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[14]騎士と兵士
-146-:単純にお前の勉強不足だろうが
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現用兵器の攻撃が盤上戦騎に効いている。
驚いているのは、クレハだけではなかった。
「何がどうなっている?」
ライクがウォーフィールドに訊ねている。
どうやら、彼らにとっても不測の事態の模様。
再び瓦解していくウッズェへと目を向ける。
右腕のカナヅチが地面へと落下。随分と遠く離れているはずなのに、地響きが足元まで伝わってくる。何tあるんだよ…アレ。
煙に包まれる中、頭をうなだれているウッズェ。
ダッセぇ…。
素直にそう思う。
カラン…。
ウッズェの方から何かが転げ落ちる音がした。
ウッズェは沈黙した訳ではなかった。騎体が少しずつ上昇しているようだ。
「ち、違う!」
上昇ではなく、この速さ、移動ではなく、ウッズェが立ち上がろうとしているのだ。
でもあの騎体の下半身は無限軌道だったはず。
立ち上る煙に包まれる中、騒暴死霊のウッズェ、大地に立つ!
その姿は。
頭は中華鍋状の兜をかぶったおかっぱ頭は相も変わらず。
胸に2基のエアインテークを備え、腰はフレーム剥き出しの。
肩の装甲は、先程まで上部が、まるで洋城の凸凹凸凹が並んだ天上部分のようなカタチのモノが下がって袖状の装甲となり、腕はドラゴンフルーツみたいな突起が3か所ほどある。
そして何よりも目を疑ったのは脚で、ガリガリのフレーム脚にスネ部には魚の骨のようなものが並んでおり、その隙間に小型のミサイルが並んでいる。その数8基×両脚。
スネ部から下がミサイルランチャーになっているのだ。
と。
いきなりウッズェの脚部分が煙を吹いているかと思いきや、空中で旋回している国防機に向けて立て続けにミサイルを発射した。4条の白煙が空に描かれている事から、発射されたミサイルは4発。
「ちゃんとした火器があるじゃねーかよ。このクソ野郎!火器があるなら、あると最初に教えろ!今までトンカチで学園をブチ壊そうとしていた私がバカみたいじゃないか」
発射した後に、シンシアのウッズェを罵る声。
「チッ!シンシア、何を言っていやがる。単純にお前の勉強不足だろうが。ッチ!」
彼女たちの会話から、ぶっつけ本番で盤上戦騎に搭乗しているのが分かった。
慣熟不足はお互い様。
ヒューゴはそれを2度も経験をしている。
「ゲンナイは“戦えない男”だと言ったけど、実際のところ“戦う気の無い男”だから、あえて騎体構成を行う際にすべての武器を外観から消し去ったのさ」
説明をくれるライクへと向いた。
「外観から?」
クレハが訊ねた。
「あれば使いたくなる。彼はそう言っていたよ。ナイフだって、持っていなければ使わずに済むってね」
話を聞くに、黒玉工業高校みたいな不良の集まる学校では自己防衛のためにナイフを所持している生徒もいるのだろう。考えただけでも恐ろしい話だ。
「だから、“cast off”、装甲を脱ぎ去る事で持てる火器を使用可能にしているのさ」
それに加えて無限軌道の上に飛行不可能だったから、ウッズェを甘く見ていた。
「だったら」
クレハは空を見上げて、ミサイルに追われる国防機へと視線を戻した。
超ヤバいじゃん!
国防機は必死に旋回を重ねて追尾するミサイルを振り切ろうと試みるも、ミサイルは思った以上に小回りが利いて、振り切る事が出来ない。さらに、フレアやチャフを散布しても効果ナシ。
ミサイル着弾まであとわずか。
その時。
「ウソ…」
突然、国防機に脚が生えて逆噴射。
自機を過ぎ去ってゆくミサイル群を立て続けにバルカン砲で破壊した。
「何だってぇ!」
当然ながら、シンシアの驚きの声。
またもや国防機にノイズが走った。
「てっきり日本国防の最新鋭戦闘機だと思ったけど」
クレハが呟き。
「アイツはこの国の戦闘機なんかじゃねぇ!」
唸り、シンシアは再び戦闘機をロックオン!
「チッ!こっちが騎士の相手かよ。チッ!!」
ウッズェが最悪の状況に吐き捨てる。
国防機のノイズが解かれて、真の姿を現した。
その姿は。
見た事のない型の戦闘機に、腕と脚の生えた。
“GERWALK《ガウォーク》”
驚いているのは、クレハだけではなかった。
「何がどうなっている?」
ライクがウォーフィールドに訊ねている。
どうやら、彼らにとっても不測の事態の模様。
再び瓦解していくウッズェへと目を向ける。
右腕のカナヅチが地面へと落下。随分と遠く離れているはずなのに、地響きが足元まで伝わってくる。何tあるんだよ…アレ。
煙に包まれる中、頭をうなだれているウッズェ。
ダッセぇ…。
素直にそう思う。
カラン…。
ウッズェの方から何かが転げ落ちる音がした。
ウッズェは沈黙した訳ではなかった。騎体が少しずつ上昇しているようだ。
「ち、違う!」
上昇ではなく、この速さ、移動ではなく、ウッズェが立ち上がろうとしているのだ。
でもあの騎体の下半身は無限軌道だったはず。
立ち上る煙に包まれる中、騒暴死霊のウッズェ、大地に立つ!
その姿は。
頭は中華鍋状の兜をかぶったおかっぱ頭は相も変わらず。
胸に2基のエアインテークを備え、腰はフレーム剥き出しの。
肩の装甲は、先程まで上部が、まるで洋城の凸凹凸凹が並んだ天上部分のようなカタチのモノが下がって袖状の装甲となり、腕はドラゴンフルーツみたいな突起が3か所ほどある。
そして何よりも目を疑ったのは脚で、ガリガリのフレーム脚にスネ部には魚の骨のようなものが並んでおり、その隙間に小型のミサイルが並んでいる。その数8基×両脚。
スネ部から下がミサイルランチャーになっているのだ。
と。
いきなりウッズェの脚部分が煙を吹いているかと思いきや、空中で旋回している国防機に向けて立て続けにミサイルを発射した。4条の白煙が空に描かれている事から、発射されたミサイルは4発。
「ちゃんとした火器があるじゃねーかよ。このクソ野郎!火器があるなら、あると最初に教えろ!今までトンカチで学園をブチ壊そうとしていた私がバカみたいじゃないか」
発射した後に、シンシアのウッズェを罵る声。
「チッ!シンシア、何を言っていやがる。単純にお前の勉強不足だろうが。ッチ!」
彼女たちの会話から、ぶっつけ本番で盤上戦騎に搭乗しているのが分かった。
慣熟不足はお互い様。
ヒューゴはそれを2度も経験をしている。
「ゲンナイは“戦えない男”だと言ったけど、実際のところ“戦う気の無い男”だから、あえて騎体構成を行う際にすべての武器を外観から消し去ったのさ」
説明をくれるライクへと向いた。
「外観から?」
クレハが訊ねた。
「あれば使いたくなる。彼はそう言っていたよ。ナイフだって、持っていなければ使わずに済むってね」
話を聞くに、黒玉工業高校みたいな不良の集まる学校では自己防衛のためにナイフを所持している生徒もいるのだろう。考えただけでも恐ろしい話だ。
「だから、“cast off”、装甲を脱ぎ去る事で持てる火器を使用可能にしているのさ」
それに加えて無限軌道の上に飛行不可能だったから、ウッズェを甘く見ていた。
「だったら」
クレハは空を見上げて、ミサイルに追われる国防機へと視線を戻した。
超ヤバいじゃん!
国防機は必死に旋回を重ねて追尾するミサイルを振り切ろうと試みるも、ミサイルは思った以上に小回りが利いて、振り切る事が出来ない。さらに、フレアやチャフを散布しても効果ナシ。
ミサイル着弾まであとわずか。
その時。
「ウソ…」
突然、国防機に脚が生えて逆噴射。
自機を過ぎ去ってゆくミサイル群を立て続けにバルカン砲で破壊した。
「何だってぇ!」
当然ながら、シンシアの驚きの声。
またもや国防機にノイズが走った。
「てっきり日本国防の最新鋭戦闘機だと思ったけど」
クレハが呟き。
「アイツはこの国の戦闘機なんかじゃねぇ!」
唸り、シンシアは再び戦闘機をロックオン!
「チッ!こっちが騎士の相手かよ。チッ!!」
ウッズェが最悪の状況に吐き捨てる。
国防機のノイズが解かれて、真の姿を現した。
その姿は。
見た事のない型の戦闘機に、腕と脚の生えた。
“GERWALK《ガウォーク》”
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