69 / 118
67. 初めての洞窟
しおりを挟む
「お前たち洞窟に入るのか?許可証か依頼書は持っているか?」
「あぁ、はい。これがギルドで受けた依頼書。オレたち洞窟に入るよ。」
アウリーサ洞窟の入り口に立って居る兵士の一人がこちらに気付いて声をかけて来たので、ジェラミーは慣れた感じで兵士に二名分の依頼書を提示した。
すると、それを受け取った兵士は依頼書の内容をその場で確認すると、直ぐに二人に依頼書を返して、簡単に洞窟への通行を許可したのだった。
「討伐依頼に、採掘依頼か。よし、行っていいぞ。」
「はい、どーも。……よし、ティルミオ行くぞ!」
「あっ、あぁ……」
ジェラミーと兵士のやり取りが随分と大雑把だったので、ティルミオは面食らってしまったが、歩き出したジェラミーに従って、洞窟の入り口正面まで移動した。
「なぁ、案外あっさりと入れるんだな。俺もっとこう、尋問とか面接とかあるのかと思った。」
「入る時はこんなもんだよ。出てく時にちゃんとやってるからさ。」
そんな事を話しながら、二人は洞窟に入る準備を進めた。
洞窟の中は当然明かりが無く真っ暗である。だからジェラミーは、荷物からランタンを取り出すとサッと灯りをつけて光源を確保した。コレがないと、真っ暗でとてもじゃないが歩けないのだ。
しかし、灯した明かりでこれから進む洞窟の奥を照らしてみても、数歩先は何も見えない真っ暗な闇が広がってる光景に、ティルミオは少し恐ろしくなってしまった。
闇の中に得体の知れない何かが潜んでいそうで、引き摺り込まれそうな怖さを感じたのだ。
けれども、冒険慣れしているジェラミーがいつもと変わらぬ様子で隣にいてくれたので、ティルミオの緊張していた心も自然と落ち着いていったのだった。
(大丈夫だ、怖くない。)
目を瞑って深呼吸すると、ティルミオも目の前に広がる闇をじっと見つめた。
(うん、大丈夫だ。もう怖くない。)
こうして、二人は心身共に準備を整えて、いつでも洞窟に突入できる状態となった。
いよいよだった。
「さっ、こっからだ。油断せずに行くぞ!」
「お……おぅ!!」
ジェラミーの掛け声に合わせて力強く返事をすると、ティルミオは生まれて初めてダンジョンに足を踏み入れたのだった。
洞窟の中に入ると、空気がひんやりしているのを肌で感じた。
初めて洞窟に足を踏み入れたティルミオは、その空間が放つなんとも言えない威圧感に、少し圧倒されてしまった。
「洞窟の中ってこんなに暗いんだな……」
「そりゃ、まぁ、洞窟だしな。でも進んでけば直ぐに目が慣れるさ。それで、どっちに進んだらいいんだ?」
ランタンを手に先を歩くジェラミーが、後ろを振り返ってティルミオに声を掛けた。
この先は三又の分かれ道になっていて、ティルミオが毎度発揮する謎の勘の良さを頼って、ジェラミーは自分たちが進むべき道を、彼の判断に託したのだ。
そんなジェラミーからの問いかけに、ティルミオは大きく頷くと、目を瞑って深呼吸をして意識を集中させた。
そして、ルナストーンを強く思って目を開けると、仄暗い洞窟の奥から微かだが光がポツポツと見えたのだった。
「ジェラミー、あっちだ。右の道だ。」
「りょーかい。」
いくつか視えた光の中で、一番輝いて見えた光にティルミオたちは向かう事にした。
道中、魔物の住処という別名は伊達じゃないと実感させられるくらい、何度も魔物と遭遇したが、どれもジェラミーの敵では無かった。
「数は多いけど……低級ばっかだな。まぁ、地上に近い所じゃこんなもんか。」
「低級でも何でも、魔物は魔物だよ!気を抜かないでくれよ!」
「大丈夫だって。ティルミオ、お前も一匹位倒してみるか?」
「無理!!」
先頭を切って魔物を倒しながら進んでいくジェラミーの後を、ティルミオは周囲を警戒しながら付いていった。
相変わらずティルミオに魔物は倒せないが、ジェラミーが全部倒してくれるのだから何も問題は無かった。
「ティルミオ、ちゃんと倒した魔物の素材回収しながら着いて来てるか?」
「あぁ、バッチリだよ。大量だ。」
「ま、低級だから安いけどね。お前の護衛しながら稼げるのは効率良いよな。」
今回ジェラミーが受けた依頼は、単純にアウリーサ洞窟の魔物の数減らしなので、どんな魔物でも討伐すればお金になるだ。
だからジェラミーは出会った魔物を片っ端から蹴散らして、ティルミオが討伐証明となる魔物の素材を回収するといった役割分担で、効率良くお金を稼ぎながら、二人はどんどんずんずん、洞窟の奥へと進んで行った。
そして、一時間程歩くと、目的の少し広い空間に辿り着いたのだった。
「あった、ここだ。」
そこは、ちょっとした広間になっていたが、何の変哲もない岩肌で囲まれた空間だった。
「ここ……にルナストーンが有るのか?」
半信半疑と言った感じで、ジェラミーは辺りを見渡した。どう見てもそれらしい採掘ポイントは見当たらないのだ。
けれども、ティルミオにはここで間違いないと確信があった。
だからギルドから借りて来たピッケルで、力一杯岩肌を削り崩したのだった。
すると、周囲とは明らかに色の違う岩の壁が姿を現したのだ。
その色の違う壁は、ティルミオの目には、目が眩む程、眩しく光って視えていた。
そう、剥がした所、壁一面がルナストーンだったのだ。
「あぁ、はい。これがギルドで受けた依頼書。オレたち洞窟に入るよ。」
アウリーサ洞窟の入り口に立って居る兵士の一人がこちらに気付いて声をかけて来たので、ジェラミーは慣れた感じで兵士に二名分の依頼書を提示した。
すると、それを受け取った兵士は依頼書の内容をその場で確認すると、直ぐに二人に依頼書を返して、簡単に洞窟への通行を許可したのだった。
「討伐依頼に、採掘依頼か。よし、行っていいぞ。」
「はい、どーも。……よし、ティルミオ行くぞ!」
「あっ、あぁ……」
ジェラミーと兵士のやり取りが随分と大雑把だったので、ティルミオは面食らってしまったが、歩き出したジェラミーに従って、洞窟の入り口正面まで移動した。
「なぁ、案外あっさりと入れるんだな。俺もっとこう、尋問とか面接とかあるのかと思った。」
「入る時はこんなもんだよ。出てく時にちゃんとやってるからさ。」
そんな事を話しながら、二人は洞窟に入る準備を進めた。
洞窟の中は当然明かりが無く真っ暗である。だからジェラミーは、荷物からランタンを取り出すとサッと灯りをつけて光源を確保した。コレがないと、真っ暗でとてもじゃないが歩けないのだ。
しかし、灯した明かりでこれから進む洞窟の奥を照らしてみても、数歩先は何も見えない真っ暗な闇が広がってる光景に、ティルミオは少し恐ろしくなってしまった。
闇の中に得体の知れない何かが潜んでいそうで、引き摺り込まれそうな怖さを感じたのだ。
けれども、冒険慣れしているジェラミーがいつもと変わらぬ様子で隣にいてくれたので、ティルミオの緊張していた心も自然と落ち着いていったのだった。
(大丈夫だ、怖くない。)
目を瞑って深呼吸すると、ティルミオも目の前に広がる闇をじっと見つめた。
(うん、大丈夫だ。もう怖くない。)
こうして、二人は心身共に準備を整えて、いつでも洞窟に突入できる状態となった。
いよいよだった。
「さっ、こっからだ。油断せずに行くぞ!」
「お……おぅ!!」
ジェラミーの掛け声に合わせて力強く返事をすると、ティルミオは生まれて初めてダンジョンに足を踏み入れたのだった。
洞窟の中に入ると、空気がひんやりしているのを肌で感じた。
初めて洞窟に足を踏み入れたティルミオは、その空間が放つなんとも言えない威圧感に、少し圧倒されてしまった。
「洞窟の中ってこんなに暗いんだな……」
「そりゃ、まぁ、洞窟だしな。でも進んでけば直ぐに目が慣れるさ。それで、どっちに進んだらいいんだ?」
ランタンを手に先を歩くジェラミーが、後ろを振り返ってティルミオに声を掛けた。
この先は三又の分かれ道になっていて、ティルミオが毎度発揮する謎の勘の良さを頼って、ジェラミーは自分たちが進むべき道を、彼の判断に託したのだ。
そんなジェラミーからの問いかけに、ティルミオは大きく頷くと、目を瞑って深呼吸をして意識を集中させた。
そして、ルナストーンを強く思って目を開けると、仄暗い洞窟の奥から微かだが光がポツポツと見えたのだった。
「ジェラミー、あっちだ。右の道だ。」
「りょーかい。」
いくつか視えた光の中で、一番輝いて見えた光にティルミオたちは向かう事にした。
道中、魔物の住処という別名は伊達じゃないと実感させられるくらい、何度も魔物と遭遇したが、どれもジェラミーの敵では無かった。
「数は多いけど……低級ばっかだな。まぁ、地上に近い所じゃこんなもんか。」
「低級でも何でも、魔物は魔物だよ!気を抜かないでくれよ!」
「大丈夫だって。ティルミオ、お前も一匹位倒してみるか?」
「無理!!」
先頭を切って魔物を倒しながら進んでいくジェラミーの後を、ティルミオは周囲を警戒しながら付いていった。
相変わらずティルミオに魔物は倒せないが、ジェラミーが全部倒してくれるのだから何も問題は無かった。
「ティルミオ、ちゃんと倒した魔物の素材回収しながら着いて来てるか?」
「あぁ、バッチリだよ。大量だ。」
「ま、低級だから安いけどね。お前の護衛しながら稼げるのは効率良いよな。」
今回ジェラミーが受けた依頼は、単純にアウリーサ洞窟の魔物の数減らしなので、どんな魔物でも討伐すればお金になるだ。
だからジェラミーは出会った魔物を片っ端から蹴散らして、ティルミオが討伐証明となる魔物の素材を回収するといった役割分担で、効率良くお金を稼ぎながら、二人はどんどんずんずん、洞窟の奥へと進んで行った。
そして、一時間程歩くと、目的の少し広い空間に辿り着いたのだった。
「あった、ここだ。」
そこは、ちょっとした広間になっていたが、何の変哲もない岩肌で囲まれた空間だった。
「ここ……にルナストーンが有るのか?」
半信半疑と言った感じで、ジェラミーは辺りを見渡した。どう見てもそれらしい採掘ポイントは見当たらないのだ。
けれども、ティルミオにはここで間違いないと確信があった。
だからギルドから借りて来たピッケルで、力一杯岩肌を削り崩したのだった。
すると、周囲とは明らかに色の違う岩の壁が姿を現したのだ。
その色の違う壁は、ティルミオの目には、目が眩む程、眩しく光って視えていた。
そう、剥がした所、壁一面がルナストーンだったのだ。
10
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき@バカふり200万部突破
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
転生したら、最推しキャラの弟に執着された件。 〜猫憑き!?氷の騎士が離してくれません〜
椎名さえら
恋愛
私はその日、途方に暮れていた。
なにしろ生家であるサットン侯爵家が没落し、
子供の頃からの婚約者に婚約破棄されたのだ。
だが同時に唐突に気づいた。
ここはかつて読んでいた某ライトノベルの世界だと!
しかもガスはあるし、水道も通ってるし、醤油が存在する
まさかのチートすぎる世界だった。
転生令嬢が、氷の騎士(最推しキャラの、弟!)と
呼ばれる男のリハビリを精一杯して
ヒロインのもとへ返してあげようとしたら、
ヒーローの秘密(キーは猫)を知った上、
気づいたら執着からの溺愛されて逃げられなくなる話。
※完結投稿です
※他サイトさんでも連載しています
※初日のみ頻回更新、のち朝6時&18時更新です
※6/25 「23 決戦は明後日」の内容が重複しておりましたので修正しました
すみません(/_;)

薬屋経営してみたら、利益が恐ろしいことになりました ~平民だからと追放された元宮廷錬金術士の物語~
まいか
ファンタジー
錬金術士であるアイラは、調合で様々な種類の薬を精製することが出来た。
その能力は国家にも認められるほどであり、彼女は宮殿で好待遇を受けることになる。
しかし、第二王子は他の錬金術士が見つかったとして、平民でしかない彼女は追放されてしまった。
その後、アイラは街で薬屋を経営することになるが……この娘、他とは一線を画す才能を有しており、お店は大繁盛、彼女を最初に雇った第一王子殿下のクリフトも訪れ、さらに活気あるものになっていく。
一方で、貴族の中で錬金術士を見つけたとして、アイラを追放した第二王子は……。
※小説家になろう様にも投稿しています。45話辺りから展開が変わっていきます。

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?
甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。
友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。
マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に……
そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり……
武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語
男爵令嬢のまったり節約ごはん
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
旧題:【美味しい】男爵令嬢のまったり節約ごはん! 〜婚約破棄したのに戻ってこいなんて、お断りです。貴族の地位?いらないのでお野菜くださいな?
書籍化決定! レジーナ文庫さんより12月下旬発売予定です。
男爵令嬢のアメリア・ローズベリーは、長年の婚約者であった伯爵令息のスペンス・グレイに突然の婚約破棄を突きつけられた。
さんざん待たされた上の婚約破棄だった。
どうやらスペンスは、数年前からメイドとできていたらしい。
結婚適齢期をとうに過ぎていたアメリア。もう貰い手もない。
あまりお金のない弱小貴族である実家・ローズベリー家のためもあり、形式上の婚約に、これまでは耐えてきたが…………。
もう我慢の限界だった。
好きなことをして生きようと決めた彼女は、結婚を諦め、夢だった料理屋をオープンする。
彼女には特殊な精霊獣を召喚する力があり、
その精霊獣は【調味料生成】という特殊魔法を使うことができたのだ!
その精霊は異世界にも精通しており、アメリアは現代日本の料理まで作ることができた(唐揚げ美味しい)。
そんな彼女がオープンした店のコンセプトは、風変わりではあるが『節約』!
アメリアは貧乏な実家で培ってきた節約術で、さまざまな人の舌と心を虜にしていく。
庶民として、貴族であったことは隠して穏やかに暮らしたいアメリア。
しかし彼女のそんな思いとは裏腹に、店の前で倒れていたところを助けた相手は辺境伯様で……。
見目麗しい彼は、アメリアを溺愛しはじめる。
そんな彼を中心に、時に愉快なお客様たちを巻き込みながら、アメリアは料理道に邁進するのだった(唐揚げ美味しい)
※ スペンスsideのお話も、間隔は空きますが続きます。引き続きブクマしていただければ嬉しいです。
♢♢♢
2021/8/4〜8/7 HOTランキング1位!
2021/8/4〜8/9 ファンタジーランキング1位!
ありがとうございます!
同じ名前のヒーローとヒロインで書いてる人がいるようですが、特に関係はありませんのでよろしくお願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる