32 / 38
どちらか負けるまでソート師として永遠の勝負
魔女オータムとの戦い
しおりを挟む
私は、コミーに歩きながら言った。
「ワイアットと共に戦うのは、楽しかったな」
「そうだな。でも、それは、強い高等魔女や結界に侵入してきた魔獣を捕まえる時だけだ。それが……」
「わかってるさ。それよりも、一番身に付けたい術がある」
「なんだ?」
「ディヴァイド師サニーが魔女に手を翳して、浮かし、サークルの中に放り込むだろ? あの術を覚えたい」
「そうか。要は楽したいということか」
「ハハッ! バレたか。そうだな。それに、私がサニーが術を使って、魔女を放り込んでいるのを見ていると、自分が抱えて放り込むことが馬鹿らしく思える。まず、教えてくれ。あの術の名は?」
「サベリンだ。仕方ない。教えるか」
コミーが太い木の枝を見つけると、私に持たせて、道の真ん中に置かせた。
コミーが私に命じた。
「ジェロ。手を翳して、精神を集中して、取り敢えず、その枝を浮かせてみろ」
私は、その枝に向かって手を翳し、何度も精神を集中させて、浮かせようとしたが、ピクリとも動かなかった。
私が、しばらく続けていると、コミーが溜め息をついて言った。
「もう、そろそろ魔女を見つけないと……」
「そうだな。残念だが。しかし、魔女がすぐ見つかるとも限らんな」
そう言いながら、私は、テレポートサークルを作り、コミーと中に入った。
すると、両端が森に囲まれた道を歩くバンドルに出会った。
私は、急いでルーペで覗くと、バンドルの周りには、黒い霧やモヤのようなものがかかっていた。
そのバンドルは、魔女だった。
魔女は、私達の気配にすぐに気付き、森に向かって手を翳し、森の斜面からゴロリと巨大な岩石が転がってきた。
私は、岩から逃れようと叫びかけた。
「エヴァ……」
その時、コミーが叫んだ。
「それでは、今回は、間に合わん。強力なライラインだ!! やるしかない!!」
「わかった! やってみる!!」
岩に向かって手を翳しながら、私は、叫んだ。
「ライライン!!」
私の手から強くて太い光線が出て、最初、岩は、真っ二つに割れて、やがて、粉々になった。
「やったぞ。コミー! シャックル!!」
私は、空に八の字を描いた。
魔女の手と足は、拘束され、倒れ込んだ。
私は、テレポートサークルを作り、魔女を持ち上げると溜め息をついて、呟いた。
「サベリンの術……」
コミーが苦笑いをして、私を励ました。
「まぁまぁ、いずれ、使えるようになるさ。ハハッ……」
私は、サークルの中に魔女を放り込んだ。
ディヴァイド師サニーは、静かに待っていて、魔女を見るなり、名簿とペンに手を翳した。
そして、魔女の手中に収めさせ、呪文を唱えた。
「ドラクイエ、ドラクイエ……」
すると、魔女の指は、勝手に動き、名簿にサインさせた。
〈オータム〉
「オータム。さぁ、ヘルへ行け!!」
私は、思わず、声をあげた。
「あっ! サベリン使うんだな」
サニーは、私の言葉を無視して、テレポートサークルを作り、オータムに手を翳し、浮かし、サークルの中へ放り込んだ。
「クソー!! お前達は、何なんだー!!」
オータムは、ヘルへ堕ちた。
オータムがヘルへ堕ちると、サニーは、珍しく感情を露にして、激怒して、私に声を荒げて言った。
「ジェロ! 二度と私の邪魔をするなよ!!」
私は、申し訳なくなって、項垂れて、謝った。
「すまない。サニー……」
「ワイアットと共に戦うのは、楽しかったな」
「そうだな。でも、それは、強い高等魔女や結界に侵入してきた魔獣を捕まえる時だけだ。それが……」
「わかってるさ。それよりも、一番身に付けたい術がある」
「なんだ?」
「ディヴァイド師サニーが魔女に手を翳して、浮かし、サークルの中に放り込むだろ? あの術を覚えたい」
「そうか。要は楽したいということか」
「ハハッ! バレたか。そうだな。それに、私がサニーが術を使って、魔女を放り込んでいるのを見ていると、自分が抱えて放り込むことが馬鹿らしく思える。まず、教えてくれ。あの術の名は?」
「サベリンだ。仕方ない。教えるか」
コミーが太い木の枝を見つけると、私に持たせて、道の真ん中に置かせた。
コミーが私に命じた。
「ジェロ。手を翳して、精神を集中して、取り敢えず、その枝を浮かせてみろ」
私は、その枝に向かって手を翳し、何度も精神を集中させて、浮かせようとしたが、ピクリとも動かなかった。
私が、しばらく続けていると、コミーが溜め息をついて言った。
「もう、そろそろ魔女を見つけないと……」
「そうだな。残念だが。しかし、魔女がすぐ見つかるとも限らんな」
そう言いながら、私は、テレポートサークルを作り、コミーと中に入った。
すると、両端が森に囲まれた道を歩くバンドルに出会った。
私は、急いでルーペで覗くと、バンドルの周りには、黒い霧やモヤのようなものがかかっていた。
そのバンドルは、魔女だった。
魔女は、私達の気配にすぐに気付き、森に向かって手を翳し、森の斜面からゴロリと巨大な岩石が転がってきた。
私は、岩から逃れようと叫びかけた。
「エヴァ……」
その時、コミーが叫んだ。
「それでは、今回は、間に合わん。強力なライラインだ!! やるしかない!!」
「わかった! やってみる!!」
岩に向かって手を翳しながら、私は、叫んだ。
「ライライン!!」
私の手から強くて太い光線が出て、最初、岩は、真っ二つに割れて、やがて、粉々になった。
「やったぞ。コミー! シャックル!!」
私は、空に八の字を描いた。
魔女の手と足は、拘束され、倒れ込んだ。
私は、テレポートサークルを作り、魔女を持ち上げると溜め息をついて、呟いた。
「サベリンの術……」
コミーが苦笑いをして、私を励ました。
「まぁまぁ、いずれ、使えるようになるさ。ハハッ……」
私は、サークルの中に魔女を放り込んだ。
ディヴァイド師サニーは、静かに待っていて、魔女を見るなり、名簿とペンに手を翳した。
そして、魔女の手中に収めさせ、呪文を唱えた。
「ドラクイエ、ドラクイエ……」
すると、魔女の指は、勝手に動き、名簿にサインさせた。
〈オータム〉
「オータム。さぁ、ヘルへ行け!!」
私は、思わず、声をあげた。
「あっ! サベリン使うんだな」
サニーは、私の言葉を無視して、テレポートサークルを作り、オータムに手を翳し、浮かし、サークルの中へ放り込んだ。
「クソー!! お前達は、何なんだー!!」
オータムは、ヘルへ堕ちた。
オータムがヘルへ堕ちると、サニーは、珍しく感情を露にして、激怒して、私に声を荒げて言った。
「ジェロ! 二度と私の邪魔をするなよ!!」
私は、申し訳なくなって、項垂れて、謝った。
「すまない。サニー……」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

断罪された聖女は死んで冥王様の花嫁になる
白霧雪。
恋愛
本当の聖女(仮)が現れて、勝手に偽りの聖女とか言われて処刑されたら冥界の王の花嫁になっていた話。
冥界では温かい寝床に綺麗なお洋服を与えられ、美味しい食事にほっぺたを落としつつ、王様に溺愛される予定。
いい子ちゃんなんて嫌いだわ
F.conoe
ファンタジー
異世界召喚され、聖女として厚遇されたが
聖女じゃなかったと手のひら返しをされた。
おまけだと思われていたあの子が聖女だという。いい子で優しい聖女さま。
どうしてあなたは、もっと早く名乗らなかったの。
それが優しさだと思ったの?

異世界行って黒ネコに変身してしまった私の話。
しろっくま
ファンタジー
さてと、仕上げのパックして……と鏡を見た瞬間、月がブワッと白く発光し衝撃が全身に走った。
気がつくと、見知らぬ土地でケモノコスプレしてた私、月宮沙羅。ちなみに二十四歳、男っ気まったくなし。
ここ一体どこなのよっ、私ってばどうなっちゃうの?
週一より早いペースでも更新できそうな感じです。気長にお付き合いいただければ幸いです。
この作品、なろうさんにも掲載しておりますが、そちらより細分化して投稿する予定です。

「魔王のいない世界には勇者は必要ない」と王家に追い出されたので自由に旅をしながら可愛い嫁を探すことにしました
夢幻の翼
ファンタジー
「魔王軍も壊滅したし、もう勇者いらないよね」
命をかけて戦った俺(勇者)に対して魔王討伐の報酬を出し渋る横暴な扱いをする国王。
本当ならばその場で暴れてやりたかったが今後の事を考えて必死に自制心を保ちながら会見を終えた。
元勇者として通常では信じられないほどの能力を習得していた僕は腐った国王を持つ国に見切りをつけて他国へ亡命することを決意する。
その際に思いついた嫌がらせを国王にした俺はスッキリした気持ちで隣町まで駆け抜けた。
しかし、気持ちの整理はついたが懐の寒かった俺は冒険者として生計をたてるために冒険者ギルドを訪れたがもともと勇者として経験値を爆あげしていた僕は無事にランクを認められ、それを期に国外へと向かう訳あり商人の護衛として旅にでることになった。
といった序盤ストーリーとなっております。
追放あり、プチだけどざまぁあり、バトルにほのぼの、感動と恋愛までを詰め込んだ物語となる予定です。
5月30日までは毎日2回更新を予定しています。
それ以降はストック尽きるまで毎日1回更新となります。
【完結】聖獣もふもふ建国記 ~国外追放されましたが、我が領地は国を興して繁栄しておりますので御礼申し上げますね~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放? 最高の褒美ですね。幸せになります!
――いま、何ておっしゃったの? よく聞こえませんでしたわ。
「ずいぶんと巫山戯たお言葉ですこと! ご自分の立場を弁えて発言なさった方がよろしくてよ」
すみません、本音と建て前を間違えましたわ。国王夫妻と我が家族が不在の夜会で、婚約者の第一王子は高らかに私を糾弾しました。両手に花ならぬ虫を這わせてご機嫌のようですが、下の緩い殿方は嫌われますわよ。
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。すべて揃いました。実家の公爵家の領地に戻った私を出迎えたのは、溺愛する家族が興す新しい国でした。領地改め国土を繁栄させながら、スローライフを楽しみますね。
最高のご褒美でしたわ、ありがとうございます。私、もふもふした聖獣達と幸せになります! ……余計な心配ですけれど、そちらの国は傾いていますね。しっかりなさいませ。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2022/02/14 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2022/02/13 小説家になろう ハイファンタジー日間59位
※2022/02/12 完結
※2021/10/18 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2021/10/19 アルファポリス、HOT 4位
※2021/10/21 小説家になろう ハイファンタジー日間 17位

俺の娘、チョロインじゃん!
ちゃんこ
ファンタジー
俺、そこそこイケてる男爵(32) 可愛い俺の娘はヒロイン……あれ?
乙女ゲーム? 悪役令嬢? ざまぁ? 何、この情報……?
男爵令嬢が王太子と婚約なんて、あり得なくね?
アホな俺の娘が高位貴族令息たちと仲良しこよしなんて、あり得なくね?
ざまぁされること必至じゃね?
でも、学園入学は来年だ。まだ間に合う。そうだ、隣国に移住しよう……問題ないな、うん!
「おのれぇぇ! 公爵令嬢たる我が娘を断罪するとは! 許さぬぞーっ!」
余裕ぶっこいてたら、おヒゲが素敵な公爵(41)が突進してきた!
え? え? 公爵もゲーム情報キャッチしたの? ぎゃぁぁぁ!
【ヒロインの父親】vs.【悪役令嬢の父親】の戦いが始まる?

【完結】役立たずになったので身を引こうとしましたが、溺愛王子様から逃げられません
Rohdea
恋愛
───あなたのお役に立てない私は身を引こうとした……のに、あれ? 逃げられない!?
伯爵令嬢のルキアは、幼い頃からこの国の王太子であるシグルドの婚約者。
家柄も容姿も自分よりも優れている数多の令嬢を跳ね除けてルキアが婚約者に選ばれた理由はたった一つ。
多大な魔力量と貴重な属性を持っていたから。
(私がこの力でシグルド様をお支えするの!)
そう思ってずっと生きて来たルキア。
しかしある日、原因不明の高熱を発症した後、目覚めるとルキアの魔力はすっからかんになっていた。
突然、役立たずとなってしまったルキアは、身を引く事を決めてシグルドに婚約解消を申し出る事にした。
けれど、シグルドは──……
そして、何故か力を失ったルキアと入れ替わるかのように、
同じ属性の力を持っている事が最近判明したという令嬢が王宮にやって来る。
彼女は自分の事を「ヒロイン」と呼び、まるで自分が次期王太子妃になるかのように振る舞い始めるが……
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる