曖-昧-多-色

muscat my cut

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ゆうりエンジェル -曖昧な視線-

-8-

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「はぁー。我が妹ながら呆れるよ。どうせ、その噂ほっといてるんでしょー。」

うぅ…鋭い。お母さんほどでは無いにしても、だ。

「ま、まあね。」

「そのままでもいいと思っているのならそのままほっといても別に構わないけどさー、あからさまな友達作りを始めてるってことは変わりたいっていう明確な…少なくとも優理にしては明確な意思があるってことだよね。」

「まあ、意思はある。」

自信を持って明確とも言えない。相見優理の対義語を明確にしてしまっても良いかもしれない。

「まあ、を多用するなーこのやろー」

「ちょ、もう、くすぐったいってば!」

弱点を突かれた…。これだけは勘弁だ。要みたいに味をしめて何回もやられると困ってしまう。

「どう?こちょこちょの刑!」

「もう2度とやらないで。」

「ごめんごめんー。」

「話が逸れたけど、そもそもどうして放って置いたらだめなの?」

「それは、誤解を招いているでしょ。例えばそのー何ちゃんだっけ?」

「碧ちゃん」

「それそれ。碧ちゃんが優しいって噂を聞いたのに実際話してみると優しくない!みたいな幻滅の仕方をしているかもしれないじゃない?」

「そんな噂鵜呑みにされても…。」

困る、けども…

「鵜呑みにされたくないなら、迷惑かかりたくないなら、面倒なこともしなきゃいけないし。やっぱり何もしないのはyesってことでしょ。」

そりゃそうか。

「濤浦にこの話したら優理、怒られそうだ。いや、バカにされそうだ。」

「あー、嫌だ嫌だ。」

そんなの想像するだけで嫌気が差すよ。

「今度話しといてあげる。」

「やめてください。」

姉ちゃんとの会話を終えて自分の部屋に戻る。と、そこで電話が来た。

「もしもしー。」

「浅手要は暇ー。」

「こっちは暇じゃないからじゃーねー。」

「切らんといてー!」

突然の方言。勿論スルー。ちなみに要がちょっとした用でも電話をかけてくるのは家電いえでんしか連絡手段が無いからだ。

「とりあえず、どういう訳でかけてきたの?」

「優理へ電話をかけることに理由は要らないと思ってるけど」

「それは嬉しいことを。」

「ためらいは要らないと思ってるけど」

「それは多少は必要かと。」

「まあ、今日はちゃんと理由があるんだ。」

「なに?」

要の用件は思ってもない内容だった。
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