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死神クライドがいなくなった謎

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 ジョセフ達は、今日も暗くなると、人間の血を吸いに通りを歩いた。

 すると、死神クライドは、すぐに現れた。
ノアは、呆れて言った。
「おい、死神クライド、お前、毎回私達に倒されているのに、よくもまぁ、性懲りもなく、現れるな。もう、諦めろよ」
「何を言っている。私は、ブルーノを今回こそ、消滅させてやるぞ!!」
 ノアは、笑った。
「ハッハッハ!それでは、毎回、倒されれていることは、認めているような口振りだな」
死神クライドは、怒った。
「うるさい!こうなったら、ここにいるヴァンパイアども、全て、消滅させてやる!!」

 ノアは、オリバーに言った。
「おい、オリバー、たまには、お前が死神クライドのこと倒してやれ!!」
死神クライドは、笑った。
「ハハッ!こんな弱そうなヴァンパイアが、相手か。知ってるぞ。お前は、いつも、ビクビクしているな」
オリバーは、怯えながらも、片足を一歩出して言った。
「う、うるさい!私が相手だ……」
「えっ? 何だって? 聞こえないぞ、オリバー!!」
「私が相手だと言っているのだ!!」

 そう言うと、オリバーは、死神クライドに手を翳した。

 すると、死神クライドは、吹き飛ばされ、街路樹に頭を強打した。
死神クライドは、しばらく、意識を失った。

 ジョセフ達は、寝床には、逃げずに死神クライドが、意識を失っている間、人間を追いかけては、牙で首元にかぶり付き、血を吸った。

 ノアが言った。
「おーい! オリバー以外、人間の血を皆、吸ったか? ローズ、オリバーの分の血は、溜めたか?」
皆、返事をし、ローズも言った。
「はいよ。オリバーの分、私が溜めておいたよ」

 ノアは、オリバーに言った。
「オリバー、今度から、死神クライドは、お前が倒せ。それにしても、死神クライドは、弱っちいな」
オリバーは、自分の役割を与えられて、嬉しそうだった。

 オリバーは、毎回、死神クライドを手を翳して倒した。

 すると、ある日から、パタリと死神クライドは、ジョセフ達の前に現れなくなった。
ジョセフ達は、最初、不思議に思ったが、そのうち、気にしなくなった。
 ただ、オリバーだけは、自分の役割が終わってしまったので、酷く落ち込んだ。
 ローズが追い打ちをかけるように、意地悪く言った。
「残念だったわね。死神クライドがいなくなって。あなたは、また、臆病なヴァンパイアに逆戻りね」
オリバーは、悔しそうに、でも遠慮がちに言い返した。
「そんなことない……でも……まあ……その通りだな」

 しばらく、伸び伸びと、ジョセフ達は、人間の血を吸うことができた。

新しいブルーノを消滅させる死神が現れるまでは……。
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