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[1]高砂・飛遊午
ー4-:これこそが彼ら盤上戦騎を自然災害[Disaster]と呼ぶ由来なのです
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キャサリンの、前方に槍と大盾を構えての突撃が迫り来る。
敵は撃ってこない。
ベルタは敵騎体の突進を身を翻してかわし、すれ違いざまにショットガンを放った。
手段としては文句ナシ。だけど、タイミングが早過ぎたせいで大盾によって防御されてしまった。
それでも4発ほど本体に命中させる事ができた。
タイミングさえしっかりと合わせれば2桁命中も果たせたかもしれない。
「アイツ・・弾を弾きやがった・・。あんなガラスみたいな装甲で」
敵騎体の外殻は、透明のプラスチックに覆われた中身の見えるスケルトン仕様の文房具と同じように骨格部分が透けて見える透明装甲を纏っていた。
顔は。
可動式バイザーの付いた兜を被った骸骨フェイス。金髪のロングヘアーと側頭部から生えた2本の角に付いた暖簾を風になびかせて。
「やるじゃねぇか」敵機体からの声。
とても若い男性。年齢的には高校生くらいか。
と、その時、向かい合う2騎の上空を4機のF2戦闘機が通過していった。
「どういう事だ?何で空防の戦闘機が格闘戦距離まで近づいている?」
ヒューゴの目に航空防衛機の日の丸マークが映った。
「お前の世界にも殴り合いする兵器があるやんけ!」
ふと呟いた疑問に、すかさず怒声が返ってくる。
「格闘戦距離というのは、機関砲で撃ち合う距離の事を言うんだよ。あの飛行機が腕を出して殴り合うって意味じゃない」
それにしても不可解だ。一度も空防機から警告を受けなかったし、威嚇の為の短距離ミサイルも発射されなかった。もしかして。
「このロボット、ステルスなのか?」
「そんな謎機能は搭載されていませんよ」ココミが疑問に答えてくれた。「ですが、あながち間違いでもありません」
「??どういうコト。ココミちゃん」
「彼ら盤上戦騎はレーダーや赤外線などで捉えられることはありませんし、カメラに撮影されることもありません」
レーダーはレーダー波という電波の反射によって、赤外線は放射された熱を感知する。これは理解できる。だけどカメラに映らないのはどういう原理なの?首を傾げるクレハに。
「彼らは元々この世界に存在していないモノ。よって存在しないハズのモノが感知や撮影される事は有り得ません」
「嘘々。見えているモノが映らないって」言いつつスマホのカメラを起動。
だが、ベルタたちはすでに戦いの舞台を移した後。もはや検証は叶わないwww。
何も言わずに、そっとスマホを仕舞う。
ココミの口から、さらなる衝撃的な言葉が発せられた。
「それは人の記憶も例外ではありません。見えていたとしても、その姿を絵に描いたり、口で伝えることもできないのです」
「またまたぁ、御冗談を」言いつつ地面にベルタの姿を描いて見せた。
あまりの下手さにココミはクスッと小さく笑ったが一応特徴は捉えている。
「ふふふ。それはクレハさんの霊力が強いから存在の認識、記憶ができているのですよ。あと、例外として彼らと契約を果たした人物も含まれます」
「そっか。じゃあ、昔のUFOやUMAの目撃証言も実は今のと同じ流れのものだったのかな?」暗に写真や映像情報は全てでっち上げだと非難している。
「そうかも知れませんね。ふふふ」
スゥと潮が引くようにココミの顔から笑みが消えた。
「これこそが彼ら盤上戦騎を自然災害[Disaster]と呼ぶ由来なのです。存在を認識されず、記憶もされない。彼らがもたらす被害は、結局のところすべて自然現象によるものと結論付けられてしまうからです」
それでは、やりたい放題じゃないか。
クレハとヒューゴ、共に戦慄した。
と、言う事は、ベルタたちの周囲を飛び回っているF2戦闘機のパイロットたちは、通常の緊急出撃とは異なり、民間の定かでない「何かが飛んでいる」程度のあやふやな目撃情報の確認のために出撃。
盤上戦騎と遭遇を果たしたものの、上層部に報告できずにただ周回しているだけ。
現状、彼らは脅威にはなり得ないと断定できる。
空防機が2機編隊のアブレスト隊形に分かれてベルタと敵騎体それぞれに対処を始めた。
「ルーティ、絶対に彼らを撃つなよ」
旋回を続ける空防機を見つめながらルーティに告げた。「わかってる」
「誰だか知らんが、お前も彼らを撃つなよ」この野郎にも言っておかなければ。
「仕切ってんじゃねぇぞ!このタコ!そう言えば、まだ貴様に名乗ってなかったな。俺様の名はヒデヨシ様だ。そして!俺の愛機はスケルトンのキャサリン!」
……。
(コイツ、アホか?)
敵の名乗りに思わず絶句。
敵は撃ってこない。
ベルタは敵騎体の突進を身を翻してかわし、すれ違いざまにショットガンを放った。
手段としては文句ナシ。だけど、タイミングが早過ぎたせいで大盾によって防御されてしまった。
それでも4発ほど本体に命中させる事ができた。
タイミングさえしっかりと合わせれば2桁命中も果たせたかもしれない。
「アイツ・・弾を弾きやがった・・。あんなガラスみたいな装甲で」
敵騎体の外殻は、透明のプラスチックに覆われた中身の見えるスケルトン仕様の文房具と同じように骨格部分が透けて見える透明装甲を纏っていた。
顔は。
可動式バイザーの付いた兜を被った骸骨フェイス。金髪のロングヘアーと側頭部から生えた2本の角に付いた暖簾を風になびかせて。
「やるじゃねぇか」敵機体からの声。
とても若い男性。年齢的には高校生くらいか。
と、その時、向かい合う2騎の上空を4機のF2戦闘機が通過していった。
「どういう事だ?何で空防の戦闘機が格闘戦距離まで近づいている?」
ヒューゴの目に航空防衛機の日の丸マークが映った。
「お前の世界にも殴り合いする兵器があるやんけ!」
ふと呟いた疑問に、すかさず怒声が返ってくる。
「格闘戦距離というのは、機関砲で撃ち合う距離の事を言うんだよ。あの飛行機が腕を出して殴り合うって意味じゃない」
それにしても不可解だ。一度も空防機から警告を受けなかったし、威嚇の為の短距離ミサイルも発射されなかった。もしかして。
「このロボット、ステルスなのか?」
「そんな謎機能は搭載されていませんよ」ココミが疑問に答えてくれた。「ですが、あながち間違いでもありません」
「??どういうコト。ココミちゃん」
「彼ら盤上戦騎はレーダーや赤外線などで捉えられることはありませんし、カメラに撮影されることもありません」
レーダーはレーダー波という電波の反射によって、赤外線は放射された熱を感知する。これは理解できる。だけどカメラに映らないのはどういう原理なの?首を傾げるクレハに。
「彼らは元々この世界に存在していないモノ。よって存在しないハズのモノが感知や撮影される事は有り得ません」
「嘘々。見えているモノが映らないって」言いつつスマホのカメラを起動。
だが、ベルタたちはすでに戦いの舞台を移した後。もはや検証は叶わないwww。
何も言わずに、そっとスマホを仕舞う。
ココミの口から、さらなる衝撃的な言葉が発せられた。
「それは人の記憶も例外ではありません。見えていたとしても、その姿を絵に描いたり、口で伝えることもできないのです」
「またまたぁ、御冗談を」言いつつ地面にベルタの姿を描いて見せた。
あまりの下手さにココミはクスッと小さく笑ったが一応特徴は捉えている。
「ふふふ。それはクレハさんの霊力が強いから存在の認識、記憶ができているのですよ。あと、例外として彼らと契約を果たした人物も含まれます」
「そっか。じゃあ、昔のUFOやUMAの目撃証言も実は今のと同じ流れのものだったのかな?」暗に写真や映像情報は全てでっち上げだと非難している。
「そうかも知れませんね。ふふふ」
スゥと潮が引くようにココミの顔から笑みが消えた。
「これこそが彼ら盤上戦騎を自然災害[Disaster]と呼ぶ由来なのです。存在を認識されず、記憶もされない。彼らがもたらす被害は、結局のところすべて自然現象によるものと結論付けられてしまうからです」
それでは、やりたい放題じゃないか。
クレハとヒューゴ、共に戦慄した。
と、言う事は、ベルタたちの周囲を飛び回っているF2戦闘機のパイロットたちは、通常の緊急出撃とは異なり、民間の定かでない「何かが飛んでいる」程度のあやふやな目撃情報の確認のために出撃。
盤上戦騎と遭遇を果たしたものの、上層部に報告できずにただ周回しているだけ。
現状、彼らは脅威にはなり得ないと断定できる。
空防機が2機編隊のアブレスト隊形に分かれてベルタと敵騎体それぞれに対処を始めた。
「ルーティ、絶対に彼らを撃つなよ」
旋回を続ける空防機を見つめながらルーティに告げた。「わかってる」
「誰だか知らんが、お前も彼らを撃つなよ」この野郎にも言っておかなければ。
「仕切ってんじゃねぇぞ!このタコ!そう言えば、まだ貴様に名乗ってなかったな。俺様の名はヒデヨシ様だ。そして!俺の愛機はスケルトンのキャサリン!」
……。
(コイツ、アホか?)
敵の名乗りに思わず絶句。
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