出戻り公爵令嬢の閨指導

綾瀬 りょう

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※初めては勘違いと共に消え去りました

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 鍛え抜かれた肉体は、私が押し返そうとしてもびくともしなくて、私はベッドとオズワルドに挟まれていた。閨指導役をすると決心をしたけど、こんな形で抱かれるつもりはなかった。
「……はう、オズワルドぉ……」
 何度も何度も唇を重ねられ、その合間に会話を試みようとするけど、オズワルドは呼吸をする間しかくれない!!
「なんだ、旦那様とは一つになってるんだろう?キスだけでそんなに蕩ける顔をするなんて」
 オズワルドの瞳の奥には熱がこもり、ゴツゴツとした指で、胸の先端を高速に弾いたり、摘んだりとまるでおもちゃを見つけたかのようだ。
「違うのぉ……っ、ダメェそれ以上つままないで」
 先端が固くなっているのを自分でも感じる。オズワルドの顔は私の首筋を舌で舐めたり、唇で噛み付いたりしている。
 快楽に頭が考えることを放棄し始めている。股の間に、何か伝う感触がするけど何も感じないフリをした。これ以上感じちゃダメなのに、刺激に素直に体は反応してしまっている。
「これだけで、濡れるんだ……」
 顔を上げたオズワルドが、胸を揉んでいない方の手で私の秘部に触れる。クチュクチュと卑猥な音が部屋の中に響く。ゴツゴツとした指が濡れている箇所の切れ目に指をそい、一本だけ何かが入り込んできた。
「あん…あっ、だめぇ、きちゃう、何か、きちゃうぅぅぅ」
 つままれていた胸の刺激だけじゃなく、同時にいじられしかも、音までも私が抱かれたいと願っていた人の腕の中にいるんだと思い知らされる。
「もっと声、聞かせてくれ」
 耳元でオズワルドの声がして、お腹がキュウっと締め付けられる感じがしたと思うと、ドバッと何かが溢れた気がした。
「ハァハァ……」
 何?私の体は一体どうしちゃったの?勘違いをしているオズワルドと話をしたいのに、頭が動かない。
 少し前にキスをした。デートもして、心も繋がっていきたいと思っただけなのに。
 オズワルドは胸をもんでいた手で私の顔を優しくなぞり、卑猥な音を立てていた指を自分の口に咥えた。
「キャロルの味がする……これは俺だけのものだ」
「おずわるど、さまぁ」
 ぼおっとする頭。濡れている箇所を拭き取りたいと思いながらも、もう一度お腹が熱くなる感覚を味わいたくなってしまう。
 獣のような瞳のオズワルド。乙女を彼に捧げられるなら私は本望かもしれない。だって抱かれることを諦めていた人だもの。
「キャロル、そんな甘い声を出すなら、気持ちい時の声も聞かせてくれ……」
 そういうと、オズワルドは優しく触れるだけのキスを数回してから、舌を出し私の口を開こうとする。私の口の中で動き回るものが大好きで、簡単に入り口を開いてしまう。
 自分と相手の唇の境目がわからなくなる。キスがこんなに気持ちいいものだとは知らなかった。このまま抱かれてしまっていいのかな。
 でも、私が処女だと知ったら、閨指導役は降りることになるし、オズワルドと交わる機会を無くしてしまう。純潔でないからこそ、未亡人の自分だから今抱かれようとしている。貴族令嬢で十代で嫁いでいるのに男を知らないなんて後妻に迎えられたときに嫌がられてしまう。
 オズワルドに嫁げることはないのだから、今は彼を受け入れてしまうのもいいのかもしれない。
__母国に戻って幸せになってね。
 知らない土地で、第三妃としてどうしていいか分からなかった私に優しくしてくれた二人が別れ際にかけてくれた言葉。
 心が繋がっていなくても、体だけでも繋がりたいと躍起になっている私を見たらどう思うかな。
 唇を離し、オズワルドが顎を摘んだ。
「……俺とシてるのに、誰のことを考えている?まさか」
「オズワルド様で私をいっぱいにしてください」
 両手を広げる。初めては痛いと聞いているから怖くないわけじゃないけど。
 この機を逃したらいけないような気がした。
 ゴリっと、私の濡れている場所に棒がぶつかった気がした。
 何もしていないのに、それはスルリと私の体の中に入り込んできた。
「もう、逃がさないからな……思ったよりきついな」
「ハウっ、ん……」
 ずんずんずんと押し進んでくる棒に、私は声を抑えられなかった。痛い。でもここで痛がったら処女だとバレちゃう。
「久しぶり、だからです」
「そうだな、久しぶりだなぁ!!!」
 オズワルドの声に力が入り、私の股の間にぐいっと押し込んで、引いてと部屋の中には今度、パンパンという音が響く。
「あ、あ、ああああああああああああ」
 ここの部屋には私とオズワルドが「一つ」になってるから、一人の人間しか存在しないのかと思うと、お腹のなかったがまたキュウっとした。
「っ、急に閉めるな、出る」
「はぁん♡」
 ピュっと私の中に何か当たった感じがしたけどそれを考える間もなく、意識は途絶えてしまった。



「キャロル?」
 無理やりに押し込んだ、気はしていた。濡れていたけど俺のを入れたのは初めてだったから、すんなり入らなかった。
 思った以上にキャロルの中は狭くて、でも奇声を聞いていると腰を動かすのが止められなかった。
 初めて繋がるときはロマンチックにと考えていたのに、思いっきり旦那様に嫉妬してしまった。未亡人として国に帰ってきたのだから他の男性を知っていて当たり前なのに。
 寝ているキャロルの秘部から溢れ出る俺の液体を拭こうとそこを見たら、鮮血があった。
「え……?」
 キャロルは、未亡人。
 閨指導役は経験者であるべき。そして王族には乙女以外が嫁いだ場合、血統がと騒がれキャロルを妃に据えることを忌避されていた。大国の者と通じているかもしれないとも。その辺は、色々クリアにできるのに。
「まじ、え、俺好き勝手動いた……」
 乙女であるのなら、キャロルが俺の妻になるのは問題ないのでは?
 白い結婚だったのだとしたら、どうしてそれを俺に言ってくれなかったんだ?!?!
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