出戻り公爵令嬢の閨指導

綾瀬 りょう

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子どもの頃の回想です

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 走馬灯のように、昔話していたオズワルドの女性の好みの話が思い出された。

 晴れた日に中庭で紅茶を楽しく飲んでいた時だった。珍しくお菓子に手を付けずに眺めているだけのオズワルドが私に問いかけて来た。



『なぁ、どうしてハインド伯爵令嬢が泣いていたのか分かったか?』



 数日前にオズワルドの13歳の誕生日パーティーが城で盛大に執り行われた。5歳の頃からマシューと一緒に城に遊び相手として城に来ていた。兄弟がいないオズワルドは、私たち姉弟を本当の兄弟のように甘えてきているような気がした。例えば鬼ごっこをして怖いメイド長の前で紅茶をひっくり返してみたり、かくれんぼをしていて眠ってしまい、大慌てで城中探す事件を起こしてみたり。そんな元気はつらつなオズワルドの結婚相手を探し始めるために王は年頃の子のダビデントも振るってやって欲しいと言って、いつもよりも同年代の子の参加が多かった。



『オズワルド様、本当にどうして泣いていたのか、分からなかったのですか?』



 私は国王から密かにオズワルドが女性に対して嫌悪感を抱かないようにフォローしてくれ。できれば接し方も教えてやってくれと、お願いをされていたのだ。まだハニートラップはないが、何が起こるか分からない。変な女性に引っかからない予防にもと、お願いをされてしまった。

 初手を間違えて女性に嫌悪感を抱かれて欲しくもないしと、マシューにも意見を求めようと視線を送るが、クッキーを食べるのに夢中になっている。これは後でマシューにお灸をすえてもらうようにお母様に頼む必要があるかもしれない。

 オズワルドは真っすぐ私の顔を見てくる。



『分からないから聞いているんだ。きつい香水の匂いがキツイ。どうしてもっと軽やかな匂いのものを付けて来なかったんだって言っただけなんだが』

『その言い方がきつかったんです。どうしてオブラートに包んで伝えなかったんですか?他の令嬢は私のようにオズワルド様の暴言に慣れている訳ではありません』



 真っ直ぐな人、というのがオズワルドに対する私の印象だった。

そして人の心を惹きつける魅力のある人。きっとこの人ならいい王になれるかもしれないと思っている。私も多分、オズワルドのことが好きだ。でもこの感情は、家族としての好きと自分に言い聞かせている。役割を超えてはいけないし、お父様にもいずれ良縁を結ぶからと言われているから、私は淡い恋心に蓋をしている。

 実際は、王族の血は人を魅了する力が宿っている……のは初代の国王が精霊を嫁に迎えたからだという話は逸話として残っている。そのため異性に対する免疫を持たせるとともに安易に誰かと体を重ねるような真似をしないと言っていた。



『直接言わないと、分からないこともあるだろ?』



 口を尖らせるオズワルド。唯一の後継者として育てられている彼の気の許せる相手で居続けたいと考える反面、私たち姉弟だけを見つめるだけになられても困ってしまう。

 だから余計に距離を置かなければいけない。私達二人がいなくなったとしても一人で立てるようにしないと、いけないのだ。

オズワルドが他の人も見れる視野を、残しておかないといけない。お父様から教えられた。家臣としての距離を間違えたらもう城には連れて来られなくなるから、間違えるなよと。5歳の頃からあくまでも「家臣」として育てられた私とマシューは唯一の友の座を簡単には引き渡したくなくて必死に勉強などをしている。そのことをオズワルドに伝えるつもりは無い。

 隣にいるための条件を、自分たちに課しているだけだから。



『先日のパーティーはオズワルド様の生誕祭ということをお忘れですか?女の子はみんなオシャレをしてきます』

『パーティーだからな』

『違います。オズワルド様は唯一の後継者です。いつかは妃を迎えることになります』



 歴代の王族は、早いうちに妃候補を決め教育をしていくのだが、オズワルド自身が相手を見つけることを渋っていると国王にこっそり教えてもらっている。もしもオズワルドがどこぞの令嬢に反応したら教えてくれとも。



『俺が妃に迎えたいのは、月の女神だけだ。はぁ、もう一度会いたい』



 ぴくっと、私の眉が動きそうになるのを必死に抑える。12歳のときに偶然出会った“月の女神”にオズワルドは心を奪われている。



『……現実を見てください。月の女神なんていないんですから』



『俺はこの目で見たんだ。去年月夜の晩に空を舞うように踊っていたんだ。俺に見られていると気がついたら逃げていったが』

『だからと言って、ダンスに関しても、上手でない人とは踊れないとか言うのもダメです』



オズワルドが追い求める“月の女神”の正体は私なのだ。

貴方の間の前にいますと、言えたらどんなに気持ちは楽か。そのことは直ぐにお父様にバレてしまい、絶対に口が裂けても正体をばらさないという条件で「話し相手」の立場に居座っている。

去年のオズワルドの生誕祭のとき、私はすっごく会場が息苦しく感じてしまい、霧の魔法を展開させた。合わせて自分の体に光魔法で「目くらまし」を展開させて普通なら見えないはずだったのに、オズワルドは私のことをちゃんと見つめてきた。私は淑女が踊るダンスは苦手で自由にヒラヒラとスカートをはためかせて踊るのが好きだったから、自由に踊っていただけなのに。

 家出も時々やっていたから、すぐさまお父様に首根っこを掴まれ会場の外でお説教を喰らったんだけど。お父様もオズワルドが私に気が付いていたのを知っている。だから、親子で王子を騙していることになるのかもしれない。

 もしかして、これバレたらヤバいやつでは?

 オズワルドに悟られてはいけないと思い、私は平然を装うと腹に力を込めた。



『この国を背負うのですよ。そのままでは国民は離れていきます。相手に寄り添って苦言を言えるようにならないといけません』

『俺が選んだんじゃない、違う人生が歩めたら……』



 オズワルドの瞳が一瞬悲しそうに伏せる。今の呟きは、オズワルドは王位を継ぎたくない意志なのだろうか。

確かにオズワルドは王族に生まれたくて生まれたわけじゃない。他に兄弟がいないから、逃げ道がないオズワルドは、決められた道を歩むしか道は残されていない。

 そのための息抜きは必要だけど、必要以上にオズワルドが私達姉弟に甘えた人間になってしまうことも許されない。

 どうしてこう言う時にかぎってマシューの耳は言葉を拾わないでお菓子にばっかり集中しているのかしら?これは本格的にお父様にお話しして、マシューの教育をやり直してもらわないといけないかもしれない。どうして私がそこまでしっかり考えなきゃいけないのかしら。



『いつか、君たちは俺の元を離れて行くのか?』



 いつもより数段幼く見えるオズワルドの表情に、私は一瞬息をのんでしまった。

 13歳にして、剣術は騎士団長レベルで護衛騎士よりも強いと話を聞くし、防衛大臣との話で大人相手に法の穴をついて注意するほどの洞察力を持っているオズワルド。欲しい物ならば何でも手に入れられるはずの人が、どうして泣きそうな子どもの様な顔をしているの。



『オズワルド様、私は遊び相手ですよ。まぁ親戚ですから他の人よりは長く側にいるかもしれません。でも私も公爵令嬢です。家の掟には従うつもりです』

『ずっとそばにいてくれないのか?』

『それは違う令嬢がオズワルド様の側にいるはずです。血が近すぎる者同士の結婚は、あまりよろしくないですから』



 権力が偏ってしまう場合もある。だからと言って変な血を王族には入れられないと、お父様が話していたのが聞こえてしまった。私も王族の血を継いでいるから、変な所には嫁がせられないし、精霊と共存している我が国では王家の血筋は尊いものとされている。国の始まりの王が精霊と結ばれたのが始まりでこの国ができたから。その理を曲げてしまえば、精霊の怒りを買う可能性もある。



『俺は、本当に欲しい物を手に入れられないのか?』

『オズワルド様好きな人が居たんですか?でも世界は広いです。確か今度、他国に遊学に行く予定でしたよね?楽しんでください』



 オズワルドの遊び相手になった5歳の頃から、どこにお嫁に出してもいいようにと、王妃教育もさせられていた。

 そして、私にも少なからず王族の血が流れているので、魔法が人よりも得意であること、自分の発言に重きを置くことを、お父様に細かく教えられている。この国の王族が他国に嫁ぐことが殆どない理由の一つでもある。他の土地に行くと「この国の加護」が薄れるからだ。

 これまで“精霊”の力を手に入れたくて無理やり王族を嫁がせた国もあったが精霊の加護が一緒について来たことはなかった。

 精霊に好かれた「愛し子」を精霊が守るから、国に繁栄がもたらされるのではと噂されるようになり、我が国の王族を傷つけたら「精霊からの反撃」を受けることとなるというのが、国同士の暗黙の了解になった。魔法の力をくれるのは、自信に流れる精霊の血であり、この国の始まりの王と妃の話だ。



 普段城で遊び相手をしていたので、オズワルドが遊学に行ってからは淑女教育という名の、王妃教育だった。

当初の予定だった四年よりも短い期間の二年でオズワルドは遊学から帰って来た。勉強を終わらせるために休みなく毎日勉強していたのでしんどかったと、一緒に行っていたマシューはぼやいていた。

 十五歳になったオズワルドは見ない間に素敵になっていて、私は心臓をバクバクさせていたのを覚えている。

 蓋をしていた感情がにょきっと顔を出しそうになったから、慌てて蓋をした。



 国に帰って来てからオズワルドの歓迎会などをして数か月が過ぎたある日、珍しくお父様に書斎に呼ばれた。

 私もそろそろ十五歳になる。婚約者の一人くらいいないといけない時期なのだが、話が難航していた。理由の一つにお祖母様が王家出身だったことで、私にも王家の血が流れていること。

更に、私には珍しい聖魔法が使えるという事だった。そのため他国に嫁に出る選択肢はまずなくて、そうなると国内で誰か……という話になるといつもこじれるとお父様は話していた。

 我が家と縁を結びたい家柄は多い事と、尚且つマシューの結婚相手も探さなければならない。

 マシューはオズワルドと一緒に遊学にも行っていて、その間も手紙のやり取りをしていたけどどういうわけか、マシューは遊学先の王女様に恋をしてしまったらしい。

 もし隣国に行くのであれば、一度マシュ―を王家に引き取ってからのがいいのではないかとか言っている人が居るらしい。

 王族の血を継いでいるから、王族同士の結婚にして国同士の繋がりを強くしたい大人の考えだ。

 夕食後お父様の書斎に呼ばれた私は手に汗を握っていた。人払いをされているのか、私とお父様しかここにいない。



『キャロル、お前が婚約者候補のうちの一人に選ばれた』

 国王の右腕として働いているお父様。お父様も国王と兄弟のように育ったらしくとても仲が良かった。

『どういう事ですの?私は選ばれないはずではなかったのですか?』

 そう、聞かされていた。自由に恋愛ができなくても愛は育てられると考えていたから小さなころから覚悟を決めていたつもりだった。

 オズワルドとは幼いころから一緒に居たから兄弟の様な心境だった。



『それがオズワルド様からの、希望と言う事だ』

『聖魔法も使える私は聖女として国に身を捧げるという選択肢も残されているのですよ。だからお父様が婚約を悩まれていると』

『あの親子、賭けをしていたらしい』



 お父様は昔から縁があったからと言う理由で、国王とオズワルドの事を「あの親子」と罵ることがある。それだけ二人の事で許せないことがあったのだと想像ができた。



『それと私を婚約者候補にするっていうのとどう繋がるんですか』

『遊学を短期間で終わらせたらお前を娶りたいと言ったらしいんだ』

『私は精霊王に好かれてしまっています。精霊王が認めた相手でないと結婚できないのはオズワルド様が一番分かっているはずです』



 幼少期、自分に宿る力を調べる時にひょこり顔を出した精霊王に私は好かれて、その時にオズワルドは嫌われてしまっている。

 だから私はオズワルドに嫁げないのだ。



≪何だい、呼んだ?≫



 ひょっこり顔を出す、精霊王は手のひらサイズだった。私とお父様の間を楽しそうに飛び交っている。



『これは、精霊王、ごきげんうるわしゅう』

≪相変わらずお前は眉間に皺を寄せているな。どうした、愛し子のキャロル。どういて悲しい顔をしている?≫



 精霊王が私の方へ飛んでくると手が顔に触れる。そのひんやりとした温度が心地よくて私は恋心をどうするのが最善なのか、悩んでしまう。



『精霊王様は私が他国に嫁いでもいいでしょうか?』



 実は風の精霊が教えてくれた。私の婚姻の話が出たときに、大国が嫁に欲しいと言っていると。家臣たちは大慌てで、嫁いだとしても精霊の力を手に入れることはできないと説明をしているらしい。それでも「以前結ばれた盟約を守ってくれていない。いつでも戦争を仕掛けてもいいんだぞ」と言ったらしく、こちらが折れるしかなかった。



≪キャロルはワシが愛した子だから、他国に行っても力を使えると思うが?≫

『……それはそれで、問題があるきがするんですけど』



 精霊王の爆弾発言。人間と精霊とでは色々違うというけど、そんなんでいいのか?精霊王。



≪……何に悩んでいるか分からんが、ワシはキャロルの気持ちを尊重する。だからもし婚姻をむすんだとしてもそれを応援するつもりだ≫

『では、娘は大国に嫁いでも問題ないと?』



 お父様が遠慮がちに精霊王に声をかける。オズワルドは嫌われているけど、私の生みの親ということで両親は精霊王に好かれていた。



≪ううん。東の方の言葉で雨降って地固まる?だったかな?一度試練を設けた方が丸く収まる気がするんじゃよねぇ≫

 私が首を傾げると精霊王は目の前で一回転して、私の額に口づけを落とした。

≪恐らく大国では病が流行る。それを防げるのはキャロルだけだ。世界を混乱の中に沈めないようにするのもワシの役目なんだ。キャロルには荷が重いが一つ、頼まれてくれないか?≫

『はい』
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