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[1]高砂・飛遊午
-5-:久しぶりだね。ココミ
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ヒデヨシの名乗りにヒューゴは唖然とした。
有効射程外から乱射してきた時点で、おおよそは察していたが…。
「お前、正気か?こんな空防機が周りを飛び回っている状況で、しかもオープン回線で名乗るなんて。公安に身元を割り出されるぞ」
「警察が怖くてキャサリンに乗れるかよ!」
警察組織と公安組織は別物だ!!
「あのな。公安は警察と違って命の保証はしてくれないぞ。お前の身元が解ったら、学校はもちろん家族にも脅しをかけてお前の存在を消しに掛かるぞ。存在を消すってのはな、単に“殺される”だけじゃなく、お前そのものが“元から居なかった”事にされるんだ」
どんな秘密組織だよ…。
ヒューゴの口から並べ立てられたデマカセに呆れるばかりのクレハであった。
「そ、そんな恐ろしい目に遭っちまうのか・・。わ、分かった」
それを鵜呑みにするバカもいたものだ。重ねて呆れる。
4機の戦闘機に囲まれる2騎。付かず離れずの距離を保ってはいるが、空中で静止する2騎相手に少しずつフォーメーションが崩れ始めていた。
それもそのはず、高高度で滞空する航空機など、そもそも気球以外に存在しないのだから。
キャサリンに張り付いていた1機とキャサリンとの距離が縮まった。
航空機が運動エネルギー維持のために降下旋回を行っただけなのだが・・。
「テメェ!近づくんじゃねぇ!」
ガガガガガガ!
ランスのマシンガンが火を吹く。
この時ヒューゴはキャサリンの持つランスに付いているマシンガンの銃口がランスの先端ではなく、拳護に付いていることを認識した。
キャサリンの放った銃弾がF2戦闘機の主翼を貫通した。
「あの馬鹿、当てやがった」
言っている最中、キャサリンも他のF2戦闘機の機銃攻撃を受けた。
両肩の後ろに付いている掌状の物体に着弾!
常に2機がお互いを視認・連携を取れる横編隊のアブレスト隊形の特性を活かして、1機が攻撃を受けているタイミングで残りのもう1機が攻撃を仕掛けてきたのだった。
さらに真上からの攻撃も命中。
ベルタに張り付いていた2機もキャサリン攻撃に加わっていた。
その頃ベルタはマシンガンを手放すことはしなかったが、両手を挙げてホールドアップをアピール。
「やるねぇ、空防」
本の画像を観ながら、クレハは思わず舌を巻いた。
その時、クレハたちの背後から、パン・・パン・・とやたら間隔の空いた拍手が聞こえてきた。
「まさか、盤上戦騎相手に攻撃を命中させる兵たちがいたとはね」
声の方へと、クレハたちは向き直った。
長袖ジャケットに膝丈パンツ。ネクタイもしているし、おもちゃみたいに小さいシルクハットを頭に乗せた、まさに英国紳士風の少年がいた。
「男の子!?」
驚きながらも、何とか『ガキんちょ!?』と口走る無礼だけは見事に回避。
少年の傍らには燕尾服を纏った、まあいわゆる執事服を纏った黒髪の長身の男性が控えていた。
見るからに彼は少年の執事だ。
ページを開いた本を、拍手を終えた少年に手渡している。
と、 彼の紫色の瞳がクレハに向けられた。
「うっ」
迂闊な態度を取らないで良かったと内心胸を撫で下ろす。
この男性は一気に間合いを詰めてきて自身を仕留めに掛かれる男だ。
そんな、とても危険な香りを醸し出している。
「久しぶりだね。ココミ」
「お久しぶりです。ライク・スティール・ドラコーン」
挨拶を交わす。
何て冗談みたいな名前なのだろう。
たじろぐ事もできない状況の中、少年の名前をクスリとも笑わない自身を絶賛した。
有効射程外から乱射してきた時点で、おおよそは察していたが…。
「お前、正気か?こんな空防機が周りを飛び回っている状況で、しかもオープン回線で名乗るなんて。公安に身元を割り出されるぞ」
「警察が怖くてキャサリンに乗れるかよ!」
警察組織と公安組織は別物だ!!
「あのな。公安は警察と違って命の保証はしてくれないぞ。お前の身元が解ったら、学校はもちろん家族にも脅しをかけてお前の存在を消しに掛かるぞ。存在を消すってのはな、単に“殺される”だけじゃなく、お前そのものが“元から居なかった”事にされるんだ」
どんな秘密組織だよ…。
ヒューゴの口から並べ立てられたデマカセに呆れるばかりのクレハであった。
「そ、そんな恐ろしい目に遭っちまうのか・・。わ、分かった」
それを鵜呑みにするバカもいたものだ。重ねて呆れる。
4機の戦闘機に囲まれる2騎。付かず離れずの距離を保ってはいるが、空中で静止する2騎相手に少しずつフォーメーションが崩れ始めていた。
それもそのはず、高高度で滞空する航空機など、そもそも気球以外に存在しないのだから。
キャサリンに張り付いていた1機とキャサリンとの距離が縮まった。
航空機が運動エネルギー維持のために降下旋回を行っただけなのだが・・。
「テメェ!近づくんじゃねぇ!」
ガガガガガガ!
ランスのマシンガンが火を吹く。
この時ヒューゴはキャサリンの持つランスに付いているマシンガンの銃口がランスの先端ではなく、拳護に付いていることを認識した。
キャサリンの放った銃弾がF2戦闘機の主翼を貫通した。
「あの馬鹿、当てやがった」
言っている最中、キャサリンも他のF2戦闘機の機銃攻撃を受けた。
両肩の後ろに付いている掌状の物体に着弾!
常に2機がお互いを視認・連携を取れる横編隊のアブレスト隊形の特性を活かして、1機が攻撃を受けているタイミングで残りのもう1機が攻撃を仕掛けてきたのだった。
さらに真上からの攻撃も命中。
ベルタに張り付いていた2機もキャサリン攻撃に加わっていた。
その頃ベルタはマシンガンを手放すことはしなかったが、両手を挙げてホールドアップをアピール。
「やるねぇ、空防」
本の画像を観ながら、クレハは思わず舌を巻いた。
その時、クレハたちの背後から、パン・・パン・・とやたら間隔の空いた拍手が聞こえてきた。
「まさか、盤上戦騎相手に攻撃を命中させる兵たちがいたとはね」
声の方へと、クレハたちは向き直った。
長袖ジャケットに膝丈パンツ。ネクタイもしているし、おもちゃみたいに小さいシルクハットを頭に乗せた、まさに英国紳士風の少年がいた。
「男の子!?」
驚きながらも、何とか『ガキんちょ!?』と口走る無礼だけは見事に回避。
少年の傍らには燕尾服を纏った、まあいわゆる執事服を纏った黒髪の長身の男性が控えていた。
見るからに彼は少年の執事だ。
ページを開いた本を、拍手を終えた少年に手渡している。
と、 彼の紫色の瞳がクレハに向けられた。
「うっ」
迂闊な態度を取らないで良かったと内心胸を撫で下ろす。
この男性は一気に間合いを詰めてきて自身を仕留めに掛かれる男だ。
そんな、とても危険な香りを醸し出している。
「久しぶりだね。ココミ」
「お久しぶりです。ライク・スティール・ドラコーン」
挨拶を交わす。
何て冗談みたいな名前なのだろう。
たじろぐ事もできない状況の中、少年の名前をクスリとも笑わない自身を絶賛した。
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