R18『死を賭す友に勃つ薬』 #惚れ薬自飲BL

元のお話

【#惚れ薬自飲BL、全年齢用】
　　2022.02.11.
　　Twitterより、転載。

1/6 「お前を愛してる」 　 薬の残骸を握ったまま、俺はそう告げる。狭い掘っ立て小屋の寝台に腰掛け、畑仕事で荒れた両手を広げた。瓶が木の床に跳ねる。 「何を飲んだっ？」 「惚れ薬。お前、ずっと俺を好きなんだろ？」 　立ち尽くすその背は、村を出た時よりもスラリと伸びた。

「そんな怪しいクス「犬死にさせたくない。行くな」 　出陣前の騎士らしく整えた銀髪が、頼りなげに揺れる。 「君は私のことなど全く「俺はおっぱいのデカイ女が好きだ。お前の気持ちに応えられんから、軍人になるのを友として見送った。だが……な」 　惚れ薬が効いたのか、吐く息が熱く、乱れる。

無骨な俺の太腕とは違う。計算された靭やかな筋肉を引っ張る。あっさり膝の上に手をついてくれた。 「皆が行くなって散々言っても、腐った王に操立てて、戦う気だろ？」 「私は騎「だから、体で引き留める」 　幼い頃から一緒にいた。もっさり大きい俺を、ちょこまか追いかける心優しい幼馴染み。

ひたむきに剣技を磨き、いつの間にか強くなった。潤んだ瞳で見つめてくるようになり、諦め顔で離れていった。一番の友。 「なあ、死ぬ前に、最期に、俺に会いに来たんだろ？　勃ったら、お前を抱いてやれ……る、か、ら」 　滾った芯を、作業スボン越しに擦りつける。 　目の前で、溜息が漏れた。

柔らかい碧眼が、獣の色を宿す。 「私が、君を抱きたい」 「そっちか！」 　大義名分の無い負け戦で、お前を失うぐらいなら。 「早く、抱け」 　薄い唇がおそるおそる俺を塞ぐ。存外柔らかい。 「俺は、お前を……愛、して……る」 【R18 自主規制】 「おはよう」 　ちょ、わ、体中が痛い。

「朝の畑仕事は終わった。寝ていろ」 「え？」 「私だって、元々村の子だからな」 　甘く微笑む顔を直視できない。赤面してモゾモゾと毛布に隠れる。 「ああ、それと。念の為だが、水を飲め。瓶の中身は薬じゃなかったぞ。一口程度の油だ」 　ならば、昨晩のアレは？　 「うそ、ええええええ」 了