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第五章 破滅を招くもの
412 大使の想い
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勇者への依頼はその場で即決する必要はないとのことだった。
まぁ本人はほぼ即決してしまった訳だが、南海側は三ヶ月後にタイミングを合わせて作戦を開始するようなので、その間は考える時間があるということだ。
そういった戦争の話に流される訳にはいかない問題もある。
魔人と判断され、故郷に戻れなくなった人たちのことだ。
ウルスは自分が自宅に戻れるからか、ほとんど南海に丸投げ状態だし、南海側はこれから戦争ということでそっちに集中するだろう。
いったい彼らはどうなるのだろう。
俺はその不安を大使に相談した。
「大丈夫です。アバハ様にくれぐれもと頼まれましたからね」
「それならよかった」
聞いてみると、この大使はいわゆる官僚貴族で領地持ちの貴族ではないとのことだ。
というか軍艦乗りだと言っていた。
「軍艦というのは?」
「戦うために造られた船です」
「なるほど」
とうなずいてみたものの、あまり意味はわからなかった。
そもそも俺たち西方の人間は川船以外の船をあまり目にしたことがない。
それが戦うための船とか言われても想像も出来ないのだ。
ともあれ、軍艦の話は今は重要ではない。
大事なことはここまで連れて来た研究所にいた人たちの行く末である。
「保護された子どもたちは孤児の養育施設に、働ける年齢の方は仕事を割り振って働いてもらう予定です」
「彼らは魔力持ちです。普通の人と一緒にして大丈夫なのですか?」
南海にはあまり差別や迫害はないと聞いているが、魔力持ちと魔力のない人の間にはどうしても溝が出来る。
長い年月でお互いに適度な距離を取ることを覚えた西方では普通に共存しているが、魔力に慣れていないこっちの人たちとは接することで問題が発生するのではないかという懸念もあった。
そのせいで魔力持ちの子が暴走でもしようものなら目も当てられない。
「その辺は安心してください。実を言うと水棲人と平野人との間に生まれた子は全てが魔力持ちになるのですよ」
「ああ、だからッエッチ……失礼、アバハ様とローエンスが魔力を持っているのですね」
そう言えば大地人も森人も山岳の民もみんな種族的な魔力持ちだ。
貴族や教会の話だと固着した魔力は遺伝しやすいらしいから平野人以外の種族では魔力は固着しているということなのだろう。
「そうなんです。海賊のふりをした北の奴らが集中的に国境近くの村を襲うのもその辺りが狙いではないかと思うのですよ」
「奴隷としての異種族ではなく魔力持ちが狙いということですか?」
「ええ、彼らはむしろ奴隷の存在はそれほど重視していないように見えます。ただ殺すのは無駄だから使うという感じですね。その証拠に奴隷を資産として長く活用するという意識がない。完全に使い捨てです」
大使の言葉に俺は研究所で見た奴隷の扱いを思い出す。
あまりにも酷い働かせ方だと思っていたが、あれはたまたまその主人となった者の資質の問題だと考えていた。
しかし、北の国では奴隷を自分の財産だと考える土台がないのだとしたら、全ての奴隷があのような扱いを受けているということだ。
隠れ里の人々の平野人に対する憎しみは当然と言えるだろう。
「しかしこう言ってはなんですが、異種族には種族的能力とそれを使う魔力があります。つまり彼らだって魔力持ちですよね。なぜ区別されるのでしょう」
「それは我々も不思議に思っていました。しかし今回、殿下……いえ、アバハ様が略取されたことで魔人収容所なるもののことを徹底的に調べたところ、やっと理由がわかりました」
もう殿下でいいんじゃないかな? と思ったが、言い切ってしまうと問題があるのだろう。
自国の王族じゃないんだしな。
「理由とは?」
「彼らの欲しているのはあくまでも人間の魔力持ちなのです」
俺は首をひねる。
他種族とて人間だ。
そもそも棲む場所に適応して変化したのが平野人以外の種族なのだから見た目や能力はともかくとして、基本は同じはずである。
そうでなければ互いの間に子どもは出来ない。
「北の奴らにとってということですよ」
俺の戸惑いに答えて、大使は付け加えた。
「彼らにとって平野人以外は亜人であり、人間ではないのです。北の奴らは他種族をまるで魔物のように思っていますからね」
他種族が人間のなかの魔物であるという考え自体は俺もそうかもしれないとは思うのだが、それで言うなら魔力持ちの平野人も同じ立場ということになるはずだ。
そこが全く理解出来ないところなのである。
「つまりあくまでも人間の魔力持ちの体がベースでなければならないということです。これはおそらくはかの邪神の好みなのでしょうね」
「邪神……東の人たちが国護りの天の主と呼ぶ相手ですね」
「そうです」
「結局はそこに帰結する訳ですか」
「正にその通りです。その、……申し訳ありません」
いきなり大使に謝られてびっくりする。
「え? どういうことですか?」
「そもそも天守山と北冠との二面作戦はもともと我らだけで行う予定だったのです。それをアバハ様が、どうしても、と」
ああ、彼らにしてみれば自分たちが行うべき戦争に他国の人間を巻き込んだ形になる訳だ。
俺は大聖堂で見た破滅のビジョンがあるから、その邪神とやらのことは気になる相手ではあるし、戦争と直接関係ない化物退治なら確かに勇者の仕事ではあるなと思っていた。
改めて言われて、初めてそれが戦争の作戦に組み込まれているものだということに気づいたのである。
我ながら、うかつだな。
「邪神は永遠に生きるための依代として人間の魔力持ちをベースとした怪物を欲しているということですよね。正直俺にはその神は狂っているとしか思えないのですが」
「我らもそう思っています。しかし、油断めさるな。かの神は千年ほど昔に降臨して、生き残るのに必死であった北の民を救い、我らの想像を超える技術を授けたとされています。そしてそれからずっと姿を変えながら生き続けているとも。この話が半分でも本当であったなら、恐るべき相手です。むしろ狂っていない場合が恐ろしい」
「確かに。……ああ、お仕事の邪魔をして長く話し込んでしまい申し訳ありません。単に救い出した者たちの今後を知りたかっただけなのに」
俺はそこまで話して、そもそもの話題から逸れて、勇者が彼らに協力する前提で話が進んでいることに気づいた。
「いえ。こちらこそ有意義な話が出来ました。アバハ様のご依頼は正式なものですが、強制ではありません。我らはそのようなご助力をいただかなくとも、あなた方には十分に感謝しているのです。そのことは覚えていてください」
大使は丁寧に膝を折って俺に礼を取った。
廊下の途中で呼び止めて話し込んでしまったのに、きっちりと答えてくれたのもッエッチを救い出したことへの感謝の思いからなのだろう。
さて、数日後には俺たちや研究所から逃げ出した者たちも一緒に引き連れて、ッエッチが船でアンリカ・デベッセに向かうという話だが、このままでは周囲に流されるだけになりそうで怖いぞ。
俺の立場としてはどうするべきなんだろうな。
勇者たちはとっくに腹を決めているのに、まだ迷っているというのは、彼らをサポートする大人としてはやっぱりちょっと情けないかもしれないな。
まぁ本人はほぼ即決してしまった訳だが、南海側は三ヶ月後にタイミングを合わせて作戦を開始するようなので、その間は考える時間があるということだ。
そういった戦争の話に流される訳にはいかない問題もある。
魔人と判断され、故郷に戻れなくなった人たちのことだ。
ウルスは自分が自宅に戻れるからか、ほとんど南海に丸投げ状態だし、南海側はこれから戦争ということでそっちに集中するだろう。
いったい彼らはどうなるのだろう。
俺はその不安を大使に相談した。
「大丈夫です。アバハ様にくれぐれもと頼まれましたからね」
「それならよかった」
聞いてみると、この大使はいわゆる官僚貴族で領地持ちの貴族ではないとのことだ。
というか軍艦乗りだと言っていた。
「軍艦というのは?」
「戦うために造られた船です」
「なるほど」
とうなずいてみたものの、あまり意味はわからなかった。
そもそも俺たち西方の人間は川船以外の船をあまり目にしたことがない。
それが戦うための船とか言われても想像も出来ないのだ。
ともあれ、軍艦の話は今は重要ではない。
大事なことはここまで連れて来た研究所にいた人たちの行く末である。
「保護された子どもたちは孤児の養育施設に、働ける年齢の方は仕事を割り振って働いてもらう予定です」
「彼らは魔力持ちです。普通の人と一緒にして大丈夫なのですか?」
南海にはあまり差別や迫害はないと聞いているが、魔力持ちと魔力のない人の間にはどうしても溝が出来る。
長い年月でお互いに適度な距離を取ることを覚えた西方では普通に共存しているが、魔力に慣れていないこっちの人たちとは接することで問題が発生するのではないかという懸念もあった。
そのせいで魔力持ちの子が暴走でもしようものなら目も当てられない。
「その辺は安心してください。実を言うと水棲人と平野人との間に生まれた子は全てが魔力持ちになるのですよ」
「ああ、だからッエッチ……失礼、アバハ様とローエンスが魔力を持っているのですね」
そう言えば大地人も森人も山岳の民もみんな種族的な魔力持ちだ。
貴族や教会の話だと固着した魔力は遺伝しやすいらしいから平野人以外の種族では魔力は固着しているということなのだろう。
「そうなんです。海賊のふりをした北の奴らが集中的に国境近くの村を襲うのもその辺りが狙いではないかと思うのですよ」
「奴隷としての異種族ではなく魔力持ちが狙いということですか?」
「ええ、彼らはむしろ奴隷の存在はそれほど重視していないように見えます。ただ殺すのは無駄だから使うという感じですね。その証拠に奴隷を資産として長く活用するという意識がない。完全に使い捨てです」
大使の言葉に俺は研究所で見た奴隷の扱いを思い出す。
あまりにも酷い働かせ方だと思っていたが、あれはたまたまその主人となった者の資質の問題だと考えていた。
しかし、北の国では奴隷を自分の財産だと考える土台がないのだとしたら、全ての奴隷があのような扱いを受けているということだ。
隠れ里の人々の平野人に対する憎しみは当然と言えるだろう。
「しかしこう言ってはなんですが、異種族には種族的能力とそれを使う魔力があります。つまり彼らだって魔力持ちですよね。なぜ区別されるのでしょう」
「それは我々も不思議に思っていました。しかし今回、殿下……いえ、アバハ様が略取されたことで魔人収容所なるもののことを徹底的に調べたところ、やっと理由がわかりました」
もう殿下でいいんじゃないかな? と思ったが、言い切ってしまうと問題があるのだろう。
自国の王族じゃないんだしな。
「理由とは?」
「彼らの欲しているのはあくまでも人間の魔力持ちなのです」
俺は首をひねる。
他種族とて人間だ。
そもそも棲む場所に適応して変化したのが平野人以外の種族なのだから見た目や能力はともかくとして、基本は同じはずである。
そうでなければ互いの間に子どもは出来ない。
「北の奴らにとってということですよ」
俺の戸惑いに答えて、大使は付け加えた。
「彼らにとって平野人以外は亜人であり、人間ではないのです。北の奴らは他種族をまるで魔物のように思っていますからね」
他種族が人間のなかの魔物であるという考え自体は俺もそうかもしれないとは思うのだが、それで言うなら魔力持ちの平野人も同じ立場ということになるはずだ。
そこが全く理解出来ないところなのである。
「つまりあくまでも人間の魔力持ちの体がベースでなければならないということです。これはおそらくはかの邪神の好みなのでしょうね」
「邪神……東の人たちが国護りの天の主と呼ぶ相手ですね」
「そうです」
「結局はそこに帰結する訳ですか」
「正にその通りです。その、……申し訳ありません」
いきなり大使に謝られてびっくりする。
「え? どういうことですか?」
「そもそも天守山と北冠との二面作戦はもともと我らだけで行う予定だったのです。それをアバハ様が、どうしても、と」
ああ、彼らにしてみれば自分たちが行うべき戦争に他国の人間を巻き込んだ形になる訳だ。
俺は大聖堂で見た破滅のビジョンがあるから、その邪神とやらのことは気になる相手ではあるし、戦争と直接関係ない化物退治なら確かに勇者の仕事ではあるなと思っていた。
改めて言われて、初めてそれが戦争の作戦に組み込まれているものだということに気づいたのである。
我ながら、うかつだな。
「邪神は永遠に生きるための依代として人間の魔力持ちをベースとした怪物を欲しているということですよね。正直俺にはその神は狂っているとしか思えないのですが」
「我らもそう思っています。しかし、油断めさるな。かの神は千年ほど昔に降臨して、生き残るのに必死であった北の民を救い、我らの想像を超える技術を授けたとされています。そしてそれからずっと姿を変えながら生き続けているとも。この話が半分でも本当であったなら、恐るべき相手です。むしろ狂っていない場合が恐ろしい」
「確かに。……ああ、お仕事の邪魔をして長く話し込んでしまい申し訳ありません。単に救い出した者たちの今後を知りたかっただけなのに」
俺はそこまで話して、そもそもの話題から逸れて、勇者が彼らに協力する前提で話が進んでいることに気づいた。
「いえ。こちらこそ有意義な話が出来ました。アバハ様のご依頼は正式なものですが、強制ではありません。我らはそのようなご助力をいただかなくとも、あなた方には十分に感謝しているのです。そのことは覚えていてください」
大使は丁寧に膝を折って俺に礼を取った。
廊下の途中で呼び止めて話し込んでしまったのに、きっちりと答えてくれたのもッエッチを救い出したことへの感謝の思いからなのだろう。
さて、数日後には俺たちや研究所から逃げ出した者たちも一緒に引き連れて、ッエッチが船でアンリカ・デベッセに向かうという話だが、このままでは周囲に流されるだけになりそうで怖いぞ。
俺の立場としてはどうするべきなんだろうな。
勇者たちはとっくに腹を決めているのに、まだ迷っているというのは、彼らをサポートする大人としてはやっぱりちょっと情けないかもしれないな。
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