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ep.28:サイクロプス討伐戦~その3~(ファイナルブロウ)
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ギシギシと軋むフリューネイエスの腕関節。
アムリエッタとは異なり、無機質な機巧甲胄ばかりを相手に戦ってきたキュレイは、初めて目にする巨大生物を前に恐怖した。
画面一杯に迫ってくるサイクロプスの顔。
巨大生物さえも骨ごと噛み砕く鋭利な歯が、血にまみれて並んでいる。
おぞましいの一言に尽きる。
今にも逃げ出したいと願う一方で、果敢に立ち向かうアムリエッタを、とても心強く思う。
「まだだ!」
左手のスパイクシールドによる打撃を、鋭くサイクロプスの脇腹に叩き込む。
突き刺さるシールドのトゲ。しかし。
もう一度打撃を加えようと引き下げた左腕を、今度はガッチリと抱え込まれてしまった。
不覚にも、組み手の状態へ。
「アム様!」「マズい!このまま両腕をへし折るつもりだ。このぉ」
アルミュールを持ってしても圧倒できないサイクロプス。
しかも、身長ではフリューネイエスよりも頭一つ高く、さらに頭上から噛み付いてきた。
騎体が大きく揺れる。揺さぶられる。
「姫様をお救いしろぉ!」
ナディの指示を受けてクロスボウを持った部下たちがフリューネイエスの足下に集結する。
「ダメだ!頭にかじり付いていても、動いているせいで狙いが定まらない!」
直接目を狙い撃ちたいところなのに。
サイクロプスを怯ませるには、他には何処を狙えば良い?
「膝裏を狙って下さい。後は私の魔法で引き剥がします」
キュレイの声に、ナディはサイクロプスの右膝裏に部下たちを回り込ませると、一斉に矢を放った。
ドス、ドス、ドス!深く突き刺さるクロスボウから放たれた矢。それもそのはず、威力は言うまでもなく、膝裏だけはどの生物でも筋肉は付かない箇所である。いわば弱点。
サイクロプスの膝が崩れた。
と、同事に噛み付いていた頭を離した。
すかさずキュレイは、その頭部に水の玉を叩き落としてやった。
衝撃により、今度は左腕に組み付いていた腕が緩んだ。
今だ!
「アム様、左腕が自由になりました」
その声を聞き届けて、アムリエッタは渾身の左パンチをサイクロプスの頭部に炸裂させた。
スパイクシールドのトゲが、サイクロプスの頬に突き刺さる!
サイクロプスが顔から血飛沫を上げながら半歩退いた!
今度は頭を叩き潰してやる。
もう一発だッ!!叩き込むべく腰を捻り左腕を大きく振りかぶった。
「いけぇぇぇ!!」
唸り、アムリエッタは左フックをサイクロプスの側頭部めがけて繰り出した。
パッキィィィーンッ!!
サイクロプスの頭部は見事、高い音を立てて粉々に砕け散った。
同じ個体であったか定かでは無いが、これでケインの仇は討った。
達成感に浸るアムリエッタとは対照的に、キュレイは突然沸いて出た違和感に警戒心を抱いた。
「アム様!緊急後退を!」
突然のキュレイの声に、アムリエッタは戸惑いながらも、跳ねるようにしてサイクロプスの体がら退き下がった。
「うわぁりゃぁぁぁ!!」
突然聞こえてきた雄叫びと共に、目の前に佇んでいた、頭部を失ったサイクロプスの体が瞬時にして叩き潰されてしまった。
辺りに飛び散る鮮血は、やがて雨となり降り注いだ。
「なっ!?」
目の前に立ちはだかる巨大な岩で出来た杵。そして、それを手にする、鮮血の雨に濡れる漆黒のアルミュール。
「コレが最強最悪と呼ばれた巨大生物てか?フンッ!笑わせる。アルミュール1騎でも十分相手になるではないか」
女性の声?
山羊のような捻れた角を頭に生やした禍々しい姿。そして、歩を進めた跡に残る足跡は深く、今まで戦ってきたどのアルミュールよりも重いと見て取れる。
「まあ、事前にコイツの体を濡らしてくれていたおかげで、我が氷の魔法が効果を成したのではあるがな」
キュレイは、サイクロプスの頭部を砕いた瞬間に抱いた違和感の正体に気付いた。
あれは凍ったものを砕いた時の感触だ。
「ふん!改めて名乗らせてもらうぞ。我が名はジルコーネ・トルピィ・ディアマンテ。そして貴殿が目にしているアルミュールは、"黒曜のイクリプス”!して、貴殿の名は?」
問われた。
「私の名はアムリエッタ・ソイル・シルフハイム。アルミュールの名は”鉄塊のフリューネイエス”。先程は力添えを頂き感謝する」
名乗ると同事に感謝の意を述べた。
「なに、礼には及ばぬ。すでに情報を得ていると思うが、私はヴァルガン軍に与している貴殿の敵だ。このまま戦闘を続行と行きたいところではあるが、いかんせん、こちらもヨーレイのアパルタパル・・ん?ハダルードだったかな?それともレッツラッカか?」
「アパルタパルで正解です。レッツラッカはフリーの甲胄乗りが買い取った際に付けられる名称にございます」
「そうであったな。ありがとうサフィール。おっと、そうそう。この者は我の侍女、いや今ではパートナーと呼ぼうか。魔術師のサフィールだ」
突然、魔術師を紹介され、アムリエッタとキュレイは困惑した。
ジルコーネが続ける。
「すっかり話が逸れてしまったな。その、貴殿たちと出逢う前に、ヨーレイからガルガンチュアを迂回するルートを取った際に、ヨーレイのアルミュールと一戦交えてしまってな。ダメージこそ負いはしなかったが、騎体に無理をさせてしまって、少しばかり整備が必要となったのだ。だから今は交戦を控えたい」
何とも身勝手な理由なのだろう。
最凶最悪と名高き"壊し屋のジルコーネ”とて、万全を喫していない今こそ彼女を討ち取れる最大の好機である。
それでも、一応は助太刀をしてくれた恩人だし、彼女の申し出を無為にはね除ける訳にはいかない。
「分かりました。では、我々は負傷者の救助を行った後、この場を立ち去りると致しましょう」
「そうしてくれると有り難い。それともう一つ願いがあるのだが、聞いてくれるかな?」
「何でしょう?」
「貴殿、たった今、私に殺されていたな。生き延びたければ、相手の言い分を素直に受け入れぬ事だな」
停戦を申し出ておきながら、何て言い草。
「願わくば、次は貴殿ではなく、噂に名高い"嵐の乙女”と剣を交えたい。貴殿の戦い振り、拝見させてもらったが、物足りぬ。私の相手を務めると言うのならば、少なくとも今の10倍は強くなられよ。さもなければ、次に相対した時に、無様に我に叩き潰されるのがオチだ」
アムリエッタは怒りを覚えた。
「それとシルフハイムに与する魔術師!貴様の水の魔法では我らには敵わぬ。有利にするだけだ。貴様には用は無い!控えられよ」
水の魔術師にとって、氷の魔術師は上位互換に当たる。よって、氷を操る魔術師がイクリプスに搭乗している以上、キュレイでは不利になってしまう。
ご忠告、有り難く受け取りたいところだが。
「お言葉ですが、ジルコーネ殿。このキュレイと申す魔術師、並の魔術師と同じに見てもらっては困ります。この者は水を熟知しており、上位とされる氷で圧倒できると見ない方が賢明かと存じます」
アムリエッタも大人しく退き下がってはいない。
「ほほう、口だけは一人前だな。ならば、2人して我に挑むが良い。楽しみにしているぞ」
告げるジルコーネの背後に、ようやくヴァルガンの騎馬兵たちが合流した。
さらに追い討ちを掛けようと、馬を走らせる騎馬兵たちを杵のハンマーを地面に打ち付けて制止した。
「追うな!ヤツらに構わず、この場所で野営を張る。すぐに取り掛かれ」
敵を前に陣を張ると告げてしまった。
こんな無様な戦は無いと、それぞれが悔しさを胸に、アムリエッタたちシルフハイム軍は負傷者たちを引き連れて撤退を始めた。
アムリエッタとは異なり、無機質な機巧甲胄ばかりを相手に戦ってきたキュレイは、初めて目にする巨大生物を前に恐怖した。
画面一杯に迫ってくるサイクロプスの顔。
巨大生物さえも骨ごと噛み砕く鋭利な歯が、血にまみれて並んでいる。
おぞましいの一言に尽きる。
今にも逃げ出したいと願う一方で、果敢に立ち向かうアムリエッタを、とても心強く思う。
「まだだ!」
左手のスパイクシールドによる打撃を、鋭くサイクロプスの脇腹に叩き込む。
突き刺さるシールドのトゲ。しかし。
もう一度打撃を加えようと引き下げた左腕を、今度はガッチリと抱え込まれてしまった。
不覚にも、組み手の状態へ。
「アム様!」「マズい!このまま両腕をへし折るつもりだ。このぉ」
アルミュールを持ってしても圧倒できないサイクロプス。
しかも、身長ではフリューネイエスよりも頭一つ高く、さらに頭上から噛み付いてきた。
騎体が大きく揺れる。揺さぶられる。
「姫様をお救いしろぉ!」
ナディの指示を受けてクロスボウを持った部下たちがフリューネイエスの足下に集結する。
「ダメだ!頭にかじり付いていても、動いているせいで狙いが定まらない!」
直接目を狙い撃ちたいところなのに。
サイクロプスを怯ませるには、他には何処を狙えば良い?
「膝裏を狙って下さい。後は私の魔法で引き剥がします」
キュレイの声に、ナディはサイクロプスの右膝裏に部下たちを回り込ませると、一斉に矢を放った。
ドス、ドス、ドス!深く突き刺さるクロスボウから放たれた矢。それもそのはず、威力は言うまでもなく、膝裏だけはどの生物でも筋肉は付かない箇所である。いわば弱点。
サイクロプスの膝が崩れた。
と、同事に噛み付いていた頭を離した。
すかさずキュレイは、その頭部に水の玉を叩き落としてやった。
衝撃により、今度は左腕に組み付いていた腕が緩んだ。
今だ!
「アム様、左腕が自由になりました」
その声を聞き届けて、アムリエッタは渾身の左パンチをサイクロプスの頭部に炸裂させた。
スパイクシールドのトゲが、サイクロプスの頬に突き刺さる!
サイクロプスが顔から血飛沫を上げながら半歩退いた!
今度は頭を叩き潰してやる。
もう一発だッ!!叩き込むべく腰を捻り左腕を大きく振りかぶった。
「いけぇぇぇ!!」
唸り、アムリエッタは左フックをサイクロプスの側頭部めがけて繰り出した。
パッキィィィーンッ!!
サイクロプスの頭部は見事、高い音を立てて粉々に砕け散った。
同じ個体であったか定かでは無いが、これでケインの仇は討った。
達成感に浸るアムリエッタとは対照的に、キュレイは突然沸いて出た違和感に警戒心を抱いた。
「アム様!緊急後退を!」
突然のキュレイの声に、アムリエッタは戸惑いながらも、跳ねるようにしてサイクロプスの体がら退き下がった。
「うわぁりゃぁぁぁ!!」
突然聞こえてきた雄叫びと共に、目の前に佇んでいた、頭部を失ったサイクロプスの体が瞬時にして叩き潰されてしまった。
辺りに飛び散る鮮血は、やがて雨となり降り注いだ。
「なっ!?」
目の前に立ちはだかる巨大な岩で出来た杵。そして、それを手にする、鮮血の雨に濡れる漆黒のアルミュール。
「コレが最強最悪と呼ばれた巨大生物てか?フンッ!笑わせる。アルミュール1騎でも十分相手になるではないか」
女性の声?
山羊のような捻れた角を頭に生やした禍々しい姿。そして、歩を進めた跡に残る足跡は深く、今まで戦ってきたどのアルミュールよりも重いと見て取れる。
「まあ、事前にコイツの体を濡らしてくれていたおかげで、我が氷の魔法が効果を成したのではあるがな」
キュレイは、サイクロプスの頭部を砕いた瞬間に抱いた違和感の正体に気付いた。
あれは凍ったものを砕いた時の感触だ。
「ふん!改めて名乗らせてもらうぞ。我が名はジルコーネ・トルピィ・ディアマンテ。そして貴殿が目にしているアルミュールは、"黒曜のイクリプス”!して、貴殿の名は?」
問われた。
「私の名はアムリエッタ・ソイル・シルフハイム。アルミュールの名は”鉄塊のフリューネイエス”。先程は力添えを頂き感謝する」
名乗ると同事に感謝の意を述べた。
「なに、礼には及ばぬ。すでに情報を得ていると思うが、私はヴァルガン軍に与している貴殿の敵だ。このまま戦闘を続行と行きたいところではあるが、いかんせん、こちらもヨーレイのアパルタパル・・ん?ハダルードだったかな?それともレッツラッカか?」
「アパルタパルで正解です。レッツラッカはフリーの甲胄乗りが買い取った際に付けられる名称にございます」
「そうであったな。ありがとうサフィール。おっと、そうそう。この者は我の侍女、いや今ではパートナーと呼ぼうか。魔術師のサフィールだ」
突然、魔術師を紹介され、アムリエッタとキュレイは困惑した。
ジルコーネが続ける。
「すっかり話が逸れてしまったな。その、貴殿たちと出逢う前に、ヨーレイからガルガンチュアを迂回するルートを取った際に、ヨーレイのアルミュールと一戦交えてしまってな。ダメージこそ負いはしなかったが、騎体に無理をさせてしまって、少しばかり整備が必要となったのだ。だから今は交戦を控えたい」
何とも身勝手な理由なのだろう。
最凶最悪と名高き"壊し屋のジルコーネ”とて、万全を喫していない今こそ彼女を討ち取れる最大の好機である。
それでも、一応は助太刀をしてくれた恩人だし、彼女の申し出を無為にはね除ける訳にはいかない。
「分かりました。では、我々は負傷者の救助を行った後、この場を立ち去りると致しましょう」
「そうしてくれると有り難い。それともう一つ願いがあるのだが、聞いてくれるかな?」
「何でしょう?」
「貴殿、たった今、私に殺されていたな。生き延びたければ、相手の言い分を素直に受け入れぬ事だな」
停戦を申し出ておきながら、何て言い草。
「願わくば、次は貴殿ではなく、噂に名高い"嵐の乙女”と剣を交えたい。貴殿の戦い振り、拝見させてもらったが、物足りぬ。私の相手を務めると言うのならば、少なくとも今の10倍は強くなられよ。さもなければ、次に相対した時に、無様に我に叩き潰されるのがオチだ」
アムリエッタは怒りを覚えた。
「それとシルフハイムに与する魔術師!貴様の水の魔法では我らには敵わぬ。有利にするだけだ。貴様には用は無い!控えられよ」
水の魔術師にとって、氷の魔術師は上位互換に当たる。よって、氷を操る魔術師がイクリプスに搭乗している以上、キュレイでは不利になってしまう。
ご忠告、有り難く受け取りたいところだが。
「お言葉ですが、ジルコーネ殿。このキュレイと申す魔術師、並の魔術師と同じに見てもらっては困ります。この者は水を熟知しており、上位とされる氷で圧倒できると見ない方が賢明かと存じます」
アムリエッタも大人しく退き下がってはいない。
「ほほう、口だけは一人前だな。ならば、2人して我に挑むが良い。楽しみにしているぞ」
告げるジルコーネの背後に、ようやくヴァルガンの騎馬兵たちが合流した。
さらに追い討ちを掛けようと、馬を走らせる騎馬兵たちを杵のハンマーを地面に打ち付けて制止した。
「追うな!ヤツらに構わず、この場所で野営を張る。すぐに取り掛かれ」
敵を前に陣を張ると告げてしまった。
こんな無様な戦は無いと、それぞれが悔しさを胸に、アムリエッタたちシルフハイム軍は負傷者たちを引き連れて撤退を始めた。
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