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第二部
16. そして再びの従兄妹会2
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「珍しいね、エリオットが我が家に来るなんて。」
「あぁ。マグリットがこちらに居ると聞いてね。彼女に用があるんだ。」
ヨリクに案内されて、従兄弟のエリオットが三人の居るテラスへ本当にやって来ると、三人はこの珍しい来客に大層驚いた。
まさかこの場にエリオットがやって来るなど誰も思ってもなかったのだ。
アルバートの言う通り、いつの頃からかエリオットはこの従兄妹会に参加しなくなっていたからだ。
(エルお兄様が最後に我が家を訪れたのは一体いつぶりだったかしら?)
アイリーシャですらそんな事も思い出せないくらい、この従兄弟がマイヨール家を訪れたのは久しぶりだった。
「え?私に用なの?」
マグリットは、エリオットから名指しで呼ばれたことに驚いて、目を丸くして彼を見つめた。
まさか彼が普段顔を出さないマイヨール家にわざわざ来てまで自分に何か話があるとは思わなかったからだ。
「そう。マグリット、君に伝えたい事があるんだ。この前相談してくれた件、君をガーデンパーティーでエスコートしてくれる男性を見つけて来たんだ。それを君に早く伝えたくってね。」
「はっ?」
余りにも突然の話に、思わずマグリットは令嬢らしからぬ声を上げてしまった。飲んでた紅茶を噴き出さなかっただけ褒めて欲しい。
その話は、エリオットがマグリットの相談を断った事で終わったのではなかったのか。少なくともマグリットの中では完結していた。だから今更エリオットがその話をもってくるとは思わなかったのだ。
しかし、そんなマグリットの困惑など全く気にせず、エリオットは柔かに話を続けた。
「ノルモンド公爵家のヴィクトール様にマグリットの事を話したら、それだったら自分がエスコート役を引き受けようと申し出てくれたんだよ。」
「えっ……いや……大丈夫。さっきアルに頼んだから。」
「アルバートに?」
「えぇ。」
マグリットはチラリとアルバートの方を見てそう答えると、アルバートもそれに合わせて黙って頷いた。
するとエリオットは、マグリットとアルバートのそのやり取りを見ると一瞬顔に不快感を露わにして「チッ……遅かったか……」と、小さく呟いたのだった。
「エル……??」
「あ、いや、何でもないよ。けれどもダメだよマグリット。身内に逃げちゃ。折角の王太子主催のパーティーなんだ。他家の人と交流して、繋がりを作るべきだよ。それにヴィクトール様はとても優しくてユニークで素敵な方だよ。僕も以前から交流があってね。人柄も申し分ない。きっとマグリットも気に入ると思うよ。」
「でも……」
先程の舌打ちが嘘のように、エリオットは直ぐににこやかな笑みを浮かべながら、マグリットを諭すように話を続けたが、そんな饒舌に彼女の困惑は増すばかりだった。
素敵な方だと推されても、マグリットはヴィクトールとは会話も挨拶もしたことが無く全く面識が無いのだ。
そんな人にエスコートされるのは、ローランとの事があったばかりでは不安であった。
「エリオット、マグリットが困ってるよ。」
そこに助け舟を出してくれたのは、今まで静かにお茶を楽しんでいたアルバートであった。彼は不機嫌そうにそう言うと少し怖い顔で、強引に話を進めようとしているエリオットをじっと見つめた。
「けれども、公爵家から申し入れがあったのなら受け入れるのが筋だろう?マグリットは侯爵家なんだし。」
「マグリットは何も聞いていない。話があったのはエリオット、君にだろう?同じ公爵家のエリオットなら、穏便に断れるんじゃないかな。」
アルバートはいつもの軽口な口調ではあったが、有無を言わさない雰囲気でエリオットを睨むと、そのまま言葉を続ける。
「それともそんなことも出来ないの?出来るよね?エリオットは公爵家なんだから。」
アルバートの冷たい言葉に、エリオットは返す言葉を詰まらせて、その代わりに無言のままアルバートを睨み返した。
穏やかなお茶会は一転して緊迫した空気になってしまった。
すると流石にこの雰囲気はまずいと思ったマグリットが、場の空気を元に戻すべく慌てて二人の間に割って入ったのだった。
「エル有難う。私の事気遣ってくれてたのよね。けれどもやはり、よく知らない方にエスコートされるよりも今は気心の知れたアルの方がいいのよ。」
彼女はエリオットの提案を尊重しつつも、自分の気持ちを彼が納得するように、言葉を選びながら丁寧に説明を試みた。
そして最後にマグリットが「ごめんなさい」と一言謝ると、エリオットは大きな溜息を吐いて折れたのだった。
「分かったよマグリット。それじゃあガーデンパーティーで改めてヴィクトール様を紹介するよ。」
「えぇ、分かったわ。」
こうしてなんとかこの場は収まりを見せたのだが、アルバートは未だに不機嫌そうな顔だし、エリオットの方もアルバートを全く見ようともしていなかった。
二人の仲が良好ではない事は、アイリーシャでも感じ取れて、一体いつの頃からこうなってしまったのだろうと内心首を捻った。
昔はこうでは無かった筈なのに……
どこかまだ気まずい空気の中でアイリーシャが兄とエリオットを見比べてそんな事を考えていると、エリオットは一つ大きな溜息を吐くとこの場から去る事を告げたのだった。
「さて、それじゃあ用件は済んだから帰るよ。」
「えっ?エルお兄様もうお帰りなんですか?一緒にお茶を楽しんでいかれてはいかがですか?」
エリオットのあまりに早い退席に、アイリーシャは慌てて彼を引き留めた。
折角久しぶりに会えた従兄弟なのだ。もっとゆっくりみんなで話せたら、この張り詰めた空気も柔らかくなるのではないかと思ったのだ。
けれどもエリオットはアルバートの方をチラリと見ると、「止めておくよ」と返して、そのまま立ち去ったのだった。
(子供の頃のようにどうして仲良く出来ないのだろう……)
アイリーシャはそんな複雑な気持ちで遠ざかっていく彼の背中を見つめた。
(お兄様はエルお兄様の事を見ようともしないし、マグリットも先程の件で気まずそうだし……)
一体どうしたら子供の頃の様に仲良く出来るのか。そんな事を考えながら彼を見送っていたのだが、ふと急にエリオットはピタッと歩くのを止めて、くるりと振り向いてこちらに戻って来たのだった。
「あぁそうだ、リーシャ。そう言えば君にちゃんとお祝いを言っていなかったね。婚約おめでとう。」
「まぁ、有難うございます。」
彼はそれを伝える為だけに、わざわざ戻って来たのだ。
ふんわりと笑って、アイリーシャに祝福を述べるその辺りの優しさは、元来変わっていないかった。
こんな風にお祝いの言葉を送ってくれるエリオットは以前と同じ優しい従兄弟のお兄様なのに、彼が今、何を思ってマグリットに強引に公子を薦めたりアルバートと対立しているのか分からず、アイリーシャは従兄妹たちの間に不協和音に感じて、ただ寂しかった。
アイリーシャに祝辞だけ言うと、エリオットは今度こそ本当に立ち去った。
そしていつも通りの従兄妹たちのお茶会が再開となったのだが、けれどもいつもの通りという訳にはいかなかった。
なんとなく誰も口を開かなかったので、気まずい空気のまま暫く沈黙が続いたのだ。
カチャリという茶器が当たる音だけが、マイヨール家のテラスに静かに響いたのだった。
「あぁ。マグリットがこちらに居ると聞いてね。彼女に用があるんだ。」
ヨリクに案内されて、従兄弟のエリオットが三人の居るテラスへ本当にやって来ると、三人はこの珍しい来客に大層驚いた。
まさかこの場にエリオットがやって来るなど誰も思ってもなかったのだ。
アルバートの言う通り、いつの頃からかエリオットはこの従兄妹会に参加しなくなっていたからだ。
(エルお兄様が最後に我が家を訪れたのは一体いつぶりだったかしら?)
アイリーシャですらそんな事も思い出せないくらい、この従兄弟がマイヨール家を訪れたのは久しぶりだった。
「え?私に用なの?」
マグリットは、エリオットから名指しで呼ばれたことに驚いて、目を丸くして彼を見つめた。
まさか彼が普段顔を出さないマイヨール家にわざわざ来てまで自分に何か話があるとは思わなかったからだ。
「そう。マグリット、君に伝えたい事があるんだ。この前相談してくれた件、君をガーデンパーティーでエスコートしてくれる男性を見つけて来たんだ。それを君に早く伝えたくってね。」
「はっ?」
余りにも突然の話に、思わずマグリットは令嬢らしからぬ声を上げてしまった。飲んでた紅茶を噴き出さなかっただけ褒めて欲しい。
その話は、エリオットがマグリットの相談を断った事で終わったのではなかったのか。少なくともマグリットの中では完結していた。だから今更エリオットがその話をもってくるとは思わなかったのだ。
しかし、そんなマグリットの困惑など全く気にせず、エリオットは柔かに話を続けた。
「ノルモンド公爵家のヴィクトール様にマグリットの事を話したら、それだったら自分がエスコート役を引き受けようと申し出てくれたんだよ。」
「えっ……いや……大丈夫。さっきアルに頼んだから。」
「アルバートに?」
「えぇ。」
マグリットはチラリとアルバートの方を見てそう答えると、アルバートもそれに合わせて黙って頷いた。
するとエリオットは、マグリットとアルバートのそのやり取りを見ると一瞬顔に不快感を露わにして「チッ……遅かったか……」と、小さく呟いたのだった。
「エル……??」
「あ、いや、何でもないよ。けれどもダメだよマグリット。身内に逃げちゃ。折角の王太子主催のパーティーなんだ。他家の人と交流して、繋がりを作るべきだよ。それにヴィクトール様はとても優しくてユニークで素敵な方だよ。僕も以前から交流があってね。人柄も申し分ない。きっとマグリットも気に入ると思うよ。」
「でも……」
先程の舌打ちが嘘のように、エリオットは直ぐににこやかな笑みを浮かべながら、マグリットを諭すように話を続けたが、そんな饒舌に彼女の困惑は増すばかりだった。
素敵な方だと推されても、マグリットはヴィクトールとは会話も挨拶もしたことが無く全く面識が無いのだ。
そんな人にエスコートされるのは、ローランとの事があったばかりでは不安であった。
「エリオット、マグリットが困ってるよ。」
そこに助け舟を出してくれたのは、今まで静かにお茶を楽しんでいたアルバートであった。彼は不機嫌そうにそう言うと少し怖い顔で、強引に話を進めようとしているエリオットをじっと見つめた。
「けれども、公爵家から申し入れがあったのなら受け入れるのが筋だろう?マグリットは侯爵家なんだし。」
「マグリットは何も聞いていない。話があったのはエリオット、君にだろう?同じ公爵家のエリオットなら、穏便に断れるんじゃないかな。」
アルバートはいつもの軽口な口調ではあったが、有無を言わさない雰囲気でエリオットを睨むと、そのまま言葉を続ける。
「それともそんなことも出来ないの?出来るよね?エリオットは公爵家なんだから。」
アルバートの冷たい言葉に、エリオットは返す言葉を詰まらせて、その代わりに無言のままアルバートを睨み返した。
穏やかなお茶会は一転して緊迫した空気になってしまった。
すると流石にこの雰囲気はまずいと思ったマグリットが、場の空気を元に戻すべく慌てて二人の間に割って入ったのだった。
「エル有難う。私の事気遣ってくれてたのよね。けれどもやはり、よく知らない方にエスコートされるよりも今は気心の知れたアルの方がいいのよ。」
彼女はエリオットの提案を尊重しつつも、自分の気持ちを彼が納得するように、言葉を選びながら丁寧に説明を試みた。
そして最後にマグリットが「ごめんなさい」と一言謝ると、エリオットは大きな溜息を吐いて折れたのだった。
「分かったよマグリット。それじゃあガーデンパーティーで改めてヴィクトール様を紹介するよ。」
「えぇ、分かったわ。」
こうしてなんとかこの場は収まりを見せたのだが、アルバートは未だに不機嫌そうな顔だし、エリオットの方もアルバートを全く見ようともしていなかった。
二人の仲が良好ではない事は、アイリーシャでも感じ取れて、一体いつの頃からこうなってしまったのだろうと内心首を捻った。
昔はこうでは無かった筈なのに……
どこかまだ気まずい空気の中でアイリーシャが兄とエリオットを見比べてそんな事を考えていると、エリオットは一つ大きな溜息を吐くとこの場から去る事を告げたのだった。
「さて、それじゃあ用件は済んだから帰るよ。」
「えっ?エルお兄様もうお帰りなんですか?一緒にお茶を楽しんでいかれてはいかがですか?」
エリオットのあまりに早い退席に、アイリーシャは慌てて彼を引き留めた。
折角久しぶりに会えた従兄弟なのだ。もっとゆっくりみんなで話せたら、この張り詰めた空気も柔らかくなるのではないかと思ったのだ。
けれどもエリオットはアルバートの方をチラリと見ると、「止めておくよ」と返して、そのまま立ち去ったのだった。
(子供の頃のようにどうして仲良く出来ないのだろう……)
アイリーシャはそんな複雑な気持ちで遠ざかっていく彼の背中を見つめた。
(お兄様はエルお兄様の事を見ようともしないし、マグリットも先程の件で気まずそうだし……)
一体どうしたら子供の頃の様に仲良く出来るのか。そんな事を考えながら彼を見送っていたのだが、ふと急にエリオットはピタッと歩くのを止めて、くるりと振り向いてこちらに戻って来たのだった。
「あぁそうだ、リーシャ。そう言えば君にちゃんとお祝いを言っていなかったね。婚約おめでとう。」
「まぁ、有難うございます。」
彼はそれを伝える為だけに、わざわざ戻って来たのだ。
ふんわりと笑って、アイリーシャに祝福を述べるその辺りの優しさは、元来変わっていないかった。
こんな風にお祝いの言葉を送ってくれるエリオットは以前と同じ優しい従兄弟のお兄様なのに、彼が今、何を思ってマグリットに強引に公子を薦めたりアルバートと対立しているのか分からず、アイリーシャは従兄妹たちの間に不協和音に感じて、ただ寂しかった。
アイリーシャに祝辞だけ言うと、エリオットは今度こそ本当に立ち去った。
そしていつも通りの従兄妹たちのお茶会が再開となったのだが、けれどもいつもの通りという訳にはいかなかった。
なんとなく誰も口を開かなかったので、気まずい空気のまま暫く沈黙が続いたのだ。
カチャリという茶器が当たる音だけが、マイヨール家のテラスに静かに響いたのだった。
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