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第六章 その祈り、届かなくとも……
446 翼の招き
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ぴくりとも動けない。
巨漢の男からの威圧が凄い。
それにしてもデカいな。
俺よりも頭二つは背が高いんじゃないか?
これ見よがしにさらされている肉体は、筋肉が内側から皮膚を押し上げている。
音も気配も悟らせずにすぐ近くに移動した身体能力は、まるで山猫のようだ。
本当に人間か?
この男こそが精霊か何かじゃないのか?
「俺は聖地周辺の様子を常に感じていたが、彼らの訪いに気づくことがなかった。ならば我らの知らぬ道を使ったとしか思えぬ。一度長老に判じてもらおう」
それは尋ねたのでも、命じたのでもなかった。
決まったことを今から行うという宣言だ。
この瞬間、逃げるという選択肢は消えた。
抵抗しても即制圧される未来しか見えないからだ。
たとえドラゴンの爪で作られた「星降り」があったとしても、抜こうと考えた瞬間に俺は死ぬ。
「鷹のダックが言うならそれがいいだろう」
「鷹のダックに任せる。でも精霊の王に失礼は駄目」
直前まで俺たちの処遇について言い争いをしていた二人も、この男の決定に従うようだ。
鷹のダックというのがこの男の名前だろうか?
大連合の各部族の風習や生活などは驚くほど知られていない。
何がタブーで何が喜ばれるのか白紙の状態だ。
「とんでもないことになったな」
「ダスター」
ため息をついた俺の手をメルリルがぎゅっと握る。
それだけで百万の味方よりも心強いと思ってしまうのは、俺自身ちょっとどうかと思う。
そもそもメルリルだけなら風に乗ってさっさと逃げることは簡単だった。
俺こそがメルリルの足かせなのだ。
それを自覚して行動しないと、俺はきっとメルリルを不幸にしてしまうだろう。
「ギャッギャ!」
「フォルテやめろ」
フォルテがなぜか果敢に鷹のダックとやらを威嚇した。
何か気に入らないのだろうが、ちょっと今は大人しくしていて欲しい。
「ふむ、これなるが王か? とうてい戦う力のある翼には見えぬが……まぁいい、精霊を見掛けで判断するのは愚かというもの。貴様も精霊憑きの戦士であれば、刃を交えることもあるだろう。楽しみだ」
鷹のダックと呼ばれた男はニィッと白い歯を見せて笑った。
「俺は戦士ではない。冒険者だ。ここが聖地で、無断で入ってしまったのは謝るが、害意があった訳ではない」
「よせよせ、俺に弁明なぞしても意味はないぞ。話を聞いて判断するのは長老だ。それまでまぁのんびり構えとけ」
俺の抗議など聞く耳持たないという風に聞き流すと、大口を開けて笑い声を響かせた。
「鷹のダックうるさい」
俺たちが最初に出会ったミャアという少女が巨漢をキッと睨みつけて怒った。
この無謀な果敢さはどこかフォルテに似ている。
「いいではないか笑うのはいいぞ」
「お前は声がデカ過ぎる! それになんでいつも上が裸なんだ! ちゃんと服を纏え! そんなだから野蛮人だなんだと言われて嫁の来手がないのよ!」
すると、鷹のダックは巨体を少し縮めてしょんぼりとした。
「ち、違うぞ。上を着ないのは俺に合う服を大おばが作ってくれないからだ。よ、嫁は、……女共はたくさん群がって来る。不便はしていない」
「服を作ってもらえないのはすぐに破るからだろう! 女は強い子種は欲しいが乱暴者のお前の世話などしたくないのだ。それもわからないの? 戦いしか脳のないおバカな翼!」
「ちょ、いいすぎだろ! アニキは最強の戦士なんだぞ!」
「はっ、強さだけなら砂漠食いのほうがずっと強い!」
「そんなことはないぞ。俺は砂漠食いを倒したことがある!」
うーん、賑やかだな。
砂漠食いというのはどんな魔物なんだろう? 気になる。
「ケ・ケ・ケ・ケ・ケ」
「ダスター! 上!」
メルリルが示した頭上に巨大な鳥が円を描いて飛んでいた。
しかしこれは、何か気配が変だな。
「あれは精霊。でも、私の知っている精霊と少し違う。目に見える姿を与えられている」
メルリルが驚愕したように言った。
なんだと、あれが精霊? だが、魔力を通さずに目に見えるぞ。
「出迎えだ。我らが翼に頭を垂れよ」
鷹のダックが背に負った巨大な斧を空に掲げる。
「我らの翼に頭を垂れよ!」
すると、何もないと思えた荒れた土地の姿がみるみる崩れ去り、目の前に柵に囲まれた集落らしきものが現れた。
集落の入り口には二本の柱があり、それぞれに鮮やかな長い飾りが巻かれ、神像のようなものが彫られている。
「巫女さまー!」
「ナルボックさま、お帰りなさい!」
「ダックだー!」「戦士さまー」
先を争うように声を上げながら駆け寄って来るのは子ども達だ。
その楽しげな様子が、門の手前でぴたりと止まる。
俺とメルリルに視線が集中していた。
「あの女の人獣の精霊憑き?」
「強い?」
お、なぜかメルリルが女の子たちの注目の的になっているぞ。
「戦士ダック、どうした。このよそ者は何だ?」
いかめしいヒゲの男が進み出て厳しく問い詰める。
「うるさい。長老を呼べ」
「何だと! 貴様図に乗りおって、精霊憑きの戦士だからとちやほやされていい気になるなよ! 一族の式典にも参加せずに自由気ままに振る舞いおって!」
「うるさいと言ったのだが?」
鷹のダックがひと睨みすると、ヒゲの男は思わず後ずさった。
正直、この男に向かってこれだけ言えるのは凄いと思うぞ。
だが、本人は思わず腰が引けてしまったことを恥と思ったのか、顔を真っ赤にして更に何かを言い募ろうとした。
「騒がしいのう。風が乱れるわい」
あくびをしながら出て来た爺さんがのんびりと言うと、男二人の間にあったピリピリとした雰囲気が消え失せる。
「夜明けの客人は幸いを運ぶと言う。ふむ、どこか遠くから訪れたお客人方、一緒に赤茶でもいかがかな?」
言われて、いつの間にか夜が明けているのに気づいた。
明るくなったことに全く気づかなかったとは、俺もやはり疲れていたのかもしれない。
とんでもない戦いが終わったと思ったら精霊の世界で、そこを抜けたらいつの間にか夜になっていて場所も大連合のある大陸中央部と来た。
贅沢は言わないが、少しだけ休ませてくれてもいいんじゃないか?
巨漢の男からの威圧が凄い。
それにしてもデカいな。
俺よりも頭二つは背が高いんじゃないか?
これ見よがしにさらされている肉体は、筋肉が内側から皮膚を押し上げている。
音も気配も悟らせずにすぐ近くに移動した身体能力は、まるで山猫のようだ。
本当に人間か?
この男こそが精霊か何かじゃないのか?
「俺は聖地周辺の様子を常に感じていたが、彼らの訪いに気づくことがなかった。ならば我らの知らぬ道を使ったとしか思えぬ。一度長老に判じてもらおう」
それは尋ねたのでも、命じたのでもなかった。
決まったことを今から行うという宣言だ。
この瞬間、逃げるという選択肢は消えた。
抵抗しても即制圧される未来しか見えないからだ。
たとえドラゴンの爪で作られた「星降り」があったとしても、抜こうと考えた瞬間に俺は死ぬ。
「鷹のダックが言うならそれがいいだろう」
「鷹のダックに任せる。でも精霊の王に失礼は駄目」
直前まで俺たちの処遇について言い争いをしていた二人も、この男の決定に従うようだ。
鷹のダックというのがこの男の名前だろうか?
大連合の各部族の風習や生活などは驚くほど知られていない。
何がタブーで何が喜ばれるのか白紙の状態だ。
「とんでもないことになったな」
「ダスター」
ため息をついた俺の手をメルリルがぎゅっと握る。
それだけで百万の味方よりも心強いと思ってしまうのは、俺自身ちょっとどうかと思う。
そもそもメルリルだけなら風に乗ってさっさと逃げることは簡単だった。
俺こそがメルリルの足かせなのだ。
それを自覚して行動しないと、俺はきっとメルリルを不幸にしてしまうだろう。
「ギャッギャ!」
「フォルテやめろ」
フォルテがなぜか果敢に鷹のダックとやらを威嚇した。
何か気に入らないのだろうが、ちょっと今は大人しくしていて欲しい。
「ふむ、これなるが王か? とうてい戦う力のある翼には見えぬが……まぁいい、精霊を見掛けで判断するのは愚かというもの。貴様も精霊憑きの戦士であれば、刃を交えることもあるだろう。楽しみだ」
鷹のダックと呼ばれた男はニィッと白い歯を見せて笑った。
「俺は戦士ではない。冒険者だ。ここが聖地で、無断で入ってしまったのは謝るが、害意があった訳ではない」
「よせよせ、俺に弁明なぞしても意味はないぞ。話を聞いて判断するのは長老だ。それまでまぁのんびり構えとけ」
俺の抗議など聞く耳持たないという風に聞き流すと、大口を開けて笑い声を響かせた。
「鷹のダックうるさい」
俺たちが最初に出会ったミャアという少女が巨漢をキッと睨みつけて怒った。
この無謀な果敢さはどこかフォルテに似ている。
「いいではないか笑うのはいいぞ」
「お前は声がデカ過ぎる! それになんでいつも上が裸なんだ! ちゃんと服を纏え! そんなだから野蛮人だなんだと言われて嫁の来手がないのよ!」
すると、鷹のダックは巨体を少し縮めてしょんぼりとした。
「ち、違うぞ。上を着ないのは俺に合う服を大おばが作ってくれないからだ。よ、嫁は、……女共はたくさん群がって来る。不便はしていない」
「服を作ってもらえないのはすぐに破るからだろう! 女は強い子種は欲しいが乱暴者のお前の世話などしたくないのだ。それもわからないの? 戦いしか脳のないおバカな翼!」
「ちょ、いいすぎだろ! アニキは最強の戦士なんだぞ!」
「はっ、強さだけなら砂漠食いのほうがずっと強い!」
「そんなことはないぞ。俺は砂漠食いを倒したことがある!」
うーん、賑やかだな。
砂漠食いというのはどんな魔物なんだろう? 気になる。
「ケ・ケ・ケ・ケ・ケ」
「ダスター! 上!」
メルリルが示した頭上に巨大な鳥が円を描いて飛んでいた。
しかしこれは、何か気配が変だな。
「あれは精霊。でも、私の知っている精霊と少し違う。目に見える姿を与えられている」
メルリルが驚愕したように言った。
なんだと、あれが精霊? だが、魔力を通さずに目に見えるぞ。
「出迎えだ。我らが翼に頭を垂れよ」
鷹のダックが背に負った巨大な斧を空に掲げる。
「我らの翼に頭を垂れよ!」
すると、何もないと思えた荒れた土地の姿がみるみる崩れ去り、目の前に柵に囲まれた集落らしきものが現れた。
集落の入り口には二本の柱があり、それぞれに鮮やかな長い飾りが巻かれ、神像のようなものが彫られている。
「巫女さまー!」
「ナルボックさま、お帰りなさい!」
「ダックだー!」「戦士さまー」
先を争うように声を上げながら駆け寄って来るのは子ども達だ。
その楽しげな様子が、門の手前でぴたりと止まる。
俺とメルリルに視線が集中していた。
「あの女の人獣の精霊憑き?」
「強い?」
お、なぜかメルリルが女の子たちの注目の的になっているぞ。
「戦士ダック、どうした。このよそ者は何だ?」
いかめしいヒゲの男が進み出て厳しく問い詰める。
「うるさい。長老を呼べ」
「何だと! 貴様図に乗りおって、精霊憑きの戦士だからとちやほやされていい気になるなよ! 一族の式典にも参加せずに自由気ままに振る舞いおって!」
「うるさいと言ったのだが?」
鷹のダックがひと睨みすると、ヒゲの男は思わず後ずさった。
正直、この男に向かってこれだけ言えるのは凄いと思うぞ。
だが、本人は思わず腰が引けてしまったことを恥と思ったのか、顔を真っ赤にして更に何かを言い募ろうとした。
「騒がしいのう。風が乱れるわい」
あくびをしながら出て来た爺さんがのんびりと言うと、男二人の間にあったピリピリとした雰囲気が消え失せる。
「夜明けの客人は幸いを運ぶと言う。ふむ、どこか遠くから訪れたお客人方、一緒に赤茶でもいかがかな?」
言われて、いつの間にか夜が明けているのに気づいた。
明るくなったことに全く気づかなかったとは、俺もやはり疲れていたのかもしれない。
とんでもない戦いが終わったと思ったら精霊の世界で、そこを抜けたらいつの間にか夜になっていて場所も大連合のある大陸中央部と来た。
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