102 / 351
[11]迫撃!トリプルポーン
-97-:早くボクを助けろォーッ!!
しおりを挟む
ふと、思い出したのだが、あの超高速の敵騎はどうしたのだろう?
荷電粒子砲の光に気を取られてしまい、すっかりと忘れていた。
辺りを見回すと。
遥か遠くに、アクロバット飛行などで空に描かれる8の字なのか?ハート型なのか?はたまたバネ?を描いているのか?とにかく目茶苦茶な軌道を2本の白線で描いていた。
「あっ」
眺めている最中に空中にYの字が描かれた。
「あれまぁ」
驚きの声を上げると、ベルタが「どうしました?ヒューゴ」訊ねてきた。
あれは。
スキーの初心者がよくやってしまう、左右のスキー板がそれぞれの方向へと滑っていってしまい、最後は股裂きのようにして転倒してしまうミスを彷彿させる。
「攻撃態勢に入っている最中に、荷電粒子砲のビームが割り込んできたら、そりゃあ驚いて操縦をミスってしまうわな」
まさに空中分解。
胴体と両脚の3つに分かれて。
それぞれのパーツがほぼ同時に爆散。
しかし、煙の中から胴体部分が飛び出してくると、中から何かが飛び出して翼を展開、飛行機のようなものに変形した。
コアブロックシステム。
緊急脱出機能を備えていたようだ。
どうやらパイロットは死んでいないらしい。
安堵の溜息が漏れる。が、それもやがて光の粒となって消滅した。
情報獲得のアラームが鳴り響き、正面ディスプレーにメッセージが表示された。
◆◆ 黒側盤上戦騎の情報を獲得しました。 ◆◆
こちらから手を下す事なく、勝利条件の総ダメージ数60パーセント以上に達したのだ。
例え緊急脱出システムを搭載していようとも、だ。
メッセージが流れる。
カンシャク持ちの女のアッチソンの情報を獲得しました。
今の状況、表示されたステータスに目を通している暇はない。
でも、武装くらいは目を通しておこう。
ミニガン×1丁(総弾数10億発)、ピック×1本。
「10億発って、またスゴい弾数だな・・。10分の一に減らして威力を上げれば良かったのに」
とはいえ、こういう痛恨のミスは大歓迎なヒューゴの口元は緩みまくっていた。
敵騎の接近を知らせるアラームが鳴る。
荷電粒子砲を撃ってきた敵騎は、両腕に内蔵されたバルカン砲を撃ちつつ、ベルタに接近してきた。
腕そのものが銃身だけあって命中精度は高く、肩部、胸部に被弾するも、やはり牽制武器のようで威力は低く、ベルタの装甲を撃ち抜くことは無かった。
ベルタも負けずに応射。
こちらは、やはり期待するだけ無駄で、命中はすれどもダメージカウントに数字は上がらなかった。
敵騎が射撃を止めてポールアームを振り被った。
ベルタは一旦ハンドチェーンガンを後腰部に収納すると、両腰に差しているキバ(折り畳み式脇差し)を抜刀、一度ブンッと大きく振って展開させた。
敵騎が、ポールアームを薙ぎ払うように振ってきた。
脇差しのような刃の薄い刀剣をあの質量にぶつけてしまうと、一撃で折られてしまう。
受け流しも考えものだ。
襲い来るポールアームの鉄球部分を、脇差しの柄の底部に当たる頭で叩き弾く!
敵騎がよろめいた。
刀剣とは、刃の付いた刀身部で相手を斬り付けるだけが使い道ではない。
頭で打撃攻撃を行うのも立派な剣技である。
だけど、これをやると、次の攻撃に転じにくいのよね。
右手のキバを逆手に持ち替える。これで頭が先となり“突き”を繰り出すことで盾の代わりとなる。
剣を交えたことにより、敵騎の低階層データを取得した。
敵騎の名前はスグルと言う。
真名が判明するほど、まだ敵騎体に接触もできていない上にダメージも与えてはいない。
「ノブオーッ!何してる!?早くボクを助けろォーッ!!」
今まさにベルタに切っ先を向けられんとするスグルのマスターが叫んだ。
レーダーでは。
レールガンを撃った敵影はベルタたちと重なっている。
改めて探すまでもなく、ヤツは上空の雲の中にいる。
上空を警戒。するとディスプレー越しに水滴が落ちてくるのを確認できた。
「??」
不思議に思い上空へと視線を向けると、今度は4本の筒状の何かが落ちてきた。
アレは何?
荷電粒子砲の光に気を取られてしまい、すっかりと忘れていた。
辺りを見回すと。
遥か遠くに、アクロバット飛行などで空に描かれる8の字なのか?ハート型なのか?はたまたバネ?を描いているのか?とにかく目茶苦茶な軌道を2本の白線で描いていた。
「あっ」
眺めている最中に空中にYの字が描かれた。
「あれまぁ」
驚きの声を上げると、ベルタが「どうしました?ヒューゴ」訊ねてきた。
あれは。
スキーの初心者がよくやってしまう、左右のスキー板がそれぞれの方向へと滑っていってしまい、最後は股裂きのようにして転倒してしまうミスを彷彿させる。
「攻撃態勢に入っている最中に、荷電粒子砲のビームが割り込んできたら、そりゃあ驚いて操縦をミスってしまうわな」
まさに空中分解。
胴体と両脚の3つに分かれて。
それぞれのパーツがほぼ同時に爆散。
しかし、煙の中から胴体部分が飛び出してくると、中から何かが飛び出して翼を展開、飛行機のようなものに変形した。
コアブロックシステム。
緊急脱出機能を備えていたようだ。
どうやらパイロットは死んでいないらしい。
安堵の溜息が漏れる。が、それもやがて光の粒となって消滅した。
情報獲得のアラームが鳴り響き、正面ディスプレーにメッセージが表示された。
◆◆ 黒側盤上戦騎の情報を獲得しました。 ◆◆
こちらから手を下す事なく、勝利条件の総ダメージ数60パーセント以上に達したのだ。
例え緊急脱出システムを搭載していようとも、だ。
メッセージが流れる。
カンシャク持ちの女のアッチソンの情報を獲得しました。
今の状況、表示されたステータスに目を通している暇はない。
でも、武装くらいは目を通しておこう。
ミニガン×1丁(総弾数10億発)、ピック×1本。
「10億発って、またスゴい弾数だな・・。10分の一に減らして威力を上げれば良かったのに」
とはいえ、こういう痛恨のミスは大歓迎なヒューゴの口元は緩みまくっていた。
敵騎の接近を知らせるアラームが鳴る。
荷電粒子砲を撃ってきた敵騎は、両腕に内蔵されたバルカン砲を撃ちつつ、ベルタに接近してきた。
腕そのものが銃身だけあって命中精度は高く、肩部、胸部に被弾するも、やはり牽制武器のようで威力は低く、ベルタの装甲を撃ち抜くことは無かった。
ベルタも負けずに応射。
こちらは、やはり期待するだけ無駄で、命中はすれどもダメージカウントに数字は上がらなかった。
敵騎が射撃を止めてポールアームを振り被った。
ベルタは一旦ハンドチェーンガンを後腰部に収納すると、両腰に差しているキバ(折り畳み式脇差し)を抜刀、一度ブンッと大きく振って展開させた。
敵騎が、ポールアームを薙ぎ払うように振ってきた。
脇差しのような刃の薄い刀剣をあの質量にぶつけてしまうと、一撃で折られてしまう。
受け流しも考えものだ。
襲い来るポールアームの鉄球部分を、脇差しの柄の底部に当たる頭で叩き弾く!
敵騎がよろめいた。
刀剣とは、刃の付いた刀身部で相手を斬り付けるだけが使い道ではない。
頭で打撃攻撃を行うのも立派な剣技である。
だけど、これをやると、次の攻撃に転じにくいのよね。
右手のキバを逆手に持ち替える。これで頭が先となり“突き”を繰り出すことで盾の代わりとなる。
剣を交えたことにより、敵騎の低階層データを取得した。
敵騎の名前はスグルと言う。
真名が判明するほど、まだ敵騎体に接触もできていない上にダメージも与えてはいない。
「ノブオーッ!何してる!?早くボクを助けろォーッ!!」
今まさにベルタに切っ先を向けられんとするスグルのマスターが叫んだ。
レーダーでは。
レールガンを撃った敵影はベルタたちと重なっている。
改めて探すまでもなく、ヤツは上空の雲の中にいる。
上空を警戒。するとディスプレー越しに水滴が落ちてくるのを確認できた。
「??」
不思議に思い上空へと視線を向けると、今度は4本の筒状の何かが落ちてきた。
アレは何?
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
グラッジブレイカー! ~ポンコツアンドロイド、時々かたゆでたまご~
尾野 灯
SF
人類がアインシュタインをペテンにかける方法を知ってから数世紀、地球から一番近い恒星への進出により、新しい時代が幕を開ける……はずだった。
だが、無謀な計画が生み出したのは、数千万の棄民と植民星系の独立戦争だった。
ケンタウリ星系の独立戦争が敗北に終ってから十三年、荒廃したコロニーケンタウルスⅢを根城に、それでもしぶとく生き残った人間たち。
そんな彼らの一人、かつてのエースパイロットケント・マツオカは、ひょんなことから手に入れた、高性能だがポンコツな相棒AIノエルと共に、今日も借金返済のためにコツコツと働いていた。
そんな彼らのもとに、かつての上官から旧ケンタウリ星系軍の秘密兵器の奪還を依頼される。高額な報酬に釣られ、仕事を受けたケントだったが……。
懐かしくて一周回って新しいかもしれない、スペースオペラ第一弾!
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
あの夕方を、もう一度
秋澤えで
ファンタジー
海洋に浮かび隔絶された島国、メタンプシコーズ王国。かつて豊かで恵まれた国であった。しかし天災に見舞われ太平は乱れ始める。この国では二度、革命戦争が起こった。
二度目の革命戦争、革命軍総長メンテ・エスペランサの公開処刑が行われることに。革命軍は王都へなだれ込み、総長の奪還に向かう。しかし奮闘するも敵わず、革命軍副長アルマ・ベルネットの前でメンテは首を落とされてしまう。そしてアルマもまた、王国軍大将によって斬首される。
だがアルマが気が付くと何故か自身の故郷にいた。わけもわからず茫然とするが、海面に映る自分の姿を見て自身が革命戦争の18年前にいることに気が付く。
友人であり、恩人であったメンテを助け出すために、アルマは王国軍軍人として二度目の人生を歩み始める。
全てはあの日の、あの一瞬のために
元革命軍アルマ・ベルネットのやり直しファンタジー戦記
小説家になろうにて「あの夕方を、もう一度」として投稿した物を一人称に書き換えたものです。
9月末まで毎日投稿になります。
魔法の数はステータス!? 転移した先は女性ばかりが魔法を使う世界!
三原みぱぱ
ファンタジー
ある日、剣と魔法のファンタジー世界に放り込まれた竜ヶ峰清人(リュウガミネ キヨト)。
美少女レイティアが嫁として現れる。
しかし、そんな甘い事ばかりではない。
強力な魔法が使えるのは女性のみ!
使える魔法の数がステータス(社会的地位)となる女性が強い世界。
男は守られるべき存在のこの世界で、魔法も剣も使えない主人公。
モンスターと戦えば足手まといと怒られ、街中で暴漢を止めようとするとぼこぼこにされる。
そんな俺Yoeee主人公は、金髪美少女のレイティアに恋人として認められるのか?
師匠である剣豪ムサシマル助けられながら、恋のライバル、アレックスやソフィアを交えて進む、ラブコメファンタジー!
感想、心よりお待ちしております。
完結しました!
ノベルアッププラスで「ゼロの転移者」としてリニューアル連載していますよ。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
リョンコ
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる