おせんべいやさん

黒木箱 末宝

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やきおせんべい

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 あるところに、おせんべいやさんがありました。

「よーし、きょうも がんばるぞー!」

 しょくにんくんが、りょうてをあげていいました。

 おせんべいは、おこめからつくられています。

「うんしょ、うんしょ」

 しょくにんくんは、おこめのたくさんはいったふくろをもってきました。

 ザラザラ~ザザー。

 おこめをこめこにするために、しょくにんくんはせいふんきにおこめをいれました。
 せいふんきは、おこめをこなにして、こめこにかえるきかいです。

「うんしょ!  うんしょ!」

 ゴリゴリ……ガリガリ……。

 おこめがしょくにんくんのまわすせいまいきによって、ボロボロにくだかれていきます。

 サラサラ~サカサカ。

 おこめがこめこになりました。

「こめこをおけにいれて……おゆをトポトポ~」

 しょくにんくんが、こめこをおけにいれて、おゆをそそぎました。

「あちち、よいしょ」

 こめこをおゆとまぜる、ねりのおしごとです。

 ネリネリ、ムチムチ。

 こめこがおだんごのようになってきました。
 でもこれはおだんごではなくて、ねりだまといいます。

 しょくにんくんは、そのねりだまをせいろにいれて、ねりだまをふかしはじめました。

 シューシュー。むしむし。

「うーん、いいかおり!」

 おこめのいいかおりがしてきました。

 こんどはつきのおしごとです。
 むしたねりだまを、おもちつきのようについていきます。

「よいしょー!  どっこいしょー!」

 どっすん、ぺったん。どっすん、ぺったん。

 きれいなおもちができました。

 まだまだおわりません。

 しょくにんくんはおもちをちいさくきると、ひとつひとつていねいにのばしていきます。

 ゴロゴロ、モチモチ。ゴロゴロ、モチモチ。

「ふ~」

 おもちがみなれたかたちになりました。

「よいしょ、よいしょ」

 しょくにんくんは、のばしたおもちをあみにならべると、あったかいかぜのでる、かんそうこにはこびました。

 ここでおもちがパリパリにかんそして、おせんべいのたねができあがります。

 カサカサ、パリパリ。

 かわいたおもちからおとがきこえます。

「……よし」

 いよいよ、おせんべいをやくときです。

 ジュージュー、パチパチ。

 おせんべいがやけていきます。

「うんしょ……あちち……」

 しょくにんくんは、おせんべいがボコボコになったり まがったりしないように、おしがわらというどうぐをつかっておせんべいをおしています。

 ギュッギュッ、ジュージュー。

 じょうずにやきあがりました。

 しあげのときです。

 カタカタ、カポン。

 しょうゆのはいったつぼをあけます。

「くんくん……いいかおり……!」

 しょくにんくんは、ふでをつかっておせんべいにしょうゆをぬっていきます。

 ペタペタ、ペタペタ。

「……よし、できあがり!」

 みんながよくしる、しょうゆのおせんべいができました!

「さて、いただきまーす!」

 しょくにんくんが、できあがったしょうゆのおせんべいをたべました。
 これはつまみぐいではありません。おいしいおせんべいがでかたかたしかめる、ちゃんとしたおしごとなのです。

「パリパリ、モグモグ……うん、おいしい!」

 こうして、おいしいおせんべいがみんなのもとへととどけられるのです。
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