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新たなヴァンパイアの仲間シャロン

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 ノアは、シャロンをお姫様抱っこして、運ぼうとした。
しかし、まだ意識が残っていたシャロンは、それを拒否しようとした。
「止めてください……あなたになんて……運ばれたくない……」
そう言うと意識を失った。

 ノアは、珍しく項垂れながら、シャロンを抱き上げて、寝床まで運んだのだが、道すがら、ずっとノアは、シャロンに謝り続けた。
「すまぬ、すまぬ、すまぬ……」
オリバーは、ノアの気持ちを察して言った。
「ノア、わかります……辛いですよね……」
ノアは、静かに頷いた。

 ジョセフは、ノアが抱きかかえていたシャロンを見て驚いた。
「ノア、そのヴァンパイアは、一体……。それにしても、昔のアリスにとても似ている……」
アリスは、少し怒った様子だった。
「昔のってどういうこと?」
ジョセフは、慌てた。
「いや、今も美しいが……」
オリバーが微笑んでジョセフを援護した。
「アリス、きっと今は、数々の死神との戦いで美しさに強さが加わったということだと思います。そうですよね。ジョセフ」
「そうだっ!そういうことだっ!」
ジョセフは、焦って言った。

 その頃、ブルーノは、呪術の訓練を続けていた。
小枝は、やはり、割れることは、なかった。

 ジョセフは、困ったように腕を組んだ。
「また、ヴァンパイアを増やすのか。もう、これ以上は……」
ノアは、ジョセフに懇願した。
「すまぬ。本当にすまぬ。しかし、シャロンは、とても、か弱い。すぐに、死神に首を狩られてしまう。頼む。ジョセフ、シャロンを仲間に入れてくれ!」
「わかったよ。そんなに私が頼むのは、珍しいもんな」

 シャロンが目を覚ますと、ずっと泣き続けていた。
「何で私がこんなことに……うっ……うっ……」
アリスは、横に付き、シャロンの頭を撫でていた。
「大丈夫。大丈夫……」

 ローズは、オリバーに自分の溜めた血を銀のワイングラスに移し渡した。
「私は、あなたが何故、先頭を歩くのか、わからないわ。人間の血も吸えないクセに」
オリバーは、申し訳なさそうにして銀のワイングラスに注がれた血を飲んだ。
「その通りだな。すまないな。ローズ」
ジョセフは、その様子を見ていて、ローズをたしなめた。
「いい加減にしろよ。ローズ」

 ローズは、そう言われた途端、鋭い眼光に変わった。
「わかっているわよ。オリバーは、近々、大活躍するわ。ねっ!オリバー」
ジョセフは、ローズの言葉を聞いて納得したように頷いた。
オリバーだけが、ポカンとして呑気な表情をしていた。
「えっ? なんのこと?」

 その通りになることを、すぐに皆は、知ることとなる。
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