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三度目の衝撃。
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心配してる顔、ではなかった。ガラス玉みたいに真っ黒な光のない目で、センセイは僕を見ていた。
居心地が悪いけれど、強くつかまれた手首は動かそうとしてもビクともしない。ただひたすら指先の温度がなくなるまで水をかけられて冷やされる。その間、背後に立つセンセイの身体がやけに密着していて、右半身が熱かった。
ようやく離されてタオルで拭かれた手の甲は、少し赤みはあるものの直後の刺すような痛みはひいていて、空気に触れるとヒリヒリはするが大したことはなさそうだった。
「もう少し冷やそうか」
冷凍庫から保冷材を持ち出してタオルでくるみ、手に当ててくれる。そこまでしなくてもいい、と断ろうとしたが、跡が残ると申し訳ない、と言われれば拒絶するわけにもいかなかった。
するり、するり、と手を撫でられる。ごめんな、と何度も囁かれる。全身が何となくムズ痒いような変な感じがした。
元の椅子に座らせられた瞬間、ズボンと太腿がこすれて思わず、痛いっと声が出た。そうだ、ズボンにもかかっていたんだった、と思い出して痛む場所に目をやると、なぜかセンセイの目も動いた。
目の前で膝をついて、下から僕を覗きこむガラス玉。
「…足にも、かかったのか?」
色のない無機質な声。いつもこんな声だっただろうか。
「大丈夫です、大したことないんで」
足の痛みはわずかなものだったし、水で濡らして冷すわけにもいかない。そう言うと、センセイは何を思ったのか、僕のベルトに手をかけた。
カチャカチャと外される音が耳には届くのに、状況が把握できない。右手の甲に左手で保冷剤を押しつけていた僕は、両手が塞がっていて、え?え?と思っているうちにジッパーを下ろされてしまった。
さすがにおかしい、と身体が反応して、やめてください、と後ろに身体を引いたが背中が机にぶつかって逃げ場がない。
「だって火傷してたら大変だろ?見るだけだから」
そう言って力ずくでズボンを下ろされてしまった。
右の太腿がわずかに赤くなっている。3センチほどだろうか、空気にさらされるとヒリヒリと傷んだ。思わず顔をしかめた僕を見上げたセンセイは、なぜだかニヤリと嗤った。
「…冷やさなくちゃな」
そう呟くと、何を思ったのか突然、僕の太腿に手をかけて
ペロリ、と舌で舐めたのだ。
ヒリヒリとした患部がザラリとした舌に触れて更に痛みを増す。痛い!と今度こそ大きな声が出て、下半身がビクリと跳ねた。
するとセンセイはまた、ペロリと舐め上げる。やめてください、と何度言っても、足に覆い被さる頭や肩をぐいぐい押しても、ビクともしない。ひたすら舐められて痛む足は、火傷のせいなのか舌のせいなのか、もはや分からなくなっていた。
涙目になって懇願する僕を見て、センセイは不思議そうに首を傾げた。治してるだけだよ、と。
そんなわけないだろう。頭がおかしくなったのかと思った。僕の頭の中は混乱を極めていて、心は恐怖でいっぱいだった。
センセイはしばらく舐めた後にようやく舌を離して、ゆっくりと僕を見上げた。一方、僕は激しく抵抗したせいで、はぁはぁと息が上がってしまっていた。自分自身を落ち着かせようと、一旦深く息を吸い込んだそのとき。
「ねえ、コレ、どうしたの?」
センセイは小さな布におおわれて、むくりと勃ちあがっている僕の中心を指差した。
居心地が悪いけれど、強くつかまれた手首は動かそうとしてもビクともしない。ただひたすら指先の温度がなくなるまで水をかけられて冷やされる。その間、背後に立つセンセイの身体がやけに密着していて、右半身が熱かった。
ようやく離されてタオルで拭かれた手の甲は、少し赤みはあるものの直後の刺すような痛みはひいていて、空気に触れるとヒリヒリはするが大したことはなさそうだった。
「もう少し冷やそうか」
冷凍庫から保冷材を持ち出してタオルでくるみ、手に当ててくれる。そこまでしなくてもいい、と断ろうとしたが、跡が残ると申し訳ない、と言われれば拒絶するわけにもいかなかった。
するり、するり、と手を撫でられる。ごめんな、と何度も囁かれる。全身が何となくムズ痒いような変な感じがした。
元の椅子に座らせられた瞬間、ズボンと太腿がこすれて思わず、痛いっと声が出た。そうだ、ズボンにもかかっていたんだった、と思い出して痛む場所に目をやると、なぜかセンセイの目も動いた。
目の前で膝をついて、下から僕を覗きこむガラス玉。
「…足にも、かかったのか?」
色のない無機質な声。いつもこんな声だっただろうか。
「大丈夫です、大したことないんで」
足の痛みはわずかなものだったし、水で濡らして冷すわけにもいかない。そう言うと、センセイは何を思ったのか、僕のベルトに手をかけた。
カチャカチャと外される音が耳には届くのに、状況が把握できない。右手の甲に左手で保冷剤を押しつけていた僕は、両手が塞がっていて、え?え?と思っているうちにジッパーを下ろされてしまった。
さすがにおかしい、と身体が反応して、やめてください、と後ろに身体を引いたが背中が机にぶつかって逃げ場がない。
「だって火傷してたら大変だろ?見るだけだから」
そう言って力ずくでズボンを下ろされてしまった。
右の太腿がわずかに赤くなっている。3センチほどだろうか、空気にさらされるとヒリヒリと傷んだ。思わず顔をしかめた僕を見上げたセンセイは、なぜだかニヤリと嗤った。
「…冷やさなくちゃな」
そう呟くと、何を思ったのか突然、僕の太腿に手をかけて
ペロリ、と舌で舐めたのだ。
ヒリヒリとした患部がザラリとした舌に触れて更に痛みを増す。痛い!と今度こそ大きな声が出て、下半身がビクリと跳ねた。
するとセンセイはまた、ペロリと舐め上げる。やめてください、と何度言っても、足に覆い被さる頭や肩をぐいぐい押しても、ビクともしない。ひたすら舐められて痛む足は、火傷のせいなのか舌のせいなのか、もはや分からなくなっていた。
涙目になって懇願する僕を見て、センセイは不思議そうに首を傾げた。治してるだけだよ、と。
そんなわけないだろう。頭がおかしくなったのかと思った。僕の頭の中は混乱を極めていて、心は恐怖でいっぱいだった。
センセイはしばらく舐めた後にようやく舌を離して、ゆっくりと僕を見上げた。一方、僕は激しく抵抗したせいで、はぁはぁと息が上がってしまっていた。自分自身を落ち着かせようと、一旦深く息を吸い込んだそのとき。
「ねえ、コレ、どうしたの?」
センセイは小さな布におおわれて、むくりと勃ちあがっている僕の中心を指差した。
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