87 / 109
第二部
43. 時間稼ぎ
しおりを挟む
「ミハイル様、ロクサーヌ様の様子が少しおかしいですわ。」
ロクサーヌの異変に最初に気付いたのはアイリーシャだった。
ヴィクトールと踊る彼女の表情が、明らかにおかしいのだ。例え作り笑いでも、王太子の婚約者候補としてみっちりと教育を受けた彼女であれば、淑女の様な笑顔を常に浮かべられるはずなのに、今の彼女は青い顔をしていてとても思い詰めている様子が見て取れるのだ。
「あの様子は、不味いかもしれないですね。」
難しい顔でミハイルもアイリーシャの見解に同意した。
マキシムから聞いている話をそのまま信じると、あの様な状態の彼女は何をしでかすか分からず危険だと思ったのだ。
「このままだと、ダンスが終わったら彼女は直ぐに行動を起こしそうだな……恐らく、それは不味い……」
マキシムから頼まれているので、彼女が何かやらかしそうならばそれを止めなくてはいけないのだが、ミハイルには彼女の行動が全く予測出来ないので、大ごとにならずに場を収められる自信が無いのだ。
そんな事を悩んでいると、彼の悩みに気づいたアイリーシャが、あるアイディアを進言したのだった。
「あの、ミハイル様よろしいでしょうか?」
「なんでしょう?」
「ロクサーヌ様に大人しくしていただきたいんですよね?それでしたら、彼女にはずっとダンスを踊っていて貰うのが良いのではないでしょうか。」
「成程……確かにそうですね。」
「えぇ。ですから、この曲が終わったら、ミハイル様が直ぐにロクサーヌ様をダンスに誘うんです。踊っている間は人目もありますから何も出来ませんでしょう?」
アイリーシャからの提案はとても的を得ていた物であった。確かに、彼女を常に人目のあるところに留めておければ下手な行動は取れない筈だ。
しかしながら、この方法にミハイルは引っかかる事もあった。
「確かに良いアイディアだと思いますが……婚約者である貴女以外の人と踊るのは些か気が引けます。」
自分であったら、例え特別な事情があったとしても、婚約者であるアイリーシャが他の男性と踊る所など見たくはないのだ。
だからその逆も然りで、自分も他の女性と踊っているところをアイリーシャに見せたくないとミハイルは思っていたのだが、しかしそんな彼に対して、アイリーシャは屈託のない笑みを浮かべてこう言ったのだった。
「大丈夫です。私は気にしませんわ。」
アイリーシャに他意は無かった。
彼女は至って真面目にミハイルを安心させるつもりで言ったのだが、しかしその言葉は、彼にダメージを負わせるには十分であった。
(彼女は純粋にロクサーヌ様を止めるために取るべき最適行動を選んでいるだけなのは分かるが、それでも、こうもあっさりと気にしないと言われてしまうのは中々堪えるものがあるな……)
ミハイルは心の中でため息を吐くと、複雑な心境のまま、アイリーシャからの提案を受け入れたのだった。
「……そうですか、分かりました。それではこの曲が終わったら直ぐにロクサーヌ様にダンスを申し込んでみます。」
「はい、それが一番良いと思います。あぁ、でも、ロクサーヌ様をずっと足止めするのならばミハイル様だけではきっと無理ですよね。私、お兄様を探して来ますわ。お兄様にも協力して貰いましょう!」
こうして、ミハイルとアイリーシャのカップルが秘密の計画相談しながら踊っていると、程なくして一曲目の演奏が終わった。
ミハイルは名残惜しい気持ちでアイリーシャの手を離して、二人は少しだけ見つめ合うと、直ぐに行動に移ったのだった。
アイリーシャは、参加者の中から兄のアルバートを探しに行き、そしてミハイルは、ロクサーヌへ次のダンスの相手の申し込みに向かった。
ロクサーヌはヴィクトールとのダンスの最後に互いに深く礼をして、周囲の拍手と称賛を受けていた。
主催の為、参加客の注目も大きかったこともあり、ロクサーヌは普段通りに振る舞っていたが、内心は”自分の兄の企てている恐ろしい計画を止めなくてはいけない”と、その事で頭がいっぱいで、既に彼女は周りが見えなくなりつつあって、二人が思っていた通り、かなり危険な状態であったのだ。
この計画を止めるためには、もう国王陛下に直接進言するしかないと、彼女はそう思い込んでいて、ロクサーヌは今にも人の輪から抜け出して踵を返して走り出そうとしていた。
すると、そんな彼女の前に、間一髪ミハイルは現れて、そしてそのまま流れる様な仕草で、彼女の手を取ると真面目な顔でダンスの誘いを申し入れたのだった。
「ロクサーヌ様、どうぞ私と一曲踊ってください。」
「ミハイル様、今、それどころじゃ無いんです!!」
急に現れたミハイルに、ロクサーヌは焦った様子で、彼の手を払い除けたが、しかしミハイルはそんな彼女の手をしっかりと掴んで離さなかった。
ロクサーヌと踊ることは決してミハイルの本意では無かったが、彼は彼女を逃さなかった。何故なら間近で彼女の様子を見てこのまま彼女を自由にしてしまったらとんでもない事をやらかすだろうと確信してしまったから。
「いいえ、踊っていただきます。よっぽどの理由がないのにダンスの申し込みを断るのは無礼ですよ。」
「よっぽどの理由よ!貴方だって知ってるでしょう?」
「……何のことか分かりかねます。」
真剣な表情のまま、ミハイルは彼女の言葉をかわした。ここで彼女を逃すわけにはいかないのだ。だからどんなにロクサーヌが必死であっても、ミハイルは無慈悲であり続けた。
そんな彼の態度に、ロクサーヌは訳が分からず混乱していた。つい先ほど、味方だと言ってくれたミハイルが、今は自分を邪魔してくるのだ。
「そんな……貴方は味方だって言ってたのに……」
やはり自分には味方など居ないのだと、そんな絶望にも近い気持ちで、泣きそうな顔のロクサーヌはミハイルに訴えた。
何を言ってもきっと聞き入れて貰えない。そう思っていたのだが、
すると、ミハイルは相変わらず冷静であったが、ロクサーヌを諭すように、宥めるように意外な言葉を告げたのだった。
「味方ですよ。味方だから貴女をダンスに誘ってるんです。」
「……どういうこと?」
「踊れば分かりますよ。今ここでダンスを踊った方が、貴女の為、ノルモンド家の為、そしてひいては国の為にもなるんですよ。」
「本当に……?」
「えぇ。本当です。だから貴女は主宰としてこの夜会を何事も無く終わらせる必要があります。その為に、普段通りにダンスを踊るのです。」
彼の言っている事が俄には信じられなかったが、しかしミハイルの目は真っ直ぐで、とても嘘をついている様には見えなかった。
どのみち今この状況で他の選択肢は取れないと悟って、ロクサーヌは仕方なくミハイルの手を取ったのだった。
ロクサーヌの異変に最初に気付いたのはアイリーシャだった。
ヴィクトールと踊る彼女の表情が、明らかにおかしいのだ。例え作り笑いでも、王太子の婚約者候補としてみっちりと教育を受けた彼女であれば、淑女の様な笑顔を常に浮かべられるはずなのに、今の彼女は青い顔をしていてとても思い詰めている様子が見て取れるのだ。
「あの様子は、不味いかもしれないですね。」
難しい顔でミハイルもアイリーシャの見解に同意した。
マキシムから聞いている話をそのまま信じると、あの様な状態の彼女は何をしでかすか分からず危険だと思ったのだ。
「このままだと、ダンスが終わったら彼女は直ぐに行動を起こしそうだな……恐らく、それは不味い……」
マキシムから頼まれているので、彼女が何かやらかしそうならばそれを止めなくてはいけないのだが、ミハイルには彼女の行動が全く予測出来ないので、大ごとにならずに場を収められる自信が無いのだ。
そんな事を悩んでいると、彼の悩みに気づいたアイリーシャが、あるアイディアを進言したのだった。
「あの、ミハイル様よろしいでしょうか?」
「なんでしょう?」
「ロクサーヌ様に大人しくしていただきたいんですよね?それでしたら、彼女にはずっとダンスを踊っていて貰うのが良いのではないでしょうか。」
「成程……確かにそうですね。」
「えぇ。ですから、この曲が終わったら、ミハイル様が直ぐにロクサーヌ様をダンスに誘うんです。踊っている間は人目もありますから何も出来ませんでしょう?」
アイリーシャからの提案はとても的を得ていた物であった。確かに、彼女を常に人目のあるところに留めておければ下手な行動は取れない筈だ。
しかしながら、この方法にミハイルは引っかかる事もあった。
「確かに良いアイディアだと思いますが……婚約者である貴女以外の人と踊るのは些か気が引けます。」
自分であったら、例え特別な事情があったとしても、婚約者であるアイリーシャが他の男性と踊る所など見たくはないのだ。
だからその逆も然りで、自分も他の女性と踊っているところをアイリーシャに見せたくないとミハイルは思っていたのだが、しかしそんな彼に対して、アイリーシャは屈託のない笑みを浮かべてこう言ったのだった。
「大丈夫です。私は気にしませんわ。」
アイリーシャに他意は無かった。
彼女は至って真面目にミハイルを安心させるつもりで言ったのだが、しかしその言葉は、彼にダメージを負わせるには十分であった。
(彼女は純粋にロクサーヌ様を止めるために取るべき最適行動を選んでいるだけなのは分かるが、それでも、こうもあっさりと気にしないと言われてしまうのは中々堪えるものがあるな……)
ミハイルは心の中でため息を吐くと、複雑な心境のまま、アイリーシャからの提案を受け入れたのだった。
「……そうですか、分かりました。それではこの曲が終わったら直ぐにロクサーヌ様にダンスを申し込んでみます。」
「はい、それが一番良いと思います。あぁ、でも、ロクサーヌ様をずっと足止めするのならばミハイル様だけではきっと無理ですよね。私、お兄様を探して来ますわ。お兄様にも協力して貰いましょう!」
こうして、ミハイルとアイリーシャのカップルが秘密の計画相談しながら踊っていると、程なくして一曲目の演奏が終わった。
ミハイルは名残惜しい気持ちでアイリーシャの手を離して、二人は少しだけ見つめ合うと、直ぐに行動に移ったのだった。
アイリーシャは、参加者の中から兄のアルバートを探しに行き、そしてミハイルは、ロクサーヌへ次のダンスの相手の申し込みに向かった。
ロクサーヌはヴィクトールとのダンスの最後に互いに深く礼をして、周囲の拍手と称賛を受けていた。
主催の為、参加客の注目も大きかったこともあり、ロクサーヌは普段通りに振る舞っていたが、内心は”自分の兄の企てている恐ろしい計画を止めなくてはいけない”と、その事で頭がいっぱいで、既に彼女は周りが見えなくなりつつあって、二人が思っていた通り、かなり危険な状態であったのだ。
この計画を止めるためには、もう国王陛下に直接進言するしかないと、彼女はそう思い込んでいて、ロクサーヌは今にも人の輪から抜け出して踵を返して走り出そうとしていた。
すると、そんな彼女の前に、間一髪ミハイルは現れて、そしてそのまま流れる様な仕草で、彼女の手を取ると真面目な顔でダンスの誘いを申し入れたのだった。
「ロクサーヌ様、どうぞ私と一曲踊ってください。」
「ミハイル様、今、それどころじゃ無いんです!!」
急に現れたミハイルに、ロクサーヌは焦った様子で、彼の手を払い除けたが、しかしミハイルはそんな彼女の手をしっかりと掴んで離さなかった。
ロクサーヌと踊ることは決してミハイルの本意では無かったが、彼は彼女を逃さなかった。何故なら間近で彼女の様子を見てこのまま彼女を自由にしてしまったらとんでもない事をやらかすだろうと確信してしまったから。
「いいえ、踊っていただきます。よっぽどの理由がないのにダンスの申し込みを断るのは無礼ですよ。」
「よっぽどの理由よ!貴方だって知ってるでしょう?」
「……何のことか分かりかねます。」
真剣な表情のまま、ミハイルは彼女の言葉をかわした。ここで彼女を逃すわけにはいかないのだ。だからどんなにロクサーヌが必死であっても、ミハイルは無慈悲であり続けた。
そんな彼の態度に、ロクサーヌは訳が分からず混乱していた。つい先ほど、味方だと言ってくれたミハイルが、今は自分を邪魔してくるのだ。
「そんな……貴方は味方だって言ってたのに……」
やはり自分には味方など居ないのだと、そんな絶望にも近い気持ちで、泣きそうな顔のロクサーヌはミハイルに訴えた。
何を言ってもきっと聞き入れて貰えない。そう思っていたのだが、
すると、ミハイルは相変わらず冷静であったが、ロクサーヌを諭すように、宥めるように意外な言葉を告げたのだった。
「味方ですよ。味方だから貴女をダンスに誘ってるんです。」
「……どういうこと?」
「踊れば分かりますよ。今ここでダンスを踊った方が、貴女の為、ノルモンド家の為、そしてひいては国の為にもなるんですよ。」
「本当に……?」
「えぇ。本当です。だから貴女は主宰としてこの夜会を何事も無く終わらせる必要があります。その為に、普段通りにダンスを踊るのです。」
彼の言っている事が俄には信じられなかったが、しかしミハイルの目は真っ直ぐで、とても嘘をついている様には見えなかった。
どのみち今この状況で他の選択肢は取れないと悟って、ロクサーヌは仕方なくミハイルの手を取ったのだった。
1
お気に入りに追加
1,437
あなたにおすすめの小説
殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。
真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。
そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが…
7万文字くらいのお話です。
よろしくお願いいたしますm(__)m
妊娠した愛妾の暗殺を疑われたのは、心優しき正妃様でした。〜さよなら陛下。貴方の事を愛していた私はもういないの〜
五月ふう
恋愛
「アリス……!!君がロゼッタの食事に毒を入れたんだろ……?自分の『正妃』としての地位がそんなに大切なのか?!」
今日は正妃アリスの誕生日を祝うパーティ。園庭には正妃の誕生日を祝うため、大勢の貴族たちが集まっている。主役である正妃アリスは自ら料理を作り、皆にふるまっていた。
「私は……ロゼッタの食事に毒を入れていないわ。」
アリスは毅然とした表情を浮かべて、はっきりとした口調で答えた。
銀色の髪に、透き通った緑の瞳を持つアリス。22歳を迎えたアリスは、多くの国民に慕われている。
「でもロゼッタが倒れたのは……君が作った料理を食べた直後だ!アリス……君は嫉妬に狂って、ロゼッタを傷つけたんだ‼僕の最愛の人を‼」
「まだ……毒を盛られたと決まったわけじゃないでしょう?ロゼッタが単に貧血で倒れた可能性もあるし……。」
突如倒れたロゼッタは医務室に運ばれ、現在看護を受けている。
「いや違う!それまで愛らしく微笑んでいたロゼッタが、突然血を吐いて倒れたんだぞ‼君が食事に何かを仕込んだんだ‼」
「落ち着いて……レオ……。」
「ロゼッタだけでなく、僕たちの子供まで亡き者にするつもりだったのだな‼」
愛人ロゼッタがレオナルドの子供を妊娠したとわかったのは、つい一週間前のことだ。ロゼッタは下級貴族の娘であり、本来ならばレオナルドと結ばれる身分ではなかった。
だが、正妃アリスには子供がいない。ロゼッタの存在はスウェルド王家にとって、重要なものとなっていた。国王レオナルドは、アリスのことを信じようとしない。
正妃の地位を剥奪され、牢屋に入れられることを予期したアリスはーーーー。
【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。
彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。
目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のカナリアは、原因不明の高熱に襲われた事がきっかけで、前世の記憶を取り戻した。そしてここが、前世で亡くなる寸前まで読んでいた小説の世界で、ヒーローの婚約者に転生している事に気が付いたのだ。
その物語は、自分を含めた主要の登場人物が全員命を落とすという、まさにバッドエンドの世界!
物心ついた時からずっと自分の傍にいてくれた婚約者のアルトを、心から愛しているカナリアは、酷く動揺する。それでも愛するアルトの為、自分が身を引く事で、バッドエンドをハッピーエンドに変えようと動き出したのだが、なんだか様子がおかしくて…
全く違う物語に転生したと思い込み、迷走を続けるカナリアと、愛するカナリアを失うまいと翻弄するアルトの恋のお話しです。
展開が早く、ご都合主義全開ですが、よろしくお願いしますm(__)m
どうやら断罪対象はわたくしのようです 〜わたくしを下級貴族と勘違いされているようですが、お覚悟はよろしくて?〜
水都 ミナト
恋愛
「ヴァネッサ・ユータカリア! お前をこの学園から追放する! そして数々の罪を償うため、牢に入ってもらう!」
わたくしが通うヒンスリー王国の王立学園の創立パーティにて、第一王子のオーマン様が高らかに宣言されました。
ヴァネッサとは、どうやらわたくしのことのようです。
なんということでしょう。
このおバカな王子様はわたくしが誰なのかご存知ないのですね。
せっかくなので何の証拠も確証もない彼のお話を聞いてみようと思います。
◇8000字程度の短編です
◇小説家になろうでも公開予定です
7年ぶりに帰国した美貌の年下婚約者は年上婚約者を溺愛したい。
なーさ
恋愛
7年前に隣国との交換留学に行った6歳下の婚約者ラドルフ。その婚約者で王城で侍女をしながら領地の運営もする貧乏令嬢ジューン。
7年ぶりにラドルフが帰国するがジューンは現れない。それもそのはず2年前にラドルフとジューンは婚約破棄しているからだ。そのことを知らないラドルフはジューンの家を訪ねる。しかしジューンはいない。後日王城で会った二人だったがラドルフは再会を喜ぶもジューンは喜べない。なぜなら王妃にラドルフと話すなと言われているからだ。わざと突き放すような言い方をしてその場を去ったジューン。そしてラドルフは7年ぶりに帰った実家で婚約破棄したことを知る。
溺愛したい美貌の年下騎士と弟としか見ていない年上令嬢。二人のじれじれラブストーリー!
この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。
天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」
目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。
「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」
そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――?
そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た!
っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!!
っていうか、ここどこ?!
※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました
※他サイトにも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる