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第85話

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敏郎が初陣した日の夜、いつでも小料理屋は、繁盛していた。

健たち4人は、テキパキと商売をしていた。

阿蘭は健にタブレットを見せた。メロディーが鳴った。「東京23区の隣りの地域に配信する、ばばあネットステーションのトメです。」と配信されていた。

阿蘭は「この配信、面白いな!健の言う通りだよ!」

健は「そうだろう。店の売り上げのために、何か使えるかなあ?」と阿蘭に尋ねた。

その時、頭領と、いつもの戦闘員がやってきた。

この日も、敏郎が出迎えて、2人を席に案内した。

敏郎は頭領に「いつもお越しいただき、ありがとうございます。」と言って、一礼した。

この日、敏郎は気分がよかったので、昨日よりも、一段と丁寧な応対だった。

敏郎は頭領に「ご注文は、いかがいたしましょうか?」と尋ねた。

頭領は敏郎に「そうね。ビールと、しめさば、2人前ね。」とオーダーした。

敏郎は頭領に「ありがとうございます。かしこまりました。」と言って、深く頭を下げて、厨房に戻って行った。

戦闘員が頭領に「あいつ、昨日より、一段と丁寧になってますね。」

頭領も戦闘員に「そうだな。今日の戦闘で、疲れているどころか、ますます元気になっているな!まさか、千鶴の祖父だけに、戦いに目覚めたわけじゃないだろうな?今日は、怪人を忘れてしまったからな。ワシとしたことが油断したもんだな・・・。まさか敏郎があれだけ戦力になるとはな!夢にも思わなかったぞ!」と反省した。

戦闘員は頭領に「日頃、お疲れなんですから、当然のことですよ!」と言って、よいしょした。

頭領は「家業クリーニング屋や戦闘や怪人造りで、忙しいうえに、千鶴の代わりに、あの敏郎だ!疲れるわけだな。おぬしと、この店には、癒されるなあ。ここに一緒に、おぬしと来ると、疲れが取れる!ありがたいのう!」

戦闘員は「恐縮です!頭領あっての僕ですから!僕でよければ、いつでも、どこでも、僕の前では弱音や不満を吐いてもいいですよ!誰にも他言しません!僕は、しっかりと受け止めます!僕に言うことによって、ストレスを発散できて、頭領の、お心の隙間をお埋めします!」

戦闘員は、いつでも小料理屋で、頭領に、おごってもらえるので、頭領のうれしがるツボを心得ていた。

頭領は、敵の動向を探るために、いつでも小料理屋に戦闘員と潜入しているのに、いつの間にか、ここに来ると、癒された気分になっていた。

敵の所に来て、癒されるとは、実にちぐはぐだった。
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