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第1章 再会は罠の始まり
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「ごめん、ありがとう」
ホッと安堵の息を吐きながら、美園は何とか微笑もうとする。
「大丈夫? って、そんなわけないか」
美園の顔を見下ろしたアベルが、そっと美園の後頭部に手を添えて、その額を自分の肩に押し付けた。
「美園。強がらなくても大丈夫だよ? ここには僕とアレックスしかいない」
アベルの労わるような囁き声に、美園の涙腺が決壊する。
強がっていたつもりも、我慢していたつもりもなかった。
もうたくさん泣いた。葬儀中だって、それこそ人目も憚らずに泣いた。
なのに今、親友のぬくもりに包まれてしまえば、どこにこんなに涙が残っていたのかと思うほどのものが溢れて来て、アベルの肩を濡らした。ぽんぽんと優しく背中を叩かれた。
「辛かったよね。美園はお兄さんが大好きだったもんね」
親友の心の籠った言葉に、張りつめていた美園の心が一気に緩んだ。
葬儀中も「惜しい人を亡くした」「君のお兄さんは立派な人だった」「お悔やみ申し上げます」とたくさんの弔辞をもらった。けれど、そのどれにも心なんて籠っているようには思えなかった。
必ずその後には美園の動向を伺うような、言葉や態度が見て取れてた。
父が実子にグループを継がせたがっていることは周知の事実で、兄がなくなった今、智康の子どもは美園一人。こうなれば、美園に取り入るか、婿になるかして、父の関心を買おうとする人間が蠢く場所では、常に気が張りつめていた。
美園は家に戻るつもりはなかった。幼い頃から父の後継者として教育されてきた兄と違って、美園はグループの仕事に一切関わってない。そんな人間が今更戻ったところで、現場が混乱するだけだ。父も許すはずがない。だから、美園は葬儀の間、隙を見せるわけにはいかなかった。
美園が心から兄の死を悲しめたのは高坂と中庭にいたあの時だけ――
美園はただ普通に、兄の死を悲しみたかったのだ。
アベルの言葉にそれが、やっと許されたことに気づく。
「お兄ちゃん……!」
美園は子どものように号泣した。その泣き声を聞くのは、親友と愛犬だけだった。
☆
――泣きすぎた。
玄関でどれくらい泣いていたかはわからないが、美園は今、部屋着に着替えて居間のソファに座っていた。ソファの背に頭を預け、仰向いて目元をタオルで包んだアイスノンで冷やしている。
泣きすぎて熱を持つ瞼にアイスノンの冷たさは心地よかった。
膝の上には、アレックスが顎を乗せて、眠っている。
「美園。ホットタオル持ってきたよ」
レンジで温めたタオルを手にしたアベルの声掛けに、美園はアイスノンを外す。
あまりに瞼が腫れたので、先程からアイスノンとホットタオルを交互に使って、浮腫を取る応急処置をしているところだった。
「ありがとう。明日はきっと不細工ね」
照れ隠しにアイスノンをアベルに手渡しながらそう言えば、アベルはにこりと微笑んだ。ソファの背に手を付き、背後から美園の顔を覗き込んでくる。
「大丈夫。瞼の腫れはだいぶ引いたみたいだよ? それに、美園はどんな時も可愛いよ?」
美の粋を集めたようなアベルの顔を見上げて、美園は苦笑する。
ーーこの顔に言われてもなー。
「あ、その顔は僕の言うことを信じてないでしょ?」
「いや、アベルはどんな時も綺麗な顔してるなって思っただけよ」
「ありがとう。美園も本当に可愛いよ? 僕、初めて美園に会った時、お人形が動いているって思ったもの」
美しく微笑んだまま、アベルが美園の髪を一房掴んだ。肩先まで伸ばした美園の髪を指先に絡めて、さらさらとするその指通りを楽しんでいる。美園はアベルの好きにさせる。
「栗色の髪はサラサラで、健康的なクリーム色の肌に、猫みたいなくりっとした茶色の瞳が、好奇心に輝いてて、本当に可愛かったなー」
昔を懐かしむような遠い眼差しをしたアベルが、指先で弄んでいた髪に口づける。
伏し目がちに微笑む男の美貌を直下で見上げる羽目になった美園は、赤面しそうになる。
どんなきざな仕草も絵になるから、美しい人間は得だ。
――アベルは素でこれだからねー。勘違いしちゃダメ。さすが愛の国の男。
ナチュラルに人を褒めるアベルに、変な感心をしてしまう。
「……その言い方だと、今はあまり可愛くないってこと?」
素直に受け入れられない美園は、つい憎まれ口をたたいてしまう。
「まさか! 今は大人の女性として、とても磨かれてるよ? 可愛さに拍車がかかってる」
だが、敵もさるもので、さらりと褒め言葉を返してくる。こうなれば、どこまでいくのかと好奇心が湧く。
「……この背の高さの女を可愛いって言えるのはアベルくらいだと思う」
「何で? 背が高い分、美園は足が長くて綺麗だよね。ミニスカートがとっても似合う」
「いや、足出すのは恥ずかしいから」
「そう? 美園はもっとミニスカートとか履けばいいと思うよ? その脚線美を見せつけよう! それにおっぱいも大きいし」
「おっぱいかー。最後はやっぱりアベルも男だよねー」
「今更? 男はみんな女の人のおっぱいが好きだからね」
ウィンク付きのアベルの言葉に、美園は噴き出す。親友との軽口の応酬は、美園の心を軽くしてくれた。
「やっと笑ったね」
笑う美園にアベルがホッとしたように、微笑む。アベルの指が伸びて来て、美園の目元をすっと撫でた。
淡い感触にこの親友が、ずっと美園を心配してしてくれていたことが、伝わってくる。
「アベル」
「ん?」
「ありがとう」
「どういたしまして」
流れた空気は穏やかで優しいものだった。今の自分は恵まれているのだと思った。大切な人を喪って、けれど、その悲しみに寄り添って、支えてくれる人が傍にいる。独りじゃないということは、今の美園の救いだった。
この時間は四宮グループの令嬢ではない、ただの美園が自分の力で手に入れたものだ。
高坂に振られる前の美園は、人との付き合い方がわからない子どもだった。
四宮グループという背景のせいで、周りは彼女を持ち上げる人間ばかりでそれが当たり前になっていた。幼かった美園は、それこそ周りに対して、女王様のように振る舞うこともあったし、何かあればお金やもので釣るようなこともしていた。
今ではそれがひどく恥ずかしいことだとわかるが、子どもの頃は、自分や周りの行動の意味がわかっていなかった。イギリスに留学して、四宮の名も通じない場所で一人になって、やっと自分が井の中の蛙であったことを自覚した。
何度も失敗して、傷ついて、人との交わり方を美園は学んだ。当時も今もアベルは傍にいて、美園が間違えば、本気で喧嘩して止めてくれた。今も昔も、美園はアベルに頭が上がらないほどに、感謝している。
――でも、今の私に彼氏が出来ないのは、半分くらいアベルのせいよね。
十年近くをこの美貌の友人と間近に接してきたせいで、美園の理想は無意識レベルで高くなってしまっている。
ただ美園とアベルの間にあるのは友情だった。
恋愛に発展しそうになったこともあるが、お互いに恋人でいるよりも友人である方がしっくりとくると感じて、今は男女の垣根を超えた親友という立ち位置で落ち着いた。
「わん!」
いつの間にか目を覚ましたアレックスが、微笑みあう二人の間に『自分も仲間に入れて!』とばかり声を上げて、割り込んでくる。そうして、美園の顔を舐めだした。
「アレックス! やめて!」
くすぐったさに、美園は笑いながら悲鳴を上げる。
――そういえば、ハンカチ。
アレックスの舌から逃げながら、美園はハンドバックに入れたまま帰ってきてしまった高坂のハンカチを思い出す。
――四十九日の時にでも、誰かに頼んで返してもらおう。
もう会うこともないだろう初恋の男の顔をふと思い出せば、心にさざ波が立つ。
胸が疼く気がするのはきっと感傷だ。そう自分に言い聞かせる。
この時まで美園は、自分と高坂の人生が激変することをまだ、知らなかった――
ホッと安堵の息を吐きながら、美園は何とか微笑もうとする。
「大丈夫? って、そんなわけないか」
美園の顔を見下ろしたアベルが、そっと美園の後頭部に手を添えて、その額を自分の肩に押し付けた。
「美園。強がらなくても大丈夫だよ? ここには僕とアレックスしかいない」
アベルの労わるような囁き声に、美園の涙腺が決壊する。
強がっていたつもりも、我慢していたつもりもなかった。
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なのに今、親友のぬくもりに包まれてしまえば、どこにこんなに涙が残っていたのかと思うほどのものが溢れて来て、アベルの肩を濡らした。ぽんぽんと優しく背中を叩かれた。
「辛かったよね。美園はお兄さんが大好きだったもんね」
親友の心の籠った言葉に、張りつめていた美園の心が一気に緩んだ。
葬儀中も「惜しい人を亡くした」「君のお兄さんは立派な人だった」「お悔やみ申し上げます」とたくさんの弔辞をもらった。けれど、そのどれにも心なんて籠っているようには思えなかった。
必ずその後には美園の動向を伺うような、言葉や態度が見て取れてた。
父が実子にグループを継がせたがっていることは周知の事実で、兄がなくなった今、智康の子どもは美園一人。こうなれば、美園に取り入るか、婿になるかして、父の関心を買おうとする人間が蠢く場所では、常に気が張りつめていた。
美園は家に戻るつもりはなかった。幼い頃から父の後継者として教育されてきた兄と違って、美園はグループの仕事に一切関わってない。そんな人間が今更戻ったところで、現場が混乱するだけだ。父も許すはずがない。だから、美園は葬儀の間、隙を見せるわけにはいかなかった。
美園が心から兄の死を悲しめたのは高坂と中庭にいたあの時だけ――
美園はただ普通に、兄の死を悲しみたかったのだ。
アベルの言葉にそれが、やっと許されたことに気づく。
「お兄ちゃん……!」
美園は子どものように号泣した。その泣き声を聞くのは、親友と愛犬だけだった。
☆
――泣きすぎた。
玄関でどれくらい泣いていたかはわからないが、美園は今、部屋着に着替えて居間のソファに座っていた。ソファの背に頭を預け、仰向いて目元をタオルで包んだアイスノンで冷やしている。
泣きすぎて熱を持つ瞼にアイスノンの冷たさは心地よかった。
膝の上には、アレックスが顎を乗せて、眠っている。
「美園。ホットタオル持ってきたよ」
レンジで温めたタオルを手にしたアベルの声掛けに、美園はアイスノンを外す。
あまりに瞼が腫れたので、先程からアイスノンとホットタオルを交互に使って、浮腫を取る応急処置をしているところだった。
「ありがとう。明日はきっと不細工ね」
照れ隠しにアイスノンをアベルに手渡しながらそう言えば、アベルはにこりと微笑んだ。ソファの背に手を付き、背後から美園の顔を覗き込んでくる。
「大丈夫。瞼の腫れはだいぶ引いたみたいだよ? それに、美園はどんな時も可愛いよ?」
美の粋を集めたようなアベルの顔を見上げて、美園は苦笑する。
ーーこの顔に言われてもなー。
「あ、その顔は僕の言うことを信じてないでしょ?」
「いや、アベルはどんな時も綺麗な顔してるなって思っただけよ」
「ありがとう。美園も本当に可愛いよ? 僕、初めて美園に会った時、お人形が動いているって思ったもの」
美しく微笑んだまま、アベルが美園の髪を一房掴んだ。肩先まで伸ばした美園の髪を指先に絡めて、さらさらとするその指通りを楽しんでいる。美園はアベルの好きにさせる。
「栗色の髪はサラサラで、健康的なクリーム色の肌に、猫みたいなくりっとした茶色の瞳が、好奇心に輝いてて、本当に可愛かったなー」
昔を懐かしむような遠い眼差しをしたアベルが、指先で弄んでいた髪に口づける。
伏し目がちに微笑む男の美貌を直下で見上げる羽目になった美園は、赤面しそうになる。
どんなきざな仕草も絵になるから、美しい人間は得だ。
――アベルは素でこれだからねー。勘違いしちゃダメ。さすが愛の国の男。
ナチュラルに人を褒めるアベルに、変な感心をしてしまう。
「……その言い方だと、今はあまり可愛くないってこと?」
素直に受け入れられない美園は、つい憎まれ口をたたいてしまう。
「まさか! 今は大人の女性として、とても磨かれてるよ? 可愛さに拍車がかかってる」
だが、敵もさるもので、さらりと褒め言葉を返してくる。こうなれば、どこまでいくのかと好奇心が湧く。
「……この背の高さの女を可愛いって言えるのはアベルくらいだと思う」
「何で? 背が高い分、美園は足が長くて綺麗だよね。ミニスカートがとっても似合う」
「いや、足出すのは恥ずかしいから」
「そう? 美園はもっとミニスカートとか履けばいいと思うよ? その脚線美を見せつけよう! それにおっぱいも大きいし」
「おっぱいかー。最後はやっぱりアベルも男だよねー」
「今更? 男はみんな女の人のおっぱいが好きだからね」
ウィンク付きのアベルの言葉に、美園は噴き出す。親友との軽口の応酬は、美園の心を軽くしてくれた。
「やっと笑ったね」
笑う美園にアベルがホッとしたように、微笑む。アベルの指が伸びて来て、美園の目元をすっと撫でた。
淡い感触にこの親友が、ずっと美園を心配してしてくれていたことが、伝わってくる。
「アベル」
「ん?」
「ありがとう」
「どういたしまして」
流れた空気は穏やかで優しいものだった。今の自分は恵まれているのだと思った。大切な人を喪って、けれど、その悲しみに寄り添って、支えてくれる人が傍にいる。独りじゃないということは、今の美園の救いだった。
この時間は四宮グループの令嬢ではない、ただの美園が自分の力で手に入れたものだ。
高坂に振られる前の美園は、人との付き合い方がわからない子どもだった。
四宮グループという背景のせいで、周りは彼女を持ち上げる人間ばかりでそれが当たり前になっていた。幼かった美園は、それこそ周りに対して、女王様のように振る舞うこともあったし、何かあればお金やもので釣るようなこともしていた。
今ではそれがひどく恥ずかしいことだとわかるが、子どもの頃は、自分や周りの行動の意味がわかっていなかった。イギリスに留学して、四宮の名も通じない場所で一人になって、やっと自分が井の中の蛙であったことを自覚した。
何度も失敗して、傷ついて、人との交わり方を美園は学んだ。当時も今もアベルは傍にいて、美園が間違えば、本気で喧嘩して止めてくれた。今も昔も、美園はアベルに頭が上がらないほどに、感謝している。
――でも、今の私に彼氏が出来ないのは、半分くらいアベルのせいよね。
十年近くをこの美貌の友人と間近に接してきたせいで、美園の理想は無意識レベルで高くなってしまっている。
ただ美園とアベルの間にあるのは友情だった。
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「アレックス! やめて!」
くすぐったさに、美園は笑いながら悲鳴を上げる。
――そういえば、ハンカチ。
アレックスの舌から逃げながら、美園はハンドバックに入れたまま帰ってきてしまった高坂のハンカチを思い出す。
――四十九日の時にでも、誰かに頼んで返してもらおう。
もう会うこともないだろう初恋の男の顔をふと思い出せば、心にさざ波が立つ。
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