ねこ会議

ナカムラ

文字の大きさ
上 下
2 / 4

白熱する会議

しおりを挟む
 議長ブルーノは、言った。「んんっ。では、仕切り直そう。失礼した。」「議長!」隊長ボンファーツは、言った。「お前も、休みたいのか?」呆れるように、議長は、言った。「違います。木の上から、縄の網を落とすのは、どうでしょう。一網打尽に、してしまうのです。」隊長カスパーは、言った。「しかし、上手くいくとは、思えん。外れたら、皆逃げてしまうでは、ないか。」ボンファーツは、言った。「そんなことは、ない。皆腕のいい訓練された兵士達だ。」カスパーは、言った。「しかし、上手くいくとは、思えん。外れたら、皆逃げてしまうでは、ないか。」ボンファーツは、言った。
「言っただろ!そんな失敗することは、ない!お前は、自分の軍隊も、信じないのか?」カスパーは、怒って言った。「なんだと!貴様!信じているに決まっているだろう!」議長が、割って入った。「お前達、ここは、議会の席だ。そんな酷いケンカのようなことは、やめるのだ。」2人は、議長に、謝った。「失礼しました。議長。」カスパーは、続けた。「では、どうするボンファーツ。」ボンファーツは、言った。「仕方ない。では、失敗した時のために、兵士で包囲しよう。」「そうか、そうだな。それがいい。」カスパーは、言った。
「お前ら、手ぬるいぞ!我らは、正攻法で、1人ずつ、闘えあえば、よいのだ!」隊長アルバンは、言った。「しかし、作戦がないと…。」カスパーは、言った。「そうだカスパー、お前の軍隊は、そんなに弱いのか?」ボンファーツは、言った。「なぜ、お前は、いつも、そういうのだ!」カスパーは、怒って言った。議長が、また、割って入り、「だから、2人とも、ケンカのようなことは、やめよ。」2人は、また、謝った。ボンファーツは、言った。「しかし、それでは、作戦にならぬ。」アルバンは、折れて、言った。「それも、そうだな。何か作戦を考えねばな…。」
その時だった。「議長!」隊長クルトは、手を挙げた。「申し訳ないが、私の軍隊は、新しく入った者ばかりだ。だから、まだ、力がない。だから、後ろから応戦したい。」アルバンは、怒って、言った。
「何ということを言うのだ。ここに弱きな軍隊など要らぬ。すぐにここを去れ!」クルトは、困ったように言った。「あくまで事実だ。事実を言うのも大切だと思って…。」アルバンは、呆れた表情で「話に、ならん。」と、言った。議長は、言った。「まあまあ、仕方ない。クルトの言うことは、受けとめた。」アルバンは、言った。「では、クルトの言うことは仕方ないとして、作戦は、どうするのだ。」
「そうだ。こういうのは、どうだ。」アルバンは、続けた。「戦地に行く前の敵国の軍隊の通り道の所で、不意討ちをするのだ。そうすれば、敵が、気を抜いているところを、討てる。この作戦は、どうだ?」クルトは、言った。「そんなに、上手くいくものか。相手も戦地に行くまで、気を張っているだろう。」アルバンは、怒って、言った。「弱い軍隊のクルトは、余計な口を出すな。」しかし、皆も、
口々に、言った。「そうだ。自分たちのことを考えると、クルトの言う通り、ずっと、気を張っているぞ。」アルバンは、諦めて、言った。「では、皆も、作戦は考えよ。」皆は、腕を組み、黙ってしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

愛する貴方の心から消えた私は…

矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。 周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。  …彼は絶対に生きている。 そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。 だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。 「すまない、君を愛せない」 そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。 *設定はゆるいです。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

ねこじゃんけん

心符
ファンタジー
これは、私と二匹のネコたちによる、ほんのささいな物語です。 多少…非現実的な内容があるかもしれませんが、ファンタジックに考えていただければ幸いです。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです

山葵
ファンタジー
昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。 今は、その考えも消えつつある。 けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。 今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。 ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。

処理中です...