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第2部
2.
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連れていかれた場所は、清潔そうなビルだった。
看板には【聖称会】と書かれている。
………どうやら、宗教の勧誘だったようだ。
「あの…。俺、こういうのに興味ないんで」
建物に連れ込まれる前に、やんわりと断ろうとしたが、
後ろから3人の女性が、俺を囲むように現れた。
――その中に、初恋の女性がいた。
たしか『明坂あゆみ』という名前だったか。
「……えっと、明坂さん?」
人違いだったら どうしようか? という緊張とは裏腹に、
「あら、覚えててくれたんだ!嬉しいわ!」
俺の言葉に反応したのは、明坂さんではなく、後ろにいた女性達だった。
彼女たちは、まるで獲物を狙う肉食獣のような目で俺を見つめる。
そして、俺は彼女達に捕まった。
「いやっ……ちょっと!?放して下さい!!」
抵抗するが、全く歯が立たない。
「我が力のまえに、屈するがいい」
そう言って、2人の女性が俺を拘束する。
「あぁん!!もう我慢できない!!」
1人の女性が、いきなり服を脱ぎ始めた。
「何やってんですか!? 止めてください!!!」
必死に抵抗するも、やはり敵わない。
「ふふふ。そんなことより、早く私達の洗礼の儀式を受けましょう」
(洗礼の儀式ってなんだ? 一体 何をされるんだ!?)
俺は半泣きになりながらが、通行人に助けを求めたが、誰も来なかった。
「おい、朔也。お前は何をしてんだよ……」
目の前に現れたのは、幼馴染である 親友の颯太 だった。
「颯太ぁー!!!助けてくれ!!」
救世主が現れたと思ったのだが、何故か 颯太は俺を見て溜息をつく。
「ったく。お前さ、その年になってまだ女に免疫がないのか?」
「えっ?どういうことだ?」
すると、後ろから声が聞こえてきた。
「あらあら、あなた達は知り合いなのかしら?」
そこには、下着姿のまま胸を強調するようなポーズを取っている女性が立っていた。
「……誰ですか?」
俺が聞くと、その女性は妖艶な笑みを浮かべて答える。
「私は『ファザー・サン』。この教団の支部長よ。よろしくね♪」
彼女の言葉を聞いて、背筋に悪寒が走った。
……何故なら、彼女が自己紹介をした瞬間、周りにいた女性たちの雰囲気が変わったからだ。
まるで魅了されたような目つきで、全員がファザー・サンの方を見ている。
「……まさか、おまえも、信者なのか?」
俺の質問に対して、颯太は首を縦に振る。
「皆さん、もうお友達かしら? 紹介するわね」
そう言うと、彼女は自分の背後にいる女性達を紹介する。
「まずは、こっちの子から紹介するね!名前は『天宮城大和』ちゃん!大和撫子の女の子よ♪」
紹介された大和さんは、顔を真っ赤にして俯いている。……可愛い。
「次に、この子は『神野真琴』ちゃん!いつも元気いっぱいで、クラスのムードメーカー的な存在かな!」
真琴さんは、「我こそは、美少女戦士なり!」と言って、決めポーズを取る。
「こちらは『海野虹夜』さん。真面目で冗談は苦手だけど、根は優しくて良い人よ♪」
虹夜さんは、恥ずかしそうにモジモジしながら微笑んでいる。
明坂さんに そっくりだ。
「最後は、こちらの2人は『月影彩花』『月影愛生』の双子姉妹。可愛い 仲良し姉妹よ!」
2人の顔は瓜二つだが、服装がまるで違う。性格は全く違うようだ。
彩花さんは、無表情で俺のことを見つめている。
一方、愛生さんは満面の笑顔で俺に話しかけてくる。
「ねぇねぇ、君の名前はなんていうの?」
「俺は、天沢朔也といいます。浪人生で、19歳です」
俺の名前を聞いた瞬間、大和さんが一瞬だけ眉間にシワを寄せた気がした。……気のせいだろうか?
「へぇ~。どんな字をかくのかな? これに書いてもらえない?」
そう言って、愛生さんは紙とペンを渡してくれる。
「わかりました」俺は名前を書いていく。
「はい、どうぞ」
俺は、書いた名前をみんなに見せる。
「朔也くんっていうんだね!じゃあ、これから朔也って呼んでいいよね?」
「はい、大丈夫ですよ」
「やった!ありがとう♪」
嬉しそうな顔をしながら、彼女は自分の胸に手を当てる。
「入信、おめでとう!」
突然、愛生さんがそんなことを言う。
「……えっ!?どういうことですか!?」
戸惑う俺に、愛生さんは笑顔で言う。
「だから、朔也は今から私たちの仲間になったんだよ?」
(仲間?どういう意味だ?)
「あの、さきほど渡した紙が入信書だったんですか?」
俺の問いに答えたのは、大和さんだった。
「ええ、そうよ。あなたが書いたのは、ただの入信申込用紙じゃないわ。あれには、私達の組織に入るための契約書としての役割もあるのよ」
つまり、俺は まんまと騙されたというわけか……。
「ふざけんなよ!!何が入信だ!!俺がお前らの宗教なんかに、入るわけないだろ!!」
怒りが込み上げてきて、つい怒鳴ってしまった。
しかし、愛生さんは平然と答える。
「別に強制はしないよ。でも、もし入らないというのなら……」
すると、他の女性達が一斉に スマホ を構える。
「ちょっと待て!!一体、何をするつもりなんだ?」
愛生さんは ニヤリと 笑う。
「それは、秘密だよ♪」
そのひと言を聞いて、背筋が凍りついた。
……これは、マジでヤバいやつかもしれない。
◇
看板には【聖称会】と書かれている。
………どうやら、宗教の勧誘だったようだ。
「あの…。俺、こういうのに興味ないんで」
建物に連れ込まれる前に、やんわりと断ろうとしたが、
後ろから3人の女性が、俺を囲むように現れた。
――その中に、初恋の女性がいた。
たしか『明坂あゆみ』という名前だったか。
「……えっと、明坂さん?」
人違いだったら どうしようか? という緊張とは裏腹に、
「あら、覚えててくれたんだ!嬉しいわ!」
俺の言葉に反応したのは、明坂さんではなく、後ろにいた女性達だった。
彼女たちは、まるで獲物を狙う肉食獣のような目で俺を見つめる。
そして、俺は彼女達に捕まった。
「いやっ……ちょっと!?放して下さい!!」
抵抗するが、全く歯が立たない。
「我が力のまえに、屈するがいい」
そう言って、2人の女性が俺を拘束する。
「あぁん!!もう我慢できない!!」
1人の女性が、いきなり服を脱ぎ始めた。
「何やってんですか!? 止めてください!!!」
必死に抵抗するも、やはり敵わない。
「ふふふ。そんなことより、早く私達の洗礼の儀式を受けましょう」
(洗礼の儀式ってなんだ? 一体 何をされるんだ!?)
俺は半泣きになりながらが、通行人に助けを求めたが、誰も来なかった。
「おい、朔也。お前は何をしてんだよ……」
目の前に現れたのは、幼馴染である 親友の颯太 だった。
「颯太ぁー!!!助けてくれ!!」
救世主が現れたと思ったのだが、何故か 颯太は俺を見て溜息をつく。
「ったく。お前さ、その年になってまだ女に免疫がないのか?」
「えっ?どういうことだ?」
すると、後ろから声が聞こえてきた。
「あらあら、あなた達は知り合いなのかしら?」
そこには、下着姿のまま胸を強調するようなポーズを取っている女性が立っていた。
「……誰ですか?」
俺が聞くと、その女性は妖艶な笑みを浮かべて答える。
「私は『ファザー・サン』。この教団の支部長よ。よろしくね♪」
彼女の言葉を聞いて、背筋に悪寒が走った。
……何故なら、彼女が自己紹介をした瞬間、周りにいた女性たちの雰囲気が変わったからだ。
まるで魅了されたような目つきで、全員がファザー・サンの方を見ている。
「……まさか、おまえも、信者なのか?」
俺の質問に対して、颯太は首を縦に振る。
「皆さん、もうお友達かしら? 紹介するわね」
そう言うと、彼女は自分の背後にいる女性達を紹介する。
「まずは、こっちの子から紹介するね!名前は『天宮城大和』ちゃん!大和撫子の女の子よ♪」
紹介された大和さんは、顔を真っ赤にして俯いている。……可愛い。
「次に、この子は『神野真琴』ちゃん!いつも元気いっぱいで、クラスのムードメーカー的な存在かな!」
真琴さんは、「我こそは、美少女戦士なり!」と言って、決めポーズを取る。
「こちらは『海野虹夜』さん。真面目で冗談は苦手だけど、根は優しくて良い人よ♪」
虹夜さんは、恥ずかしそうにモジモジしながら微笑んでいる。
明坂さんに そっくりだ。
「最後は、こちらの2人は『月影彩花』『月影愛生』の双子姉妹。可愛い 仲良し姉妹よ!」
2人の顔は瓜二つだが、服装がまるで違う。性格は全く違うようだ。
彩花さんは、無表情で俺のことを見つめている。
一方、愛生さんは満面の笑顔で俺に話しかけてくる。
「ねぇねぇ、君の名前はなんていうの?」
「俺は、天沢朔也といいます。浪人生で、19歳です」
俺の名前を聞いた瞬間、大和さんが一瞬だけ眉間にシワを寄せた気がした。……気のせいだろうか?
「へぇ~。どんな字をかくのかな? これに書いてもらえない?」
そう言って、愛生さんは紙とペンを渡してくれる。
「わかりました」俺は名前を書いていく。
「はい、どうぞ」
俺は、書いた名前をみんなに見せる。
「朔也くんっていうんだね!じゃあ、これから朔也って呼んでいいよね?」
「はい、大丈夫ですよ」
「やった!ありがとう♪」
嬉しそうな顔をしながら、彼女は自分の胸に手を当てる。
「入信、おめでとう!」
突然、愛生さんがそんなことを言う。
「……えっ!?どういうことですか!?」
戸惑う俺に、愛生さんは笑顔で言う。
「だから、朔也は今から私たちの仲間になったんだよ?」
(仲間?どういう意味だ?)
「あの、さきほど渡した紙が入信書だったんですか?」
俺の問いに答えたのは、大和さんだった。
「ええ、そうよ。あなたが書いたのは、ただの入信申込用紙じゃないわ。あれには、私達の組織に入るための契約書としての役割もあるのよ」
つまり、俺は まんまと騙されたというわけか……。
「ふざけんなよ!!何が入信だ!!俺がお前らの宗教なんかに、入るわけないだろ!!」
怒りが込み上げてきて、つい怒鳴ってしまった。
しかし、愛生さんは平然と答える。
「別に強制はしないよ。でも、もし入らないというのなら……」
すると、他の女性達が一斉に スマホ を構える。
「ちょっと待て!!一体、何をするつもりなんだ?」
愛生さんは ニヤリと 笑う。
「それは、秘密だよ♪」
そのひと言を聞いて、背筋が凍りついた。
……これは、マジでヤバいやつかもしれない。
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