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第1章 転生そして異世界へ

第1話

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 俺の名前は「佐藤〇〇」。今年で16歳だ。特技といえば盗む事。親父がその道のプロだった事も有り、物心つく頃には盗めないのもはほとんど無くなっていた。今俺は超有名私立学校に通っている。高位の政治家や医師、人気の高いタレントやモデルまたは、世界に名を残す歴史的犯罪者まで多岐にわたり数多くの有名人を世に送り出す事でこの国で最も倍率の高い学校だ。だが、それすらも俺にとっては退屈な日々に感じた。授業も終わり部活やサークルに入っていない俺はすぐに学校を出た。その帰り道正面からトラックが突っ込んできた。避けれる距離ではあるが体が動かなかった。体が動かなかった。最後に見たのは周りの人の叫び声と運転手のいない座席だ。

「あぁ、つまんねー人生」
 
 それが佐藤〇〇の最後の言葉となった。

ーーーーーーーー神界sideーーーーーーーー

「神様!今回の召喚は3人のところ、ミスにより1人多くなって4人召喚されます。元々勇者の3人はいいのですが巻き込まれた1人はスキルやステータスどうなさいますか?」

 見た目はまだ20代前半のようなイケメン、慌てた様子で60前後に見えるダンディーなおっさんに質問している。よほど慌てていたようで寝癖がそのままである。

「仕方ない、天使よすまぬが適当なスキルと少し高めのステータスそれに加護をいくつか与えてやってくれ」

 そう聞くと頭を下げ急いでステータスの作成に取り掛かった。だがこの天使3人と4人を間違えるほどだ。その天使が適当、少し高めという言葉を正しく理解しているかは火を見るよりも明らかだった。

ーーーー異世界(フェイソル王国)ーーーー

 この国の歴史は800年ほど前までさかのぼる。まだ若くして人口数千人の街の貴族だったメネシスは、たった数年で大陸の半分を支配し誰もが知っている皇帝になったという。その後5人の後継者にそれぞれ加護と国を分け与えたそうだ。その中の1カ国フェイソル王国の宮殿内で異世界召喚と呼ばれる大規模魔術が行われていた。膨大な時間と魔力を使い創り上げたものだ。約10メートルほどの大きさの魔法陣が青く輝き始める。宮殿を埋め尽くすほどの光と共に4人の異世界人が召喚される。

「ん...!!  ここはどこなんだ俺は死んだはずでは?」

 佐藤〇〇だけでなく他の3人も困惑している。それもそのはず全員が地球で死んだはずなのに怪我ひとつなく何処ともわからないとこにいるからだ。職業柄周りを見渡すと豪華なイスに座っているのが男女と司祭の格好をしている数10人に中世ヨーロッパ貴族のような格好が100人前後それに加えて武装している騎士が30人ほどいる。部屋にある飾りや雰囲気からも日本いや、地球でない事は容易に想像できた。イスに座っていた女性が立ち歩いてくる。

「私はフィオナ ベルクーリ第2王女あちらの方はフェイソル国28代目グランツ ベルクーリ国王だ。勇者様方、この度は我が国フェイソル王国の都合により異世界より召喚させていただきました。困惑していらっしゃいますが、まずはステータスの確認を願えますか?この鑑定水晶玉に触れていただくと見えます。その後に全てお話しいたします。」

 偉い人に見えたのは間違いではなかった国の王族だったとは、やけに丁寧だなと思いながらも言われたとうりにする。一番最後に鑑定のようだ。おや?何やらもめているような?やっと俺の番かと思ったがどうやら周りが俺を見る目が変わってくる。ステータスを確認しようとすると止められた。

「すまないが貴方はどうやら巻き込まれたみたいだ。勇者は元々3人のはずなんだすまないがここには居られない金貨20枚入っている。それで数年は生きていけるだろうその後はどうにかしてくれ。私がしてやれるのはこれくらいだすまない。」

 どうやら俺は歓迎されてきたわけではなく巻き込まれたらしい。残念だがまぁいい。

「いえいえ、では。」

 それだけ言うと宮殿を後にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 

1話目は軽く導入だけです。
2話目から本当に佐藤〇〇の凄さが分かりますよ! 

2019年8月3日
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