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[11]迫撃!トリプルポーン
-106-:今度は真後ろから串刺しにしてみましょう
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一体目からは、その音速を遥かに凌駕する超高速から繰り出される“半キャラずらし”、いわゆる黎明期のアクションRPGにおいて、プレイヤーキャラが行っていた、敵モンスターからすれば“恐怖の頭突き攻撃”的なピックによる打撃攻撃の恐怖に迫られ。
二体目には、荷電粒子砲という至近弾でさえ灼かれかねないSF色満載のビーム兵器の脅威にさらされ。
挙句、三体目からは、今現在も“座標指定攻撃”なる摩訶不思議攻撃から回避を余儀なくされている。
求めてもいない3連続スリリングな戦いを強いられながらも、高砂・飛遊午の心はなおも折れない。
豪雨の中、動きを止めれば容赦なく360度何処からともなく襲い来る、カムロの三又槍の槍先。
敵盤上戦騎との距離はおよそ2000メートル。
もう少し距離を離せれば、通常火器の有効射程の外へと逃れられる。
だけど、それはあくまでも通常火器でのハナシ。
果たして、距離を離したからと、敵盤上戦騎・深海霊のカムロが放つ“座標指定攻撃”から逃れられるのだろうか?
絶えず回避運動を取らされているベルタの回避運動推力の残量は、もう10パーセントを切ろうとしていた。
「マズイな…」
ヒューゴの心の声が、意図せず声となって出てしまっている。
「これ、どないかならへんのか?」
魔導書を通してライブ映像を眺めているルーティが、もどかしそうにココミに訊ねた。
「映像を見る限り全く隙の無い攻撃です。あれほどの強力な攻撃魔法です。きっと何らかの条件かペナルティを負っているはずなのですが」
いくら画像を再生して確かめても、何らヒントも得られない。
きっと大切な何かを見落としているはずなのだが。
せめて何かアドバイスでもできれば…。
戦事に疎い自身を無力に感じてならない。
ヒューゴはベルタの両腕を広げて、駒のように回転させた。
目が回るのではと思う程に勢いよく、さらに回転速度を上げる。
キンッ!左のキバが火花を散らせて何かと接触。
敵の槍先を切り払う事に成功したようだ。
しかし、それは単なる“まぐれ”でしかない。
恐らく敵が胸元を狙って来ると踏んでの回避行動だったので、素直には喜べない。
むしろ、“こんな形”でしか身を守る術が無い状況を露呈しているだけではないか。
焦りが行動になって、出てしまっている…。
「確実に追い詰められているな。俺たち…」
さっさと何か対処策を見出さないと、やられるのは目に見えている。何とかしないと。
ウォーフィールドとの縮め様の無い実力差よりも、今はこの厄介過ぎる座標指定攻撃の攻略が何よりも優先される。
「それにしても粘るねぇ。ベルタのマスター」
一向にクリティカル・ダメージを与えられない状況にカムロは苛立ちを見せ始めた。
「焦らず気長に行きましょう。マサノリ様の霊力は未だ健在です。それに天候も我々に味方してくれています」
視界がほぼ100メートルに満たない、この状況下でも、カムロの座標指定攻撃は本来の10分の1程度しかその威力を発揮できていない。
やはり、ベルタを海中に叩き落としてから使うべきだったか。
余裕を見せるウォーフィールドも内心では、まだヒューゴたちがただ逃げ惑っているだけで終わる相手では無いと慎重を崩さない。
「今度は真後ろから串刺しにしてみましょう」
三又槍を両手で構えて突進の姿勢に入った。
「最大威力でベルタの双剣の盾を突き破ってみせます」
ウォーフィールドの渾身の刺突攻撃が、ベルタに襲い掛かる!!
二体目には、荷電粒子砲という至近弾でさえ灼かれかねないSF色満載のビーム兵器の脅威にさらされ。
挙句、三体目からは、今現在も“座標指定攻撃”なる摩訶不思議攻撃から回避を余儀なくされている。
求めてもいない3連続スリリングな戦いを強いられながらも、高砂・飛遊午の心はなおも折れない。
豪雨の中、動きを止めれば容赦なく360度何処からともなく襲い来る、カムロの三又槍の槍先。
敵盤上戦騎との距離はおよそ2000メートル。
もう少し距離を離せれば、通常火器の有効射程の外へと逃れられる。
だけど、それはあくまでも通常火器でのハナシ。
果たして、距離を離したからと、敵盤上戦騎・深海霊のカムロが放つ“座標指定攻撃”から逃れられるのだろうか?
絶えず回避運動を取らされているベルタの回避運動推力の残量は、もう10パーセントを切ろうとしていた。
「マズイな…」
ヒューゴの心の声が、意図せず声となって出てしまっている。
「これ、どないかならへんのか?」
魔導書を通してライブ映像を眺めているルーティが、もどかしそうにココミに訊ねた。
「映像を見る限り全く隙の無い攻撃です。あれほどの強力な攻撃魔法です。きっと何らかの条件かペナルティを負っているはずなのですが」
いくら画像を再生して確かめても、何らヒントも得られない。
きっと大切な何かを見落としているはずなのだが。
せめて何かアドバイスでもできれば…。
戦事に疎い自身を無力に感じてならない。
ヒューゴはベルタの両腕を広げて、駒のように回転させた。
目が回るのではと思う程に勢いよく、さらに回転速度を上げる。
キンッ!左のキバが火花を散らせて何かと接触。
敵の槍先を切り払う事に成功したようだ。
しかし、それは単なる“まぐれ”でしかない。
恐らく敵が胸元を狙って来ると踏んでの回避行動だったので、素直には喜べない。
むしろ、“こんな形”でしか身を守る術が無い状況を露呈しているだけではないか。
焦りが行動になって、出てしまっている…。
「確実に追い詰められているな。俺たち…」
さっさと何か対処策を見出さないと、やられるのは目に見えている。何とかしないと。
ウォーフィールドとの縮め様の無い実力差よりも、今はこの厄介過ぎる座標指定攻撃の攻略が何よりも優先される。
「それにしても粘るねぇ。ベルタのマスター」
一向にクリティカル・ダメージを与えられない状況にカムロは苛立ちを見せ始めた。
「焦らず気長に行きましょう。マサノリ様の霊力は未だ健在です。それに天候も我々に味方してくれています」
視界がほぼ100メートルに満たない、この状況下でも、カムロの座標指定攻撃は本来の10分の1程度しかその威力を発揮できていない。
やはり、ベルタを海中に叩き落としてから使うべきだったか。
余裕を見せるウォーフィールドも内心では、まだヒューゴたちがただ逃げ惑っているだけで終わる相手では無いと慎重を崩さない。
「今度は真後ろから串刺しにしてみましょう」
三又槍を両手で構えて突進の姿勢に入った。
「最大威力でベルタの双剣の盾を突き破ってみせます」
ウォーフィールドの渾身の刺突攻撃が、ベルタに襲い掛かる!!
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