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マイルズの死神カレン

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 次の日、ジョセフは、皆に声をかけた。
「行くぞ。皆。人間の血を吸いに」

 マイルズは、その言葉を聞いて、座っていた椅子から腰を浮かせた。
ジョセフは、すぐに笑って止めた。
「ハハッ! 何を一緒に行こうとしている? マイルズ」
「えっ? でも、私も行くのでは……」
「お前は、まだ早い。ノア、悪いがマイルズに呪術の訓練をつけてやれ」
「あー、わかった。残念だな。もしかして、今日……」
マイルズがノアに訊いた。
「何ですか? ノアさん」
「いや、何でもない。気にするな。マイルズ。それよりも、これから、訓練するぞ。外に出ておけ!」
「はい、わかりました」

 ノアは、ジョセフにこっそりと言った。
「たぶん、そろそろ、マイルズを消滅させる死神が現れる頃だが、それを聞けばマイルズの元騎士としての血が騒ぐだろう。なぁ、ジョセフ」
「そうだな。一緒に行くと意固地になられては、困るからな」

 人間の血を吸う通りに出ると、老婆が現れた。
老婆は、言った。
「私は、マイルズを消滅させる死神カレンだ。お前達、マイルズと一緒にいるようじゃが、マイルズは、どこじゃ?」

 ジョセフは、笑って言った。
「なんだ。マイルズの死神は、こんなばあ様か。ワッハッハ! すぐに倒せそうだな」
「うるさいわ!!」

 そう言うと、死神カレンは、ジョセフに手を翳した。
ジョセフが呟いた。
「もしや……」
そう言いながら、ジョセフは、その場から、急いで離れた。
ジョセフの横を風が通り抜け、間一髪のところで、避けることが出来た。

 ジョセフは、死神カレンに言った。
「お前みたいな。呪術を使える死神を初めて見たかもしれん。侮れんな!!」

 ジョセフは、小声でローズとブルーノに指示した。
「ローズ、ブルーノ、人間の血を溜めておけ。ここは、任せろ」
ローズが言った。
「わかったわ。人間の血の方は、任せて」

 残ったジョセフとアリスとオリバーで死神カレンと戦うことになった。

 ジョセフとアリスとオリバーは、死神カレンを囲み、次々と、手を翳して攻撃したが、右へ左へ宙返りをしたりして、全ての攻撃を避けた。
攻撃をされている間にも、死神カレンは、ジョセフ達に、次々と手を翳した。
しばらくして、死神カレンは、ジョセフが手を翳したところで当たったが、死神カレンのカマが同時にアリスの肩に当たった。

「ウッ!」
アリスは、呻いた。
「大丈夫か?」
ジョセフが駆け寄った。
「ええ。それより、今のうちに逃げましょう」

 死神カレンは、街路樹に打ちつけられて、気を失っていた。

 ちょうど、ローズとブルーノも人間の血を溜めて、戻ってきた。

 皆、寝床に急いで逃げた。
ジョセフが今、起こったことを言おうとすると、ノアが驚いた様子で言った。
「マイルズ。呪術で、私のことをもう、吹き飛ばしたぞ」
マイルズは、笑った。
「ハハッ! こうですか?」
マイルズは、ノアの方に手を翳し、ノアは、吹き飛んだ。

 ノアは、怒って言った。
「ワーッ! 今、やるな!!」
「へへッ! すみません」
マイルズは、頭を掻いた。
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