365日ファンタジア

１章～出会いは突然～

過去と現在

さて、軽トラに乗ってし15分後ぐらいで大手服屋チェーン「ウニシロ」に到着した。
道中、エリーナは初めて見る街並みやクルマに驚いたりしていたがさっきの売られるとかいっていた事について聞いてみた。

「なぁさっきの売られるって昔何かあったのか？」
「亜人狩り、すこし前の戦争でエルフの魔力を手に入れるために王国が高く買い取ると言ったので私のお母さんは奴隷商に連れて行かれて、お父さんは人間だったけどその時に抵抗して殺されたの、私もその時に奴隷商に連れて行かれたけど魔力は並だから、ただの奴隷として売られていて…」
「もう、いいよ」
「え？でも、シンタロは知りたいんでしょ？」
「エリーナを苦しめてまで聞きたくないよ、家族は本当に大切だから」
「ハハハ、シンタロは変な人だね、普通の人は亜人を嫌うのに」
「こっちだったらエリーナは人気者だと思うよ、そ、そのカワイイし」
しまった！言ってしまった！流石に気持ち悪いよな、初対面の人相手に言われてもな。
「………」
「ご、ごめん、いきなりこんなこと…」
「やっぱりシンタロは変な人だね、でも、すっごく嬉しい！」

なんど、脳内で再生してもニヤニヤしてしまう。

「エリーナ、これなんかどう？」
「私は別に何でも、出来たらローブと同じ、灰色が良いかな」
「お！あれなんかいいんじゃない」
「あ！あれいいね！」

　よくある、灰色のなんでもないパーカーとジーパンを購入して公園のトイレで着替えてもらった。

　さて、家に帰るか。なんて言えば家にエリーナ、置いてくれるかな。

「おーい、エリーナ着替え終わったか？」
「はい！でも、ここ鏡があるなんて凄い！」
「うん、それでこれから家に帰るけど本当に来るか？」
「大丈夫、シンタロのこと信じてるから」

トイレからはエコーのかかった前より元気なエリーナの声が無人の公園に響いていた。