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[14]騎士と兵士
-133-:市街地にいます
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アニメでしか見た事のない、幾本もの包帯による“全周囲攻撃”。
まさか実際に食らうコトになろうとは…。
包帯たちは、方向転換する際に折れ曲がってくれるので、比較的予測はし易いが、こうも何本も同時に放たれ続けると、集中力が続きそうにない。
一旦距離を置いて休憩を取るか。
しかし。
少しでも距離を置こうと後退しようものなら。
「あ~ら。他の子たちにダンスパートナーを譲っちゃうの?」
告げて包帯を学園校舎へ容赦なく突き立てる。
(コイツ…みんなを人質にするつもりか!?)
思いつつも、背を向けて飛び去ろうと、その瞬間!
アルルカンの前身のドラムリールから包帯が解き放たれる。
「この瞬間を待っていた!」
放たれた包帯が、どれ一つとしてクィックフォワードに狙いを付けていない。奴の狙いは学園校舎。
ヒューゴは振り向きざまにアームライフルを発射!
装甲を撃ち抜けない事を祈りつつ胴体に狙いを定めて。
「ふふん」
アルルカンは不意打ちを食らったにもかかわらずに、不敵に笑うと、前面に包帯を集めて一つの塊としてライフルの弾を弾き返した。
「何ィ、あの包帯、盾にもなるのかよ!」
ヒューゴの驚きはなおも続く。
「盾だけじゃないわ。こうすれば」
右腕のドラムリールから伸びた包帯がギザギザに折り畳まれてノコギリ刃の剣となった。
振り下ろされるアルルカンの剣を「カンッ!!」盾で跳ね除ける。
木乃伊とはよく言ったものだ。
包帯で何でもしてきやがる。
しかし。
一見トリッキーな動きを見せる包帯ではあるが、これまでの攻撃で射程距離はおよそ1500~2000メートルと短く、軌道も読み易い。
数こそ殺人的ではあるが、剣で切り払ってやれば、すぐにしなって巻き戻されることから、先端部のみに霊力もしくは魔力で硬質化させているのだろう。
剣や盾の場合、全体を硬質化させる必要があるので、節約も兼ねて、今まで温存していたのだろう。
粘れば勝てる!おぼろげではあるが、勝機が見えた。
だが、油断はできない。
もう一騎の盤上戦騎、ダナが動けない以上、彼女を全力で護らなければならない。
敵のもう一騎のディザスターは!?
「ココミ。敵のもう一騎は、兵士のディザスターは今どこにいる!?」
ココミに捜索を依頼。
「もう一騎は…えーと、いました!市街地にいます。道路沿いにこちらに向かっています」
道路沿い?
引っ掛かるな…。
警戒しながら進んでいるのか?
そういえば。
あのシンシアとか言った威勢の良いお姉さんはどうしたのだろう?
「アルルカン。さっきからお前ばっかり喋っているけど、お前のマスターはどうしているんだよ?シンシアにしては、やけに大人しいが」
「やめてよぉん。あんな戦争屋、あたしがマスターに迎えるワケないじゃなぁい」
ナヨナヨした口調で全力否定。
だとすると。
市街地からこちらに向かっているのがあのシンシアということになる。
「お前、さっきシンシアの事を戦争屋と言ったな?」
「ええ。あの女、クレイモアって組織で戦闘要員として育て上げられた傭兵だそうよ」
気兼ねなく教えてくれる親切なアルルカン。
一方で。
「クレイモアですって!?」
驚いたのは、ココミの方だった。
「えと、ココミ。クレイモアがどうしたって?」
割り込んできたココミに訊ねた。
「彼らは前回の王位継承戦で、ドラゴンたちのマスターを務めた教会お抱えの騎士団です」
ココミの説明に、思わず「えぇぇ~」。では、かつての仲間が敵となって現れた訳か。
まさか実際に食らうコトになろうとは…。
包帯たちは、方向転換する際に折れ曲がってくれるので、比較的予測はし易いが、こうも何本も同時に放たれ続けると、集中力が続きそうにない。
一旦距離を置いて休憩を取るか。
しかし。
少しでも距離を置こうと後退しようものなら。
「あ~ら。他の子たちにダンスパートナーを譲っちゃうの?」
告げて包帯を学園校舎へ容赦なく突き立てる。
(コイツ…みんなを人質にするつもりか!?)
思いつつも、背を向けて飛び去ろうと、その瞬間!
アルルカンの前身のドラムリールから包帯が解き放たれる。
「この瞬間を待っていた!」
放たれた包帯が、どれ一つとしてクィックフォワードに狙いを付けていない。奴の狙いは学園校舎。
ヒューゴは振り向きざまにアームライフルを発射!
装甲を撃ち抜けない事を祈りつつ胴体に狙いを定めて。
「ふふん」
アルルカンは不意打ちを食らったにもかかわらずに、不敵に笑うと、前面に包帯を集めて一つの塊としてライフルの弾を弾き返した。
「何ィ、あの包帯、盾にもなるのかよ!」
ヒューゴの驚きはなおも続く。
「盾だけじゃないわ。こうすれば」
右腕のドラムリールから伸びた包帯がギザギザに折り畳まれてノコギリ刃の剣となった。
振り下ろされるアルルカンの剣を「カンッ!!」盾で跳ね除ける。
木乃伊とはよく言ったものだ。
包帯で何でもしてきやがる。
しかし。
一見トリッキーな動きを見せる包帯ではあるが、これまでの攻撃で射程距離はおよそ1500~2000メートルと短く、軌道も読み易い。
数こそ殺人的ではあるが、剣で切り払ってやれば、すぐにしなって巻き戻されることから、先端部のみに霊力もしくは魔力で硬質化させているのだろう。
剣や盾の場合、全体を硬質化させる必要があるので、節約も兼ねて、今まで温存していたのだろう。
粘れば勝てる!おぼろげではあるが、勝機が見えた。
だが、油断はできない。
もう一騎の盤上戦騎、ダナが動けない以上、彼女を全力で護らなければならない。
敵のもう一騎のディザスターは!?
「ココミ。敵のもう一騎は、兵士のディザスターは今どこにいる!?」
ココミに捜索を依頼。
「もう一騎は…えーと、いました!市街地にいます。道路沿いにこちらに向かっています」
道路沿い?
引っ掛かるな…。
警戒しながら進んでいるのか?
そういえば。
あのシンシアとか言った威勢の良いお姉さんはどうしたのだろう?
「アルルカン。さっきからお前ばっかり喋っているけど、お前のマスターはどうしているんだよ?シンシアにしては、やけに大人しいが」
「やめてよぉん。あんな戦争屋、あたしがマスターに迎えるワケないじゃなぁい」
ナヨナヨした口調で全力否定。
だとすると。
市街地からこちらに向かっているのがあのシンシアということになる。
「お前、さっきシンシアの事を戦争屋と言ったな?」
「ええ。あの女、クレイモアって組織で戦闘要員として育て上げられた傭兵だそうよ」
気兼ねなく教えてくれる親切なアルルカン。
一方で。
「クレイモアですって!?」
驚いたのは、ココミの方だった。
「えと、ココミ。クレイモアがどうしたって?」
割り込んできたココミに訊ねた。
「彼らは前回の王位継承戦で、ドラゴンたちのマスターを務めた教会お抱えの騎士団です」
ココミの説明に、思わず「えぇぇ~」。では、かつての仲間が敵となって現れた訳か。
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