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第二部
40. 救いの手
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「僕だってたまには隅の方で大人しくしてる時もあるんだよ。」
話しかけて来た人物を確認すると、アルバートは気安く返事をした。彼の友人だったのだ。
「アルなのに珍しいこともあるもんだね。」
「それを言うなら君だって、ウィルフレッド、今日はちゃんとした格好で夜会に出席したんだね。」
「まぁ、正式な招待状が届いたから流石にね。」
気の置けない感じで会話をする二人に、マグリットは置いてけぼりを食らいながらも、とりあえず会話の邪魔にならないように黙って二人を見守った。
すると、そんな様子のマグリットに気づいたアルバートは、彼女に友人を紹介した。
「あぁ。マグリットに紹介するよ。彼は僕の友人で、グラマー侯爵家のウィルフレッドだ。」
「こんばんは、マグリット様。」
「こんばんは。以前マイヨール家ですれ違いましたよね。その時にお姿を拝見しておりますわ。」
「そういえば、そうでしたね。」
お互いに社交辞令的な挨拶を交わすと、マグリットは改めてウィルフレッドを不躾にならない様に眺めた。
マイヨール家で見かけた時も思ったけれども、やはりどこかで彼に会ったような気がするのだ。そんな既視感を抱いたのだが、それがどこでだったのか、どうしても思い出せないのであった。
「ところで、二人してこんな隅の方に居てあんまりこの夜会を楽しんでいる様には見えないね。」
「まぁ、そうかもね。」
「君も?」
「そうね、義務で出席してる様な物だから。」
ウィルフレッドからの問いかけに、マグリットは曖昧に笑って答えた。楽しいか楽しく無いかな二択なら、楽しくないと答えるところだが、それをそのまま口にするのは憚れたのだ。
するとそんな彼女の様子を察したウィルフレッドは、ポンっと手を叩いて、にこやかに提案をしてきたのだった。
「まぁ、そんな辛気臭くならないで。そうだ、景気づけに一曲歌おうか?」
「えっ?歌??」
ウィルフレッドが自分たちの気分を盛り上げてくれようとしてくれているのは分かるが、あまりにも予想外な言葉に、マグリットは目を丸くして驚いてしまった。
「ウィルフレッド様が歌うのですか?」
「えぇ。結構上手いんですよ。」
「まぁ、それは是非聴いてみたいですわね。」
社交辞令なのか、冗談なのか判別は付かなかったが、侯爵令息が夜会で歌を披露する姿を想像したら、思わずマグリットはクスリと笑ってしまった。
このウィルフレッドという人は、アルバートの友人というだけあって、独特な人なのだなと思った。そんな彼の普通の令息とは少し違う所は嫌いでは無かった。
そして、話の流れで本当にウィルフレッドが歌を一章節分だけ披露しようとしたその時だった
「こんな所に居たのか、マグリット。」
「エル……」
今度は、二人の従兄弟であるエリオットが、マグリットを探しにやって来たのだ。
「ヴィクトールが探してた。早く彼のところへ行こう。」
「どうして?」
「どうしてって、ファーストダンスを踊る為に決まっているだろう。もうすぐ演奏が始まるから、急いで。」
「待って!そんな、この状況でヴィクトール様とファーストダンスなんて踊ったら、周囲に完全に誤解されてしまうわ!」
この夜会で、ノルモンド公爵家の嫡男であるヴィクトールの婚約が発表されるのではないかと噂されているのだ。
そんな中で彼とファーストダンスを踊ってしまったら、彼との関係を誤解され、いよいよ逃げられなくなってしまう。
マグリットは困惑の色を浮かべて、彼女を探しに来たエリオットの申し出を断った。
しかし、エリオットはそんなマグリットの事情など全く考慮せず、強引に彼女の手を取ってホールの中央へと連れ出そうとしたのだった。
「エリオット!!」
あまりの強引な態度に、見兼ねてアルバートは大きな声を出して従兄弟を牽制した。
「お前はどうしてそんなに、マグリットとヴィクトール様をくっつけようとしてるんだ?!マグリットが戸惑っているだろう?!」
「ヴィクトールは友人だからね。彼が希望しているんだから、友人として仲を取り持ってあげるのは当然だろう?」
「ほう、友人の為には従姉妹の気持ちは蔑ろにするのか。随分と傲慢だな。」
「アルバートには関係ないだろう!」
お互い一歩も引かない様子で睨み合うと、辺りは不穏な空気に包まれた。
エルとアルが人前でこんなにもオープンに歪みあった事はないので、マグリットは驚きを隠せなかった。
いつも冷静沈着で、どんな時でも余裕のある態度を崩さない二人が、今はお互い感情を隠そうともせずにぶつかり合って居るのだ。
そんな険悪な雰囲気の中、マグリットはオロオロするしか出来なかったが、ふと、隣で一緒に傍観していたウィルフレッドが、のんびりと彼女に声をかけたのだった。
「何やら取り込んでるね。」
「え……えぇ……」
「二人で言い合いを始めてしまったから貴女は手持ち無沙汰でしょう?では、私とダンスを踊りましょうか」
「えっ?!」
急にダンスを申し込まれてマグリットは困惑するしかなかった。今の話の流れで、何故自分とウィルフレッドが踊る事になるのか皆目分からないのだ。
すると、そんなマグリットの戸惑いを察してウィルフレッドは、ニコリと微笑んで、その意図を告げたのだった。
「そうしたら、主催とファーストダンスを踊らなくて済むでしょう?マグリット様は、主催とファーストダンス踊りたく無いんでしょう?」
「あっ……」
確かにその通りだ。主催者であるヴィクトール本人からダンスを誘われたら断ることは出来ないが、今はまだ、エリオットから聞いているだけなのだ。だから正式にヴィクトールからダンスを申し込まれる前に他の男性とパートナーを組んでしまえばいいのだ。
そしてそれには、この場に居合わせただけのアルバートの友人のウィルフレッドが、うってつけなのだ。
「有難うございます、ウィルフレッド様!」
「いいよ。君とは何かと縁があるしね。」
そう言ってウィルフレッドは悪戯っぽくウィンクをしてみせると、恭しく手を差し出したので、マグリットは有り難くその手を取ったのだった。
話しかけて来た人物を確認すると、アルバートは気安く返事をした。彼の友人だったのだ。
「アルなのに珍しいこともあるもんだね。」
「それを言うなら君だって、ウィルフレッド、今日はちゃんとした格好で夜会に出席したんだね。」
「まぁ、正式な招待状が届いたから流石にね。」
気の置けない感じで会話をする二人に、マグリットは置いてけぼりを食らいながらも、とりあえず会話の邪魔にならないように黙って二人を見守った。
すると、そんな様子のマグリットに気づいたアルバートは、彼女に友人を紹介した。
「あぁ。マグリットに紹介するよ。彼は僕の友人で、グラマー侯爵家のウィルフレッドだ。」
「こんばんは、マグリット様。」
「こんばんは。以前マイヨール家ですれ違いましたよね。その時にお姿を拝見しておりますわ。」
「そういえば、そうでしたね。」
お互いに社交辞令的な挨拶を交わすと、マグリットは改めてウィルフレッドを不躾にならない様に眺めた。
マイヨール家で見かけた時も思ったけれども、やはりどこかで彼に会ったような気がするのだ。そんな既視感を抱いたのだが、それがどこでだったのか、どうしても思い出せないのであった。
「ところで、二人してこんな隅の方に居てあんまりこの夜会を楽しんでいる様には見えないね。」
「まぁ、そうかもね。」
「君も?」
「そうね、義務で出席してる様な物だから。」
ウィルフレッドからの問いかけに、マグリットは曖昧に笑って答えた。楽しいか楽しく無いかな二択なら、楽しくないと答えるところだが、それをそのまま口にするのは憚れたのだ。
するとそんな彼女の様子を察したウィルフレッドは、ポンっと手を叩いて、にこやかに提案をしてきたのだった。
「まぁ、そんな辛気臭くならないで。そうだ、景気づけに一曲歌おうか?」
「えっ?歌??」
ウィルフレッドが自分たちの気分を盛り上げてくれようとしてくれているのは分かるが、あまりにも予想外な言葉に、マグリットは目を丸くして驚いてしまった。
「ウィルフレッド様が歌うのですか?」
「えぇ。結構上手いんですよ。」
「まぁ、それは是非聴いてみたいですわね。」
社交辞令なのか、冗談なのか判別は付かなかったが、侯爵令息が夜会で歌を披露する姿を想像したら、思わずマグリットはクスリと笑ってしまった。
このウィルフレッドという人は、アルバートの友人というだけあって、独特な人なのだなと思った。そんな彼の普通の令息とは少し違う所は嫌いでは無かった。
そして、話の流れで本当にウィルフレッドが歌を一章節分だけ披露しようとしたその時だった
「こんな所に居たのか、マグリット。」
「エル……」
今度は、二人の従兄弟であるエリオットが、マグリットを探しにやって来たのだ。
「ヴィクトールが探してた。早く彼のところへ行こう。」
「どうして?」
「どうしてって、ファーストダンスを踊る為に決まっているだろう。もうすぐ演奏が始まるから、急いで。」
「待って!そんな、この状況でヴィクトール様とファーストダンスなんて踊ったら、周囲に完全に誤解されてしまうわ!」
この夜会で、ノルモンド公爵家の嫡男であるヴィクトールの婚約が発表されるのではないかと噂されているのだ。
そんな中で彼とファーストダンスを踊ってしまったら、彼との関係を誤解され、いよいよ逃げられなくなってしまう。
マグリットは困惑の色を浮かべて、彼女を探しに来たエリオットの申し出を断った。
しかし、エリオットはそんなマグリットの事情など全く考慮せず、強引に彼女の手を取ってホールの中央へと連れ出そうとしたのだった。
「エリオット!!」
あまりの強引な態度に、見兼ねてアルバートは大きな声を出して従兄弟を牽制した。
「お前はどうしてそんなに、マグリットとヴィクトール様をくっつけようとしてるんだ?!マグリットが戸惑っているだろう?!」
「ヴィクトールは友人だからね。彼が希望しているんだから、友人として仲を取り持ってあげるのは当然だろう?」
「ほう、友人の為には従姉妹の気持ちは蔑ろにするのか。随分と傲慢だな。」
「アルバートには関係ないだろう!」
お互い一歩も引かない様子で睨み合うと、辺りは不穏な空気に包まれた。
エルとアルが人前でこんなにもオープンに歪みあった事はないので、マグリットは驚きを隠せなかった。
いつも冷静沈着で、どんな時でも余裕のある態度を崩さない二人が、今はお互い感情を隠そうともせずにぶつかり合って居るのだ。
そんな険悪な雰囲気の中、マグリットはオロオロするしか出来なかったが、ふと、隣で一緒に傍観していたウィルフレッドが、のんびりと彼女に声をかけたのだった。
「何やら取り込んでるね。」
「え……えぇ……」
「二人で言い合いを始めてしまったから貴女は手持ち無沙汰でしょう?では、私とダンスを踊りましょうか」
「えっ?!」
急にダンスを申し込まれてマグリットは困惑するしかなかった。今の話の流れで、何故自分とウィルフレッドが踊る事になるのか皆目分からないのだ。
すると、そんなマグリットの戸惑いを察してウィルフレッドは、ニコリと微笑んで、その意図を告げたのだった。
「そうしたら、主催とファーストダンスを踊らなくて済むでしょう?マグリット様は、主催とファーストダンス踊りたく無いんでしょう?」
「あっ……」
確かにその通りだ。主催者であるヴィクトール本人からダンスを誘われたら断ることは出来ないが、今はまだ、エリオットから聞いているだけなのだ。だから正式にヴィクトールからダンスを申し込まれる前に他の男性とパートナーを組んでしまえばいいのだ。
そしてそれには、この場に居合わせただけのアルバートの友人のウィルフレッドが、うってつけなのだ。
「有難うございます、ウィルフレッド様!」
「いいよ。君とは何かと縁があるしね。」
そう言ってウィルフレッドは悪戯っぽくウィンクをしてみせると、恭しく手を差し出したので、マグリットは有り難くその手を取ったのだった。
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