79 / 109
第二部
35. そして、誤解は加速する
しおりを挟む
ヴィクトールとレオンハルトが密談をしている隣の部屋では、彼らの会話を盗み聞こうとロクサーヌが壁に耳を押し当てて集中していた。
(本当に隣の部屋の会話が聞こえるのだろうか?俺には俄に信じられないが……。まぁでも、そうやって壁に張り付いている間は大人しくしていてくれて都合が良いか。)
そしてそんな令嬢としてはあるまじき格好でなりふり構って居ない彼女を、一歩引いた所からマキシムは見守っていた。
彼はこの暴走する御令嬢を止める為だけに彼女の側に居るので、そうやって壁に張り付いて居るだけなら、何事も起こらないのでとても気楽なものだった。
(お願いだから、このままずっと、そうやって大人しくしていてくれよ……)
マキシムはそう祈る様に彼女を見守っていたのだが、しかし、そんな簡単には彼の願いは叶わなかった。
壁に耳を当てて大人しくしていたロクサーヌが急に青い顔でこちらを振り向くと、震える声で訴えたのだ。
「どうしましょう、マキシム様……私、とんでもない事を聞いてしまいましたわ……」
「ロクサーヌ様?一体何を聞いたと言うんですか?」
文字通り彼女からとんでもない発言が飛び出してくるであろうことは予測できていた。
だからある程度覚悟してマキシムはロクサーヌに問い返したのだが、しかし予想は出来ていたものの、彼女の発言は、そんなマキシムの予想を遥かに超えたものだったのだ。
「お兄様が殿下と一緒に、国王陛下の暗殺を企てておりますわ……」
「はぁ?!!!」
どうしてそうなるんだ?!!
マキシムは心の中でそう叫んだ。
彼女の勘違いが、悪化しているのだ。
「何かの間違えでしょう。そんな事を殿下が考える筈が無い。」
「いいえ、わたくし確かに聞きましたわ。
“国王陛下……を打ち壊しましょう。この国……を手にする為に。”
確かにお兄様はそう言ってましたわ!!」
殆ど声など聞こえないが、それでもロクサーヌはポツリ、ポツリと断片的に二人の声を拾う事に成功していて、そして、それを良くない方へと解釈してしまったのだ。
「止めないと!!これはもう直接止めないと!!!」
「待ってください!!」
マキシムの静止を振り切って、思い詰めた顔でロクサーヌは部屋から出ていくと、そのままの勢いで隣の応接室へ飛び込んでいった。
けれども時すでに遅くて、密談を終えたレオンハルトとヴィクトールは既にこの部屋を後にしていたのだった。
「お兄様たち、会場に戻られたんだわ……。マキシム様!私たちも急いで会場に戻りますわよ!!」
部屋に誰もいない事を確認するとロクサーヌは直ぐに切り替えて、マキシムが何かを言う前に再び勢いよく部屋から出ていくと、夜会の会場となって居るメインホールへと駆け出した。
マキシムも慌てて彼女の後を追ったが、前も思ったがロクサーヌは令嬢にしては異様に足が速いのだ。
だから直ぐに追いつくことが出来ずに、結局夜会の会場へと戻ったところで、なんとか彼女に追いついたのだった。
「ロクサーヌ様、とにかく落ち着いてください。」
「落ち着いてなどいられますか!あぁ、早くお兄様たちを探さないと……」
「探してどうするんです?」
「決まっているでしょう!国王陛下暗殺だなんてやめて下さいとお伝えするのよ!!」
この発言にマキシムは慌てて彼女の口を塞いだ。誰かに聞かれたら、一発でアウトな奴なのだ。
幸いなことに周囲の誰にも聞かれていなかったようであったが、滅多な事を口にするのは本当にやめて欲しかった。こちらの寿命が縮んでしまう。
マキシムはひとまずは胸を撫で下ろしたが、彼女の言動を押さえないと全く安心できなかった。
「待ってください!絶対何かの誤解だろうから、早まらないでください!!」
そう言ってマキシムはロクサーヌを宥めながらも必死で周囲見渡した。そして、目的の人物を見つけると、睨むように力一杯、目で訴えかけたのだった。
こっちに来いと。
「待ってなどいられませんわ!お兄様たちに考えを改めて頂かないと!!」
「もし、本当にロクサーヌ様が思う様な事があったとしても、この場に国王陛下は居ないのだから、今止めなくてもいいでしょう?」
「そんな悠長なこと言っていられませんわ!この夜会はアリバイ作りで、既に刺客を差し向けて居るかも知れないじゃないですか!!」
なんでそんなに想像力が豊かなのか、変に感心してしまったが、そんな事よりも、今は彼女を押さえ込むことの方が大切だった。
マキシムは先程目で合図して呼びつけた人物がこちらに向かって歩いて来ている事を確認すると、再びロクサーヌに言い含める様に語りかけた。
「分かりました。先ずは俺が殿下と話してきます。だから俺が戻るまで余計な事はしないで下さいね?誰にもそれを話さないで下さいね?いいですか、絶対にですよ?!」
「それなら私も一緒に行きますわ!」
ついて来たら余計に話が拗れそうだから、それだけはなんとしても阻止したかった。
かと言って彼女を一人でこの場に残しておくのも不安であったのだが、そんな時にタイミング良く、一組の夜会参加者がロクサーヌに話しかけて来たのだった。
「こんばんはロクサーヌ様。今宵は夜会への招待ありがとうごさまいます。」
「ご機嫌よう、ロクサーヌ様。お招きいただけて嬉しいですわ。」
マキシムが目で訴えて呼びつけた二人……、ミハイルとアイリーシャが、主催側であるロクサーヌに挨拶をしに現れたのだ。
「ほら、貴女は主催者側なんだから、ゲストの相手も大切な仕事でしょう?こうして挨拶に来ているゲストを蔑ろにしてはいけない。参加者を不安にさせない為にも、貴女は普段通りに振る舞うべきだ。」
「それは、そうだけれども……」
「とにかく、主催の仕事をしていて下さいね。殿下の方は俺に任せてください。」
まだ何か言いたそうにしているロクサーヌを遮って、マキシムは会話を強引に終わらせると、ミハイルに対して強い目配せを送った。
(絶対に、目を離すんじゃ無いぞ。)
(……分かった……)
こうして、ミハイルとアイリーシャの二人にロクサーヌを任せて、マキシムはレオンハルトを探しにこの場を離れたのだった。
(本当に隣の部屋の会話が聞こえるのだろうか?俺には俄に信じられないが……。まぁでも、そうやって壁に張り付いている間は大人しくしていてくれて都合が良いか。)
そしてそんな令嬢としてはあるまじき格好でなりふり構って居ない彼女を、一歩引いた所からマキシムは見守っていた。
彼はこの暴走する御令嬢を止める為だけに彼女の側に居るので、そうやって壁に張り付いて居るだけなら、何事も起こらないのでとても気楽なものだった。
(お願いだから、このままずっと、そうやって大人しくしていてくれよ……)
マキシムはそう祈る様に彼女を見守っていたのだが、しかし、そんな簡単には彼の願いは叶わなかった。
壁に耳を当てて大人しくしていたロクサーヌが急に青い顔でこちらを振り向くと、震える声で訴えたのだ。
「どうしましょう、マキシム様……私、とんでもない事を聞いてしまいましたわ……」
「ロクサーヌ様?一体何を聞いたと言うんですか?」
文字通り彼女からとんでもない発言が飛び出してくるであろうことは予測できていた。
だからある程度覚悟してマキシムはロクサーヌに問い返したのだが、しかし予想は出来ていたものの、彼女の発言は、そんなマキシムの予想を遥かに超えたものだったのだ。
「お兄様が殿下と一緒に、国王陛下の暗殺を企てておりますわ……」
「はぁ?!!!」
どうしてそうなるんだ?!!
マキシムは心の中でそう叫んだ。
彼女の勘違いが、悪化しているのだ。
「何かの間違えでしょう。そんな事を殿下が考える筈が無い。」
「いいえ、わたくし確かに聞きましたわ。
“国王陛下……を打ち壊しましょう。この国……を手にする為に。”
確かにお兄様はそう言ってましたわ!!」
殆ど声など聞こえないが、それでもロクサーヌはポツリ、ポツリと断片的に二人の声を拾う事に成功していて、そして、それを良くない方へと解釈してしまったのだ。
「止めないと!!これはもう直接止めないと!!!」
「待ってください!!」
マキシムの静止を振り切って、思い詰めた顔でロクサーヌは部屋から出ていくと、そのままの勢いで隣の応接室へ飛び込んでいった。
けれども時すでに遅くて、密談を終えたレオンハルトとヴィクトールは既にこの部屋を後にしていたのだった。
「お兄様たち、会場に戻られたんだわ……。マキシム様!私たちも急いで会場に戻りますわよ!!」
部屋に誰もいない事を確認するとロクサーヌは直ぐに切り替えて、マキシムが何かを言う前に再び勢いよく部屋から出ていくと、夜会の会場となって居るメインホールへと駆け出した。
マキシムも慌てて彼女の後を追ったが、前も思ったがロクサーヌは令嬢にしては異様に足が速いのだ。
だから直ぐに追いつくことが出来ずに、結局夜会の会場へと戻ったところで、なんとか彼女に追いついたのだった。
「ロクサーヌ様、とにかく落ち着いてください。」
「落ち着いてなどいられますか!あぁ、早くお兄様たちを探さないと……」
「探してどうするんです?」
「決まっているでしょう!国王陛下暗殺だなんてやめて下さいとお伝えするのよ!!」
この発言にマキシムは慌てて彼女の口を塞いだ。誰かに聞かれたら、一発でアウトな奴なのだ。
幸いなことに周囲の誰にも聞かれていなかったようであったが、滅多な事を口にするのは本当にやめて欲しかった。こちらの寿命が縮んでしまう。
マキシムはひとまずは胸を撫で下ろしたが、彼女の言動を押さえないと全く安心できなかった。
「待ってください!絶対何かの誤解だろうから、早まらないでください!!」
そう言ってマキシムはロクサーヌを宥めながらも必死で周囲見渡した。そして、目的の人物を見つけると、睨むように力一杯、目で訴えかけたのだった。
こっちに来いと。
「待ってなどいられませんわ!お兄様たちに考えを改めて頂かないと!!」
「もし、本当にロクサーヌ様が思う様な事があったとしても、この場に国王陛下は居ないのだから、今止めなくてもいいでしょう?」
「そんな悠長なこと言っていられませんわ!この夜会はアリバイ作りで、既に刺客を差し向けて居るかも知れないじゃないですか!!」
なんでそんなに想像力が豊かなのか、変に感心してしまったが、そんな事よりも、今は彼女を押さえ込むことの方が大切だった。
マキシムは先程目で合図して呼びつけた人物がこちらに向かって歩いて来ている事を確認すると、再びロクサーヌに言い含める様に語りかけた。
「分かりました。先ずは俺が殿下と話してきます。だから俺が戻るまで余計な事はしないで下さいね?誰にもそれを話さないで下さいね?いいですか、絶対にですよ?!」
「それなら私も一緒に行きますわ!」
ついて来たら余計に話が拗れそうだから、それだけはなんとしても阻止したかった。
かと言って彼女を一人でこの場に残しておくのも不安であったのだが、そんな時にタイミング良く、一組の夜会参加者がロクサーヌに話しかけて来たのだった。
「こんばんはロクサーヌ様。今宵は夜会への招待ありがとうごさまいます。」
「ご機嫌よう、ロクサーヌ様。お招きいただけて嬉しいですわ。」
マキシムが目で訴えて呼びつけた二人……、ミハイルとアイリーシャが、主催側であるロクサーヌに挨拶をしに現れたのだ。
「ほら、貴女は主催者側なんだから、ゲストの相手も大切な仕事でしょう?こうして挨拶に来ているゲストを蔑ろにしてはいけない。参加者を不安にさせない為にも、貴女は普段通りに振る舞うべきだ。」
「それは、そうだけれども……」
「とにかく、主催の仕事をしていて下さいね。殿下の方は俺に任せてください。」
まだ何か言いたそうにしているロクサーヌを遮って、マキシムは会話を強引に終わらせると、ミハイルに対して強い目配せを送った。
(絶対に、目を離すんじゃ無いぞ。)
(……分かった……)
こうして、ミハイルとアイリーシャの二人にロクサーヌを任せて、マキシムはレオンハルトを探しにこの場を離れたのだった。
1
お気に入りに追加
1,437
あなたにおすすめの小説
殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。
真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。
そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが…
7万文字くらいのお話です。
よろしくお願いいたしますm(__)m
妊娠した愛妾の暗殺を疑われたのは、心優しき正妃様でした。〜さよなら陛下。貴方の事を愛していた私はもういないの〜
五月ふう
恋愛
「アリス……!!君がロゼッタの食事に毒を入れたんだろ……?自分の『正妃』としての地位がそんなに大切なのか?!」
今日は正妃アリスの誕生日を祝うパーティ。園庭には正妃の誕生日を祝うため、大勢の貴族たちが集まっている。主役である正妃アリスは自ら料理を作り、皆にふるまっていた。
「私は……ロゼッタの食事に毒を入れていないわ。」
アリスは毅然とした表情を浮かべて、はっきりとした口調で答えた。
銀色の髪に、透き通った緑の瞳を持つアリス。22歳を迎えたアリスは、多くの国民に慕われている。
「でもロゼッタが倒れたのは……君が作った料理を食べた直後だ!アリス……君は嫉妬に狂って、ロゼッタを傷つけたんだ‼僕の最愛の人を‼」
「まだ……毒を盛られたと決まったわけじゃないでしょう?ロゼッタが単に貧血で倒れた可能性もあるし……。」
突如倒れたロゼッタは医務室に運ばれ、現在看護を受けている。
「いや違う!それまで愛らしく微笑んでいたロゼッタが、突然血を吐いて倒れたんだぞ‼君が食事に何かを仕込んだんだ‼」
「落ち着いて……レオ……。」
「ロゼッタだけでなく、僕たちの子供まで亡き者にするつもりだったのだな‼」
愛人ロゼッタがレオナルドの子供を妊娠したとわかったのは、つい一週間前のことだ。ロゼッタは下級貴族の娘であり、本来ならばレオナルドと結ばれる身分ではなかった。
だが、正妃アリスには子供がいない。ロゼッタの存在はスウェルド王家にとって、重要なものとなっていた。国王レオナルドは、アリスのことを信じようとしない。
正妃の地位を剥奪され、牢屋に入れられることを予期したアリスはーーーー。
〖完結〗私が死ねばいいのですね。
藍川みいな
恋愛
侯爵令嬢に生まれた、クレア・コール。
両親が亡くなり、叔父の養子になった。叔父のカーターは、クレアを使用人のように使い、気に入らないと殴りつける。
それでも懸命に生きていたが、ある日濡れ衣を着せられ連行される。
冤罪で地下牢に入れられたクレアを、この国を影で牛耳るデリード公爵が訪ねて来て愛人になれと言って来た。
クレアは愛するホルス王子をずっと待っていた。彼以外のものになる気はない。愛人にはならないと断ったが、デリード公爵は諦めるつもりはなかった。処刑される前日にまた来ると言い残し、デリード公爵は去って行く。
そのことを知ったカーターは、クレアに毒を渡し、死んでくれと頼んで来た。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全21話で完結になります。
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
あなたの事は好きですが私が邪魔者なので諦めようと思ったのですが…様子がおかしいです
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のカナリアは、原因不明の高熱に襲われた事がきっかけで、前世の記憶を取り戻した。そしてここが、前世で亡くなる寸前まで読んでいた小説の世界で、ヒーローの婚約者に転生している事に気が付いたのだ。
その物語は、自分を含めた主要の登場人物が全員命を落とすという、まさにバッドエンドの世界!
物心ついた時からずっと自分の傍にいてくれた婚約者のアルトを、心から愛しているカナリアは、酷く動揺する。それでも愛するアルトの為、自分が身を引く事で、バッドエンドをハッピーエンドに変えようと動き出したのだが、なんだか様子がおかしくて…
全く違う物語に転生したと思い込み、迷走を続けるカナリアと、愛するカナリアを失うまいと翻弄するアルトの恋のお話しです。
展開が早く、ご都合主義全開ですが、よろしくお願いしますm(__)m
どうやら断罪対象はわたくしのようです 〜わたくしを下級貴族と勘違いされているようですが、お覚悟はよろしくて?〜
水都 ミナト
恋愛
「ヴァネッサ・ユータカリア! お前をこの学園から追放する! そして数々の罪を償うため、牢に入ってもらう!」
わたくしが通うヒンスリー王国の王立学園の創立パーティにて、第一王子のオーマン様が高らかに宣言されました。
ヴァネッサとは、どうやらわたくしのことのようです。
なんということでしょう。
このおバカな王子様はわたくしが誰なのかご存知ないのですね。
せっかくなので何の証拠も確証もない彼のお話を聞いてみようと思います。
◇8000字程度の短編です
◇小説家になろうでも公開予定です
それでも、私は幸せです~二番目にすらなれない妖精姫の結婚~
柵空いとま
恋愛
家族のために、婚約者である第二王子のために。政治的な理由で選ばれただけだと、ちゃんとわかっている。
大好きな人達に恥をかかせないために、侯爵令嬢シエラは幼い頃からひたすら努力した。六年間も苦手な妃教育、周りからの心無い言葉に耐えた結果、いよいよ来月、婚約者と結婚する……はずだった。そんな彼女を待ち受けたのは他の女性と仲睦まじく歩いている婚約者の姿と一方的な婚約解消。それだけではなく、シエラの新しい嫁ぎ先が既に決まったという事実も告げられた。その相手は、悪名高い隣国の英雄であるが――。
これは、どんなに頑張っても大好きな人の一番目どころか二番目にすらなれなかった少女が自分の「幸せ」の形を見つめ直す物語。
※他のサイトにも投稿しています
式前日に浮気現場を目撃してしまったので花嫁を交代したいと思います
おこめ
恋愛
式前日に一目だけでも婚約者に会いたいとやってきた邸で、婚約者のオリオンが浮気している現場を目撃してしまったキャス。
しかも浮気相手は従姉妹で幼馴染のミリーだった。
あんな男と結婚なんて嫌!
よし花嫁を替えてやろう!というお話です。
オリオンはただのクズキモ男です。
ハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる