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2章 広がる世界
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しおりを挟む「うん、デカいな。」
「……ノーマンとおれ全然体格違うもんね。」
衣装部屋でナオトのサイズに合うものを探すがそこにあるのはすべてノーマンのものなので合わないのは当然と言えば当然だった。
「一着くらいなんとかなるかと思ったんだがな。」
「ちょっと無理かな……?」
とりあえずこれならと1番小さいサイズを着てみるもナオトには完全にサイズがあっていなくて袖はダボダボの裾はワンピース状態だった。
「どうするか……今から仕立て屋呼ぶか?」
ノーマンが真剣にぶつぶつと悩みはじめたところに
衣装部屋のドアがノックされてガチャリとあいた。
「ソフィア、返事を聞いてから開けろよ。」
「それは失礼しました。ナオくんをこんな状態で長くおいておけないので。」
ソフィアはサラッとそういうと両手に服一式を持ってそれを近くの机においた。
「ナオくん、今日はとりあえずこれを使ってくれる?たぶんサイズならそのデカブツの服より全然合うはずだから。」
そう言ってソフィアが早速ナオトの着換えを手伝いはじめる。
「そんなのどこから持ってきたんだ?」
ノーマンはソフィアの手際のよさに関心しながら聞いた。
「あなたのお古よ。たぶんちょうどナオくんと同じ年頃か少し下くらいのときの。」
「そんなのまだ保管してたのか。」
「まぁ少ししか着てないような保存状態のいい服を何着かだけどね。曲がりなりにも王子だからまぁー着もしない服がそれなりにあることあること。」
「おまえは俺になにか恨みでもあるのか、嫌味が止まらないぞ。」
「自分の胸に手をあてて聞いてご覧なさい。さぁ、ナオくんどうかしら?キツくない?大丈夫?」
ソフィアは微笑んでそういうとナオトはうなずいて腕をあげてみたり屈伸してみたりしながら調子をみる。
「すごい、ソフィアさん!ぴったり!!」
ナオトはうれしそうにパタパタと腕を動かしながら瞳を輝かせて笑う。
「ふふっ、それならよかったわ。無駄にならなくて。でもこいつのおさがりってのもなんだか癪だから明日仕立て屋を呼んでちゃんと仕立ててもらいましょう。この服はそれまでのつなぎってことで。」
「……おまえは尽く俺のことが嫌いなんだな。俺の物まで扱いがひどいんだが。」
「愛情表現よ。……ナオくんを独り占めするあなたに僻みも入ってるけど。」
ソフィアはふいっとそっぽをむきながら最後にぼそりとつぶやく。
「どうか、つくなら最後までしっかり嘘をついてくれないかな?ソフィア。」
ノーマンは頬を引き攣らせながら微笑む。
「……喧嘩?」
ナオトがそんな二人をみつめて心配そうに首をかしげる。
「問題ないわ、いつものことよ。」
「問題ない。気にしなくていい。」
つい数時間前にやったやりとりを二人はまた息ぴったりに繰り広げてみせた。
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