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第一夜
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合せ鏡――後ろからの姿も映すように二枚の鏡を合わせること。髪や衣服を整えるために利用する。正面で合わせれば無限に見えるほどの鏡像ができる。別名、共鏡。
一方で、合せ鏡は不吉というイメージを持たれている。十三番目の鏡像に死に顔が映る、過去や未来が映る、悪魔が住んでいる、夜中に見てはいけない――都市伝説として多くの話が噂されている。
合せ鏡によって人生を狂わされた一人の男がいた。
1
日比野ひよりは、電車が地元の駅に停車すると降車し、パンプスをコツコツと鳴らして階段を下り、改札口へと向かった。肩から提げた鞄からカードケースを取り出し、自動改札機のセンサーに翳す。
肩に届く明るい髪にスーツ姿。ツンとした気の強そうな顔立ち。年の頃は二十代半ば。どこにでもいそうな社会人女性だ。
駅の利用者は疎ら。夕方の下校・退社時間であっても人は少ない。朝に少し混み合うくらい。都心から離れた出口が一つの、接続のない駅などそんなものだった。
ひよりは駅のすぐ近くにあるコンビニに寄り、酒と数種類のつまみを買った。もうすっかり日は落ちて視界が悪い。自宅まで直行するのみだ。
手にぶら提げたコンビニのビニール袋がガサガサと鳴る。閑静が売りの住宅街は、駅から離れれば人通りも街灯も少ない。慣れた道だから、ひよりは警戒もせずに歩く。不審者注意の黄色い看板に視線も送らずに通り過ぎた。
駅から十数分歩けば、特筆すべきことのない長方体の白いアパートが現れる。オートロック付きの女性におすすめという謳い文句の安アパート。設備としては取ってつけたようなもので、ないよりマシ程度。築年数が浅いことだけが長所だ。
ひよりは階段を上がり、自宅の鍵を開ける。中は明かり一つついていない。扉の奥はすぐ部屋になっている。薄手の暖簾を目隠しにしていた。
その暖簾を無造作に開き、ベッドの前に置いてある座卓にビニール袋を置く。スーツを脱いで地味な色のスウェットに着替える。どっかりと腰を下ろし、袋からコンビニで買ったものを自宅に並べる。缶チューハイ、枝豆、炙りイカ、一口チーズ、ミックスナッツ。およそ健康的とはいえないラインナップだが、夜遅くに揚げ物がないだけマシだった。
鞄から折り畳み式の卓上ミラーを取り出して開いて座卓の端に置く。裏側はアラベスク模様のような幾何学的な形式の柄が施されている。スワロフスキーが散りばめられていて華やか。
ひよりは缶のプルタブを起こした。プシッと炭酸の抜ける音がする。喉を鳴らして勢いよく呷り、卓上を軽く叩くように缶を置く。「ぷはーっ」と幸せそうな息を吐いた。
『ひよりさん、化粧は落とさなくていいんですか?』
「いいの、いいの。あとでするし」
『そんなこと言って、この前もそのまま寝て後悔してましたよ』
一人しかいないはずの部屋に男の声が聞こえる。はっきりとした声ではなく、電話越しのような何かを介したくぐもった音だ。
「お局様みたいなこと言わないの。せっかく気持ちよく飲んでるんだから」
ひよりの人差し指が鏡に向けられる。もう片方の手は缶を掴んだまま。
『ハイハイ。お仕事大変でしたもんね。お疲れ様です』
「よろしい」
鏡面には一人の男が映っている。重いボサボサの髪に不健康そうな顔色、痩せているというよりは運動とは無縁の弱そうな身体つき。実体は、この部屋にはない。テレビや携帯のように映像を映しているわけでもない。ましてやプロジェクションマッピングというわけでもない。鏡そのものに男はいた。
ひよりの鏡の中に住んでいる、通称鏡男の本名は各務透という。半年前にひよりがたまたま立ち寄ったフリーマーケットで手に入れた鏡に取り憑いていた男だ。
休日にほんの気紛れでマーケットを見て回ってみれば、強烈に目を引く卓上ミラーがあった。異国情緒溢れる綺麗な細工ではあっても、ひよりの趣味ではない。けれど、何故かどうしても欲しくなり、出店者に話しかけた。八千円という価格に目が飛び出たものの、交渉をして六千円で手に入れた。
いい買い物をしたと上機嫌で家に帰ってから鏡を開くと、暗い男の姿が映り、思いきり叫んだ。ぶん投げて割らなかったのを褒めて欲しいくらい驚いた。踏み留まったのは値段のお陰だったかもしれない。
――い、曰くつきってヤツ?!
ひよりは震える手を精一杯伸ばして鏡を床に伏せ、その日は近づかないように過ごした。
出店者と連絡がつくか、このまま家に置いておいていいものか、散々悩んで出した結論が「お祓いをしてもらう」だった。見てはいけないものが見えるのは生まれて初めてだ。霊感が強いとか、神経が過敏であるとか、一切経験がない。見えないものが見えるということは、異常事態に思えた。一週間ほどネットで祓う方法を検索し続けた。
神社でお焚き上げ? 霊能者に相談? 下手なことをしたら逆に呪われると映画だかテレビだかで見たことがある。
親や友人に相談するとして、どう切り出せばいい? 巻き込むことになる?
様々なことがひよりの頭の中を巡り、思案と検索に疲れ果てた。そもそも、幽霊関係に疎いひよりが一人で解決できるわけがなかった。法外な金額のお祓い業者を見つけても、詐欺なのかどうかすらも分からないのだ。
疲れきっているところに、会社でトラブルがあった。何一つミスをしていないのに、上司に尻拭いを押しつけられた。日付こそ変わらなかったものの終電間近まで対応に終われた。疲弊でよろけながら帰宅し、玄関で靴を脱ぎ捨ててベッドに飛び込んで一言。
「会社、爆発しないかな……」
ほとんど口を動かさない、力のないぼやき。聞こえているのは、きっとベッドだけだ。それなのに、どこからか声がした。
『分かるぅー!』
ベッドに乗った通勤鞄の口が外れ、財布やポーチが散らばっている。その中にあの鏡があった。そこから聞こえたような気がした。
ひよりは何事かと鏡に手を伸ばす。疲労のあまり心霊現象への恐怖は薄れ、頭が鈍くなっていた。音がするから音源を辿るという機械的な行動だった。
開いた鏡にはスーツ姿の黒髪の男。目頭を押さえて泣いていた。
ひよりの肩から力が抜けた。あまりに人間的な言動に今までの恐怖がどこか遠くへ飛んでいったのだ。怪奇現象だお祓いだと悩んでいたのに、拍子抜けしてしまった。それから、鏡男と少しずつ会話をするようになり、今に至る。
鏡男は、各務透と名乗った。元は普通の人間だったらしい。今は鏡の中でしか生活できない身の上だ。
生前は女とは縁がなかったらしく、おどおどした様子だった。そんな態度だから、ひよりは逆に怯えていたことが嘘のように話しかけていた。学生時代から口数が少ないクラスメイトともコミュニケーションを取っていた経験が生きたのかもしれない。クラスにこんな子いたかも、と親近感を得るくらいだった。
そのうちに各務も慣れてきたのか、ひよりと話せるようになっていた。今は主に帰宅後など人の目がないときに話す。奇妙な友人のようになった。ひよりは一人暮らしの侘しさが紛れるし、各務はそもそも話し相手がいないので話せるだけで有り難いらしい。
*****
「それにしても、今日の課長の態度はないと思わんかね。カガミくん?」
『あー。あの人、上司だって自覚ないんですよー』
ひよりはアルコールを啜りながら、ナッツの袋に手を入れる。硬い感触が幾つか指の先に触れ、それを口の中に放る。
「でしょー。仕事振られるばっかで、こっちの意見はまるで聞いてくれないし。召し使いじゃないっつの」
管を巻いて口の中でバリバリとナッツが噛み砕く。塩気で喉が渇き、またチューハイを一口。
『ひよりさんは召し使いに大人しく収まってるタイプじゃないですもんねえ』
「ん? 今、悪口言った?」
『いえ、何にも』
各務は鏡から外界に出られないため、酒もつまみも口にしていない。ひよりが喉を鳴らして飲んでいる姿を見ているだけだ。元々アルコールは受けつけない体質だから見ているだけでいいそうだ。
「ねえ、いつものアレ話してよ」
ひよりの肌が少し血色がよくなっている。間延びした口調、とろんとした目つき。ほろ酔い状態だ。
『好きですねえ』
各務は一つ咳払い。それから昔の話を語り始めた。
一方で、合せ鏡は不吉というイメージを持たれている。十三番目の鏡像に死に顔が映る、過去や未来が映る、悪魔が住んでいる、夜中に見てはいけない――都市伝説として多くの話が噂されている。
合せ鏡によって人生を狂わされた一人の男がいた。
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日比野ひよりは、電車が地元の駅に停車すると降車し、パンプスをコツコツと鳴らして階段を下り、改札口へと向かった。肩から提げた鞄からカードケースを取り出し、自動改札機のセンサーに翳す。
肩に届く明るい髪にスーツ姿。ツンとした気の強そうな顔立ち。年の頃は二十代半ば。どこにでもいそうな社会人女性だ。
駅の利用者は疎ら。夕方の下校・退社時間であっても人は少ない。朝に少し混み合うくらい。都心から離れた出口が一つの、接続のない駅などそんなものだった。
ひよりは駅のすぐ近くにあるコンビニに寄り、酒と数種類のつまみを買った。もうすっかり日は落ちて視界が悪い。自宅まで直行するのみだ。
手にぶら提げたコンビニのビニール袋がガサガサと鳴る。閑静が売りの住宅街は、駅から離れれば人通りも街灯も少ない。慣れた道だから、ひよりは警戒もせずに歩く。不審者注意の黄色い看板に視線も送らずに通り過ぎた。
駅から十数分歩けば、特筆すべきことのない長方体の白いアパートが現れる。オートロック付きの女性におすすめという謳い文句の安アパート。設備としては取ってつけたようなもので、ないよりマシ程度。築年数が浅いことだけが長所だ。
ひよりは階段を上がり、自宅の鍵を開ける。中は明かり一つついていない。扉の奥はすぐ部屋になっている。薄手の暖簾を目隠しにしていた。
その暖簾を無造作に開き、ベッドの前に置いてある座卓にビニール袋を置く。スーツを脱いで地味な色のスウェットに着替える。どっかりと腰を下ろし、袋からコンビニで買ったものを自宅に並べる。缶チューハイ、枝豆、炙りイカ、一口チーズ、ミックスナッツ。およそ健康的とはいえないラインナップだが、夜遅くに揚げ物がないだけマシだった。
鞄から折り畳み式の卓上ミラーを取り出して開いて座卓の端に置く。裏側はアラベスク模様のような幾何学的な形式の柄が施されている。スワロフスキーが散りばめられていて華やか。
ひよりは缶のプルタブを起こした。プシッと炭酸の抜ける音がする。喉を鳴らして勢いよく呷り、卓上を軽く叩くように缶を置く。「ぷはーっ」と幸せそうな息を吐いた。
『ひよりさん、化粧は落とさなくていいんですか?』
「いいの、いいの。あとでするし」
『そんなこと言って、この前もそのまま寝て後悔してましたよ』
一人しかいないはずの部屋に男の声が聞こえる。はっきりとした声ではなく、電話越しのような何かを介したくぐもった音だ。
「お局様みたいなこと言わないの。せっかく気持ちよく飲んでるんだから」
ひよりの人差し指が鏡に向けられる。もう片方の手は缶を掴んだまま。
『ハイハイ。お仕事大変でしたもんね。お疲れ様です』
「よろしい」
鏡面には一人の男が映っている。重いボサボサの髪に不健康そうな顔色、痩せているというよりは運動とは無縁の弱そうな身体つき。実体は、この部屋にはない。テレビや携帯のように映像を映しているわけでもない。ましてやプロジェクションマッピングというわけでもない。鏡そのものに男はいた。
ひよりの鏡の中に住んでいる、通称鏡男の本名は各務透という。半年前にひよりがたまたま立ち寄ったフリーマーケットで手に入れた鏡に取り憑いていた男だ。
休日にほんの気紛れでマーケットを見て回ってみれば、強烈に目を引く卓上ミラーがあった。異国情緒溢れる綺麗な細工ではあっても、ひよりの趣味ではない。けれど、何故かどうしても欲しくなり、出店者に話しかけた。八千円という価格に目が飛び出たものの、交渉をして六千円で手に入れた。
いい買い物をしたと上機嫌で家に帰ってから鏡を開くと、暗い男の姿が映り、思いきり叫んだ。ぶん投げて割らなかったのを褒めて欲しいくらい驚いた。踏み留まったのは値段のお陰だったかもしれない。
――い、曰くつきってヤツ?!
ひよりは震える手を精一杯伸ばして鏡を床に伏せ、その日は近づかないように過ごした。
出店者と連絡がつくか、このまま家に置いておいていいものか、散々悩んで出した結論が「お祓いをしてもらう」だった。見てはいけないものが見えるのは生まれて初めてだ。霊感が強いとか、神経が過敏であるとか、一切経験がない。見えないものが見えるということは、異常事態に思えた。一週間ほどネットで祓う方法を検索し続けた。
神社でお焚き上げ? 霊能者に相談? 下手なことをしたら逆に呪われると映画だかテレビだかで見たことがある。
親や友人に相談するとして、どう切り出せばいい? 巻き込むことになる?
様々なことがひよりの頭の中を巡り、思案と検索に疲れ果てた。そもそも、幽霊関係に疎いひよりが一人で解決できるわけがなかった。法外な金額のお祓い業者を見つけても、詐欺なのかどうかすらも分からないのだ。
疲れきっているところに、会社でトラブルがあった。何一つミスをしていないのに、上司に尻拭いを押しつけられた。日付こそ変わらなかったものの終電間近まで対応に終われた。疲弊でよろけながら帰宅し、玄関で靴を脱ぎ捨ててベッドに飛び込んで一言。
「会社、爆発しないかな……」
ほとんど口を動かさない、力のないぼやき。聞こえているのは、きっとベッドだけだ。それなのに、どこからか声がした。
『分かるぅー!』
ベッドに乗った通勤鞄の口が外れ、財布やポーチが散らばっている。その中にあの鏡があった。そこから聞こえたような気がした。
ひよりは何事かと鏡に手を伸ばす。疲労のあまり心霊現象への恐怖は薄れ、頭が鈍くなっていた。音がするから音源を辿るという機械的な行動だった。
開いた鏡にはスーツ姿の黒髪の男。目頭を押さえて泣いていた。
ひよりの肩から力が抜けた。あまりに人間的な言動に今までの恐怖がどこか遠くへ飛んでいったのだ。怪奇現象だお祓いだと悩んでいたのに、拍子抜けしてしまった。それから、鏡男と少しずつ会話をするようになり、今に至る。
鏡男は、各務透と名乗った。元は普通の人間だったらしい。今は鏡の中でしか生活できない身の上だ。
生前は女とは縁がなかったらしく、おどおどした様子だった。そんな態度だから、ひよりは逆に怯えていたことが嘘のように話しかけていた。学生時代から口数が少ないクラスメイトともコミュニケーションを取っていた経験が生きたのかもしれない。クラスにこんな子いたかも、と親近感を得るくらいだった。
そのうちに各務も慣れてきたのか、ひよりと話せるようになっていた。今は主に帰宅後など人の目がないときに話す。奇妙な友人のようになった。ひよりは一人暮らしの侘しさが紛れるし、各務はそもそも話し相手がいないので話せるだけで有り難いらしい。
*****
「それにしても、今日の課長の態度はないと思わんかね。カガミくん?」
『あー。あの人、上司だって自覚ないんですよー』
ひよりはアルコールを啜りながら、ナッツの袋に手を入れる。硬い感触が幾つか指の先に触れ、それを口の中に放る。
「でしょー。仕事振られるばっかで、こっちの意見はまるで聞いてくれないし。召し使いじゃないっつの」
管を巻いて口の中でバリバリとナッツが噛み砕く。塩気で喉が渇き、またチューハイを一口。
『ひよりさんは召し使いに大人しく収まってるタイプじゃないですもんねえ』
「ん? 今、悪口言った?」
『いえ、何にも』
各務は鏡から外界に出られないため、酒もつまみも口にしていない。ひよりが喉を鳴らして飲んでいる姿を見ているだけだ。元々アルコールは受けつけない体質だから見ているだけでいいそうだ。
「ねえ、いつものアレ話してよ」
ひよりの肌が少し血色がよくなっている。間延びした口調、とろんとした目つき。ほろ酔い状態だ。
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