戦うヒーローたちは小料理屋で大忙し！ ～真面目な悪と不真面目な正義のバトル～

第８３話

この日、戦闘員を、１０人動員していた。

健たちエコーズがやっと現れた。遠くの方で、いつも通り、低速で、こちらに向かって走っていた。

頭領は「ああ～、やっと来たか。今日で終わりだな！エコーズ！」

いつもの戦闘員は「エコーズ、来ましたよ！大人しく降参しろと言いたい気分ですね！」

頭領は「おぬし！いいぞ！」と、いつもの戦闘員を褒めた。

いつもの戦闘員は「いや～、それほどでも・・・。」と照れた。

頭領は勝てる戦いだと確信していたので、余裕だった。

その時だった。健たちが息も切れ気味に走ってきて、やっと頭領が指定した場所に到着した。

健は「ハァア、ハァア、エコーズ参上・・・・・・。」と一応、名乗りを上げた。

頭領が「いつも通り、遅かったな！」と言った時、いつものエコーズと違うことに気が付いた。

健と阿蘭と楓梨、それに、阿蘭の背中に背負われている男性１人がいた。

それは、敏郎だった。阿蘭に背負われていた敏郎は背中から降りた。

敏郎の変身衣装は、千鶴と同じく、白の半袖の体操服に紺色のブルマで、四角い黒のサングラスをかけていた。

敏郎は千鶴に返信用のアイテムを借りているので、そのまま、千鶴の変身衣装だった。敏郎は、サングラスは、照れ隠しで、恥ずかしいのとカッコよさを出しているつもりだった。

この敏郎の変身衣装には、頭領と戦闘員たちは度肝を抜かれた。そして、全員でバカにして大笑いした。

頭領は「一体、黒眼鏡の人は、なんですか？男の人ですか？笑わせているんですか？役者不足ですね！他に誰かいなかったんですか？」

頭領は、変身している敏郎だとすぐに気が付いた。

頭領は事情を知っているのに、知らないフリをした。敏郎が参戦するのは頭領も、いつもの戦闘員も一応、予想通りだった。

健は頭領に「うるさいぞ！人手不足のところに手伝ってもらってるんだ！お前がいらないことを言って、この人が辞めたら、どう責任を取ってくれるんだ？」と抗議した。

頭領は、健に「そんなこと言ってる暇ひまがあったら、戦ったらどうだ？」と挑発した。

頭領と戦闘員たちは、ずっと笑っていた。

さすがに、笑われたので、敏郎も自分のことだとわかって、恥ずかしかった。体操服とブルマには、抵抗はあった。しかし、可愛い孫の千鶴のため、頑張っている敏郎だった。