞きつけた兵士や使用人達が集まりだしていた。
いくら魔力の少ない相手に関心がないとは言っても、飢えれば少ない魔力の人間も食うかもしれない。
「ヤツが動き出すぞ! どうする?」
「効果的な手がないときにやることは決まってるだろ」
勇者が自信満々に言った。
「ほう?」
「思いつくことは全部やってみるのさ」
こいつ……。だがまぁ。
「確かにそれしかないようだな」
「だろ?」
「ミュリア、結界のなかにいてくれ。すまないが寄せ餌が多すぎると状況がコントロール出来なくなる。テスタは……戦えるか?」
「無理っ! 私はミュリアを守っとくよ」
ダメか。
まぁアレに接近戦とか自殺のようなものだしな。
打撃系は通じるかもしれないという期待がない訳じゃないが。
「メルリルもミュリアと一緒にいてくれ」
「私は!」
「精霊が使えないなら控えておくべきだ。そうだろ?」
「う……」
あー、泣きそうな目で見られるとだな、気持ちがぐらつくからやめて欲しい。
「ギャアッ、ギャアッ!」
「わかってる。お前は寄せ餌その一だ。攪乱してもらうぞ」
「クルルルッ」
お前、さっき俺達が到着したときはあれだけ怖がっていたくせに、急に偉そうにしても信用は戻らんぞ。
「アルフ、お前は寄せ餌その二だ。人が少ないほうへ誘導してくれ。攻撃はそれからだ」
「師匠、言い方……」
なんだ、何が不満なんだ?
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