バウンダリ-ソート ―WITCH HUNT―

ナカムラ

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あるソート師の誕生

魔女アビゲイルとの戦い

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 私が、テレポートサークルを作り、コミーと中に入ろうとすると、私の首根っこを掴んで、バンドルがサークルの中に引き入れた。

「変な空間ができたから、気になったんだ。怪しい。やっつけてやる!!」
「私は、お前の方が怪しいと思うがな。いいぞ、戦ってやる!!」

 私は、魔剣を手に握った。
バンドルも、剣を握って、剣で戦う振りをした。
 しかし、バンドルは、手のひらから、光線を出してきた。
 私は、黒いマントで、顔まで覆った。
次に、バンドルは、剣をこちらに向けてきた。
 マインアイで、私は、相手の剣の動きを見て、魔剣を交えた。

 それにしても、マインアイは、精神を集中しなくては、ならない。
しかも、実際に目で見るより、私の力が足りないのか、マインアイでは、ぼやけて見えた。
剣を交えるのも、難儀であった。

 しかし、私がすぐに目でマントの中から見ようものなら、そのバンドルは、手のひらから光線を出してくる。

 ーやるな。このバンドルー

 私は、本当は、早くルーペで覗いて、バンドルが魔女だということを、はっきりと確認したかったが、その時間さえ、与えてくれなかった。

 そのうち、バンドルは、光線を剣で戦うより、多く出してきた。
ーまずい。こんなに光線がマントに当たっては、終いには、マントに穴が開いちまうー

 私は、マインアイで、相手の動きを見ながら、右へ左へ、たまには、宙に一回転して浮かびながら、避けた。
 魔剣で四角い空間を作るエヴァケーションを使う余裕さえ与えてくれなかった。

 ーなかなか、強いぞー
 
 私は、マインアイで、魔剣をバンドルの肩に当てた。
 バンドルは、真っ黒い血を流しながら、しゃがみ込み呻いた。
「ウッ!」

 コミーは、叫んだ。
「ジェロ、今だ。シャックルだ!!」
 私は、八の字を空に描いた。
バンドルは、手と足が拘束され、倒れ込んだ。

 私は、黒いマントを見ると、やはり、複数箇所に焦げた後があって、しばらくすると、消えた。

 やっと、私は、ルーペで覗いた。
 私は、ほとんど魔女だということを確信していたが、サニーに、責められることが嫌だった。
やはり、そのバンドルの周りには、黒い霧やモヤのようなものが、かかっていた。
 私は、コミーに言った。
「コミー、やはり、このバンドルは、魔女だ」
 
 私は、テレポートサークルを作り、その魔女を持ち上げて、放り込み、私とコミーも中に入った。

 ディヴァイド師サニーは、待ちくたびれていた。
「今回は、手こずったな。でも、よく、やったぞ、ジェロ」
「うるさい。偉そうに。この魔女を早くヘルへ行かせろ」
「わかってるよ。待ってろ」
 そう言うと、名簿とペンに手を翳した。
そして、魔女の手中に収めさせ、呪文を唱えた。
「ドラクイエ、ドラクイエ……」
 すると、魔女の指は、勝手に動き、名簿にサインさせた、
〈アビゲイル〉
「アビゲイル。さぁ、ヘルへ行け!!」
 そして、テレポートサークルを作り、アビゲイルに手を翳し、浮かし、サークルの中へ放り込んだ。
 アビゲイルは、無言でヘルへ堕ちた。
私は、コミーに言った。
「中々、手強い相手だった。ヘルに行く時に無言とは、魔女としての誇りもあるな」
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