5 / 7
『クズアルファは巣作りグッズも作ります』ハロウィンおまけ
◇オメガ視点◇
しおりを挟む
「ハロウィンパーティーに行きたい」
閉店後の厨房で、こっそりお願いの練習するおれ。
オメガのじーちゃんから継いだ食堂は、今もおれ一人でやってるんだ。番がうるさいから、朝と昼だけの限定営業に妥協しつつ。
上目遣いのがイイかな? おれはオメガっぽい見た目じゃないから、似合わないか。
うーん、さらっと普通のテンションでおねだりがイイかな?
番を持ったアルファは、二通りに分かれるらしい。
オメガを囲い込んで、監禁愛になっちゃうタイプ。
と、オメガを飾って磨いて、まわりに見せびらかすトロフィーにしちゃうタイプ。
おれの番は完全に後者だから……うぅ……ずいぶん丸っこい平凡なトロフィーだ……
だから、ご近所さんや地元の同中の友だちと集まるのはオッケー出る、ハズ!
運命の番だって主張する明広に、問答無用でヒートさせられた。嚙まれた。勝手に婚姻届を偽造された。このレイプ魔の犯罪者め。
でも、まー、時々ケンカしながら、ソコソコ仲良く夫夫で暮らしてると思う。
番は変態アルファだけどね!
◇
「ね、明広。おれ、週末ハロウィンパーティーしたい」
「いいね。直にぴったりの良い衣装があるんだ」
キタ。
東京からおれの地元の繊維の街に移住した後も、明広は洋服作る会社を経営してる。
おれの着る服は、パンツ一枚から毎日ぜーんぶ、明広の管理。クローゼットの片付け方も理解不能で、どこに何をしまってるのか、よーわからん。
アルファの限界越えてクタクタに疲れると、明広はおれの服を集めて巣作りするんだよね。アルファなのに。
普段はシュッとしてて笑顔の圧が強いやり手なのに、ぐずぐずに溶けて眠っちゃう……ほんと甘やかしたくなる。
「新しく開発した生地なんだ」
ほうほう。
取り出して見せられたのは、二十センチ幅の長くて真っ白でふわふわの……布? リボン?
「衣装は?」
「ミイラ男だ」
「えー、やだ」
「これを直の裸にぴったり巻いていけば、ここのこういう美しいシルエットが活かされて」
明広が仕事着のTシャツ越しに、おれの胸を撫でた。そのまま、おなかをぽよんぽよん楽しんで、おしりの谷間をツンツンしてくる。
「や……んっ、ああ……」
「ほら、今のシャツの素材だと、立った乳首がわかるだろう?」
ソコは触られてもないのに、いつの間にか立ち上がってて、ぷつんとはっきり主張してる。
明広の右手が、キュッと乳首のとこを摘んだ。
「新素材は、白に染めてもこの薄さで透けないんだ。伸縮性も抜群」
「あぁあっ!」
摘ままれて、押し潰されて、引っ張られる。
「その上、吸湿速乾性にも優れている。直が何で濡らしても、すぐにサラサラだ」
今度は、きれいな形の唇がTシャツごとパックリ咥える。べっちゃり濡れて、スケスケ。
「ん、くっ……ん、ふぁっ!」
やっと体が解放された。胸が冷たくてスースーする。
「はぁ……包帯はやだ! そんな恥ずいカッコでパーティー出たくないよ!」
「直には絶対似合う。私が保証する」
「うぅ……変態……明広の趣味じゃん……」
「そうだな。私の服を私の番に着せるのが好きだ。きちんとサイズが合っている服は、直をより可愛くすると心底思う」
重いはずのおれをヒョイッと抱え、腕の中に納める。
「ハロウィンだけが仮装する機会だろう? 直も年に一度、私の手で私の特別な衣装を着てみたくはないか?」
明広がとろけるように微笑んで、おれを覗き込む。
「……う……じゃあ……ちょっとだけなら……お試しなら、着てみてもいいけど……」
「ありがとう、私の番、愛している」
チュッチュッと丸い噛み跡にキスされる。
くそぉ……絆されてしまう……
閉店後の厨房で、こっそりお願いの練習するおれ。
オメガのじーちゃんから継いだ食堂は、今もおれ一人でやってるんだ。番がうるさいから、朝と昼だけの限定営業に妥協しつつ。
上目遣いのがイイかな? おれはオメガっぽい見た目じゃないから、似合わないか。
うーん、さらっと普通のテンションでおねだりがイイかな?
番を持ったアルファは、二通りに分かれるらしい。
オメガを囲い込んで、監禁愛になっちゃうタイプ。
と、オメガを飾って磨いて、まわりに見せびらかすトロフィーにしちゃうタイプ。
おれの番は完全に後者だから……うぅ……ずいぶん丸っこい平凡なトロフィーだ……
だから、ご近所さんや地元の同中の友だちと集まるのはオッケー出る、ハズ!
運命の番だって主張する明広に、問答無用でヒートさせられた。嚙まれた。勝手に婚姻届を偽造された。このレイプ魔の犯罪者め。
でも、まー、時々ケンカしながら、ソコソコ仲良く夫夫で暮らしてると思う。
番は変態アルファだけどね!
◇
「ね、明広。おれ、週末ハロウィンパーティーしたい」
「いいね。直にぴったりの良い衣装があるんだ」
キタ。
東京からおれの地元の繊維の街に移住した後も、明広は洋服作る会社を経営してる。
おれの着る服は、パンツ一枚から毎日ぜーんぶ、明広の管理。クローゼットの片付け方も理解不能で、どこに何をしまってるのか、よーわからん。
アルファの限界越えてクタクタに疲れると、明広はおれの服を集めて巣作りするんだよね。アルファなのに。
普段はシュッとしてて笑顔の圧が強いやり手なのに、ぐずぐずに溶けて眠っちゃう……ほんと甘やかしたくなる。
「新しく開発した生地なんだ」
ほうほう。
取り出して見せられたのは、二十センチ幅の長くて真っ白でふわふわの……布? リボン?
「衣装は?」
「ミイラ男だ」
「えー、やだ」
「これを直の裸にぴったり巻いていけば、ここのこういう美しいシルエットが活かされて」
明広が仕事着のTシャツ越しに、おれの胸を撫でた。そのまま、おなかをぽよんぽよん楽しんで、おしりの谷間をツンツンしてくる。
「や……んっ、ああ……」
「ほら、今のシャツの素材だと、立った乳首がわかるだろう?」
ソコは触られてもないのに、いつの間にか立ち上がってて、ぷつんとはっきり主張してる。
明広の右手が、キュッと乳首のとこを摘んだ。
「新素材は、白に染めてもこの薄さで透けないんだ。伸縮性も抜群」
「あぁあっ!」
摘ままれて、押し潰されて、引っ張られる。
「その上、吸湿速乾性にも優れている。直が何で濡らしても、すぐにサラサラだ」
今度は、きれいな形の唇がTシャツごとパックリ咥える。べっちゃり濡れて、スケスケ。
「ん、くっ……ん、ふぁっ!」
やっと体が解放された。胸が冷たくてスースーする。
「はぁ……包帯はやだ! そんな恥ずいカッコでパーティー出たくないよ!」
「直には絶対似合う。私が保証する」
「うぅ……変態……明広の趣味じゃん……」
「そうだな。私の服を私の番に着せるのが好きだ。きちんとサイズが合っている服は、直をより可愛くすると心底思う」
重いはずのおれをヒョイッと抱え、腕の中に納める。
「ハロウィンだけが仮装する機会だろう? 直も年に一度、私の手で私の特別な衣装を着てみたくはないか?」
明広がとろけるように微笑んで、おれを覗き込む。
「……う……じゃあ……ちょっとだけなら……お試しなら、着てみてもいいけど……」
「ありがとう、私の番、愛している」
チュッチュッと丸い噛み跡にキスされる。
くそぉ……絆されてしまう……
0
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
シャルルは死んだ
ふじの
BL
地方都市で理髪店を営むジルには、秘密がある。実はかつてはシャルルという名前で、傲慢な貴族だったのだ。しかし婚約者であった第二王子のファビアン殿下に嫌われていると知り、身を引いて王都を四年前に去っていた。そんなある日、店の買い出しで出かけた先でファビアン殿下と再会し──。
ひとりのはつじょうき
綿天モグ
BL
16歳の咲夜は初めての発情期を3ヶ月前に迎えたばかり。
学校から大好きな番の伸弥の住む家に帰って来ると、待っていたのは「出張に行く」とのメモ。
2回目の発情期がもうすぐ始まっちゃう!体が火照りだしたのに、一人でどうしろっていうの?!

お客様と商品
あかまロケ
BL
馬鹿で、不細工で、性格最悪…なオレが、衣食住提供と引き換えに体を売る相手は高校時代一度も面識の無かったエリートモテモテイケメン御曹司で。オレは商品で、相手はお客様。そう思って毎日せっせとお客様に尽くす涙ぐましい努力のオレの物語。(*ムーンライトノベルズ・pixivにも投稿してます。)

巣作りΩと優しいα
伊達きよ
BL
αとΩの結婚が国によって推奨されている時代。Ωの進は自分の夢を叶えるために、流行りの「愛なしお見合い結婚」をする事にした。相手は、穏やかで優しい杵崎というαの男。好きになるつもりなんてなかったのに、気が付けば杵崎に惹かれていた進。しかし「愛なし結婚」ゆえにその気持ちを伝えられない。
そんなある日、Ωの本能行為である「巣作り」を杵崎に見られてしまい……

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

成り行き番の溺愛生活
アオ
BL
タイトルそのままです
成り行きで番になってしまったら溺愛生活が待っていたというありきたりな話です
始めて投稿するので変なところが多々あると思いますがそこは勘弁してください
オメガバースで独自の設定があるかもです
27歳×16歳のカップルです
この小説の世界では法律上大丈夫です オメガバの世界だからね
それでもよければ読んでくださるとうれしいです
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる