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第3章 結婚発表は謀略を産む
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高坂の言葉をどう受け取ればいいのかと迷い、美園は指輪と高坂の顔に交互に視線を向けた。
美園の戸惑いをわかっているのか、高坂はただ静かに微笑んで、指輪を手にして美園の左手の薬指にはめようとする。美園は咄嗟に指を握って、その行為を阻止する。
彼にとっては大事な指輪を、自分がもらう資格はない。
彼が差し出そうとしたものが何であるのか、今の行動で理解してしまう。気づいてしまえばその想いは強くなる。
これも美園を懐柔するための策だと思い込むことは簡単だ。
けれど、美園を見上げる男の眼差しはどこまでも真摯で、そこに美園を言い包めようとするような邪な意図は何も見つけられない。
泣きそうに歪む美園の顔を見上げても、高坂の真剣な眼差しは変わらない。
「美園さんが私の事を裏切り者と思っていることも、信じられないと思っていることもわかっています。今は信じてくれなくてもいいです。私はそれだけの傷をあなたにつけた。だけど、お願いです。チャンスをください」
跪き希う男の言葉に、美園の頑なな心が激しく揺らぐ。
「私はあなたを守りたい。そして、美園さんのお兄さん――智也が志した企業経営を私は守りたい。だから、あなたを護れる権利を私にください。私はもう二度とあなたを傷つけない」
胸の蟠りが解けるよりも早く、美園の涙腺が決壊する。溢れた涙が、男の顔に降り注ぐ。
指輪を持つのとは反対の男の手が伸びて、美園の頬の涙を拭う。
まるで壊れ物に触れるように、そっと触れる男の指先は優しかった。
この男が美園に触れる指は、ずっと優しかったと美園は思う。
どんなに美園が、彼を罵って、挑発して、拒絶しても、高坂が美園に触れる手は、彼女を傷つけることはなかった。ただ高坂はあるがままの美園を受け入れようとする。
返事も出来ずに無言で泣き続ける美園に、伸びあがってきた高坂が美園の眦に溜まる涙を吸った。
触れてくる男の唇は熱い。言葉よりも雄弁に男の想いを、伝えてくる。
それでも美園は、高坂の想いに応える勇気がでなかった。
男の想いがただの野心であれば、彼の事を軽蔑するだけで済んだ。
いつか、自分の体の事情も打ち明けることが出来たかもしれない。
だけど、この男の不器用な誠実さを気づいてしまえば、ただただ怖くなる。
――私は子どもを産めない。この人に、未来を与えることが出来ない。
一時的な権力は与えられるかもしれないが、四宮グループの後継者としての盤石な地位も父親になる幸せも、美園では上げられない。
彼が向けてくれる想いに対して、美園が返せるものが何もない。そんな思いが、美園の口を重くする。
「今はこのままでいい。ただ、傍に居ることを許してください。あなたを守る権利をください」
「私は……何も……」
「美園さんは何もしなくていい。あなたからの見返りを求めるつもりはない。欲しいものは自分で手に入れます。あなたの夫はこう見えて、そこそこ有能なんですよ。欲しいものを自分で、手に入れられるくらいには……」
高坂らしくない軽口に、美園の張りつめていた心が緩んだ。小さな笑いが唇から漏れた。
美園の笑いに高坂がホッとしたように小さく息を吐く。
「美園さん」
名前を呼ばれて、美園は高坂と瞳を合わせる。
「愛しています」
男の愛の言葉は、美園の胸に突き刺さるように響いた。美園の胸を甘い痛みが満たす。再び、涙がどっと溢れて、何も言えなくなる。
「今は、信じてくれなくても構わない。ただ、傍に居ることを許してください」
再び美園の手が取られて、左手の薬指に結婚指輪と重ねるように、彼の祖母の指が嵌められる。
その指輪に誓いを込めるように、高坂の唇が落とされた。
込み上げる想いが美園の呼吸を奪う。うまく息を吸えずに、子どものようにしゃくり上げ、美園は体を震わせる。立ち上がり体を屈ませた高坂が、美園の背を撫でた。
複雑に絡んだ感情と縺れた事情を、今更どうやって解けばいいのだろう。何を言えば、どう言えば、この想いを彼に、素直に伝えられるのか――溢れすぎた想いは、美園から声を奪ってしまう。
そんな資格はない。わかっているのに、激情にも似た想いは、美園の理性を凌駕する。
――この人が欲しい。
例え、何も与えることが出来なくても、彼の未来を奪ってしまうとわかっていても、それでも美園は高坂が欲しかった。
「……好き」
戦慄く吐息と共に、告げたはずの言葉は音にならずに、空気を震わせた。けれど、目の前の男は唇の動きだけで、美園の想いを読みったのか、男の顔から余裕が消えた。
手を掴まれて、椅子から立ち上がるように強く引かれた。勢い余って、美園は高坂の胸に飛び込むが、男は危うげなく美園を受け止めた。
その胸に顔を埋めれば、男の胸の鼓動は、破裂しそうなほどに激しく乱れていることに気づいた。
男が美園に見せている態度ほどに、余裕がないことをその鼓動の乱れが教えてくれた。
きつく抱きすくめられ、美園の首筋に男が顔を埋めた。
「美園……」
自分の名前を呼ぶ男の声は、今まで聞いたこともない熱を孕んだ響きになっていた。
こんな声で、自分を呼ぶ男の顔が見たくて、美園は男の腕の中で身じろぐ。
見上げた男の顔にはいつもの穏やかさはどこにもなかった。ほんの時折、高坂が見せる男としての顔だった。
怖いほど真っ直ぐに美園だけを見据えてくる男の視線の強さに、美園の鼓動も激しくなる。
男の瞳を見上げるだけで、自分の瞳が潤んでいく。
「……美園が欲しい」
頬を持ち上げられて、唇が落ちてくる。喰らいつくような口づけが、美園の吐息ごと奪っていく。
「ん、んぁ……っ!」
こんな激しく甘い口づけは、美園の人生の中でも初めてのような気がした。
首の後ろが痺れて、体が甘く蕩けていく。膝から力が抜けて、頽れそうになる体を、高坂が抱き上げた。
まるで子どものように、男の腕の中に縦抱きにされた。不安定な態勢が怖くて、美園は咄嗟に高坂の首に抱き着いた。
間近に迫った男が、下からの角度でまた口づけてくる。男の逞しい肩にしがみ付いて、口を割って入る男の舌先を何度も啜った。
「こ……うさ……か……さん……」
高坂の名を呼ぶ自分の声は、女の欲を孕んで甘く掠れた。
美園の言葉にしない欲望を正確に見抜いた男は、美園を抱きかかえたまま寝室に向かって歩き出した。
不安定に揺れることに怯えたふりで、美園は高坂の首筋に顔を埋める。
――ごめんなさい。
これから先、高坂から奪う未来を思って美園の眦に涙が滲む。それでも、美園はもうこの男を手放せない。
自分の臆病さと卑怯さを自覚して、美園は男の肩先にその涙を隠す。
美園の戸惑いをわかっているのか、高坂はただ静かに微笑んで、指輪を手にして美園の左手の薬指にはめようとする。美園は咄嗟に指を握って、その行為を阻止する。
彼にとっては大事な指輪を、自分がもらう資格はない。
彼が差し出そうとしたものが何であるのか、今の行動で理解してしまう。気づいてしまえばその想いは強くなる。
これも美園を懐柔するための策だと思い込むことは簡単だ。
けれど、美園を見上げる男の眼差しはどこまでも真摯で、そこに美園を言い包めようとするような邪な意図は何も見つけられない。
泣きそうに歪む美園の顔を見上げても、高坂の真剣な眼差しは変わらない。
「美園さんが私の事を裏切り者と思っていることも、信じられないと思っていることもわかっています。今は信じてくれなくてもいいです。私はそれだけの傷をあなたにつけた。だけど、お願いです。チャンスをください」
跪き希う男の言葉に、美園の頑なな心が激しく揺らぐ。
「私はあなたを守りたい。そして、美園さんのお兄さん――智也が志した企業経営を私は守りたい。だから、あなたを護れる権利を私にください。私はもう二度とあなたを傷つけない」
胸の蟠りが解けるよりも早く、美園の涙腺が決壊する。溢れた涙が、男の顔に降り注ぐ。
指輪を持つのとは反対の男の手が伸びて、美園の頬の涙を拭う。
まるで壊れ物に触れるように、そっと触れる男の指先は優しかった。
この男が美園に触れる指は、ずっと優しかったと美園は思う。
どんなに美園が、彼を罵って、挑発して、拒絶しても、高坂が美園に触れる手は、彼女を傷つけることはなかった。ただ高坂はあるがままの美園を受け入れようとする。
返事も出来ずに無言で泣き続ける美園に、伸びあがってきた高坂が美園の眦に溜まる涙を吸った。
触れてくる男の唇は熱い。言葉よりも雄弁に男の想いを、伝えてくる。
それでも美園は、高坂の想いに応える勇気がでなかった。
男の想いがただの野心であれば、彼の事を軽蔑するだけで済んだ。
いつか、自分の体の事情も打ち明けることが出来たかもしれない。
だけど、この男の不器用な誠実さを気づいてしまえば、ただただ怖くなる。
――私は子どもを産めない。この人に、未来を与えることが出来ない。
一時的な権力は与えられるかもしれないが、四宮グループの後継者としての盤石な地位も父親になる幸せも、美園では上げられない。
彼が向けてくれる想いに対して、美園が返せるものが何もない。そんな思いが、美園の口を重くする。
「今はこのままでいい。ただ、傍に居ることを許してください。あなたを守る権利をください」
「私は……何も……」
「美園さんは何もしなくていい。あなたからの見返りを求めるつもりはない。欲しいものは自分で手に入れます。あなたの夫はこう見えて、そこそこ有能なんですよ。欲しいものを自分で、手に入れられるくらいには……」
高坂らしくない軽口に、美園の張りつめていた心が緩んだ。小さな笑いが唇から漏れた。
美園の笑いに高坂がホッとしたように小さく息を吐く。
「美園さん」
名前を呼ばれて、美園は高坂と瞳を合わせる。
「愛しています」
男の愛の言葉は、美園の胸に突き刺さるように響いた。美園の胸を甘い痛みが満たす。再び、涙がどっと溢れて、何も言えなくなる。
「今は、信じてくれなくても構わない。ただ、傍に居ることを許してください」
再び美園の手が取られて、左手の薬指に結婚指輪と重ねるように、彼の祖母の指が嵌められる。
その指輪に誓いを込めるように、高坂の唇が落とされた。
込み上げる想いが美園の呼吸を奪う。うまく息を吸えずに、子どものようにしゃくり上げ、美園は体を震わせる。立ち上がり体を屈ませた高坂が、美園の背を撫でた。
複雑に絡んだ感情と縺れた事情を、今更どうやって解けばいいのだろう。何を言えば、どう言えば、この想いを彼に、素直に伝えられるのか――溢れすぎた想いは、美園から声を奪ってしまう。
そんな資格はない。わかっているのに、激情にも似た想いは、美園の理性を凌駕する。
――この人が欲しい。
例え、何も与えることが出来なくても、彼の未来を奪ってしまうとわかっていても、それでも美園は高坂が欲しかった。
「……好き」
戦慄く吐息と共に、告げたはずの言葉は音にならずに、空気を震わせた。けれど、目の前の男は唇の動きだけで、美園の想いを読みったのか、男の顔から余裕が消えた。
手を掴まれて、椅子から立ち上がるように強く引かれた。勢い余って、美園は高坂の胸に飛び込むが、男は危うげなく美園を受け止めた。
その胸に顔を埋めれば、男の胸の鼓動は、破裂しそうなほどに激しく乱れていることに気づいた。
男が美園に見せている態度ほどに、余裕がないことをその鼓動の乱れが教えてくれた。
きつく抱きすくめられ、美園の首筋に男が顔を埋めた。
「美園……」
自分の名前を呼ぶ男の声は、今まで聞いたこともない熱を孕んだ響きになっていた。
こんな声で、自分を呼ぶ男の顔が見たくて、美園は男の腕の中で身じろぐ。
見上げた男の顔にはいつもの穏やかさはどこにもなかった。ほんの時折、高坂が見せる男としての顔だった。
怖いほど真っ直ぐに美園だけを見据えてくる男の視線の強さに、美園の鼓動も激しくなる。
男の瞳を見上げるだけで、自分の瞳が潤んでいく。
「……美園が欲しい」
頬を持ち上げられて、唇が落ちてくる。喰らいつくような口づけが、美園の吐息ごと奪っていく。
「ん、んぁ……っ!」
こんな激しく甘い口づけは、美園の人生の中でも初めてのような気がした。
首の後ろが痺れて、体が甘く蕩けていく。膝から力が抜けて、頽れそうになる体を、高坂が抱き上げた。
まるで子どものように、男の腕の中に縦抱きにされた。不安定な態勢が怖くて、美園は咄嗟に高坂の首に抱き着いた。
間近に迫った男が、下からの角度でまた口づけてくる。男の逞しい肩にしがみ付いて、口を割って入る男の舌先を何度も啜った。
「こ……うさ……か……さん……」
高坂の名を呼ぶ自分の声は、女の欲を孕んで甘く掠れた。
美園の言葉にしない欲望を正確に見抜いた男は、美園を抱きかかえたまま寝室に向かって歩き出した。
不安定に揺れることに怯えたふりで、美園は高坂の首筋に顔を埋める。
――ごめんなさい。
これから先、高坂から奪う未来を思って美園の眦に涙が滲む。それでも、美園はもうこの男を手放せない。
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