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[11]迫撃!トリプルポーン
-108-:実は俺も気にはなっていた…
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カードの効果発動!
ただし、効果の説明を相手やギャラリーにする必要はナシ!
ヒューゴの宣言に、ベルタはキバを携えた両手を大きく広げて構えて見せると、双手の脇差しは轟々と燃え盛る炎を纏った、
そして!
まずはカムロに向けて右のキバを振り下ろし。
「こ、こんな距離で何、剣を振っているんだ!?」
ヒューゴの疑問など差し置いて、振り下ろされたキバからは、まとっていた炎が斬撃となってカムロ目がけて飛んでゆく。
間を置かずして。
「ヒューゴ!左のキバを、あの炎に向けて振って下さい!早く!」
急かされるままに左のキバを、先に撃ちだした炎の斬撃目がけて振り下ろす。
と、同じような炎の斬撃が先に放たれた斬撃を追撃する。
さほど移動速度の速くはない先に放たれた斬撃を、カムロは難なく避けると、そのすぐ傍を後から放たれた斬撃がすり抜けてゆく。
「こんな攻撃、他愛も無い」
余裕すら見せるカムロ。
そして、通り過ぎて行った二つの斬撃が、いま、接触。
ゴオォォォォーッ!!
二つの斬撃は炎の球体となり。
「え?えぇぇー??」
想像だにしなかった大爆発、そして周囲に広がる爆風が、辺りを飲み込んでゆく。
「今のうちです。ヒューゴ!雲を抜けます!」
言われるまま、ベルタを全速力で急上昇させる。
「お、おっかねぇー」
振り向きもせずに、ひたすら上昇。
雲を突き抜けて―。
雲の上へと躍り出た。
真上から太陽の光が煌々とベルタを照らし出し。玉虫色の装甲が、幻想的な彩りを映し出す。
「これで、雨とあの厄介な座標指定攻撃の脅威から逃れる事ができました」
ベルタは太陽の光を存分に満喫しながら状況を報告。
彼女はとても分かり易い性格で、嬉しい時は声を上ずらせて話すようだ。
ヒューゴも思わず笑みがこぼれる。ついでに。
「まさか、あれほどの隠し玉を単なる“目くらまし”に使うなんてな。まったく・・大胆な事を考えてくれるヤツだよ。しかし、まあ、これで損傷回復のカードを使って壊されたバイザーを直してクロックアップからの逆転劇の夢は見事潰えた訳だ」
「何を仰います。貴方はそのような手段を用いらずとも、あのカムロを攻略する事など雑作も無いでしょう」
それは買いかぶり過ぎた。
ヒューゴに対する評価は、敵であるウォーフィールドも同じ。
「まさか我々の“ウォーターゲート”を攻略してみせるとは、まったく貴方には驚かされてばかりです」
カムロが雲を突き破って姿を現すと、濡れた玉虫のような光り輝く装甲が陽の光を反射して幻想的な輝きを見せていた。
雲の上に出た以上、雨の恩恵を受ける事はもう無い。
大技を一つ破られたくらいでは悔しさを露わにしないか…。
6つ目を黄玉色に光らせながらカムロは冷静に|三又槍の中心部を軸にクルクルと円回転させている。
「ヒューゴ。先ほどから気になっていたのですが、カムロの目の色が変わる度に敵の攻撃手段が変わっているような気がしますが、私の思い違いでしょうか?」
それは訊ねられるまでもなく、気になっていた。
が、アロマディフューザーなどの光のリラックス機能とやらのLEDランプが光の色を変えてゆく、あの類のものだったら変に勘ぐるのはチョイと恥ずかしいなと今まで口に出さなかった。
「実は俺も気にはなっていた…」
正直、同じ疑問を先に言ってくれて、とてもありがたい。
でも、だからとどういうのだ?何か意味でもあるのだろうか?
カムロの背負いモノが前へと倒れた。
クロックアップが、10倍速の世界が再びベルタに牙を剥く。
「ご健在だなぁー!」
告げつつもクロックアップの対抗策はバッチリ。急速後退で逃げ切る。
ウォーフィールドが不敵に笑った。
「それはあくまでも推進器を使っての移動が制約を受けるからであって―」
カムロは、背面に浮遊素を大量散布して垂直の強固な“壁”を構築させ始めた。
「10倍速となった五肢の反応速度はすなわち!」
浮遊素で構築した壁を力強く蹴ると、ベルタへ向かって真っすぐに弾丸の如く凄まじいスピードで飛んできた!
「こうすれば10倍速になるのでは!」
クロックアップ時に10倍速になるのは反応速度。だったら推進器ではなく、“脚そのもの”を使っての移動も当然10倍速になる。
弾丸のような勢いで迫りくるカムロに、ヒューゴたちは窮地に立たされた。
10倍速の“突き”か“殴打”が繰り出される。猛スピードから繰り出される攻撃を目で追うのは不可能。ヤマを張るしかない!
どっちだ!?
構えていたら、急にカムロの動きが遅く感じられた。
繰り出された下段からの打撃攻撃を、右のキバで切り払う…事ができちゃった!?
脳内にアドレナリンが分泌されて周囲が遅く感じられる現象でも起きたのか?
でも、あの現象はモノクロの世界だと聞く。総天然色ではなかったと記憶している。
一体、何が起こったのだ!?
ただし、効果の説明を相手やギャラリーにする必要はナシ!
ヒューゴの宣言に、ベルタはキバを携えた両手を大きく広げて構えて見せると、双手の脇差しは轟々と燃え盛る炎を纏った、
そして!
まずはカムロに向けて右のキバを振り下ろし。
「こ、こんな距離で何、剣を振っているんだ!?」
ヒューゴの疑問など差し置いて、振り下ろされたキバからは、まとっていた炎が斬撃となってカムロ目がけて飛んでゆく。
間を置かずして。
「ヒューゴ!左のキバを、あの炎に向けて振って下さい!早く!」
急かされるままに左のキバを、先に撃ちだした炎の斬撃目がけて振り下ろす。
と、同じような炎の斬撃が先に放たれた斬撃を追撃する。
さほど移動速度の速くはない先に放たれた斬撃を、カムロは難なく避けると、そのすぐ傍を後から放たれた斬撃がすり抜けてゆく。
「こんな攻撃、他愛も無い」
余裕すら見せるカムロ。
そして、通り過ぎて行った二つの斬撃が、いま、接触。
ゴオォォォォーッ!!
二つの斬撃は炎の球体となり。
「え?えぇぇー??」
想像だにしなかった大爆発、そして周囲に広がる爆風が、辺りを飲み込んでゆく。
「今のうちです。ヒューゴ!雲を抜けます!」
言われるまま、ベルタを全速力で急上昇させる。
「お、おっかねぇー」
振り向きもせずに、ひたすら上昇。
雲を突き抜けて―。
雲の上へと躍り出た。
真上から太陽の光が煌々とベルタを照らし出し。玉虫色の装甲が、幻想的な彩りを映し出す。
「これで、雨とあの厄介な座標指定攻撃の脅威から逃れる事ができました」
ベルタは太陽の光を存分に満喫しながら状況を報告。
彼女はとても分かり易い性格で、嬉しい時は声を上ずらせて話すようだ。
ヒューゴも思わず笑みがこぼれる。ついでに。
「まさか、あれほどの隠し玉を単なる“目くらまし”に使うなんてな。まったく・・大胆な事を考えてくれるヤツだよ。しかし、まあ、これで損傷回復のカードを使って壊されたバイザーを直してクロックアップからの逆転劇の夢は見事潰えた訳だ」
「何を仰います。貴方はそのような手段を用いらずとも、あのカムロを攻略する事など雑作も無いでしょう」
それは買いかぶり過ぎた。
ヒューゴに対する評価は、敵であるウォーフィールドも同じ。
「まさか我々の“ウォーターゲート”を攻略してみせるとは、まったく貴方には驚かされてばかりです」
カムロが雲を突き破って姿を現すと、濡れた玉虫のような光り輝く装甲が陽の光を反射して幻想的な輝きを見せていた。
雲の上に出た以上、雨の恩恵を受ける事はもう無い。
大技を一つ破られたくらいでは悔しさを露わにしないか…。
6つ目を黄玉色に光らせながらカムロは冷静に|三又槍の中心部を軸にクルクルと円回転させている。
「ヒューゴ。先ほどから気になっていたのですが、カムロの目の色が変わる度に敵の攻撃手段が変わっているような気がしますが、私の思い違いでしょうか?」
それは訊ねられるまでもなく、気になっていた。
が、アロマディフューザーなどの光のリラックス機能とやらのLEDランプが光の色を変えてゆく、あの類のものだったら変に勘ぐるのはチョイと恥ずかしいなと今まで口に出さなかった。
「実は俺も気にはなっていた…」
正直、同じ疑問を先に言ってくれて、とてもありがたい。
でも、だからとどういうのだ?何か意味でもあるのだろうか?
カムロの背負いモノが前へと倒れた。
クロックアップが、10倍速の世界が再びベルタに牙を剥く。
「ご健在だなぁー!」
告げつつもクロックアップの対抗策はバッチリ。急速後退で逃げ切る。
ウォーフィールドが不敵に笑った。
「それはあくまでも推進器を使っての移動が制約を受けるからであって―」
カムロは、背面に浮遊素を大量散布して垂直の強固な“壁”を構築させ始めた。
「10倍速となった五肢の反応速度はすなわち!」
浮遊素で構築した壁を力強く蹴ると、ベルタへ向かって真っすぐに弾丸の如く凄まじいスピードで飛んできた!
「こうすれば10倍速になるのでは!」
クロックアップ時に10倍速になるのは反応速度。だったら推進器ではなく、“脚そのもの”を使っての移動も当然10倍速になる。
弾丸のような勢いで迫りくるカムロに、ヒューゴたちは窮地に立たされた。
10倍速の“突き”か“殴打”が繰り出される。猛スピードから繰り出される攻撃を目で追うのは不可能。ヤマを張るしかない!
どっちだ!?
構えていたら、急にカムロの動きが遅く感じられた。
繰り出された下段からの打撃攻撃を、右のキバで切り払う…事ができちゃった!?
脳内にアドレナリンが分泌されて周囲が遅く感じられる現象でも起きたのか?
でも、あの現象はモノクロの世界だと聞く。総天然色ではなかったと記憶している。
一体、何が起こったのだ!?
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