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【星ワタリ篇】~第1章~(題1部)
夢三夜
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――街の少し離れにある、レンガで模られたゴシック調の小さな建物。
それが、ナイト・ミュウ・メアリ、3人の住処だ。
いつの間にか外は、夜のとばりが降りようとしていた。
前の晩に皆で飾り付けをした、この家には少し大きめなクリスマスツリーに、メアリが明かりを付ける。
暖炉に当たりながら、
ナイトとミュウは仲良く並んでソファーに腰を掛けて、それを眺めている。
「これも俺の仕事なワケねw」
「年を取るといけません。ちょっとしたことも重労働になりますし、寒いと足腰が痛みます」
「メアリ、ごめんなさい……」
部屋の中もクリスマス用の飾り付けが沢山してある。
皆でとか言いながら、実は殆ど自分が飾り付けをさせられた。メアリは呆れて返す言葉も出なかった。
「では、買って来たイチゴのショートケーキを並べましょうか♪」
「うん! あとチキンとビスケットも~」
だが、白くて小さくて弱々しくて危なっかしい……まるで人形の様なふたりを見ていると放っておけない、何か言われるとつい言う事を聞いてしまうメアリなのである。
「――て、ちょ、オイ。 マテコラ」
「……ハイ? 何か問題でも?」
テーブルの上に、尋常ではない数のケーキが次々と運ばれて来る。
確かに異常なほどの量の荷物を持たされていたが、
それが全部ナイトが食べる為の食料だったのかと思うと流石に腹が立ってきた。
ナイトが生クリームを指ですくってペロリと舐める。つまみ食い……。
「ふふ……美味しい☆」
頬を赤く染めて嬉しそうに微笑む。ご丁寧に頬に生クリームを付けて。
「あっ、ナイトまだ食べちゃダメぇ~」
見つけたミュウが小さな子供のように、ぐずりながらダメダメする。
「……」
それを見てまた何も言えなくなってしまう、可哀想?なメアリなのであった。
――部屋の明かりを消して、ローソクに灯を燈す。
目の前には大量のデコレーションケーキとチキンと、少量のビスケットが並んでいる。
3人でテーブルを囲み手を合わせ、神様に誓いの言葉を捧げて『いただきます』と祈った。
ツリーに付けられた沢山の色とりどりのランプが暗がりの中でチカチカ輝いている。
「とっても、キレイ……」
イルミネーションの明かりに照らされた、ミュウの瞳もキラキラしていた。
「そうだな……」
嬉しそうにうっとりと見つめるミュウ。
メアリはしょうがないなぁと不思議な気持ちになった。
その横顔が少しだけ寂しそうに思えて、何故だか胸が苦しくなった。
隣りでナイトが……、
イチゴのショートケーキに、さらに苺ジャムをた~っぷりと付けて食べている。
「おま、おええぇぇぇぇぇ!!」
甘いものが大嫌いなメアリ。吐き気をもよおした。
「……なんだかさっきからオカシな下僕デスねぇ」
「今日の主役はナイトなんだよ、ローソクの火消してから食べないとダメなの」
ミュウが言うが、動きがのろくてツッコミ所もややズレていてあまりフォローになっていない気がした。
「お誕生日おめでとう、ナイト♪」
「おおっと、ハッピーハッピーバースデイ☆、そうでしたね。では……」
「ふうーっ」とロウソクの火に息を吹きかける。
部屋の中が、真っ暗になった……。
……。
それが、ナイト・ミュウ・メアリ、3人の住処だ。
いつの間にか外は、夜のとばりが降りようとしていた。
前の晩に皆で飾り付けをした、この家には少し大きめなクリスマスツリーに、メアリが明かりを付ける。
暖炉に当たりながら、
ナイトとミュウは仲良く並んでソファーに腰を掛けて、それを眺めている。
「これも俺の仕事なワケねw」
「年を取るといけません。ちょっとしたことも重労働になりますし、寒いと足腰が痛みます」
「メアリ、ごめんなさい……」
部屋の中もクリスマス用の飾り付けが沢山してある。
皆でとか言いながら、実は殆ど自分が飾り付けをさせられた。メアリは呆れて返す言葉も出なかった。
「では、買って来たイチゴのショートケーキを並べましょうか♪」
「うん! あとチキンとビスケットも~」
だが、白くて小さくて弱々しくて危なっかしい……まるで人形の様なふたりを見ていると放っておけない、何か言われるとつい言う事を聞いてしまうメアリなのである。
「――て、ちょ、オイ。 マテコラ」
「……ハイ? 何か問題でも?」
テーブルの上に、尋常ではない数のケーキが次々と運ばれて来る。
確かに異常なほどの量の荷物を持たされていたが、
それが全部ナイトが食べる為の食料だったのかと思うと流石に腹が立ってきた。
ナイトが生クリームを指ですくってペロリと舐める。つまみ食い……。
「ふふ……美味しい☆」
頬を赤く染めて嬉しそうに微笑む。ご丁寧に頬に生クリームを付けて。
「あっ、ナイトまだ食べちゃダメぇ~」
見つけたミュウが小さな子供のように、ぐずりながらダメダメする。
「……」
それを見てまた何も言えなくなってしまう、可哀想?なメアリなのであった。
――部屋の明かりを消して、ローソクに灯を燈す。
目の前には大量のデコレーションケーキとチキンと、少量のビスケットが並んでいる。
3人でテーブルを囲み手を合わせ、神様に誓いの言葉を捧げて『いただきます』と祈った。
ツリーに付けられた沢山の色とりどりのランプが暗がりの中でチカチカ輝いている。
「とっても、キレイ……」
イルミネーションの明かりに照らされた、ミュウの瞳もキラキラしていた。
「そうだな……」
嬉しそうにうっとりと見つめるミュウ。
メアリはしょうがないなぁと不思議な気持ちになった。
その横顔が少しだけ寂しそうに思えて、何故だか胸が苦しくなった。
隣りでナイトが……、
イチゴのショートケーキに、さらに苺ジャムをた~っぷりと付けて食べている。
「おま、おええぇぇぇぇぇ!!」
甘いものが大嫌いなメアリ。吐き気をもよおした。
「……なんだかさっきからオカシな下僕デスねぇ」
「今日の主役はナイトなんだよ、ローソクの火消してから食べないとダメなの」
ミュウが言うが、動きがのろくてツッコミ所もややズレていてあまりフォローになっていない気がした。
「お誕生日おめでとう、ナイト♪」
「おおっと、ハッピーハッピーバースデイ☆、そうでしたね。では……」
「ふうーっ」とロウソクの火に息を吹きかける。
部屋の中が、真っ暗になった……。
……。
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