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第1章 転生
28話 防具屋
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防具屋はすぐ近くにあったので歩いて5分もかからずに到着した。
入り口に着くと店の奥から何かを鍛えている音が聞こえてきた。
ベルンハルトは勝手知ったる他人の家とばかりにどんどん工房に入って行った。
「おやっさん、入るぞ~」
ドワーフの鍛冶師・・いや、甲冑師が何かを鍛えながらちらっと俺たちの方を見て手を止めた。
金床の上にハサミで掴んだ金属を置いて鍛えている最中だったようだ。手に持っているものは小槌のようにも見えたが、通常は鍛錬に使われる大槌の柄を短くしたものだった。
両手で振る大槌を片手でいとも簡単に振り回していたのであるから尋常な腕力ではなかった。
「なんだ坊主、今忙しいからそっちで待っていろ」
そう言うと再び金属を鍛え始めたので、俺は隣の店の中に戻り展示販売している商品を見てまわった。
プレートアーマーやチェーンメイルなどが並んでいたが欲しいものは無かった。
やはり絵を描いて作ってもらうしかなさそうだ、俺の欲しいものは左手の手首の少し上から肩までを守ることができ、軽くて動きの邪魔にならない物だ。
それと脛を守る物が欲しかった。ゴブリンを思い切り蹴飛ばしたときに脛に相手の一部が当たって痛い思いをした事があったのだ。異常耐性があるといっても痛いものは痛いのである。
しばらく商品を眺めていると工房の音が止み、甲冑師が店の方にやって来た。
「待たせたな、人を連れて来たところを見ると何か欲しいものがあるのか?」
「親父さん、こいつの防具が欲しいんだが売ってる物じゃ満足できないらしいんだ、製作をお願いしたいのだが?」
ドワーフの親父が視線をずらし、ジロリと俺を見た。
「初めまして、俺はジンと言います。今まではレザー装備でやってきたのですが、レベルが上がってこれまでのようにはいかなくなると思ってもっと良い防具を探しているんですが、思うような物がありません。それならば作るしかないと言うことでベルンハルトさんに工房の紹介をお願いしました」
「そうか、わしの名はマルセロだ。甲冑師だ」自分の名前を俺に言うと、ベルンハルトの方を向いた。
「坊主、こいつは俺の作る物を使えるような冒険者なのか?俺は飾り物を作る気は無いぞ」
「大丈夫だ、こいつはこの町に来て冒険者登録をしたんだが、登録してまだ5日しか経っていないのにBランクになりやがった。最後は俺の権限でランクアップしたんだが単独で7メートル近いシルバーバックを狩ってくるぐらいだからAランクでもいいと思っている」
「ほぉ、面白そうなやつだな、随分ボロボロになっているみたいだが、どんな物が欲しいんだ」
自分の希望する形のプロテクターの絵を描いてシルバーバックに噛み付かれても簡単に壊れない程度の強度が必要だと説明すると次のような返事が返ってきた。
「面白そうだから作ってやりたいが、その強度が必要ならば特殊な材料が必要になる。しかし今は手持ちがないから、材料が手に入ってから製作開始になるぞ」
「その材料はエール山かソード山の鉱山にありますか?明日から別の素材を集めに行くので手にはいれば持って帰ります」
「そうか、欲しいのはミスリルだ。1キロもあれば十分に足りるがめったに見つからないぞ。
他に質の良い素材を見つけて持って帰ればそれを使っても何か作れるからな。
せっかく行くなら手ぶらで帰ってくるのはもったいないから何か持って帰れよ」
「わかりました、期待してください」
それから、30分程たわいもない雑談をして店を出た。
「ジン、明日から鉱山に行くのか?
もし行くんだったら、素材を余分に持って帰ってくれないか。
カレンが新人の引率で近くの森やダンジョンの浅い階層まで行きたいって言い出しているんだ。
昔の装備は死にかけた時に全部壊れてしまって残ってないからお前の物を作るタイミングで一緒に製作依頼をしたいんだ」
やはり元冒険者である。引退するつもりになっていても五体満足になればフィールドに出たくなるようだ。
「いいですよ、武器の分も持って帰ります。マジックバッグはほぼ空っぽですから」
「すまんな、本当は俺が世話をしないといけないはずなんだが、世話になってばかりだな」
「いえいえ、そんな事はありませんよ。今日もいいお店を2軒も紹介してもらいましたし。たちの悪い冒険者から絡まれないようにしてもらっていたようだし、助かっていますよ」
「そう言ってもらえると助かるよ」
その後沈黙の中二人は広場まで戻りそこで別れた。
別れた後、明日からの遠征の為に先ず屋台の食材を買いあさった。
オークのステーキ、フィールドラビットの串焼き、野草のサラダ、白パン、スープ、果実、などを買ってはアイテムボックスに入れていく。
総量は60食分、無限に出てくるパンと水もある、屋台で買った追加の食材もあるので問題なく遠征できる量を確保できたはずだ。
食材を確保すると次は家具屋で6人掛けのテーブルセットとベッドを1セットを買い、その足で寝具屋へ行き、毛布を6枚と枕を1つ、そして寝袋を3つ購入すると買ったものはすぐにアイテムボックスへと収納していった。
野営をするときに地面にそのまま寝るのとベッドでゆっくり寝るのでは当然ながら疲れの取れ方が全く違うのだ。
人生の3分の1は寝ているのだから寝具は重要なのである。
色々な物を買い込んで宿に戻ると、今から素材集めの為に宿を出ることを伝えた。
「それでは、行ってきます」
「もう日が暮れるけど、今から出るの?明日の朝からでいいんじゃない?」
そう言われたが1日でも早く終わらせたかったので夜になる前に出ることにしたのだ。
宿を出ると西門へ向かい門が閉まる前に町の外に出ようとしたのだが、成人したての冒険者が日暮れ前から出かけるのは危険だと衛士達に止められたがBランクのギルドタグを見せると驚いて町の外へ出るのを了承した。
しばらく歩くと日が沈み始めたので目立たないだろうと思い、人がいない場所は短距離転移の練習をしながら移動した。
短距離転移1回で移動できるのは見える範囲だが見えなくてもマッピングできている場所なら1キロくらい先まで転移できることがわかった。
マールから領都まで馬車で通常だと4時間くらいだと聞いたのでほぼ50キロの距離だろうが、1時間ほどで外側の壁が見え始めたので道から少し外れた荒地でキャンプをすることにした。
道から影になる場所に結界石で結界を張った。
結界を張る時に魔力の流れを意識して結界石に流すと大きくなりすぎたので一度消して張り直した。
『【魔力操作】を覚えました』
レイの声が聞こえた、スキルが増えたようだ。
そういえば昼にレベルアップしていたが確認はまだだった。
椅子を取り出して座り、ステータスを開いてみた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名前】 ジン・オキタ
【年齢】 15
【種族】 ヒューマン
【称号】 ルーキー冒険者
【レベル】 32
【HP】 4232/4232
【MP】 15155/15155
【STR(力)】 1466
【AGI(敏捷性)】 1204
【CON(体力)】 1302
【INT(知能)】 1129
【DEX(器用)】 1160
【LUC(運)】 80
【状態】 正常
【魔法】 (全属性適応)
【スキル】
鑑定Lv5 異常耐性Lv6
身体強化Lv3 思考加速 Lv2
剣術(居合・二刀) 格闘術 投擲術
気配感知 気配遮断 短距離転移
身体能力加速Lv2 魔力操作
【ユニークスキル】
偽装LvMAX アイテムボックス∞
自動回復Lv6 ナビゲーターLv2
マップLv2 魔法創造
【加護】創造神の加護 エンデ主神の加護
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
レベルは32になっているが、ステータスが普通ではない事はわかっているのでレイに頼る。
「レイ、偽装の方を頼めるか」
『既に偽装は完了しました』
「ありがとう、いつも悪いな。
ん?・・・・異常耐性Lv6って何?」
『状態異常耐性Lv5と心身異常耐性Lv5が統合され強化されました』
考えるだけでレイは応答してくれるのだが、周りに人がいないのでつい声を出していた。知らない人が見ていたら、きっと痛い奴に見えたに違いない。
しかし、誰もいないのでまだ続ける。
「他に変更があった部分を解説してくれ」
「【身体能力加速】がLv2になり倍のスピードで動作可能になりました。
【魔力操作】を覚えました。武器や防具に魔力を流し強化することができます。
【魔法創造】を覚えました。新しい魔法を創造することができます。
【マップ】がLv2になり探知範囲内であればものの名前がわかるようになりました。
【LUC】が80になり、運が良くなりました。」
どういった条件が必要なのかわからないが魔法が創れるらしい、待望の魔法だ。
条件がわからないので、王都の魔法具屋にでも行って魔法の教本みたいな物が無いか探してみることにした。
(どうやったら魔法を覚えるんだろう?)
魔力操作を覚え、体内での魔力の動きが感じられるようになっていたので早速試してみた。
右の掌に魔力が集めようと考えると掌が温かくなるような感じがした。
そのまま火が出るのをイメージして地面に向けると
ポッ!
『火属性魔法を覚えました』
10センチ位の火の玉がよたよた飛んで行き地面にぶつかると消えた。
(お、できた。でもこれじゃ戦えないな)
イメージが適当すぎたのかもしれないと思い今度はしっかりイメージしてみた。
直径10センチの炎が勢いよく飛び出して地面に当たると勢いよく燃え上がるイメージで掌を地面に向けると
ボフ!
威力とスピードが上がったようだ、魔法はイメージが大切なのだと分かった。
何度も試しているとどんどん威力とスピードが上がっていった。
結界を解いて少し離れている木に向けて螺旋を描いて収束する特大の炎の渦が超高速で飛んで行くイメージで魔力を込めて魔法を撃った。
ゴォオオォーーーーーーーッ、ドカァーーーン!
10メートルはありそうな火の玉が頭上に現れ回転し出したかと思った次の瞬間1メートルの炎の渦になってそれが高速で木に向かって飛んでいった。
木は燃え上がりながら吹き飛び、生えていた場所には3メートルほどのクレータのような跡ができ、半径50メートルの中に立っている木は1本も無くなっていた。
俺はというと、ものすごい爆風に襲われた為に10メートルも転がされて頭に大きなたんこぶができていた。
起き上がって周囲を見回すと吹き飛ばされた木があちらこちらで燃えていた。
(ファイヤージャベリンとでも呼ぶか。
しかしこの威力だと近距離の敵には撃てないな)
周りの火が消える頃、結界石の結界を意識して魔力を込めていると強い光の結界が広がっていくのがわかった。
『【魔法障壁】を覚えました』
ステータスで魔法障壁を確認すると、
魔法障壁:魔力を使用して作られる物理・魔法に対する防御障壁。
強度と範囲は使用魔力に比例し、持続的にMPを消費する。
となっていた。
【魔法障壁】というスキルで結界を張る事ができた事もあり、その場で野営を始めた。
アイテムボックスからテーブルを出し、フィールドラビットの串焼きとサラダ、そしてスープをテーブルの上に並べて行くとスープと串焼きからは湯気がたっていた。
アイテムボックスに入れておくといつまでたっても入れた時と同じ状態なのだ。
久しぶりのキャンプは楽しい。結界に守られている事を考えると日本の山より安全なのだ。
エールを出して美味しい食事を終えたジンはテントを出さずに敢えて満天の星の下でマジックバッグを枕に星空を眺めながら眠りに落ちていった。
入り口に着くと店の奥から何かを鍛えている音が聞こえてきた。
ベルンハルトは勝手知ったる他人の家とばかりにどんどん工房に入って行った。
「おやっさん、入るぞ~」
ドワーフの鍛冶師・・いや、甲冑師が何かを鍛えながらちらっと俺たちの方を見て手を止めた。
金床の上にハサミで掴んだ金属を置いて鍛えている最中だったようだ。手に持っているものは小槌のようにも見えたが、通常は鍛錬に使われる大槌の柄を短くしたものだった。
両手で振る大槌を片手でいとも簡単に振り回していたのであるから尋常な腕力ではなかった。
「なんだ坊主、今忙しいからそっちで待っていろ」
そう言うと再び金属を鍛え始めたので、俺は隣の店の中に戻り展示販売している商品を見てまわった。
プレートアーマーやチェーンメイルなどが並んでいたが欲しいものは無かった。
やはり絵を描いて作ってもらうしかなさそうだ、俺の欲しいものは左手の手首の少し上から肩までを守ることができ、軽くて動きの邪魔にならない物だ。
それと脛を守る物が欲しかった。ゴブリンを思い切り蹴飛ばしたときに脛に相手の一部が当たって痛い思いをした事があったのだ。異常耐性があるといっても痛いものは痛いのである。
しばらく商品を眺めていると工房の音が止み、甲冑師が店の方にやって来た。
「待たせたな、人を連れて来たところを見ると何か欲しいものがあるのか?」
「親父さん、こいつの防具が欲しいんだが売ってる物じゃ満足できないらしいんだ、製作をお願いしたいのだが?」
ドワーフの親父が視線をずらし、ジロリと俺を見た。
「初めまして、俺はジンと言います。今まではレザー装備でやってきたのですが、レベルが上がってこれまでのようにはいかなくなると思ってもっと良い防具を探しているんですが、思うような物がありません。それならば作るしかないと言うことでベルンハルトさんに工房の紹介をお願いしました」
「そうか、わしの名はマルセロだ。甲冑師だ」自分の名前を俺に言うと、ベルンハルトの方を向いた。
「坊主、こいつは俺の作る物を使えるような冒険者なのか?俺は飾り物を作る気は無いぞ」
「大丈夫だ、こいつはこの町に来て冒険者登録をしたんだが、登録してまだ5日しか経っていないのにBランクになりやがった。最後は俺の権限でランクアップしたんだが単独で7メートル近いシルバーバックを狩ってくるぐらいだからAランクでもいいと思っている」
「ほぉ、面白そうなやつだな、随分ボロボロになっているみたいだが、どんな物が欲しいんだ」
自分の希望する形のプロテクターの絵を描いてシルバーバックに噛み付かれても簡単に壊れない程度の強度が必要だと説明すると次のような返事が返ってきた。
「面白そうだから作ってやりたいが、その強度が必要ならば特殊な材料が必要になる。しかし今は手持ちがないから、材料が手に入ってから製作開始になるぞ」
「その材料はエール山かソード山の鉱山にありますか?明日から別の素材を集めに行くので手にはいれば持って帰ります」
「そうか、欲しいのはミスリルだ。1キロもあれば十分に足りるがめったに見つからないぞ。
他に質の良い素材を見つけて持って帰ればそれを使っても何か作れるからな。
せっかく行くなら手ぶらで帰ってくるのはもったいないから何か持って帰れよ」
「わかりました、期待してください」
それから、30分程たわいもない雑談をして店を出た。
「ジン、明日から鉱山に行くのか?
もし行くんだったら、素材を余分に持って帰ってくれないか。
カレンが新人の引率で近くの森やダンジョンの浅い階層まで行きたいって言い出しているんだ。
昔の装備は死にかけた時に全部壊れてしまって残ってないからお前の物を作るタイミングで一緒に製作依頼をしたいんだ」
やはり元冒険者である。引退するつもりになっていても五体満足になればフィールドに出たくなるようだ。
「いいですよ、武器の分も持って帰ります。マジックバッグはほぼ空っぽですから」
「すまんな、本当は俺が世話をしないといけないはずなんだが、世話になってばかりだな」
「いえいえ、そんな事はありませんよ。今日もいいお店を2軒も紹介してもらいましたし。たちの悪い冒険者から絡まれないようにしてもらっていたようだし、助かっていますよ」
「そう言ってもらえると助かるよ」
その後沈黙の中二人は広場まで戻りそこで別れた。
別れた後、明日からの遠征の為に先ず屋台の食材を買いあさった。
オークのステーキ、フィールドラビットの串焼き、野草のサラダ、白パン、スープ、果実、などを買ってはアイテムボックスに入れていく。
総量は60食分、無限に出てくるパンと水もある、屋台で買った追加の食材もあるので問題なく遠征できる量を確保できたはずだ。
食材を確保すると次は家具屋で6人掛けのテーブルセットとベッドを1セットを買い、その足で寝具屋へ行き、毛布を6枚と枕を1つ、そして寝袋を3つ購入すると買ったものはすぐにアイテムボックスへと収納していった。
野営をするときに地面にそのまま寝るのとベッドでゆっくり寝るのでは当然ながら疲れの取れ方が全く違うのだ。
人生の3分の1は寝ているのだから寝具は重要なのである。
色々な物を買い込んで宿に戻ると、今から素材集めの為に宿を出ることを伝えた。
「それでは、行ってきます」
「もう日が暮れるけど、今から出るの?明日の朝からでいいんじゃない?」
そう言われたが1日でも早く終わらせたかったので夜になる前に出ることにしたのだ。
宿を出ると西門へ向かい門が閉まる前に町の外に出ようとしたのだが、成人したての冒険者が日暮れ前から出かけるのは危険だと衛士達に止められたがBランクのギルドタグを見せると驚いて町の外へ出るのを了承した。
しばらく歩くと日が沈み始めたので目立たないだろうと思い、人がいない場所は短距離転移の練習をしながら移動した。
短距離転移1回で移動できるのは見える範囲だが見えなくてもマッピングできている場所なら1キロくらい先まで転移できることがわかった。
マールから領都まで馬車で通常だと4時間くらいだと聞いたのでほぼ50キロの距離だろうが、1時間ほどで外側の壁が見え始めたので道から少し外れた荒地でキャンプをすることにした。
道から影になる場所に結界石で結界を張った。
結界を張る時に魔力の流れを意識して結界石に流すと大きくなりすぎたので一度消して張り直した。
『【魔力操作】を覚えました』
レイの声が聞こえた、スキルが増えたようだ。
そういえば昼にレベルアップしていたが確認はまだだった。
椅子を取り出して座り、ステータスを開いてみた。
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【名前】 ジン・オキタ
【年齢】 15
【種族】 ヒューマン
【称号】 ルーキー冒険者
【レベル】 32
【HP】 4232/4232
【MP】 15155/15155
【STR(力)】 1466
【AGI(敏捷性)】 1204
【CON(体力)】 1302
【INT(知能)】 1129
【DEX(器用)】 1160
【LUC(運)】 80
【状態】 正常
【魔法】 (全属性適応)
【スキル】
鑑定Lv5 異常耐性Lv6
身体強化Lv3 思考加速 Lv2
剣術(居合・二刀) 格闘術 投擲術
気配感知 気配遮断 短距離転移
身体能力加速Lv2 魔力操作
【ユニークスキル】
偽装LvMAX アイテムボックス∞
自動回復Lv6 ナビゲーターLv2
マップLv2 魔法創造
【加護】創造神の加護 エンデ主神の加護
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レベルは32になっているが、ステータスが普通ではない事はわかっているのでレイに頼る。
「レイ、偽装の方を頼めるか」
『既に偽装は完了しました』
「ありがとう、いつも悪いな。
ん?・・・・異常耐性Lv6って何?」
『状態異常耐性Lv5と心身異常耐性Lv5が統合され強化されました』
考えるだけでレイは応答してくれるのだが、周りに人がいないのでつい声を出していた。知らない人が見ていたら、きっと痛い奴に見えたに違いない。
しかし、誰もいないのでまだ続ける。
「他に変更があった部分を解説してくれ」
「【身体能力加速】がLv2になり倍のスピードで動作可能になりました。
【魔力操作】を覚えました。武器や防具に魔力を流し強化することができます。
【魔法創造】を覚えました。新しい魔法を創造することができます。
【マップ】がLv2になり探知範囲内であればものの名前がわかるようになりました。
【LUC】が80になり、運が良くなりました。」
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条件がわからないので、王都の魔法具屋にでも行って魔法の教本みたいな物が無いか探してみることにした。
(どうやったら魔法を覚えるんだろう?)
魔力操作を覚え、体内での魔力の動きが感じられるようになっていたので早速試してみた。
右の掌に魔力が集めようと考えると掌が温かくなるような感じがした。
そのまま火が出るのをイメージして地面に向けると
ポッ!
『火属性魔法を覚えました』
10センチ位の火の玉がよたよた飛んで行き地面にぶつかると消えた。
(お、できた。でもこれじゃ戦えないな)
イメージが適当すぎたのかもしれないと思い今度はしっかりイメージしてみた。
直径10センチの炎が勢いよく飛び出して地面に当たると勢いよく燃え上がるイメージで掌を地面に向けると
ボフ!
威力とスピードが上がったようだ、魔法はイメージが大切なのだと分かった。
何度も試しているとどんどん威力とスピードが上がっていった。
結界を解いて少し離れている木に向けて螺旋を描いて収束する特大の炎の渦が超高速で飛んで行くイメージで魔力を込めて魔法を撃った。
ゴォオオォーーーーーーーッ、ドカァーーーン!
10メートルはありそうな火の玉が頭上に現れ回転し出したかと思った次の瞬間1メートルの炎の渦になってそれが高速で木に向かって飛んでいった。
木は燃え上がりながら吹き飛び、生えていた場所には3メートルほどのクレータのような跡ができ、半径50メートルの中に立っている木は1本も無くなっていた。
俺はというと、ものすごい爆風に襲われた為に10メートルも転がされて頭に大きなたんこぶができていた。
起き上がって周囲を見回すと吹き飛ばされた木があちらこちらで燃えていた。
(ファイヤージャベリンとでも呼ぶか。
しかしこの威力だと近距離の敵には撃てないな)
周りの火が消える頃、結界石の結界を意識して魔力を込めていると強い光の結界が広がっていくのがわかった。
『【魔法障壁】を覚えました』
ステータスで魔法障壁を確認すると、
魔法障壁:魔力を使用して作られる物理・魔法に対する防御障壁。
強度と範囲は使用魔力に比例し、持続的にMPを消費する。
となっていた。
【魔法障壁】というスキルで結界を張る事ができた事もあり、その場で野営を始めた。
アイテムボックスからテーブルを出し、フィールドラビットの串焼きとサラダ、そしてスープをテーブルの上に並べて行くとスープと串焼きからは湯気がたっていた。
アイテムボックスに入れておくといつまでたっても入れた時と同じ状態なのだ。
久しぶりのキャンプは楽しい。結界に守られている事を考えると日本の山より安全なのだ。
エールを出して美味しい食事を終えたジンはテントを出さずに敢えて満天の星の下でマジックバッグを枕に星空を眺めながら眠りに落ちていった。
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