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第9話 天使様、登場!!
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ダンスパーティー以降、私への縁談が増えた。ダンスを踊った隣国の王子も例外ではなく王に交渉をしていると聞く。
運命的な出会いをパーティーで出来なかった私はどうやって婚約者になろうとしている者たちを蹴散らすか考えていた。
「ラジエル何かいい考えはないのかしら」
教育係を任命した彼は、嬉しそうに歴代の王の事を教えてくれた。秘密までも載っているため、文献として残っていない些細な事も伝えてくれる。
当時何が街で流行り、廃れていったか。王が隠していた性癖など。知恵の書だからこその内容が詰め込まれている。
「政治に介入はするつもりはありません。貴方の教育係をしているのも人として知りすぎない情報で調整はしています」
「歴代王の性癖も」
「知識としてあれば、何かあった時対処できるでしょ」
「何もないことを願いますけどね」
女性の身になって、力に任せられたら負けてしまうのを実感した。女性騎士も居るけど、魔法でパワー強化をする者もいる。私も魔法を駆使して戦っている。自在に力を使いのなせるようになるまでは時間がかかった。自力の才能だけでは超えられない壁。
「ラジエルは戦いはできないの」
「戦術は教えられます。どこか落したい国でもありますか」
目の奥が光る。秘密を知る者ラジエルは口が堅い。
「国を落とす予定はない。剣術を磨きたくて」
聖剣も存在していると聞く。子供の頃に聖剣を手にしたくて剣術を磨いていた。自分が聖剣を抜けなかった場合は、聖剣の持ち主と戦ってみたい。
王家の血を継いで生まれたために、夢を抱けなかった。国のために命を捧げる。国民が居なければ国として成り立たない。
「戦いを得意としている者はいますが、機会があれば紹介しましょう」
「約束だ」
カエルがぴょこっと私の机の上に登ってくる。ゲコゲコと心配そうに鳴いている。
「カエルは戦う事が嫌いなのか?大丈夫私は強いんだ」
国の騎士団長には勝てた。女の力でやっとだったので、今までの鍛錬のお陰。
「ミシェル様。貴方の名前も天使から頂いたもの」
「いきなりなんだ」
「カエルの事をカエルと呼び続けるのも如何なものかと」
ラジエルの声にカエルは反発するかのようにゲコゲコ鳴いている。
「名前を付けて欲しいの」
目の前に掲げるように持ち上げる。居づらそうに眼を泳がせる姿。呪いをかけられたと、ラジエルは言っていた。最初私に対する刺客かと考えたが、それなら城に入れるわけがない。
大切な少女との思いでが過る。
「“リテラス”はどうかしら」
会うことができない少女。今会えば私はきっと、王子が行方不明になってから来た女としてしか見られない。口の悪い、いけ好かない女と見られてしまうと思う。
「ゲコゲコゲコ」
名を与えたことがうれしいのか、カエルはクルクルと回ったり飛び跳ねたりする。
「ミシェル様は慧眼をお持ちですか」
ラジエルが知恵の書のページをめくる。
「私にはギフトないですよ」
「記録が無いですね、なるほど」
ラジエルは納得をしたように本から視線を外す。
「私がどうして導かれたのか分かりました。さっさと呪いを解きやがれ、ミシェル様」
「口調いきなり変わっていません」
基本的に女性らしい口調を心掛けている。女性のままでいる可能性の保険もかけておく。
「時間は決まっているのは、ご存じのはず」
先日知ったタイムリミット。父上も焦っているから、見合いをしたのかもしれない。
「ミシェル様がお馬鹿なのは分かりましたので、今後はスパルタで行きます」
「お馬鹿って最近言われた・・・?」
骨董品の老婆にも言われた気がする。秀才と言われている私が馬鹿なはずない。
「ミシェル様、リテラス様の事気にかけてください」
カエルに対してラジエルは恭しくお辞儀をする。
「ミシェル様が馬鹿したら、僕が軌道修正します」
「ゲコゲコ」
「バカバカ言うな」
私の声が部屋に響き渡る。
運命的な出会いをパーティーで出来なかった私はどうやって婚約者になろうとしている者たちを蹴散らすか考えていた。
「ラジエル何かいい考えはないのかしら」
教育係を任命した彼は、嬉しそうに歴代の王の事を教えてくれた。秘密までも載っているため、文献として残っていない些細な事も伝えてくれる。
当時何が街で流行り、廃れていったか。王が隠していた性癖など。知恵の書だからこその内容が詰め込まれている。
「政治に介入はするつもりはありません。貴方の教育係をしているのも人として知りすぎない情報で調整はしています」
「歴代王の性癖も」
「知識としてあれば、何かあった時対処できるでしょ」
「何もないことを願いますけどね」
女性の身になって、力に任せられたら負けてしまうのを実感した。女性騎士も居るけど、魔法でパワー強化をする者もいる。私も魔法を駆使して戦っている。自在に力を使いのなせるようになるまでは時間がかかった。自力の才能だけでは超えられない壁。
「ラジエルは戦いはできないの」
「戦術は教えられます。どこか落したい国でもありますか」
目の奥が光る。秘密を知る者ラジエルは口が堅い。
「国を落とす予定はない。剣術を磨きたくて」
聖剣も存在していると聞く。子供の頃に聖剣を手にしたくて剣術を磨いていた。自分が聖剣を抜けなかった場合は、聖剣の持ち主と戦ってみたい。
王家の血を継いで生まれたために、夢を抱けなかった。国のために命を捧げる。国民が居なければ国として成り立たない。
「戦いを得意としている者はいますが、機会があれば紹介しましょう」
「約束だ」
カエルがぴょこっと私の机の上に登ってくる。ゲコゲコと心配そうに鳴いている。
「カエルは戦う事が嫌いなのか?大丈夫私は強いんだ」
国の騎士団長には勝てた。女の力でやっとだったので、今までの鍛錬のお陰。
「ミシェル様。貴方の名前も天使から頂いたもの」
「いきなりなんだ」
「カエルの事をカエルと呼び続けるのも如何なものかと」
ラジエルの声にカエルは反発するかのようにゲコゲコ鳴いている。
「名前を付けて欲しいの」
目の前に掲げるように持ち上げる。居づらそうに眼を泳がせる姿。呪いをかけられたと、ラジエルは言っていた。最初私に対する刺客かと考えたが、それなら城に入れるわけがない。
大切な少女との思いでが過る。
「“リテラス”はどうかしら」
会うことができない少女。今会えば私はきっと、王子が行方不明になってから来た女としてしか見られない。口の悪い、いけ好かない女と見られてしまうと思う。
「ゲコゲコゲコ」
名を与えたことがうれしいのか、カエルはクルクルと回ったり飛び跳ねたりする。
「ミシェル様は慧眼をお持ちですか」
ラジエルが知恵の書のページをめくる。
「私にはギフトないですよ」
「記録が無いですね、なるほど」
ラジエルは納得をしたように本から視線を外す。
「私がどうして導かれたのか分かりました。さっさと呪いを解きやがれ、ミシェル様」
「口調いきなり変わっていません」
基本的に女性らしい口調を心掛けている。女性のままでいる可能性の保険もかけておく。
「時間は決まっているのは、ご存じのはず」
先日知ったタイムリミット。父上も焦っているから、見合いをしたのかもしれない。
「ミシェル様がお馬鹿なのは分かりましたので、今後はスパルタで行きます」
「お馬鹿って最近言われた・・・?」
骨董品の老婆にも言われた気がする。秀才と言われている私が馬鹿なはずない。
「ミシェル様、リテラス様の事気にかけてください」
カエルに対してラジエルは恭しくお辞儀をする。
「ミシェル様が馬鹿したら、僕が軌道修正します」
「ゲコゲコ」
「バカバカ言うな」
私の声が部屋に響き渡る。
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