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[21]はじめてのアンデスィデ
-220-:怒られちゃった
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ガトリングガンで牽制しつつ後退を続けるダナを、ツウラたちは嬉々として追撃していた。
唸りを上げるダナのガトリングガン。
絶え間なく放たれる銃弾に、ツウラは、やむなくビルの影へと退避を迫られてしまう。
「あの攻撃、厄介だな」
イエヤスが焦燥感を露わにする。
「あんな振動の激しい武器、そのうち根元から崩れ落ちてしまうわ。それよりも、全然アイツらとの距離が縮まらないじゃないの。銃弾にビビッてないで、さっさとブチのめせる距離まで近づきなさいよ!」
ツウラがイエヤスに発破をかける。
とはいえ、今のこの装備だと射撃武器は一切搭載していない。
「こうなれば、ネタバレになっちゃうけど仕方ないわね。専用武器のスクリームバズーカを召喚して」
ツウラの騎体が釘バットを左手に持ち替えると、右手に魔方陣を展開、長身のバズーカ砲を手にした。
召喚したバズーカ砲を肩に担ぐようにして構えると、ツウラの口元が開いて、バズーカから出ている照準器とは別に飛び出しているダクトらしきモノと結合させた。
スクリームバズーカを構えるその姿は、まるでトランペット演奏のよう。
「射程距離としては短いけれど、さっきよりは断然マシよね」
砲口を逃げ回るダナへと向けて。
射撃による攻撃だと警戒したリョーマは、ダナをジグザクに後退移動さえて回避運動に入った。と。
砲口を起点に空間に歪みが生じた。
砲火は一切なく。
砲声こそしなかったものの、代わりに女性の叫び声が聞こえた。そして。
たった今避けた場所にあったビルが爆砕した。
「な、何をしたのだ?あのツウラという騎体は!」
未だ正体の分からない攻撃を受けている最中に、またもや別の新たな正体不明の攻撃。
リョーマは、たった今捉えた映像をココミへと送ると、「ココミ・コロネ・ドラコット!これと同じ攻撃が以前にもあったか照合してくれ」
データの照合を依頼してきた。
「あ、は、はいッ!」戸惑うあまり、またもやクレハからの指示を伝え損なってしまう。
ツウラによる正体不明の攻撃は、なおも続く。
「声か?さっき女性の叫び声が聞こえたけど、果たして声なんかで物体が破壊できるものなのか?」
物理的な可否はもちろんの事、一方でモンスター伝承も考慮してみた。
叫霊の伝説はツウラと出会ったその日のうちに調べ上げた。
確か、バンシーの声を聞いた者は、ショックのあまり心臓麻痺を起こして死んでしまうと。
伝承には物理攻撃らしき描写は一切無かった。
またもや避けた場所が爆砕された。気を抜けば一撃で破壊は免れない。
その都度、応射を続けていたダナのガトリングガンが、とうとう根本から崩れ落ちてしまった。
「きゃぁあッ!」
ダナが、ついに痛みに声を上げた。
これほどの猛攻にさらされてしまうとは…。もはやこれまでか。
リョーマは再び損傷回復のカードを手に取った。が。
「なりません!マスター。敵の攻撃の正体が掴めない限りは、安易にリペアを行うべきではありません」「しかし、それでは君の体が!」
ダナの関節は絶え間なく悲鳴を上げている。
それは搭乗しているリョーマにも激しい振動となって伝わってきている。
それでもダナは回復処理を拒否して見せた。
「今現在マスターが観るべき相手は私共ではなく、敵にあります。どうか敵の能力を攻略下さいませ。それまでは私は何としてでも堪えて見せます。どうか安心して、敵を叩く方法を見出して下さい」
ボロボロの体でありながら、未だ損傷回復を行わないダナに疑問を抱きつつ、イエヤスはなおも追撃を続ける。
その最中。
「コホン、コホンッ!」ツウラが咳をし始めた。
「大丈夫か?ツウラ」
思わず天井へと目をやってしまう。
「私なら平気。それよりも、しっかりとアイツらに当ててよね。この攻撃、結構喉に負担を掛けるから」
霊力を音声に乗せて撃つ射撃武器である絶叫バズーカは、弾数こそ無制限なれど、魔者にとって相当負担の掛かる代物でもあった。
「ダナとか言うクソ女は、これ以上の苦しみに耐えているのよ!ここで根を上げてなんかいられないじゃない!」
会った事も無いダナに対抗意識を燃やす。
この状況、まさに女の戦いが繰り広げられていた。
「リョーマさん!狭い場所では、そのうち行き場を失ってしまいます。ここは広い“市役所前”に場所を移すなんてどうでしょう?」
ココミはクレハの指示に従い、そこはかとなくリョーマを市役所へと向かわせるよう誘導を図った。
「言っている事はごもっともだが、市役所前はいつも混雑している場所だ。それに、あそこは見事に通りの突き当たりに位置している」
言われてマップ画面と照会してみて、彼の言う通りだと思い知らされた。
リョーマの誘導は見事失敗に終わってしまった。が。
「つべこべ言わずに、黙って私の言う通りに市役所前へ行けば良いんです!!」
こうなれば、もうゴリ押ししかない。
理由などすっ飛ばして、とにかく市役所へと向かうよう指示した。
ココミの態度に異変を感じたリョーマは、すぐさまマップ画面と僚騎の位置を確認した。
幸いな事に、クレハたちが市役所の傍にいない事に安堵するも、建物の並びに違和感を覚えた。
!?
通りを辿れば、ほぼ障害物の無い場所にクレハの駆るガンランチャーがいるではないか!
彼女と市役所とを結ぶ位置にある障害物は商業ビルがひとつだけ。
まさか!
「何をするつもりだ!鈴木・くれは!」
彼女の意図を察したリョーマは、すぐさまクレハと通信を結んだ。
いきなりの叱責にガンランチャーは。
「怒られちゃった」
この期に及んで、テヘペロをしやがった。
唸りを上げるダナのガトリングガン。
絶え間なく放たれる銃弾に、ツウラは、やむなくビルの影へと退避を迫られてしまう。
「あの攻撃、厄介だな」
イエヤスが焦燥感を露わにする。
「あんな振動の激しい武器、そのうち根元から崩れ落ちてしまうわ。それよりも、全然アイツらとの距離が縮まらないじゃないの。銃弾にビビッてないで、さっさとブチのめせる距離まで近づきなさいよ!」
ツウラがイエヤスに発破をかける。
とはいえ、今のこの装備だと射撃武器は一切搭載していない。
「こうなれば、ネタバレになっちゃうけど仕方ないわね。専用武器のスクリームバズーカを召喚して」
ツウラの騎体が釘バットを左手に持ち替えると、右手に魔方陣を展開、長身のバズーカ砲を手にした。
召喚したバズーカ砲を肩に担ぐようにして構えると、ツウラの口元が開いて、バズーカから出ている照準器とは別に飛び出しているダクトらしきモノと結合させた。
スクリームバズーカを構えるその姿は、まるでトランペット演奏のよう。
「射程距離としては短いけれど、さっきよりは断然マシよね」
砲口を逃げ回るダナへと向けて。
射撃による攻撃だと警戒したリョーマは、ダナをジグザクに後退移動さえて回避運動に入った。と。
砲口を起点に空間に歪みが生じた。
砲火は一切なく。
砲声こそしなかったものの、代わりに女性の叫び声が聞こえた。そして。
たった今避けた場所にあったビルが爆砕した。
「な、何をしたのだ?あのツウラという騎体は!」
未だ正体の分からない攻撃を受けている最中に、またもや別の新たな正体不明の攻撃。
リョーマは、たった今捉えた映像をココミへと送ると、「ココミ・コロネ・ドラコット!これと同じ攻撃が以前にもあったか照合してくれ」
データの照合を依頼してきた。
「あ、は、はいッ!」戸惑うあまり、またもやクレハからの指示を伝え損なってしまう。
ツウラによる正体不明の攻撃は、なおも続く。
「声か?さっき女性の叫び声が聞こえたけど、果たして声なんかで物体が破壊できるものなのか?」
物理的な可否はもちろんの事、一方でモンスター伝承も考慮してみた。
叫霊の伝説はツウラと出会ったその日のうちに調べ上げた。
確か、バンシーの声を聞いた者は、ショックのあまり心臓麻痺を起こして死んでしまうと。
伝承には物理攻撃らしき描写は一切無かった。
またもや避けた場所が爆砕された。気を抜けば一撃で破壊は免れない。
その都度、応射を続けていたダナのガトリングガンが、とうとう根本から崩れ落ちてしまった。
「きゃぁあッ!」
ダナが、ついに痛みに声を上げた。
これほどの猛攻にさらされてしまうとは…。もはやこれまでか。
リョーマは再び損傷回復のカードを手に取った。が。
「なりません!マスター。敵の攻撃の正体が掴めない限りは、安易にリペアを行うべきではありません」「しかし、それでは君の体が!」
ダナの関節は絶え間なく悲鳴を上げている。
それは搭乗しているリョーマにも激しい振動となって伝わってきている。
それでもダナは回復処理を拒否して見せた。
「今現在マスターが観るべき相手は私共ではなく、敵にあります。どうか敵の能力を攻略下さいませ。それまでは私は何としてでも堪えて見せます。どうか安心して、敵を叩く方法を見出して下さい」
ボロボロの体でありながら、未だ損傷回復を行わないダナに疑問を抱きつつ、イエヤスはなおも追撃を続ける。
その最中。
「コホン、コホンッ!」ツウラが咳をし始めた。
「大丈夫か?ツウラ」
思わず天井へと目をやってしまう。
「私なら平気。それよりも、しっかりとアイツらに当ててよね。この攻撃、結構喉に負担を掛けるから」
霊力を音声に乗せて撃つ射撃武器である絶叫バズーカは、弾数こそ無制限なれど、魔者にとって相当負担の掛かる代物でもあった。
「ダナとか言うクソ女は、これ以上の苦しみに耐えているのよ!ここで根を上げてなんかいられないじゃない!」
会った事も無いダナに対抗意識を燃やす。
この状況、まさに女の戦いが繰り広げられていた。
「リョーマさん!狭い場所では、そのうち行き場を失ってしまいます。ここは広い“市役所前”に場所を移すなんてどうでしょう?」
ココミはクレハの指示に従い、そこはかとなくリョーマを市役所へと向かわせるよう誘導を図った。
「言っている事はごもっともだが、市役所前はいつも混雑している場所だ。それに、あそこは見事に通りの突き当たりに位置している」
言われてマップ画面と照会してみて、彼の言う通りだと思い知らされた。
リョーマの誘導は見事失敗に終わってしまった。が。
「つべこべ言わずに、黙って私の言う通りに市役所前へ行けば良いんです!!」
こうなれば、もうゴリ押ししかない。
理由などすっ飛ばして、とにかく市役所へと向かうよう指示した。
ココミの態度に異変を感じたリョーマは、すぐさまマップ画面と僚騎の位置を確認した。
幸いな事に、クレハたちが市役所の傍にいない事に安堵するも、建物の並びに違和感を覚えた。
!?
通りを辿れば、ほぼ障害物の無い場所にクレハの駆るガンランチャーがいるではないか!
彼女と市役所とを結ぶ位置にある障害物は商業ビルがひとつだけ。
まさか!
「何をするつもりだ!鈴木・くれは!」
彼女の意図を察したリョーマは、すぐさまクレハと通信を結んだ。
いきなりの叱責にガンランチャーは。
「怒られちゃった」
この期に及んで、テヘペロをしやがった。
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