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ヴァンパイア ブルーノ

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 次の日、ジョセフは、言った。
「ノア達は、初めてだな。他の国へ来ることが。どうだ。気分は?」
ノアは、不機嫌そうに言った。
「何を偉そうに、気に食わぬ!!」
アリスは、笑った。
「ウフフッ!」
オリバーは、ローズのことを心配していた。
「ごめんね。ローズ、私のせいで……」
「オリバー、もう、いいのよ! 聞き飽きたわ!!」
ノアが言った。
「そろそろ、私達の時間だ。さぁ、人間達の血を吸いに行くぞ」

 ジョセフ達は、人間の血を吸うため、通りを歩いた。
 オリバー以外、ジョセフ達は、自分達の腹が満たされるまで、人間を襲い、血を吸った。
 
 ある人間を抑え込み、ノアは、牙で首元を狙おうとしたところ、その人間は、ノアの腹部を思い切り拳で殴った。
 ノアは、少し、苦しくて腰を曲げたが、更に相手を強く抑え込み、改めて首元にかぶりつき血を吸った。

 しばらくすると、その男は、髪が銀色になり、赤い眼になり牙が生えた。
 そのヴァンパイアは、言った。
「あれ、私は、どうなったんだ?」
ノアが言った。
「お前は、ヴァンパイアになった。じゃあな」
ノアが、ジョセフ達と去ろうとすると、そのヴァンパイアが言った。
「おい、置いていかれても困る。私は、どうすれば……私も一緒に連れて行ってくれ」
ノアが嫌味っぽく言った。
「お前は、私に反撃した。お前だけでやっていけそうだがな」
そのヴァンパイアは、慌てて言った。
「いや、困る。私も連れてけ。私は、ブルーノだ。よろしく頼む」
「だから、駄目だと言っているだろう……」
 そうノアが言いかけると、アリスが割って入って言った。
「いいじゃない。仲間は、増えた方がいいわ」
ジョセフが言った。
「あまり、増えてもなぁ」
ブルーノは、頼み込んだ。
「頼む。頼む」
ノアが言った。
「まぁ、いい。付いてこい」

 ジョセフ達が寝床に着くと、アリスは、早速ブルーノに血が入った銀のワイングラスを渡した。
「何だか、喉が異常に渇いていたところだ。ありがとう」
そう言って、一気に飲むと、ブルーノは、渋い顔をした。
「何だ。ワインだと思ったのに、凄い不味い。なんだ、これ。」
アリスは、笑って言った。
「それは、血よ。ヴァンパイアには、ワインは、飲めないわ」

 その後、皆で喋ったりして、しばらくすると、皆は、眠りについた。

 ノアが眠っていると、気配を感じ、慌てて目を開いた。
 すると、ブルーノが、ノアの上に馬乗りになり、短剣で刺そうとしていた。
「ノア、お前のことを許したと思ったか。私をこんなことにしやがって!」
ノアは、ブルーノの短剣を避けると、ブルーノの顔を殴った。
 騒ぎを聞き付けたジョセフ達が起きると、ブルーノは、寝床から逃げた。

 ジョセフ達は、逃げたブルーノの後を、追った。
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