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ep.29:クトラの談話(キリヤとカムヰ)
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キリヤ:「あー!!かったるい。ヨーレイて、プレイしている時はすぐに滅亡するくせに、PCが操作するとガゼン張り切り出すね」
カムヰ:「分かるわー」
キリヤ:「アホみたいにアルミュールを売り回るから、ハダルードとレッツラッカの色違いばっかと戦ってる」
カムヰ:「うんうん。ちなみに、皆アパルタパルの名前違いやね」
キリヤ:「うっとうしいわ。安いザコ丸出しなくせに、変に腕の立つ騎士が乗っていたりして、無駄に強かったりする」
カムヰ:「で、キリヤさん。キャラクタールートで詰んでるの?」
キリヤ:「キッツイわー。傭兵の稼ぎはほとんどアルミュールの整備や修理で飛んでしまうしねぇ。カムヰさんの方は?」
カムヰ:「大陸の西端から国持ちルートでサクサク進んでるよ。山脈挟んでジュールエルの隣まで来てる」
キリヤ:「ジュールエルはヤメテェェェ!貴重なATMが無くなってしまうがな」
カムヰ「あらあら。そういやキリヤさんのキャラ、ジュールエルの子やったね」
キリヤ:「うん。だから、攻め込まないでね。お願い」
カムヰ:「ラジャー。どのみち山脈は越えられないから。そうそう、キリヤさん、そろそろ国盗れそう?」
キリヤ:「それがね。とっくに廃れた国を放置していたら、知らん間に無茶苦茶技術を発展させて世代越えしたアルミュールを作っていやがるんよ。前回攻め込んだら、私のキャラが辿り着くまでに戦争が終わってたwww」
カムヰ:「このゲームの恐ろしいところは、同じ国でも、プレイヤー操作とPC操作とでは全然性能が違う。小国だとそれが顕著で、どうしても大国スタートしないと詰む」
キリヤ:「ましてや、傭兵とか個人でのキャラクタースタートだと、あっという間に詰んでしまう。今がその一歩手前だけど」
カムヰ:「せめて関わった国だけでも、もうちょっと賢く動いてくれないかなぁ。でないと、なかなか領土なんか取れないね」
キリヤ:「うん。ホントに味方バカ過ぎ」
カムヰ:「それと、このゲーム、目玉のアルミュールで攻め込むの、ほぼ不可能なんじゃね?一日に動ける距離が滅茶苦茶短いし」
キリヤ:「アホな設定が多すぎるよね。ホント。簡単にオーバーヒートするし。カムヰさんの方なんか、砂漠があるからムリゲーなんじゃないですか?」
カムヰ:「うn。だから、ほぼ三○志みたいに歩兵、騎馬兵、弓矢だけで軍編成。それと敵は奸計の火計で丸焼き」
キリヤ:「何のゲーム?(^^)」
カムヰ:「他のプレイヤーのレビューを見ても、西方からスタートした人たちは皆、イケイケで南進したら、いきなりヨーレイにアルミュールを大量に投入されて滅亡ルート一直線になると聞いた。だから、しばらくは国を豊かにして技術上げに専念する」
キリヤ:「私もスタートは良かったんだよ。アルミュールも性能良いし。騎士に魔術を覚えさせて長時間戦えるようにしたし」
カムヰ:「前から思っていたんだけど、それチートだよね?」
キリヤ:「チートと言うよりも確率がメチャクチャ低いだけ。やって出来ない事も無い。剣と魔術の両刀使いだけど、剣の技量はやや低め。チートと呼ぶにはほど遠い。もしかしたらバグかもしれない」
カムヰ:「あと、南端と北端は入れ替わり立ち替わりが激しいらしいです。こちら西端地区はほぼ掌握しました」
キリヤ:「オメ888」
カムヰ:「アリー」
キリヤ:「東端地区は絶賛ガルガンチュアに飲み込まれ中。最悪の立地環境ですわ。おかげで他のプレイヤーほとんど見ないし、過疎化していると錯覚しがち」
カムヰ:「キリヤさん、さらに個人のキャラプレイ。どんな縛りプレイ?」
キリヤ:「やめて!その呼び方。変な勘違いをされてしまうじゃない!」
カムヰ:「スマン。それでもキリヤさん、茨の道を突き進み過ぎ」
キリヤ:「そうでも無いよ。こっちのプレイヤーさんたち、ジュールエル帝国攻略に忙しいらしく、それ以外の国とはあまり戦わない。てかジュールエルが頻繁に攻め込んでくる。自国のアルミュールを開発するよりも、ヨーレイのアルミュールを買っては持ちこたえている状態」
カムヰ:「それでヨーレイ、収入ウハウハでアルミュールを大量に配備しているんじゃない?他のプレイヤーに呼びかけてみれば?少しの間、連合組んで、戦争仕掛けられないようにして国力を貯め込むようにすればと」
キリヤ:「何にしても中央のジュールエル帝国が強すぎる。国力が桁違いな上に、しょっちゅう攻め込んでくるし、ガルガンチュアも浸食してくるし、他のプレイヤーさんたち、プレイヤーキルしなきゃ、もう取れる領土が無くなりつつある」
カムヰ:「ムリゲーじゃん」
キリヤ:「うん。私もそう思ってキャラルートにした。最悪、使える国を捨てて他の方面に流れれば良い」
カムヰ:「使えるてwww。『仕える』ですよね?」
キリヤ:「いや、使えるで正解よ。ほとんど計略の"そそのかす”で他国に攻め込ませているから。でも、ほとんど成功しない。何かと理由を付けては攻め”渋って”いる。やっとこさ侵攻させても、直接操作できないからバカをやって勝手に負けている。この間なんか、少ない兵力を、わざわざ3つに分散させて負けやがった」
カムヰ:「アホ過ぎる・・・。何とかならないのかな、NPCキャラの行動」
キリヤ:「ホント、ムカつく。おまけにアルミュールが動かなくなって捕虜になるし」
カムヰ:「こっちも家臣のNPCがアホ過ぎて。マイキャラの領主様が直々に出陣しないと、まともに勝てない。ちなみにマイキャラの領主様も騎馬兵だったけど、今では甲胄乗り。アホ過ぎるわ」
キリヤ:「領主様やられたら即ゲームオーバーなのにね。これ、ずいぶん前から運営に抗議が入っている」
カムヰ:「とっとと改善して欲しいやね、まったく」
キリヤ:「うnうn」
+ + + +
ジルコーネは"黒曜のイクリプス”の修理を行うクトラたちの背を見て常々思う・・・。
(相変わらず、コイツらの言っているコトはサッパリ分からん)
言葉は通じているのだが、会話の内容が全く頭に入ってこない。
ただ理解しているのは。
彼ら”クトラの民”が、彼らの世界とは異なるこちらの世界を舞台に"ゲーム”を行っている事。
『国を盗る』事を目的としている事も理解している。
それでも。
彼らの力は必要不可欠なのだ。
彼らの意に添う事はできないが、一つだけ目的を同じとしている。
”鉄塊のフリューネイエス”の破壊。
何故かは解らないが、それだけは使命に思えてならない。
ジルコーネはイクリプスの顔を見上げた。
これだけは、間違い無く私の意思で決めた事だ、と。
信じたいんじゃない!これは事実なのだ。
カムヰ:「分かるわー」
キリヤ:「アホみたいにアルミュールを売り回るから、ハダルードとレッツラッカの色違いばっかと戦ってる」
カムヰ:「うんうん。ちなみに、皆アパルタパルの名前違いやね」
キリヤ:「うっとうしいわ。安いザコ丸出しなくせに、変に腕の立つ騎士が乗っていたりして、無駄に強かったりする」
カムヰ:「で、キリヤさん。キャラクタールートで詰んでるの?」
キリヤ:「キッツイわー。傭兵の稼ぎはほとんどアルミュールの整備や修理で飛んでしまうしねぇ。カムヰさんの方は?」
カムヰ:「大陸の西端から国持ちルートでサクサク進んでるよ。山脈挟んでジュールエルの隣まで来てる」
キリヤ:「ジュールエルはヤメテェェェ!貴重なATMが無くなってしまうがな」
カムヰ「あらあら。そういやキリヤさんのキャラ、ジュールエルの子やったね」
キリヤ:「うん。だから、攻め込まないでね。お願い」
カムヰ:「ラジャー。どのみち山脈は越えられないから。そうそう、キリヤさん、そろそろ国盗れそう?」
キリヤ:「それがね。とっくに廃れた国を放置していたら、知らん間に無茶苦茶技術を発展させて世代越えしたアルミュールを作っていやがるんよ。前回攻め込んだら、私のキャラが辿り着くまでに戦争が終わってたwww」
カムヰ:「このゲームの恐ろしいところは、同じ国でも、プレイヤー操作とPC操作とでは全然性能が違う。小国だとそれが顕著で、どうしても大国スタートしないと詰む」
キリヤ:「ましてや、傭兵とか個人でのキャラクタースタートだと、あっという間に詰んでしまう。今がその一歩手前だけど」
カムヰ:「せめて関わった国だけでも、もうちょっと賢く動いてくれないかなぁ。でないと、なかなか領土なんか取れないね」
キリヤ:「うん。ホントに味方バカ過ぎ」
カムヰ:「それと、このゲーム、目玉のアルミュールで攻め込むの、ほぼ不可能なんじゃね?一日に動ける距離が滅茶苦茶短いし」
キリヤ:「アホな設定が多すぎるよね。ホント。簡単にオーバーヒートするし。カムヰさんの方なんか、砂漠があるからムリゲーなんじゃないですか?」
カムヰ:「うn。だから、ほぼ三○志みたいに歩兵、騎馬兵、弓矢だけで軍編成。それと敵は奸計の火計で丸焼き」
キリヤ:「何のゲーム?(^^)」
カムヰ:「他のプレイヤーのレビューを見ても、西方からスタートした人たちは皆、イケイケで南進したら、いきなりヨーレイにアルミュールを大量に投入されて滅亡ルート一直線になると聞いた。だから、しばらくは国を豊かにして技術上げに専念する」
キリヤ:「私もスタートは良かったんだよ。アルミュールも性能良いし。騎士に魔術を覚えさせて長時間戦えるようにしたし」
カムヰ:「前から思っていたんだけど、それチートだよね?」
キリヤ:「チートと言うよりも確率がメチャクチャ低いだけ。やって出来ない事も無い。剣と魔術の両刀使いだけど、剣の技量はやや低め。チートと呼ぶにはほど遠い。もしかしたらバグかもしれない」
カムヰ:「あと、南端と北端は入れ替わり立ち替わりが激しいらしいです。こちら西端地区はほぼ掌握しました」
キリヤ:「オメ888」
カムヰ:「アリー」
キリヤ:「東端地区は絶賛ガルガンチュアに飲み込まれ中。最悪の立地環境ですわ。おかげで他のプレイヤーほとんど見ないし、過疎化していると錯覚しがち」
カムヰ:「キリヤさん、さらに個人のキャラプレイ。どんな縛りプレイ?」
キリヤ:「やめて!その呼び方。変な勘違いをされてしまうじゃない!」
カムヰ:「スマン。それでもキリヤさん、茨の道を突き進み過ぎ」
キリヤ:「そうでも無いよ。こっちのプレイヤーさんたち、ジュールエル帝国攻略に忙しいらしく、それ以外の国とはあまり戦わない。てかジュールエルが頻繁に攻め込んでくる。自国のアルミュールを開発するよりも、ヨーレイのアルミュールを買っては持ちこたえている状態」
カムヰ:「それでヨーレイ、収入ウハウハでアルミュールを大量に配備しているんじゃない?他のプレイヤーに呼びかけてみれば?少しの間、連合組んで、戦争仕掛けられないようにして国力を貯め込むようにすればと」
キリヤ:「何にしても中央のジュールエル帝国が強すぎる。国力が桁違いな上に、しょっちゅう攻め込んでくるし、ガルガンチュアも浸食してくるし、他のプレイヤーさんたち、プレイヤーキルしなきゃ、もう取れる領土が無くなりつつある」
カムヰ:「ムリゲーじゃん」
キリヤ:「うん。私もそう思ってキャラルートにした。最悪、使える国を捨てて他の方面に流れれば良い」
カムヰ:「使えるてwww。『仕える』ですよね?」
キリヤ:「いや、使えるで正解よ。ほとんど計略の"そそのかす”で他国に攻め込ませているから。でも、ほとんど成功しない。何かと理由を付けては攻め”渋って”いる。やっとこさ侵攻させても、直接操作できないからバカをやって勝手に負けている。この間なんか、少ない兵力を、わざわざ3つに分散させて負けやがった」
カムヰ:「アホ過ぎる・・・。何とかならないのかな、NPCキャラの行動」
キリヤ:「ホント、ムカつく。おまけにアルミュールが動かなくなって捕虜になるし」
カムヰ:「こっちも家臣のNPCがアホ過ぎて。マイキャラの領主様が直々に出陣しないと、まともに勝てない。ちなみにマイキャラの領主様も騎馬兵だったけど、今では甲胄乗り。アホ過ぎるわ」
キリヤ:「領主様やられたら即ゲームオーバーなのにね。これ、ずいぶん前から運営に抗議が入っている」
カムヰ:「とっとと改善して欲しいやね、まったく」
キリヤ:「うnうn」
+ + + +
ジルコーネは"黒曜のイクリプス”の修理を行うクトラたちの背を見て常々思う・・・。
(相変わらず、コイツらの言っているコトはサッパリ分からん)
言葉は通じているのだが、会話の内容が全く頭に入ってこない。
ただ理解しているのは。
彼ら”クトラの民”が、彼らの世界とは異なるこちらの世界を舞台に"ゲーム”を行っている事。
『国を盗る』事を目的としている事も理解している。
それでも。
彼らの力は必要不可欠なのだ。
彼らの意に添う事はできないが、一つだけ目的を同じとしている。
”鉄塊のフリューネイエス”の破壊。
何故かは解らないが、それだけは使命に思えてならない。
ジルコーネはイクリプスの顔を見上げた。
これだけは、間違い無く私の意思で決めた事だ、と。
信じたいんじゃない!これは事実なのだ。
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