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[11]迫撃!トリプルポーン
-112-:この戦いに勝って僕は男になる!!
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待て待て待て待て!ちょっと待てぃ!お前ら!
「お前、さっき『お見事!』とか言って潔く負けを認めたんじゃなかったのか?」
ベルタの腕が今にも握り潰されんとする最中、高砂・飛遊午はダメージ回復して再戦を挑んできたカムロを非難した。
ベルタの元々頼りにならない上腕部装甲があっという間にへしゃげてしまい、後は骨格部分を残すだけとなってしまった。
しかし、関節強度にステータス数値を大きく振っているベルタの骨格を持ってしても、そう長くは耐える事はできないだろう。
「残念ですがヒューゴ様、私ウォーフィールドは貴方様の戦いぶりに感服し敗北を認めましたが、カムロのマスターであるマサノリ様が再戦を望まれる以上、このまま戦闘継続される事、何卒ご了承くださいませ」
ウォーフィールドから丁寧な断りが入った。
だが、「こらこらこら!」ほぼ満身創痍なヒューゴには、一方的な戦闘続行になど断じて同意できない。
「では、私はこれにて失礼させて頂きます。皆様方」
腹が立つまでに丁寧な退場宣言してくれたウォーフィールドは。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ただいま戻りました。坊ちゃま」
瞬時にしてライク・スティール・ドラコーンの下へと戻っていた。
恐らくライクが、魔導書を用いて召喚したのだろう。
「存分に堪能したか?ウォーフィールド」「おかげさまで。坊ちゃま」
さも何事も無かったかのような会話を交わしている。
「どうしてアナタだけが戻ってきているのよ!ココミちゃん、この男のようにタカサゴも呼び戻してよ!早く!」
包帯男アルルカンによって天井高く掲げ上げられたままの姿勢で、“鈴木くれは”はココミ・コロネ・ドラコットにヒューゴを召喚するよう要求した。が。
「これはこれはクレハ様、これはまた随分と晴れがましい格好をなされていますね『アナタは黙っていて!!』」
クレハの現状に驚くウォーフィールドを黙らせると「早く!!」再び催促した。
「残念だけどクレハ。ウォーフィールドは魔道書に登録されている魔者だから召喚できたのであって、ただのマスターに過ぎない高砂・飛遊午を魔法で召喚する事は不可能なんだよ」
顔を落とすココミに代わってライクが説明をくれた。
「何なのよッ!その糞みたいなルールッ!!」
身動きが取れない以上、周りに当たり散らす事すら出来ない今のクレハはただただ声を張り上げて彼らグリモワール・チェスの関係者全員を非難することしかできない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ぐあぁぁ」腕の痛みにベルタが苦悶の声を上げた。
何たるパワー!
振り解こうにも、カムロの握力は尋常ではない。
技量など関係なく、純粋な霊力の差が浮き彫りとなった。二天撃で魔力を消費し過ぎたのが仇となった。
「僕からカムロを奪わせはしない!死んでもカムロの手を僕は離さない!」
まるで念仏を唱えるように、自身を鼓舞し続けている。そんなマサノリにヒューゴは圧倒されるも。
「だったら、大人しく死んでろよッ!」
チンピラじみた台詞を吐いて退ける。
「嬉しいよ、マサノリ。アンタが私のために命を張ってくれるなんて。随分と男になったじゃないか」
歓喜の声を上げている。
このカムロという魔者とマスターのマサノリはどんな関係なのだろうか?
不甲斐無いマスターの尻を叩いたり、庇ったり、果てはデレついたりと、まあ忙しい事。
「こんな連中に付き合っていられるかよ」
バカバカしく感じられ、つい本音を漏らす。だけど。
「そう言いなさんなって、ベルタのマスター。連れないコトを言わずに、もう少しだけアタイのマスターに付き合ってくれよ?」
6つ目の表情の無い盤上戦騎のフェイスからでも、この女性が恍惚の表情を浮かべているのが想像できる。
男が命を張って身を守ってくれている状況を喜ばない女性はいない(相思相愛でなければキモいだけ)。
「だったら、彼女の言う通り付き合いましょう。ヒューゴ!!」
痛みを堪えながらベルタが告げ。「おうよ!」ヒューゴもそれに応える。
腕を掴んでいる腕を振り解けないのなら。
両手に握る脇差しを捨てて逆に掴んでやる!
貧弱な握力で相手の腕を握り潰す為ではなく。
逃れられないように固定するために。
「マサノリィ・・この戦いが終わったら、私に女に生まれてきた悦びってヤツを教えてくれるって約束、果たしてくれるよね。いっぱい、いっぱい教えてよね、マサノリ!」
オープン回線で流れるカムロ内の会話に、通信を耳にした全員が顔を真っ赤にした。
「な、何て破廉恥な・・」
表情の薄いウォーフィールドですら絶句する。
「この戦いに勝って僕は男になる!!」
マサノリの意地が!カムロのベルタの腕を掴む手にさらなる力が込められる。カムロの指がベルタのフレームに、メリメリと軋み音を上げながらめり込んでゆく…。
「お前、さっき『お見事!』とか言って潔く負けを認めたんじゃなかったのか?」
ベルタの腕が今にも握り潰されんとする最中、高砂・飛遊午はダメージ回復して再戦を挑んできたカムロを非難した。
ベルタの元々頼りにならない上腕部装甲があっという間にへしゃげてしまい、後は骨格部分を残すだけとなってしまった。
しかし、関節強度にステータス数値を大きく振っているベルタの骨格を持ってしても、そう長くは耐える事はできないだろう。
「残念ですがヒューゴ様、私ウォーフィールドは貴方様の戦いぶりに感服し敗北を認めましたが、カムロのマスターであるマサノリ様が再戦を望まれる以上、このまま戦闘継続される事、何卒ご了承くださいませ」
ウォーフィールドから丁寧な断りが入った。
だが、「こらこらこら!」ほぼ満身創痍なヒューゴには、一方的な戦闘続行になど断じて同意できない。
「では、私はこれにて失礼させて頂きます。皆様方」
腹が立つまでに丁寧な退場宣言してくれたウォーフィールドは。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ただいま戻りました。坊ちゃま」
瞬時にしてライク・スティール・ドラコーンの下へと戻っていた。
恐らくライクが、魔導書を用いて召喚したのだろう。
「存分に堪能したか?ウォーフィールド」「おかげさまで。坊ちゃま」
さも何事も無かったかのような会話を交わしている。
「どうしてアナタだけが戻ってきているのよ!ココミちゃん、この男のようにタカサゴも呼び戻してよ!早く!」
包帯男アルルカンによって天井高く掲げ上げられたままの姿勢で、“鈴木くれは”はココミ・コロネ・ドラコットにヒューゴを召喚するよう要求した。が。
「これはこれはクレハ様、これはまた随分と晴れがましい格好をなされていますね『アナタは黙っていて!!』」
クレハの現状に驚くウォーフィールドを黙らせると「早く!!」再び催促した。
「残念だけどクレハ。ウォーフィールドは魔道書に登録されている魔者だから召喚できたのであって、ただのマスターに過ぎない高砂・飛遊午を魔法で召喚する事は不可能なんだよ」
顔を落とすココミに代わってライクが説明をくれた。
「何なのよッ!その糞みたいなルールッ!!」
身動きが取れない以上、周りに当たり散らす事すら出来ない今のクレハはただただ声を張り上げて彼らグリモワール・チェスの関係者全員を非難することしかできない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ぐあぁぁ」腕の痛みにベルタが苦悶の声を上げた。
何たるパワー!
振り解こうにも、カムロの握力は尋常ではない。
技量など関係なく、純粋な霊力の差が浮き彫りとなった。二天撃で魔力を消費し過ぎたのが仇となった。
「僕からカムロを奪わせはしない!死んでもカムロの手を僕は離さない!」
まるで念仏を唱えるように、自身を鼓舞し続けている。そんなマサノリにヒューゴは圧倒されるも。
「だったら、大人しく死んでろよッ!」
チンピラじみた台詞を吐いて退ける。
「嬉しいよ、マサノリ。アンタが私のために命を張ってくれるなんて。随分と男になったじゃないか」
歓喜の声を上げている。
このカムロという魔者とマスターのマサノリはどんな関係なのだろうか?
不甲斐無いマスターの尻を叩いたり、庇ったり、果てはデレついたりと、まあ忙しい事。
「こんな連中に付き合っていられるかよ」
バカバカしく感じられ、つい本音を漏らす。だけど。
「そう言いなさんなって、ベルタのマスター。連れないコトを言わずに、もう少しだけアタイのマスターに付き合ってくれよ?」
6つ目の表情の無い盤上戦騎のフェイスからでも、この女性が恍惚の表情を浮かべているのが想像できる。
男が命を張って身を守ってくれている状況を喜ばない女性はいない(相思相愛でなければキモいだけ)。
「だったら、彼女の言う通り付き合いましょう。ヒューゴ!!」
痛みを堪えながらベルタが告げ。「おうよ!」ヒューゴもそれに応える。
腕を掴んでいる腕を振り解けないのなら。
両手に握る脇差しを捨てて逆に掴んでやる!
貧弱な握力で相手の腕を握り潰す為ではなく。
逃れられないように固定するために。
「マサノリィ・・この戦いが終わったら、私に女に生まれてきた悦びってヤツを教えてくれるって約束、果たしてくれるよね。いっぱい、いっぱい教えてよね、マサノリ!」
オープン回線で流れるカムロ内の会話に、通信を耳にした全員が顔を真っ赤にした。
「な、何て破廉恥な・・」
表情の薄いウォーフィールドですら絶句する。
「この戦いに勝って僕は男になる!!」
マサノリの意地が!カムロのベルタの腕を掴む手にさらなる力が込められる。カムロの指がベルタのフレームに、メリメリと軋み音を上げながらめり込んでゆく…。
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