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勘違いの行きつく末
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カゲルを追い出した勇者達は、意気揚々と人魔境界へと突入した。
今、彼らに期待されているのは、魔族の土地を少しでも削り、人族の治める地を増やすことだ。
一時期は、滅亡寸前まで追い込まれた人族だったが、初代勇者の力によって魔王を倒し、混乱する魔族達からつかの間の平穏をもぎ取った。
やっと一国を形成し、身を寄せ合って暮らしていた人族は、それから長い歳月を経て、今や十国に分かれ、人口は、当時の十数倍とも言われている。
人が増えれば、今度は人族同士の争いも起こり、人口はそのたびに増減を繰り返しつつ、ここ百年程はあまり増えも減りもしていないとされていた。
人口が安定しているとは言え、人の欲望は膨らむものだ。
さらなる豊かさを求めるために、広い豊かな土地を欲するようになる。
人魔境界に国境を持つ国は、忌々しい魔族の土地を欲してはいたが、魔族の強大な力と正面切って戦うべきではないということは、人族は骨身に染みて理解していた。
そうなると、頼りは、魔王を倒した勇者の血統である。
新たな勇者には、魔王の討伐を目指すと共に、もっと直近の目標として、領土の切り取りが期待されていた。
「あそこが、醜いブタ共の占拠している土地か」
「確か、ホークだかピックだか言ってたっけ?」
勇者の言葉に迎合するように声を上げたのは、斥候役の少女だ。
今まで、斥候と言えばカゲルが行い、戦いの場を整えていたのだが、カゲルを大ぼら吹きと決めつけて追い出した後、勇者が直々にスカウトした冒険者だ。
言葉使いは蓮っ葉だが、顔も体も勇者好みの少女だった。
彼女は名を上げる機会を狙っていたため、勇者に愛人を兼ねたパーティメンバー入りを誘われた際、二つ返事でOKして加入したのである。
つまりパーティメンバーで、この斥候の少女だけが、カゲルと面識がない。
「オークですわ。まったく、学のない人はこれだから」
斥候の少女が加入した経緯を知っていた聖女は、明らかにさげずんだ視線で、彼女をチラリと見る。
聖女は、神殿育ちの巫女姫で、祝福や癒やしに秀でた力の持ち主だった。
代々の祭司の家系のお嬢様なので、生まれも育ちも平民以下である斥候の少女とは反りが合わないのだ。
何よりも、勇者の愛人であることを隠そうともしないところが、彼女の癇に障ったようだった。
「姫のおっしゃる通り、学識は大事です。あなたももっと学ぶようになさい」
勇者を含めたパーティメンバー全てを見下すような視線を向けるのが、賢者の資格を持つ男だ。
カゲルをほら吹きだと勇者に吹き込んだのがこの賢者である。
ありとあらゆる学問を修め、あらゆる魔術を使いこなすと自称していた。
「勇者さま、あの二人が私を虐めるんですぅ」
「おいおい、戦いの前に諍いはよせ。たとえザコのオーク共だろうと、戦いに油断はいけないなぁ」
そして、堂々とパーティに愛人を引き込みながら、聖女にもアピールを忘れない男が、このパーティのリーダーである勇者だ。
黄金の髪に青い瞳、見た者が皆、ため息をついてしまいそうな美青年である。
しかも顔だけではなく、しっかりと筋肉も備えていた。
いろいろと問題はあるものの、この勇者がその名に相応しい能力を持っていることは、傍目からも明らかだ。
イケメンで女ったらしの勇者が率いるパーティは、魔族のなかでも種族的に劣等であるとされるオーク族の集落の襲撃に訪れていた。
この平原に隣接する土地の領主による依頼である。
「見ろ、あのみすぼらしい装備を。ここは俺一人でも楽勝だな」
「アタシが探った感じじゃ、兵士とか駐在してない、普通の集落だね」
「ふむ。ではいつもの通り、開幕に賢者の魔法で火を放ち、混乱しているところに斬り込む。聖女よ、祝福を頼む」
「わかりました」
聖女が勇者に請われるままに、戦の祝福を勇者に施した。
「それでは派手なのを行きますよ」
「へ?」
賢者がやたら巨大な魔法陣を空中に描き出す。
たちまちオークの集落は騒ぎ出した。
「な、何してんの?」
斥候の少女は驚いたように声を上げたが、既に遅し、賢者の火の魔法は放たれてしまった。
そして勇者が全力で集落めがけて走る。
巨大な火の魔法陣によって集落のあちこちに火の手が上がり、次々に魔族のオーク達が建物から飛び出す。
襲撃に気づいたオーク達は、斬り込んで来る勇者に殺到した。
「食らえ! 光の剣!」
輝きを宿した剣により、手前にいたオークの体が見事に分断される。
だが、そのときにはすでに次のオークが勇者の元へと到達していて、彼らの種族固有魔法である身体強化を使って、勇者に対峙した。
「クソ人族ドモ! 死ニサラセ!」
相手の武器はただの棍棒。
斥候の少女の言った通り、生粋の戦士ではないのだ。
勇者は余裕を持って、棍棒を剣で受けた。
しかし、身体強化されたオークの力によって振るわれた棍棒の勢いはすさまじく、勇者の手にした剣は弾かれてしまう。
「な、なんだと、クソザコの癖に!」
「死ネェ!」
「がっ!」
悪態をつく勇者の背後から、別のオークが襲い来て、その棍棒の一撃が頭をかすった。
かすっただけなのに、体がふらついてしまう勇者。
いつもと違う。
勇者がそう感じたときには、すでに全てが遅かった。
「な、何やってんの? 魔族と戦うときには、一匹ずつおびき出して一対多でってのは常識でしょ? なんでわざわざ集落の魔族を全部呼び寄せてんの?」
叫びながら、斥候の少女はいち早く危険を察知してその場から逃げ出す。
仲間意識などまだ希薄だったからこそ、出来たことだ。
賢者と聖女は一瞬迷った。
勇者を助けるか、自分達だけで逃げるか。
その一瞬で全てが手遅れになった。
身体強化を施したオークの身体能力は、人間を遥かに凌駕する。
二人はたちまち怒り狂ったオーク達に囲まれ、元の姿を想像することも出来ない躯となった。
彼らは知らなかったのだ。
それこそが、本来の、人族と魔族の力の差であったということを。
そして、たった一人の男が、彼らを勘違いさせていたということに、最期まで気づくことが出来なかったのである。
今、彼らに期待されているのは、魔族の土地を少しでも削り、人族の治める地を増やすことだ。
一時期は、滅亡寸前まで追い込まれた人族だったが、初代勇者の力によって魔王を倒し、混乱する魔族達からつかの間の平穏をもぎ取った。
やっと一国を形成し、身を寄せ合って暮らしていた人族は、それから長い歳月を経て、今や十国に分かれ、人口は、当時の十数倍とも言われている。
人が増えれば、今度は人族同士の争いも起こり、人口はそのたびに増減を繰り返しつつ、ここ百年程はあまり増えも減りもしていないとされていた。
人口が安定しているとは言え、人の欲望は膨らむものだ。
さらなる豊かさを求めるために、広い豊かな土地を欲するようになる。
人魔境界に国境を持つ国は、忌々しい魔族の土地を欲してはいたが、魔族の強大な力と正面切って戦うべきではないということは、人族は骨身に染みて理解していた。
そうなると、頼りは、魔王を倒した勇者の血統である。
新たな勇者には、魔王の討伐を目指すと共に、もっと直近の目標として、領土の切り取りが期待されていた。
「あそこが、醜いブタ共の占拠している土地か」
「確か、ホークだかピックだか言ってたっけ?」
勇者の言葉に迎合するように声を上げたのは、斥候役の少女だ。
今まで、斥候と言えばカゲルが行い、戦いの場を整えていたのだが、カゲルを大ぼら吹きと決めつけて追い出した後、勇者が直々にスカウトした冒険者だ。
言葉使いは蓮っ葉だが、顔も体も勇者好みの少女だった。
彼女は名を上げる機会を狙っていたため、勇者に愛人を兼ねたパーティメンバー入りを誘われた際、二つ返事でOKして加入したのである。
つまりパーティメンバーで、この斥候の少女だけが、カゲルと面識がない。
「オークですわ。まったく、学のない人はこれだから」
斥候の少女が加入した経緯を知っていた聖女は、明らかにさげずんだ視線で、彼女をチラリと見る。
聖女は、神殿育ちの巫女姫で、祝福や癒やしに秀でた力の持ち主だった。
代々の祭司の家系のお嬢様なので、生まれも育ちも平民以下である斥候の少女とは反りが合わないのだ。
何よりも、勇者の愛人であることを隠そうともしないところが、彼女の癇に障ったようだった。
「姫のおっしゃる通り、学識は大事です。あなたももっと学ぶようになさい」
勇者を含めたパーティメンバー全てを見下すような視線を向けるのが、賢者の資格を持つ男だ。
カゲルをほら吹きだと勇者に吹き込んだのがこの賢者である。
ありとあらゆる学問を修め、あらゆる魔術を使いこなすと自称していた。
「勇者さま、あの二人が私を虐めるんですぅ」
「おいおい、戦いの前に諍いはよせ。たとえザコのオーク共だろうと、戦いに油断はいけないなぁ」
そして、堂々とパーティに愛人を引き込みながら、聖女にもアピールを忘れない男が、このパーティのリーダーである勇者だ。
黄金の髪に青い瞳、見た者が皆、ため息をついてしまいそうな美青年である。
しかも顔だけではなく、しっかりと筋肉も備えていた。
いろいろと問題はあるものの、この勇者がその名に相応しい能力を持っていることは、傍目からも明らかだ。
イケメンで女ったらしの勇者が率いるパーティは、魔族のなかでも種族的に劣等であるとされるオーク族の集落の襲撃に訪れていた。
この平原に隣接する土地の領主による依頼である。
「見ろ、あのみすぼらしい装備を。ここは俺一人でも楽勝だな」
「アタシが探った感じじゃ、兵士とか駐在してない、普通の集落だね」
「ふむ。ではいつもの通り、開幕に賢者の魔法で火を放ち、混乱しているところに斬り込む。聖女よ、祝福を頼む」
「わかりました」
聖女が勇者に請われるままに、戦の祝福を勇者に施した。
「それでは派手なのを行きますよ」
「へ?」
賢者がやたら巨大な魔法陣を空中に描き出す。
たちまちオークの集落は騒ぎ出した。
「な、何してんの?」
斥候の少女は驚いたように声を上げたが、既に遅し、賢者の火の魔法は放たれてしまった。
そして勇者が全力で集落めがけて走る。
巨大な火の魔法陣によって集落のあちこちに火の手が上がり、次々に魔族のオーク達が建物から飛び出す。
襲撃に気づいたオーク達は、斬り込んで来る勇者に殺到した。
「食らえ! 光の剣!」
輝きを宿した剣により、手前にいたオークの体が見事に分断される。
だが、そのときにはすでに次のオークが勇者の元へと到達していて、彼らの種族固有魔法である身体強化を使って、勇者に対峙した。
「クソ人族ドモ! 死ニサラセ!」
相手の武器はただの棍棒。
斥候の少女の言った通り、生粋の戦士ではないのだ。
勇者は余裕を持って、棍棒を剣で受けた。
しかし、身体強化されたオークの力によって振るわれた棍棒の勢いはすさまじく、勇者の手にした剣は弾かれてしまう。
「な、なんだと、クソザコの癖に!」
「死ネェ!」
「がっ!」
悪態をつく勇者の背後から、別のオークが襲い来て、その棍棒の一撃が頭をかすった。
かすっただけなのに、体がふらついてしまう勇者。
いつもと違う。
勇者がそう感じたときには、すでに全てが遅かった。
「な、何やってんの? 魔族と戦うときには、一匹ずつおびき出して一対多でってのは常識でしょ? なんでわざわざ集落の魔族を全部呼び寄せてんの?」
叫びながら、斥候の少女はいち早く危険を察知してその場から逃げ出す。
仲間意識などまだ希薄だったからこそ、出来たことだ。
賢者と聖女は一瞬迷った。
勇者を助けるか、自分達だけで逃げるか。
その一瞬で全てが手遅れになった。
身体強化を施したオークの身体能力は、人間を遥かに凌駕する。
二人はたちまち怒り狂ったオーク達に囲まれ、元の姿を想像することも出来ない躯となった。
彼らは知らなかったのだ。
それこそが、本来の、人族と魔族の力の差であったということを。
そして、たった一人の男が、彼らを勘違いさせていたということに、最期まで気づくことが出来なかったのである。
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