戦うヒーローたちは小料理屋で大忙し! ~真面目な悪と不真面目な正義のバトル~

神ノ木

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第80話

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敏郎が頭領と戦闘員に塩焼きそばを運んできた。

敏郎が「お待たせいたしました!ご注文の塩焼きそば2人前です!お料理が熱いので、お気を付けください!」と頭領と戦闘員に言って、テーブルに塩焼きそばを置いた。

敏郎は「他にご注文はありますか?」と頭領に尋ねた。

頭領は「ありがとう。また何かあったら、お願いするね。」

敏郎は「ありがとうございます。何かあったら、おっしゃってくださいね。いつでも参ります。失礼いたします。」と言って、頭領にまたしても丁寧に、今度は、深々と頭を下げた。

あまりにも丁寧なので、頭領は立ち上がって、敏郎に一礼した。

敏郎も「恐縮です!」と言って、今度は、軽く一礼して、厨房に戻って行った。

頭領は戦闘員に「ワシって、バカかな?客のくせに、立ち上がって、頭下げちゃったよ!つい、こっちまで、つられて、やっちゃったよ!丁寧に応対してしまった!」と愚痴った。

戦闘員が頭領に「そんなことないですよ!その気持ち、わかりますよ!あの丁寧さに、引き込まれそうになりますね!一種の魔力ですね!」と慰めた。

頭領が戦闘員に「あの祖父といい千鶴といい、2人は、変わってるな!孫の千鶴は暴力的なやつだ!そして、その祖父の敏郎は、今どき、時代遅れで、恐ろしいぐらいに丁寧だ!いづれにしても、千鶴の身内だから、一応、油断できないな!」と警戒交じりに言った。

頭領は、この時、油断できないと言ったものの、実際のところ、敏郎は丁寧だが、単なる時代遅れの産物だと思っていた。
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